日常に使える心理学

上手なコミュニケーションを行うために知っておきたい心理エッセンス

うまくコミュニケーションできないというお悩みは少なくありません

カウンセリングの中でよく伺うお話の一つ。

「私なりに、相手に想いを(意見を)伝えようと思って頑張って話をしているんですけど、なかなか伝わらないんです。

相手に「何がいいたいの?」と聞き返されたり、もっと分かりやすく話してよ、と突っ込まれると焦って自分でも何を言いたいのか忘れてしまったり、タジタジになることも多いんです。

上手くコミュニケーションが取れないことが多くて困ってます。」

意思疎通したい相手とのコミュニケーションが上手くいかないとなると、何だかもどかしかったり、うまく伝えられないことで少し落ち込んでしまうこともあるかもしれませんね。

今日はそんなときに知っておくといい心理エッセンスをコラムとしてまとめてみました。

よろしければどうぞ。

バーバルコミュニケーション〜言葉によるコミュニケーション〜

自分の意志、考え、思いを伝えたい相手とコミュニケーションを図ろうとするとき、どうすればうまく意思疎通できるのか?ということを考えると、まずは「言葉」や「文字」の重要性を考えますよね。

もちろん言葉や文字を知らねば伝えられないこともありますから、言葉はとても大切な要素なのです。

心理学ではこれをバーバルコミュニケーション(言語的コミュニケーション)といいます。

バーバルコミュニケーションとは、会話(言葉)や文章などでのコミュニケーションのこと。

そして多くの方が、言葉や文字を通じて相手に自分の思いや考え、意見を伝えようと頑張っておられることが多いのです。

もちろんそれも間違ってはいないんです。

が、僕はそれ以外の要素についても考えますし、意外と言葉や文字以外の部分で真逆のメッセージを出している人も少なくないのかもしれない、と考えています。

ノンバーバルコミュニケーション 〜非言語的コミュニケーション〜

心理学にはノンバーバルコミュニケーション(非言語的コミュニケーション)という言葉があります。

ノンバーバルコミュニケーションは、表情や声の大きさ・トーン、視線、仕草(ジェスチャー)などによるコミュニケーションを意味します。

これは心理学者のアルバート・メラビアン博士が提唱した概念ですが、「話す言葉、そのものの情報は、コミュニケーションで相手の受け取る情報量の1割程度(にも満たない)」ということなのです。

  • 視覚情報 見た目、しぐさ、表情、視線:55%
  • 聴覚情報 声の質や大きさ、話す速さ、口調:38%
  • 言語情報 言葉そのものの意味、会話の内容:7%

この法則から考えるならば、コミュニケーションにおいて、 言葉や文字は相手が受ける情報量の7%でしかなく、それ以外の「ノンバーバルコミュニケーション」こそ、相手が得ている情報の殆どだ、といえます。

これは「メラビアンの法則」と呼ばれているものです。

なので、僕は「コミュニケーションでは相手に感情が伝わるものですよ」とお話することがたまにあるわけですけど、その根拠はこの辺りにあります。

もちろん感情は共鳴するものですよ、という考え方もあるんですけどね。

言葉と態度・感情の不一致が起きているときほど、伝わりにくい

たとえば、あなたが物凄く落ち込みながら誰かに「ありがとう」と伝えたとしましょう。

その相手は感謝されて「嬉しい!」と飛び上がる、そんな状況って想像できますか?

なかなか想像しがたいのではないでしょうか?

このような言葉・文字とあなたの態度の不一致から、本当に伝えたい情報ではない情報を相手に伝えていて、だからコミュニケーションがうまくいかない、というケースは意外と少なくないものです。

 

たとえば、彼に言葉で「あなたとデートできて嬉しい」と伝えたとします。

しかし、どこか遠慮がちで目線も合わず、無表情で、恥ずかしがりすぎてちょっと消極的な態度で伝えたとすればあれば、「楽しい」よりも「つまらなそう」な印象の方が強く伝わる、ということを示しています。

逆に、すごく怒っていてわかってほしいことがあるのに、「平気なフリをし、何も怒っていなかったかのように伝えている」としたら、これもまた「わかってほしいこと」よりも「何ごともなかった」といった情報が相手に伝わりやすくなるよ、ということです。

 

もちろん人には感情があり、感じることが苦手な感情もありますから、つい恥ずかしさが苦手、怒ることが苦手、ハッキリ物を言うことが苦手、などの事情もあると思うんです。

ただ、「私はちゃんと伝えたのに、相手はわかってくれない」というご相談の多くは、確かにちゃんと伝えたのに相手が話を聞いていないケースもありますけど、それ以上に「言葉と態度の不一致によってうまく伝わっていない」ことのほうが多いと僕は認識しています。

ここでは、自分の伝えたい言葉選びや、伝え方(言葉で伝えるのか、文字で伝えるのか)だけでなく、自分の感情や態度を整えておくこともとても大切なことではないか、と僕は考えているところです。

また、コミュニケーションについて考えるとき、しっかり意識しておくといいことは『コミュニケーションとは「情報(事実)の伝達」のみを示すわけではない』ということにほかなりません。

言い換えるなら「一方的な情報伝達をコミュニケーションとは呼ばない」ということです。
 
コミュニケーションとは、「お互いの言葉、感情、感覚、認識などのやりとりが完了するまでのこと」だと考えておく必要があるでしょう。

そのために自分自身の何を整えるか、どんなやり方、考え方を新しく取り入れるか、と考えることは、まさに相手への思いやりだよな、と僕は思うのですが、さて皆さんはいかがでしょうか。

各種コミュニケーションツールの特性もよく知っておこう

さて、ここからは視点を変えてみましょう。

私たちの日常には「実際に会う(対面)形式」のコミュニケーションの他に、いくつかのコミュニケーションツールが存在しますね。

日常の中でよく使われているツールは

  • テキスト(Line・チャットなど)
  • ボイス(電話)
  • オンライン(ウェブカメラ)

この3つに集約することができると思います。

この3つのツールに共通する強みは「伝えたい情報(事実)の伝達」です。

かつ、「テキスト」<「ボイス」<「オンライン」の順で、自分の意見や思いがより正確に伝わりやすくなります。

その理由は、オンラインでは視覚情報も得られますから、伝わる情報が多くなるからですね。

ただ、どの場面で、どのコミュニケーションツールが有効かは、その時々で変わるものだと思います。オンラインコミュニケーションは情報伝達としては最も優れているのかもしれませんが、しかし全てをオンライン化すればいいかというと、意外とそうではないかもしれません。

 

例えば、ちょっとした連絡だけを済ませたいときなら、いちいちオンラインでつながろうとしなくてもよく、チャットなどで伝えればいいと思うんです。

また、ちょっとお互いに揉めていて、相手の表情を見るとつい感情的になってしまうなんてシーンではオンラインでつながることがリスクになるかもしれない。

人によっては、オンラインでつながるのが苦手だから、電話で済ませたいと思っている人もいるでしょうから、常時「情報が多く伝わるツールを選ぶ」ことがその時々の正解であるとは言えないと僕は思うのです。

最もネガティブな感情が伝わりやすいのはテキストツールである

ただ、もし、このコミュニケーションツールの違いで最も注意するべきことがあるとしたら、『最もネガティブな感情が伝わりやすいツールは「テキスト」である』ということでしょうか。

これ、意外と見逃されがちなことなんですよね。

情報量が少ないテキストコミュニケーションは「最も手軽なもの」といえるのですが、そこで否定的、断定的表現をすると、伝える側の想像以上に、受け取る側にネガティブな印象が伝わる場合が多いんです。

これは「テキストツールは情報が足りないと、相手にネガティヴな情報を伝えやすいですよ」という意味でもあるのですが、実は本当の問題はそこではないのです。

テキスト・文字(言葉も同じですが)などの情報は、しっかりと正確な情報伝達を心がけないと「伝える側が全く想定していないネガティヴな情報が相手に伝わってしまうリスク」が大きいのです。

これはちょっとわかりにくい話なので、具体的事例を上げて解説します。

その女性には彼がいて、彼と彼女はいつもお互いの時間を作って会うことを約束していました。そして二人はいつも会って話すことのなかで、様々な思いを伝え、意見を伝えあっていました。

そこでは、相手への愛情表現や自分の思いを伝えるだけでなく、相手への要求や批判と取れるようなことも伝えあっていたのです。

が、お互いに向き合って話していたので、それまでは問題にならなかったのです。

しかし、彼が地方転勤になり、二人のコミュニケーションは対面から「文字(チャット)」にシフトしました。

文字でもつながれることが嬉しかったので、ある時、彼女が以前とさほど変わらない内容の「彼へのイジり(悪意のないネガティヴ発言)」を投げかけてみたわけです。

例えば「本当に〇〇ってだらしないよね、そっちでちゃんと生活できているの?ww」と。

どう考えても、これは彼女からの親密感の現れです。

もちろん彼も会って会話しているときなら、彼も笑って済ませていたのですが、その時の彼は急に怒り出した、というわけです。

「仕事で疲れているときに、いちいちそんなことを言われたくない」と。

その反応に焦った彼女はすぐ「ごめんね」と伝えたのですが、彼の機嫌はなかなか直らないまま。彼女も「どうしてこんなことになったのだろう」と考え込んでしまったのでした。

どうしてこのようなことが起きたか、というと「テキストベースのコミュニケーションなのに、伝える側が聞き手の想像に任せた情報伝達を行ったから」と考えられます

実際に会って話しているときはお互いに得られる情報量が多いわけです。

たとえ彼女が彼をいじったとしても、それは親密感によるものだと彼が理解できたわけです。

また、視覚情報や聴覚情報、実際に触れ合っている感覚から「彼女が伝えたい本当の気持ちや意図は言葉と裏腹なものだ」と捉えるだけの情報があった、ということです。

しかし、二人の距離が離れ、テキストベースのコミュニケーションになれば、いくらお互いが信頼していたとしても、伝わるのは文字だけなのですよ。

そもそも情報が少ないということは「断定的に聞こえる要素」にもなりますから、いくらチャットなどで会話の流れがあったとしても、彼に飛び込んでくる情報はその文字だけなのです。

テキスト・文字(言葉も同じですが)などの情報は、しっかりと正確な情報伝達を心がけないと「彼女のように全く伝える意思がないネガティヴな情報を、受け手に想像させる余白を作ってしまうことがある」ということです。

ポイントは「伝える意思がない情報や思いが目に見えないカタチで伝わりやすい」ということですね。

特に「聞き手の想像に、話し手の感情を委ねてしまう」と、このようになりやすいです。

まぁこれはボイスでもオンラインでも、対面していても同じっちゃーそうなんですけどね(^^;

ただ、テキストであればそのリスクが大きくなりやすく、リカバーもなかなか効きづらいよ、ということでもあります。

だから、テキストベースでコミュニケーションをとるなら、普段からの信頼関係の醸成も大切ですが、伝えるつもりのないネガティヴな情報が伝わるかも?と知っておき、気をつけておくほうがいいってことになります。

もちろん「そんなの相手のとり方じゃんよー(誤解じゃんよ)」といってしまえばそれまでですし、まぁいつも揚げ足取りばかりする人にどこまで対応するかなど考えるべき点はあると思いますけどね。

ただ、文字、言葉だけのコミュニケーションでは、自分が伝える意思がないことまで伝わってしまう可能性がありますよ、ということなのです。

相手に自分のどんな気持ちを届けようか、を考えれば、おのずと「どう伝えようか」と考えられるのではないでしょうか。

ここで「聞いてほしい、知ってほしい」「分かるはずだろう」とだけ考えているということは、いいかどうかは別にして、もしかすると「自分のことしか考えられていない」のかもしれませんね。

上手なコミュニケーションは言葉と自分の感情・態度を整えるところからはじまる

もしコミュニケーションが上手くいかないなぁ?と思われる方は、自分の感情や表情などの態度もチェックしてみるといいかもしれませんね。

そもそも無表情な人が伝える言葉って、「一体何を伝えたいのだろう」と思わせるものですよね。

それぐらい「自分が何を言っているか」より、「自分が(言葉や態度含め)何を見せているか」が伝わるものなんです。

そう考えて、自分の表現を方法について見つめ直してみると、周囲や大切な人との関係が変わり始めるきっかけが掴めるかもしれませんね。

 

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