恋愛・夫婦の心理学

今が辛いのに手放すことができない心理

今のパートナーとの関係は正直辛い。でも別れるべきかどうか悩んでしまう。

次、またいい人が現れるとは限らないと思うと、今の関係を終わらせたくないし、自分が頑張ればいいのかなと思ってしまう。

今の仕事が自分にあっていないと思う。けれど、辞めると考えると不安で決められない。

次もまた同じような気持ちになるのなら、今の仕事でもいいような気分になる。

けれど、実はもう今の仕事に限界を感じている。

このような「今を手放したほうがいいのかもしれないけれど、決断することが難しく悩む」というご相談をお受けすることがあります。

これ、本当に悩ましい問題で、今が辛いのに決められないとなると苦しさ倍増なんですよね。

まるでしんどいのに身動きが取れないと感じるので。

ただ、この状態は「決めてしまえば身動きが取れる」と分かっているということでもありますよね。

なので、決められない自分を責めてしまう人も少なくないんですよね。

ということで、「何かを手放せない」という状態がどのような心理的背景によって生じるのかについて、今日はコラムにしてみます。

手放す方法ではなく「手放せない・決められない背景」ですね。

よろしければどうぞ。

手放しとは「前向きな諦め」でもある

手放してスッキリしている女性

そもそも「手放し」とは、「前向きな諦め」のようなものでもあります。

よく「手放し」について、次のような解説がなされることがあると思うんですね。

例えば「彼を手放しましょう」という話があるとしましょう。

・自分にも彼にも自由を与える意味で手放しましょう。
・手放してもいいと思えるほど、彼の幸せを願ってあげませんか。
・手放すことであなたもこだわりを捨てられますから心が楽になります。

これは前向きな意味で「こだわりを緩めて(諦めて)みましょう」という意味でもあります。

諦めるということは「こだわらない」ということ。

そもそも「こだわり」とはネガティブな意識の一つなので

「ネガティヴな意識を使って今を見ないようにしましょう」

「もっとポジティヴな意識を使ってこれからを見つめていきましょう」

という意味になることもあります。

 

それがなかなかできない、いわば「やりたくない」と思っているならば

「どれだけ今が辛く、理不尽な状況で苦しい」と感じていても

その状況にこだわりたいと思う何らかの理由で握りしめている」

ということになりますね。

言い換えるなら

「今が辛い、苦しいという状況を前向きな意味で諦めて、ポジティブな意識の使い方をしたくないと思ってる」

と言いかえられます。

諦めない意思に「目的」が存在するなら問題になりにくい

今がどれだけ苦しくても諦めたくない。

これ、なんだか「ものすごい大きな目的がありそうな話」だと思いません?

例えば、

あるスポーツでトップになりたいという夢と目的があるから、今の練習がどれだけ辛くても諦めない。

これはきっと素晴らしい、美しい話なんだと思うんです。

これは諦めないというより「努力して目的を達成する意思がしっかりと存在する」ということですから。

そんな目的があって「今の状況を選んでいる」としたら、今がどれだけ苦しくとも、まだ前向きな気持ちを保ちやすいかもしれませんね。

「大切な何かを失う」という意識が強いと今の辛さを選ぶ

いわゆる執着なども、その人の意識上では

「努力して目的を達成する意思がしっかりと存在する」と感じているのだろう

と僕は思いますよ。

ただ、執着など「今が辛くても諦められない(手放せない)」という状態は

諦めることで「自分の大切な何かを失う」と感じているときに生じるものなんでしょうね。

目的を達成するのではなく、何かを失うと思うから執着となるという話です。

・今の自分では二度と得られないと思えるものを失うのは嫌だ
・やっと手に入れたものを失うことはつらすぎる
・今あるものを失ったら、自分はひどい目に合う(損をする)

これは自分の目的達成が意識されているわけではなく

「そもそも自分には素晴らしいものが得られない」という気持ちにとらわれていることを意味していることが多いです。

もちろんそれはとても不安だし、苦しいことなんですよ。

ただ、これは「前向きな目的のために諦めない」という話とは違うのです。

例えば

「こんなにいい人、他にはいない」
「私から好きになれた人はあの人だけ」
「パートナーシップなんて無理だと思っていたけど、ようやく彼ができた」
「自分には無理だと思っていた大きな会社に入ることができだ」

そう思えば思うほど、強制的に「今を失ったら次はない」って感じませんか?

だから、人によっては

「今が辛く苦しい状況でも、まだなにか良い状況に向かう可能性があるのではないか」

と考えてしまうのかもしれません。

愛情と執着の違いについて愛情と執着の違いについて今日はまとめています。そもそも執着とは「自分のためになにかにしがみついている状態」で、相手を愛している状態とは全く異なるものなのですよ。...

今の状況では目的を達成できないと知っているから苦しい

また、もし、次のようなことが自分の中で起きているとしたらどう思いますか。

 

自分の中に叶えたい目的があり

「今のこの状況(今の関係)ではその目的を達成できない」

そう自分がどこか感じている。

 

人によっては

「せっかく手に入れた今のこの状況では、自分の目的を達成することができない」

と知ってしまうことで、自分や未来に絶望を感じる場合もありえますよね。

それこそ「せっかく手に入れた今」が、結果的に自分の救いではなかったと知ることになるのでね。

こうなると「今が辛いなら手放すほうが正解、楽だ」と自分で分かっているのだけれど

一方で、もうこれ以上絶望したり生きる意味を感じない経験をしたくはない、なんて思うのでしょう。

だから、今のままでは自分の望む目的は達成できないと分かりつつ

何もかもなくなってしまうぐらいなら、今あるもの・状況の中で生きていけばいいという気持ちになるのでしょうね。

ただ、このように感じているときも

「今の状況では自分の目的を達成できないと知っているから苦しい」のかもしれませんね。

今が辛いけど行動できない人の思考パターン

さて、ここからは「今が辛いのに手放すことができない人」の考えぐせについてまとめておこうと思います。

実は今が辛いのに手放せない人ほど、その内面で完璧な答えを求めがちなんです。

言い方を変えるなら「可能性が0%のこと」もしくは「可能性が100%のこと」に意識が向いていることが多いようですよ。

「うまくいくかもしれないし、そうではないかもしれないし」と思えることになかなか興味が持てないこともあるようです。

だから実際のご相談でも

「今の彼と別れるなら、その後で100%幸せになれる方法がほしい」
「今の彼と別れたあと、絶対に不幸にならない方法を知りたい」
「それが分かっているならば、手放してもいいかもって思う」

なんてお話を伺うことがあります。

「今、彼を手放して、いいことがあるかもしれないし、より悲しい思いをするかもしれない」としたら

「それでは今を手放すことなんてできない」と思いやすいんですよね。

ただ、このときも「自分がどうなりたいか」や「自分の叶えたい目的」を見ているわけではないんです。

だから、もし、万が一「今の彼と別れたあとで100%幸せになる方法」が分かったとしても、おそらく幸せは実感できないのです。(そもそもそんな方法はないけど)

自分の本当の目的に向かって歩いているわけではないからですね。

目的意識がある人の思考パターン

一方、目的意識があり物事に積極的にチャレンジできる人ほど

いわば成功確率50%あたりの物事に興味を持ちやすい傾向があるんですよね。

逆に言えば、まったく失敗しないであろうこと、もしくはまったく不可能なことにはあまり興味をもたないことが多いようです。

恋愛でいうならば

絶対にこの人とは無理、と思う人は選ばない。
この人から興味をもたれることはないな、と思う人も避ける。
自分をすぐ好きになってくれる人の気持ちは慎重に扱う。
最初から全力で落としにもいかない。(恋愛ハンタータイプは除く)
嫌なことははっきり言える。いいことははっきり承認できる。

そんな感じです。

今が辛いのに手放すことができない状態から抜け出すヒント

今から幸せになると決める人の手

自分の目的を表現できるように

今の状況が辛くて「なにかが違う」と気づいているならば

自分の目的、望むものよりも、別の何かを優先している場合が多いはず。

つまり、あなたは

「自分ではない他の誰かのために生き続けていないでしょうか」
「人や物事に関わることを恐れているのではないでしょうか
「自分を知られることをめっちゃ恐れていないでしょうか」

と思うのですよ、僕は。

その根っこには、恥に対する意識が根強く存在するのかもしれません。

恥をかきたくない、失敗したくない、ダサいと思われたくない、人の役に立てない、などなど。

もちろん、それが悪いわけでもないですよね。

そんな気持ちがあったとしても、自分のやりたいこと、叶えたいことを表現してもいいんですよ。

そんな自分に近づいていくために、次のようなことを意識するといいですよ。

自分の価値をコツコツ積み上げて受け入れよう

実は「自分が劣っている」といった劣等感を動機に行動すると

自分の目的、やりたいことを抑えてしまいます。

恥ずかしいんですよ、自分の目的、夢、やりたいことを述べることが。

何だかキモって思っちゃったり、人に馬鹿にされるんじゃないか、と思う人もいますよ。

(だったら、あなたが人の夢や希望を馬鹿にしない人になればいいだけなのですが。)

でも、それこそが劣等感の目的で、自分が積極性を持たない理由となることも少なくないんです。

あ、もちろんそれがダメなことだって意味ではなく、自分の目的を生きられなくなる切なさを生むという意味です。

 

ただ、あなたにとって大切な時期に「積極的に前に出ること」ができないと、後悔するんじゃないでしょうか。

だから、いつも積極的に、というよりは(すべての人が積極的とも限りませんし)

あなたにとって大切なときに前に出られる自分になればいいですよね。

そのために、何かを失うことばかり考える時間と同じぐらいの時間をかけて

「自分の良さ、強み、素晴らしさ」を実感して自分の中に入れていくことをオススメしたいわけですな。

それはもうコツコツと積み上げていく感じでね。

その上で、自分から与える、人に関わること。

かつ、人の好意や評価は受け取って自分の内面に入れることがオススメです。

最後に

自分の目的を生きているならきっと前向きな考え方ができるものです。

例えば、今が辛くとも目的がある状態ならば

友達に別れたほうがいいと言われても「嫌だ、別れない」と思うでしょう。

そういった人は「彼が私の気持ちを受け取ってくれません」とはあまり悩まないのかもしれません。

そんな彼のこともまるっと受け入れて愛せちゃうんだと思います。

(もっと上手に愛する方法を探しておられるのかもしれませんし。)

 

でも、「今のままでは自分が幸せになれない」と気づいているなら、そうは思えないでしょう。

このあたりの違いを明確にしていくには「本当にやりたいことに気づいているかどうか」が重要なのです。

この気づきをもたらすために、自分の劣等感や、それベースの発想を手放すことが求められることも少なくないんですよね。

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