人を信じるということはある意味美しいことですよね。
僕たちの世界では信じなくていい部分まで信じることを愚直と呼ぶこともありますが、しかし、人を信じないより信じたほうがうまくいくこともたくさんあるでしょう。
だからこそ、誰かを信じて傷つくとしたらやはり辛いし、傷つけば「もう信じない」と思うことだってあり得ると思うのです。
また、自分が誰かの信頼を裏切るとしたら、許されないよな、と思うこともあるでしょう。
だからってわけではないのですけど、カウンセリングの中で「男性の気持ちがどうしても信頼できない」というお声を伺うことがあるのです。
ただ、このとき「一体何が信じられないのか」という部分を誤解してしまうこともよくあることのようです。
今日はそんな話を、いつも通り極めていいねを押しづらい内容のまま、サクサクまとめて書いていきます。
よろしければどうぞ。
もし、今、信じられないことが「私の愛する覚悟」だったとしたら
例えば失恋や離婚のケースが最も典型的な事例なのですが、自ら「この人と」と思った相手と言い争うことになったり、愛し合えず離れることになったとしたら、やはり辛い気持ちになると思うのです。
もう忘れよう、相手のことは手放そうと思っても手放せない場合もあるのではないかな、と僕は思うわけです。
ただ、このとき最も辛いのは愛し合えなかったことだけではないのです。
例えば「この人と一緒にいると決めたこと」を翻さざるを得なくなった自分に失望したり、「一緒にいると決めたけれど、それが難しくなってしまった自分」に深く失望してしまうことも少なくないんですよ。
つまり「自分の選択(決断)を疑ってしまっている」ということも十分ありえるのです。
いわば「私が決めた愛する覚悟」という部分です。
これを後悔と呼ぶこともあるのかもしれませんけどね。
特に恋愛や結婚という関係性の話では
「あの人を選んだのは私」「この人だと信じた私」
といった、いわば「愛すると決めた自分」がいるはずなのです。
「本当にこの人でいいのかな」と思いながらも、しかし「好きだと思うから愛してあげたい」と思って、パートナーを選んでいくわけですよね。
そこにはやはり「自分なりの決断や覚悟がある」といえないでしょうか。
たとえ自分の決断や覚悟が中途半端だったと感じても。
不安の中で決断した影響で、どこか気持ちがブレていたとしても。
自分が相手を選び、大切にしようとした事実はしっかりと存在するのではないでしょうか。
だからこそ、「自分が選んだ人」との関係が悪化することが辛いわけですし、分かり会えないことで深く自分に失望してしまうこともあるでしょう。
その結果、意識的には「どうして相手は〇〇なんだろう」と考えてしまうことが多いと思いますし、そのように考えること自体、自然なことなのかもしれませんよね。
ただ、その時起きていることは「私の決断への疑い」や「失敗感」によって自分を責めざるを得ない状態になっているのです。
人によっては「私の見る目がない」だとか「私の決断が間違っていた」と感じてしまう場合もあるようです。
このような気持ちと「そもそもの私の決断・覚悟」を受け止めてくれなかった男性に対して「信用できない」と感じてしまうのかもしれません。
もしそうだとしたら「男性の気持ちが信じられない」と感じても不思議ではないよな、と僕は思うわけですけどね。
きっとその根っこには大切な気持ちが存在しているのでしょうから、その気持ちを理解しないパートナーを疑ったとしても不思議ではないと言いますかね。
「信頼したのは私」を大切にしよう
もし、今、最も信じられないことが「男性の気持ち」ではなく「私の愛する覚悟」だとしたら。
このとき必要なのは「もう一度男性を信頼すること」よりも先に「その覚悟の価値を取り戻すこと」になるのです。
いわば、自分の選択、決断、愛情の価値を取り戻すということです。
少なくとも僕は「あなたがこの人と一緒にいると決めたこと」には大変な価値があると思うのです。
たとえ上手に愛せなかったとしても、うまく気持ちを伝えられなかったとしても、そこにあるあなたの気持ちは大変に尊いものではないでしょうか。
むしろ、そこに価値がないと感じてしまうことが激しい苦しみへの入り口だろうとさえ思います。
それぐらい人を愛する、好きになる、大切に思うことには価値があるわけですよ。
だからこそ、その気持ちが伝わらなかったとき、痛みを感じることもあるのでしょうね。
もちろんその痛みは丁寧に癒やされるべきことで、泣きたいときは泣いて、後悔するならその気持ちを信頼する人と分かち合うなど、きっちり癒やすことが求められるのかもしれません。
しかし、痛み故に自分の決断を疑ったり、自分に失望してしまうとしたら、それは手放していい要素だと思いませんか?
もちろんなかなかすぐには癒やしきれないほどに深い痛みや失望になることもあるでしょう。
過去の男性を思い出すだけで腹が立ったり、悲しい気持ちになることもあるでしょう。
そのあなた自身が「相手を愛そうと決断した」ということだけは忘れてほしくないな、と僕は常々思っているのです。
確かに自分がどのような恋愛を選ぶのか、パートナーを選ぶのかは、自分の選択です。
ときには自信のなさや自己肯定感の低さが影響して、辛い関係を選んでしまうこともあるのかもしれません。
であったとしても、「相手を愛する」と決めたのならば、そこにはやはり価値があるのだと思うのですよ。
だから、どうか自分に伝えてあげてほしいのです。
「私の覚悟や、愛する決断には大変な価値も意味もあるんだよ」と。
たとえその気持ちが上手に相手に伝わらなかったとしても、自ら「それが間違いだった」と思うことこそ、最も辛いことではないでしょうか。
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