恋愛の心理学

仲の良い友達ができない理由と友達を作る自分になる方法

浅野カウンセラーへの質問

こんにちは、いつもブログ拝見させていただいています。

質問は「どうしたら仲の良い友達ができるのか」です。

(中略)

私には親友と呼べる友人がいません。今はパートナーもおらず、同僚の女性とも距離ができています。

子供の頃から友達と呼べる人が少なく、いい思い出もあまりありません。仲良くできそうな人がいても、私の方から拒絶してしまうこともあります。

こんな自分を変えたいと思ってきましたが難しいです。

どうしたら仲の良い友達ができるようになりますか。

ネタ募集ネーム:rieさん (一部編集させていただいています)

はい、rieさんおまたせしましたm(_ _)m

今日はあなたのご質問にお答えしたいと思います。

ご質問は「どうしたら仲の良い友達ができるか?」ですね。

では、僕なりの回答です。よろしければご覧くださいね。

「友達がいないことが悪いことではない」から始めよう

友達がいない部屋

さて、今回いただいたようなご相談をいただいた際に

「友達がいないことが悪いことではないですよね」

とお伝えすることが多いんです。

まぁ、そうお伝えすると「何言ってるの、このカウンセラー。こっちは悩んでいるのに」と思われるかもなー、ごめんなさいねー、なんて思いつつお伝えしているのですが(^^;

確かに友達がいないことで寂しさを感じることがあるかもしれないし、友達が多い人を見ると羨ましく思うこともあるかもしれません。

また、友達や仲間がいないことで一人で頑張るしかない現実も多くなるかもしれません。

が、それは友達がいないから生じることであって、友達がいないことが悪いことだと考える必要はないことなんですよ。

だから「友達がいない、少ないということで自分を責める必要はないですし、自分がだめなんだと思う必要もないのかもしれません」なんてお伝えしたいわけですね。

自分を悪者扱いしながら人と関わること難しい

なぜこんなことをあえて先に書いているのか、にも理由がちゃんとあるのですよ。

それこそが「自分を悪者扱いしながら(好きな)人と関わることはとても難しいこと」だから。

そもそも自分自身が相手に遠慮しちゃうでしょうし、相手と関わるだけで「悪いなぁ」と感じやすくなりやすいんです。

また、自分を悪者扱いしすぎると、対等な関係が作りにくくなるので、要は「気を使いまくる関係」になりやすいんですね。言い方を変えれば「失敗できない」と思いやすくなるといいますか。

このような意識を持つことがしんどくて人と関わりたくないと思う人もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

友達がいないではなく「作らない」のだとしたら?

友達がいない部屋

このような意識のあり方を理解できてくると

実は「友達がいない」という現実は

自分自身が「友達を作らないように振る舞ってきた結果」

と、ご理解いただけるかもしれません。

もちろん、友達を作らないような態度をとってきた事実がいい悪い、という話ではないんですよ。

ここにこだわってもこの問題は解決はしないだろうと僕は思うのです。

むしろ、自分の中に何かしらの事情があって「友達を作らないような態度をとってきた」としたら、その事情こそが友達がいない理由になる、ということになりはしないでしょうか。

そして、その事情を理解して訂正を加えていけば、友達がいない理由はなくなるわけです。

言い換えるなら、人と関わる理由ができる、といいますかね。

つまり、自分が悪いからだとか、魅力がないから、ダメだから友達がいないのだ、なんて発想はいらんのだよ!とお伝えしたいだけなのですけどねぇ。

自分から友達を作らない事情・あれこれ

友達がいない女性

さて、ここからは「自分から友達を作らない事情」について考えていきたいと思います。

人が友達を作らない理由は、まさに人それぞれだと言えます。

例えば

  • 一人のほうが気楽。友達がいてもいいけど、いなくても問題ない。
  • 友達は欲しいけど、嫌われたくなさすぎて作らない。
  • かつて友達関係で痛い思いをしたから作らない。
  • 友達と関わるとなぜか感情的になってしまう。だから自分から作らないようにしている。
  • コンプレックスがあって、友達が欲しくても怖くて人に近づけない。

など、これ以外にも様々な理由がありますよ。

ただ、先に上げた例の中で「一人のほうが気楽。友達がいてもいいけど、いなくても問題ない」だけは、ある意味友達を作らないことに自分がいい意味で納得しやすいメリットを感じている状態とも言えそうです。

友達がいないことが問題でなければ、友達を作る理由もいらないわけですからね。

ただ、それ以外の例は「友達を得るメリットを感じつつ、しかし友達をつくることへの抵抗感を感じている状態」と見ることもできそうです。

友達がいない人ほど悪影響に敏感な側面があります

だとしたら、この状態は

「友達を作った時に、相手に悪影響を与えてしまうことに敏感に反応している」

と考えることもできそうなんですよね。

どこかで「私は友達にいい影響を与えられない」だとか「悪い影響を与えてしまう」と考えすぎて(感じすぎて)いるのかもしれませんよ。

だから、友達をつくることに激しい抵抗感を感じるのかもしれません。

人は相手に影響を与えることで自分の影響力を知るもの

実は、友達がいないとか、少ないという実感をお持ちの方ほど

「自分の影響(いい面・悪い面含めて)を相手に伝えないように過ごしている」

とも言えるんです。

実はこの「自らの影響が相手に伝わっている」という実感や経験が少ないと、「自分が相手にどのような影響を与えられるか」がわからなくなるんですね。

言い換えるなら、人は相手に影響を与えることで自分の影響力を知るものなのです。

相手を喜ばせたり、ときにはうっかり嫌な気分にさせることによって、「あぁ、自分にはこんな影響力があるんだよな」ということを学び、その影響力の使い方を自分なりに知っていくのです。

平たく言えば「ここでこの言葉を使ったら、相手が落ち込むかもな」とか「私が相手にこう言えば、相手はきっと喜ぶんじゃないか」なんて学びが、自分の影響力を自覚し、上手に使う学びになっていくということですね。

「友達を作らないこと」が「友達を思うこと」となる瞬間

友達がいない一人の女性

しかし、自分が相手に悪影響ばかり与えてしまう、という思いが強い人ほど、「相手に影響を与える(≒相手と関わる)」ということを避けがちなんですね。

なぜ避けるかといえば「相手に悪影響を与えたくないから」なのですけども・・・。

その結果、相手に悪影響を与えないためには、関わらなければいいんだ、と思いやすくなるといいますかね。

だから、自分から悪影響を与えないようにもなるのですが、いい影響を与える場面も少なくなるので、「相手に良い影響を与えられるという経験や自信」を感じにくくなるのです。

すると、「人にいい影響を与えられず、悪い影響を与えてしまうなら、友達は作らないほうお互いのためになるのでは?」と考えるようにもなるでしょう。

つまり、友達が欲しいと思っていても、同時に「友達を作らないことが友達を思うこと」になってしまうので、友達を作れなくなる人も少なくないようですよ。

心の反応としては、それこそ回避(自分から関わることを避けている)となるのだけど、その反応には「それこそ相手のためになる、という大義名分」が備わっているわけですよ。

こうなると、その逆「友達を作る・友だちになりたい人に自分から関わる」ことが「むしろ悪いこと」と認識されるようにもなるんですよ。

 

たまにこんなことを言う人いませんか?(対人関係でも恋愛でも)

「僕とは関わらないほうが君のためになるよ。だから別れたほうがいい。」
「私はあなたが思うようないい女じゃないの。だから一緒にいないほうがいいわ。」
「私と一緒にいてもあなたは楽しくないと思う。だからいつも申し訳ないの。」

これ、人によっては「断るための都合のいいセリフ」として使われることもあるのですが、中には心からそう思っている人もいるわけです。

このような人ほど「自分はあなたにいい影響を与える自信がないから、近づかないほうがあなたのためになるわ」と伝えることが良いことだと信じているのでしょう。

だから、友達や人との関わりを作らない、のです。

むしろ「友達を作らない事情」が「正しさ」の仮面をかぶった状態で登場してくるとも言えます。

 

だとしたら、僕は「友達がいない・作らない人」が考えているであろう

「相手にいい影響を与えるために友達を作らない選択を考えた事実」は一旦肯定させてもらいたいな、と思っているのです。

「あなたは友達を作らない、人と関わらないという形で、相手に誠意や好意を示してきたのかもしれませんね」

なんて思うわけでございますな。

なので、僕はこの記事の最初に「友達がいないことは悪いことじゃないよ」とお伝えした次第なのです。

ここで友達がいない自分が悪いと思うなら、友達と関わらないという形で示してきた好意をすべて否定することになりかねない。

それは不要なことだし、そこまで否定されるとしたら、正直「もうやってらんねー」と思うしかなくなるだろうなーなんて思うわけでございます。

人と関わらない形の愛なんてものはないのかもしれない

ただ、友達がいないことが悪いわけではないけれど

自分自身が友達がいないことで寂しい、悲しい、切ない思いをするなら

それこそ「友達を作らないという好意の示し方こそが犠牲だ」と理解できると思うのです。

言い換えるなら、自分が超切なくて、かなり寂しい思いをする「愛」なんてあるのかい?という話ですよ。

もっと言うならば「実際に関われる人との関係において、自ら関わらない形の愛なんてものは成立しないぜ」なんて思うわけです。

(もちろん「どのように関わるか」という視点は必要ですし、恋愛などの別れ際などでは、良い別れ方を選択することも「関わり方」になるのですけどね。)

例えば、家族に罪悪感を覚えているお父さんが「俺がいないほうが家族のためになるだろう」なんて考えるなんて例が典型的ですけどね。

そのお父さんの気持ちも理解できるのですよ。

また、家族も「お父さんがそうしたいなら放っておこう」なんて思うのかもしれないですよね。

ただ、この場合、お父さん側は「俺がいると迷惑になる」と思っており。

家族側は「お父さんに俺がいないほうがいいと思わせてしまった」なんて罪悪感を感じることのほうが多いはずなんですよ。

その罪悪感を愛の代わりにしたところで、お互いが喜べるわけねーでしょ、が僕の意見です。

この考え方を「友達がいない」というご質問に当てはめるとしたら

「自分が関わらないほうが相手のためになると思えば思うほど、自分も相手も罪悪感に塗れることになるぜ、ベイビ〜」

ってことなんです。

この発想を「相手への好意」「自分が相手のためにできること」など、「愛の代わり」にしているうちは、あなたが友達を作らないように振る舞うだろう、ってことなんです。

それこそが「犠牲」だからこそ、あなたが友達を作っても作らなくても苦しい思いをするのだろう、と僕はお伝えしたいわけですな。

友達を作る自分になるためにできること

つながり

犠牲的な関わり方は選択しないぞ!と心に刻もう

自分から相手と関わって、相手のために与えること。

それこそが犠牲ではない、人とのつながりをつくる方法なんでしょう。

たとえそれが失敗したとしても、相手にいい影響を与えなかったとしても、それにチャレンジしていくこと。

それこそが「愛する」ということにつながるものです。

逆に言えば、愛せないなら関わらなきゃいいわけですし、関わらないということは「相手は愛してもらえていないと思う」、ってことです。

なので、友だちを作りたいなら「私が関わらない方が相手のためになる」なんて犠牲的な関わり方は選択しないぞ!と心に刻みましょう。

それができるほどに、自分を見つめて許したり、自分の心にダメージが有るならばそのケア・手当をしてみてくださいね。

(※このようなダメージは一人で癒やすより、誰かと関わって癒やすほうがいい場合もあります。人との関わりでできたダメージは人との関わりで癒やすことが重要といいますか。なので、このあたりがカウンセリングが得意としているサポートでもありますね。)

完璧を求めず、許しを学ぼう

また、もし友達を作りたいならば、自分発の影響を過剰に恐れないことも重要です。

特に「相手に悪影響を与えてしまうことの恐れ(嫌われる恐れ)」をどう乗り越えるかが重要なのでしょうね。

まぁ、この部分こそ、心が傷ついたまま(親子関係や対人関係の中で受けたダメージが残ったまま)で癒やされていないと、最も難しく、最も恐ろしく感じる部分かな、と思います。

ここでは「許しの概念」を学ぶ必要があるのかもしれません。

「自分の失敗は訂正すればいいこと」
「人の失敗を事情も理解せず判断して責めるのではなく、理解して許すこと」

それによって、自分もまた完璧ではないけど許されるし、そうやって誰かに見守られて生きてきたのだな、と実感すること。

許しの概念が理解できていないと「私は絶対に失敗を許されない」というプレッシャーが常にかかってしまい、結局「失敗するぐらいなら人と関わらないでおこう」と考えてしまうのでしょう。

つまり「相手に完璧に悪影響を与えないなんてことはできないかもね」と知ることも大切なことといいますかね。

どんな素晴らしい人であっても、それは難しいことなんですよ。

むしろそのマイナスの要素を許し合える関係こそ、友達や親友と呼べる間柄なんじゃないでしょうか。

与える意識にシフトチェンジしよう

自分は相手に良い影響もそうではない影響を与えてしまうけど

「自分のベストを尽くして友達のために関わってみよう」
「友だちの前で笑顔でいよう」
「私は友達のことが大切だ」と思い、その思いのとおりに行動してみよう。

そんな与える意識にシフトチェンジにチャレンジしてみるといいでしょうね。

例えば

「どないしたら友達に喜んでもらえるだろうか」
「大好きなアイツの顔を笑顔にできるだろうか」
「アイツが困ってたら誰よりも先に駆けつけて支えてやんねん」

そんな事を考えて実践したり、そんな気持ちでいることでしょうね。

特に自分発の良い影響力を実感できること

「それが相手に伝わって何かしらいい作用を起こしている」

という体験ってある意味欠かせないことだと僕は思うんですよ。

人は失敗もするし、思うように結果が出ないこともあるし、ときには大切な人を傷つけてしまうこともある。

でもね、それだけじゃない「私にできること」「私発の愛情や癒やし」が実感できているとしたら、大切な人の前で自分を隠さなくても済むわけですよ。

だから、実際に、既にあるいい対人関係に気づいて大切にしたり、自分から与えていく行動を取ることで、自分の良い影響力に気付けることもあるでしょう。

このような良い影響力に気づくこともまた、友だちが作れないとお悩みの方にはいい効果をもたらすと思います。

「うーん、確かに言いたいことは分かる。でも自分のできることにそんなに価値を感じられないんだけど」

なんて思われたならば、それこそ自分を見つめ直すときかもしれませんよ。

あなたが思うほどあなたは無力ではない。あなたならではの「いい影響力」を発揮できるのです。

それを信じられるほど、自分を信じてみる、癒やしてみるのもいいんじゃないでしょうか。

 

以上、長くなりましたが今日はこのへんで。

なにか参考にしていただければ幸いです。

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