日常に使える心理学

「ある」と「ない」のお話。

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僕が男性のカウンセリングをさせていただく機会があると、ホントによく感じることがあるのです。

やっぱり男性は「何かを守ろう」という愛情表現をするものだなぁ、と。

ここで言う「守る」という言葉にはいろいろな意味があるんです。

例えば愛する人をいろいろな苦難や不幸から守り抜こうとする意味合いもあり。
経済的にもパートナーを支えて守ろうという意味もあり。

それは時として「相手の感情を守ろう」とする意味も含んでいたりします。パートナーが辛い思いをしないように、悲しい思いをして泣かないように、苦労をさせて冴えない顔をさせないように、などなど。

そのために毎日の仕事を懸命に頑張ったり、どんな苦しさや辛さを抱え込んでいる男性もいらっしゃいます。もちろんどこかで自分のプライドのためという側面もありますが、誰かのために・・・という思いを持った成熟された素晴らしい男性はたくさんいらっしゃいますね。

しかし、私たちはやっぱり万能ではなく、できないことはたくさんあり、頑張っても答えや成果が出ないこともある。

自分なりにどう頑張ってもパートナーの顔が冴えない。笑顔が生まれない。喜びを感じているようには思えない。

男性がパートナーとの間でそんな「壁」にぶつかったとき、男性の中でいろいろな感覚が生まれ、時として問題を作ることがあるようです。

そこで生まれる感覚の代表的なものが「自分は不十分である」といった感覚であることはとても多いのです。そして男性はこの「不十分さ」をとても嫌います。

僕自身、こんな経験をしたことがあるんですね。これはとても些細な経験なのですが、僕の中での「男性ってこんなにも不十分さを嫌う」ものなんだな、と、同じ男としても強く感じた経験なので、少しご紹介したいと思います。

今から数年前、僕がある会社に勤めていたときのこと。

その日はとても暑い夏の日でした。仕事で汗をべったりかいて外から帰ってきた僕に、その当時の上司(もちろん男性)は「ごくろうさん」と労いの言葉をかけてくださったわけです。

そしてその時、上司の気遣いで、普段は下げることのない空調の温度を何度か下げてくださったのです。もちろん僕はその事に気づいていませんでしたが・・・。

むしろその時の僕はそれどころではなく、汗だくで暑くて暑くて仕方なくて、手元にあったうちわでガンガンあおいで涼をとっていたわけです。

ただ社内では当然のように空調温度設定は28度!というルールがあり、本当に夏は強い日差しの入るオフィスだったためもあり、涼しいといった感じではなく、むしろ若干過ごしにくい感じ。だからこそうちわをあおぐスピードはふだんの倍速で、長い間「暑い暑い・・・」とうなだれていたわけなんです。

そして、しばらく時間が経って。まだうちわを使い続ける僕。PCに向いながらバタバタ、そしてカタカタ・・・。ちょっとお恥ずかしい話なんですけれど。

そんな僕に上司がこんな言葉を伝えてきたのです。

上司:「いい加減にしろよ、お前・・・」

ハッとして上司の方を見ると、彼は僕にこう続けてきたんですね。

上司:「いつまでバタバタあおいでいるんだ!」

えっという顔で上司の顔を見つめる僕がそこにいたのです。そこで怒る?と思っちゃったんですね・。

僕:「失礼しました、あまりに暑いもので。すみません。」

その時は、きっと上司はあまりにバタバタあおいでいる自分に対して、みっともないからいい加減にしろ!と言っているのだと思ったのです。確かにそうですね・・・。

しかし、上司はこう続けます。

上司:「十分に空調は効いているはずだ!」

ん?!と思ったんですね、その時に。なんで空調のことを言い出すんだ?と思い、おもむろに空調の操作パネルを見ると・・・温度が下がってることに気づき・・・。

あぁ、そういうことだったのかとひどく納得したのです。

上司は僕がいつまでも暑いとうちわを使い続けていたその事に怒っていたわけではなかったんですね。そうではなくて「もう十分に空調は効いているはずだ、俺が下げたんだから。」と言いたかったのでしょうね。

結局のところ、僕のうちわをバタバタさせている姿は「上司の思いに対して不十分だ」というメッセージを送っていたのでしょう。僕にそんな意図は全くなかったとしてもです。

特に自立的な男性ほど感情的に不協和な状態に置かれると、その状態にある不快感などを解消するために怒りという表現を使うことが多いものですからね。

そこで上司の感じていた感情は「無力感」や「無意味感」といった所でしょうか?(もちろんそんな大げさな心理分析は必要ないとは思うのですが・・・)だから上司の心中は穏やかではなくなったのかもしれません。

正直、そんなことで怒らなくても・・・と僕も思いましたよ(笑)でも同時にコミュニケーションってむつかしいなぁ、と思いつつ、逆にありがたいなぁ、とも感じた記憶があります。

僕:「空調の温度下げてくださったんですね、ありがとうございます!」(これが相手の思いを受け取る言葉ですね)

僕がそういうと上司は「ん・・・」と一言。それ以降何も言わなくなりました。

そうか、自分が誰かのためにと思ってとった行動を気づかれない、受け取ってもらえないと感じると、どうしても無力感や無意味感を刺激されちゃって、嫌な気分になるものなんだな、と感じた瞬間でした。

女性なら、彼のために一生懸命作った料理に無反応な態度を取られたとか、批判されたとか、そう思うと嫌な気分になることとよく似ているかもしれませんね。

誰もが自分では不十分だと感じたくないものです。特に男性はそれが大嫌いです。

詳しく書くと長くなるので別の機会にさせていただきますが、とにかく男性は何事においても「無い」ということにとても敏感です。だから自分には「ある」と思いたいし、無くならないように守りたくなります。そして「無い」という事実を必死に隠そうとします。

この「無い」「ある」の言葉の前にはいろいろな言葉がくっつきますね。お金・権力・人望・人脈・色気・成熟さ・・・いろいろです。

だからこそカウンセリングでは「彼とうまくやっていくために、受け取り上手になりましょうね」
んて話がよく出てくるわけです。

相手がどんな思いで接し、どんな思いで行動してくれているのか?気づける人はやっぱり好感をもたれやすいのです。受け取るということは、相手に「ある」というメッセージを送ることでもありますからね。(逆に、無いものは受け取れないからむつかしいのですが・・・)

その受け取り上手になるために大切なことはたくさんありますが、今回は大きく分けて2つご紹介したいと思うんです。

1つは相手に興味を持つことなんです。相手はどうしてこんな事を言うのだろう?こんな行動をするのだろう?と考えることもその一つですね。しかし遠慮することや我慢することで相手との関係性を保とうという発想が強くなると、なかなか相手の感情を捉えることがむつかしくなってくるのかもしれませんよね。

2つ目は感情的な被害者の位置に入らないこと。心が傷つくと、どうしても自分を守るために自分を正当化したくなります。

僕の話から言えば「どうしてうちわぐらいで怒るわけ?」って感じです。仕方ないじゃん、暑いんだから・・・。なんて感じで、訳わからない上司が悪いと言いたいわけです。

もちろんこう感じることはとても自然なこと。しかしそう言ってしまうと、「へ?空調下げた?そんなの意味ないよ」で終わっちゃうわけです。受け取らないわけですね、相手の思いを。すると関係は徐々にこじれてきます。僕の場合だったら上司に対してその時だけはちょっと嫌な感情をもったり、疎ましく思っていったかもしれない。

僕の知る限りですが、恋愛でもこれに似たことが起きることって少なくないですよね。

そういう意味では「もっと愛して欲しい」という切ない想いは、男性にとって愛が足り「ない」というメッセージにもなり得るので、使い方を誤るとちょっと怖いものでもあったりしますね。

もしあなたが気になる男性と近づきたい、彼ともっと幸せになりたいと思われるのであれば、あなたから相手に「ある」というメッセージを送ってあげて欲しいな、と思います。

そしてそのあなたからの「ある」というメッセージが、彼の気づいていないことであればあるほど、インパクトは大きくなりますよ。

それでは今回は以上です。最後までご覧いただきましてありがとうございました!

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