怖がることより、怖がっている自分を否定するほうが問題になる

「怖れを抱く自分を許すと楽になることもありますよ」
最近は「親密感への怖れ」にまつわるお話でお伝えすることが多いんですけどね。
何事においても「怖がること」を苦手にしている人が少なくないようです。
実際のカウンセリングでも意外と多い「怖いことを避け続ける」という問題があるのですが
これって「自分自身が怖れを感じることが嫌」だから、怖いことを避けているという話なんですよね。
ただそれだけなら、そこまで理解することが難しくはならないと思うのです。(実際、避けている怖れを引き受けることは大変かもしれませんが。)
なかなかにして難しい話になることが多いパターンは
「怖がりな自分を変えたい」と思いながら、「怖がる自分を否定し続けている」というケース。
こうなると「怖がっている自分」を責めたり、問題扱いすることに終止してしまい。
一向に「怖がる自分が変わらない」なんてことにもなるんですよね。
だからまぁ僕としましては
「怖がること自体、まぁしゃーないと受け止めてみるのはどうでしょう」
なんてお話をさせてもらうこともしばしばです。
怖がりは悪いことでもなんでもない
そもそもですね。
怖れに対する感度ってのは人それぞれで違うものです。
だから、怖いと感じる状況も場面も違って普通なのです。
例えば、僕は人前で喋ることをそこまで怖れません。まぁ慣れてしまったといえばそうかもしれません。
が、僕の知人には「絶対人前でなんて喋りたくない!怖すぎる!(緊張しかしない)」という方がいます。
これってね、優劣の話じゃないんですよ。
お互いの感じ方の違い、という話なのです。
逆に言えば、僕は40半ばにして、未だジェットコースターが大嫌いで、もし僕を乗せようとする人がいたとしたら、3世先まで恨む準備ができているほど苦手なのです(^^;
その姿は、おそらくジェットコースター好きな方からすれば、笑えると思うんですよ。
このように人それぞれで怖いと感じることは違うもの。
違うからってダメなわけでもなんでもないのです。
だから、怖いと感じること自体、そこまで問題にしたり、少なからず怖がりな自分を責めても何も変わらない、ぐらい思っておいていいと思います。
ただ、怖れが強い時ほどなかなか思えないかも、とも感じていますけどね。
ただ怖れは放っておくと膨れ上がることも事実
怖れって感情は放っておくと膨れ上がる性質がある、とも言えるんですよ。
例えばAという事柄で怖れを感じると、それに関連するBという事柄まで怖くなる、ようなイメージです。
具体例をあげると、失恋して恋愛が怖くなった人がいるとしましょう。
そこでの怖れの対象のは「失恋すること」なのですけども。
次第に「恋愛すること」「気になる異性と接すること」「人に興味を持たれること」などが怖くなるような場合もあるんですよね。
誤解を恐れず書くならば、怖れってのは意識すればするほど膨れ上がるし、本来怖がる必要のない何かまで怖くなることがあるんですよね。
だから、怖がりさんって自分を責めるんだと思うんです。
あれこれ怖れを感じるもんだから、そんな自分を責めて怖がらないように必死だって方も少なくないと思うんです。
自分を責めているときは怖さをダイレクトに受け止めなくていいですから。
ただ、自分を責めても怖れが消えるわけじゃないところが切ない部分かもしれませんが。
あと余談ですけどね。
何かしらに馴れることは、その馴れが勝手に膨れ上がることはあまりないんですよ。
例えば、Aという事柄に馴れたとしても、Bという事柄にまで馴れることはない。
具体例をあげるとすれば、僕は人前で話すことには馴れていますが、実はプライベートで1対1で話すことはそこまで得意じゃないんです(^^;
まぁそれには色々理由があるわけですけど、自主規制しときます。
・・・話がそれてますけどね(^^;
まぁ自分を困らせるレベルの怖れってのは放っておいてどうにかなることも少ないように思うので、膨れ上がる前にケアしておきたいものかもしれません。
怖れを抱く自分を許す
だから、もしあなたが何かしら怖いと思うことがあったら
なぜ怖いのかを知ることも大切ですが
「あ、私、今、怖がっているんだな」
と自分を受け止めてみることも大切です。
とはいえ、怖れに手を焼いている人ほど、なかなかそう思えないものかもしれません。
が、少し客観的な視点を使って自分を見つめてみるだけでも、随分と気分は変わりますよ。
だから、怖いという気持ちを他人に話して分かってもらうだけで楽になるのだろう、と僕は思うのです。
人に話して分かってもらうことは、どこか自分の感情を客観視している、ともいえそうですからね。
だから、親密感への怖れであれ、自分を知られることの怖れであれ、
「あぁ今自分は怖れを感じているんだな」
と見つめてみると、そこまで怖がらずに次の気持ち、発想にたどり着けるかもしれません。
何より怖がっている自分を責めても怖れは消えない。
そう考えて、怖がりな自分を責めている自分でさえも、丁寧に見つめ直してみたいところですよね。
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