彼を手放したら本当に独りぼっちになってしまう
例えばこんなケース。
「元カレ(元カノ)が忘れられないんです。どうしても新しい出会いを求めても、元カレと比較してしまうところがあって。恋をするまでに至らないっていうか。
本当は欲しいんです、パートナーが。恋がしたいって思うんです。
でも、どうしても元カレのことばかり思い浮かんでしまって。沢山出会いはあったと思うのに、今も一人なんです。
そもそも元カレとはうまくいかなかったし、私も元カレに傷つけられちゃった部分があるし、沢山我慢したし、もう綺麗さっぱり忘れたいな、って思うんですけどね。
一生懸命、元カレを忘れようと頑張っているんですけど、どうしても元カレの事が気になってしまって・・・。
たまに元カレ、今どうしてるのかな?とか。私の事覚えているのかな?とか考えちゃうんですよね。」
***
ちょっと切ないお話ですが、過去の恋人の事が気になって、今、恋ができないというお話をお聞きすることがあります。
もちろんそれだけ「あなたが過去のパートナーを愛した」という部分では自信やいい意味でのプライドとして持ってもらえればと思うのですが、過去のパートナーが今のあなたの幸せをブロックしているなら、ちょっと話は別ですよね。
僕自身、カウンセリングの中でこんなお話をお聞きすると
「あなたの中にいる元カレを手放す方向性が必要だろうな」と考えます。まぁシンプルですよね、発想としては。
どこか見に覚えのない、交わしたはずもない元カレとの約束を、あなただけがずっと守った状態になってしまうのかもしれません。
もちろん、誰も好んで終わった恋にしがみつきたいとは思っていないとは思うんですけどね。
とはいえ、この過去のパートナーの「手放し」。
例えば・・・
あなたが過去のパートナーを強く愛していた過去があったり
自分の自信の無さから次の恋に向かう恐れが強い場合
なかなか手放そうにも、手放すことができないでいる、そんなケースもあるんですね。
「もっと(上手に)愛したかった」という強い思いはどうしても心の中に残りやすいですし、後悔というカタチで自分を責めてしまう場合もあるでしょう。
このような場合、実際のカウセリングでは
「まだ未消化なあなたの元カレへの愛を開放して、表現して、昇華させる。」
そんなアプローチを使う場合もありますね。
その上で、元カレがあなたに本当に与えたかったもの、残したかったものを受け入れていく感じで。
また自分にどこか自信がなくて次の恋に向かう怖れが強い場合は
「自分を肯定するアプローチ」「女性性・男性性を高めるアプローチ」
を使うこともありますね。
しかし、そう考えてカウンセリングを進めても、なかなか前進しないケースがあるのも事実。
どうしても昔のパートナーが手放せないというとき
もしかするとあなたは
「本当に独りぼっちになってしまう・・・」
という怖れを感じている場合があるんですね。
例えば
・1人で頑張ることが当たり前。人に頼ることをよしとしてこなかった。
・良い子でいるのが当たり前。人に迷惑をかけないように生きてきた。
・自分なりにビジネスに学業に奮闘してきたけど、結局いつも孤独を感じてきた。
・恋でも仕事でも多くを望まず、堅実に真面目にコツコツ生きてきた。
などなど。
そういった「自立」した生き方をされてきた方にとっての恋愛・パートナーの存在って、人一倍大きく感じるものだと僕は思うんですね。
このようなタイプの方にとって、恋をすることって、今までになかったような親密感や温かさ、心が軽くなりときめくような「愛される感覚」「女性として・男性として必要とされる感覚」が、ズドーンと心の中に入る。
しかし時に、別れはその感覚を全て「ベリっ」と剥がしてしまうような心理インパクトを持つんですね。
だから、本当に別れたくないし、手放したくない。
そう考えると、それは元カレを手放したくない、というより、心の中で「今まで感じた親密感や愛されているといった充足感」を手放したくないのかもしれない。
つまり・・・ずっとあなたは、元カレと出会うまで、孤独と共に生きてきたのではないか?というテーマがここで浮かび上がるんですね。
もちろん家族や友人、今まで付き合った異性も何人もいるかもしれません。
実際に「だから私は昔から孤独じゃなかったと思う」とお答えいただく方もいらっしゃるぐらいです。
でもそういう現実的にあなたの周囲に人がいた、パートナーがいたという事実だけで語れないものがそこにはあるだろうな、と僕は思うんですね。
そしてこうも思うんです。
本当の孤独って、
「私しかいない世界」で感じるものというよりも
「あなたの見える感じる場所に誰かがいて、それでも感じる孤独や疎外感のこと」
を指すんじゃないか?と。
あなたの周りに誰かいても、しかし誰もいないように感じる・・・
そんなあなたの心の情景の中で、唯一あなたに孤独ではなく「繋がり」や「親密感」を感じさせてくれた人が
そして、あなたも誰よりも、自分自身をさらけ出すことができた人が
親でも家族でも友人でもない、「元カレ」だったとしたら・・・。
つまり、あなたにハートにとって、別れた今も、彼を失うということは「絶対的な孤独」を感じることと同じになっているのかもしれない。
だから、なかなか元カレを手放せない。
ここでの大きなポイントは、
元カレと出会う前に感じていた孤独感より
元カレと別れた後で感じる孤独のほうが強くなっていく傾向がある
ということ。
元カレと愛し愛される関係になり、一度あなたのハートが開いたとき、隠していた「愛されたい」「誰かとつながっていたい」と感じる感情が、昔、一人で生きていたころのようにハートの中に舞い戻らない。
むしろ満たされない思いが溢れ出てくるんですよね。
だから、元カレ以外信じられないんですよね。「私を愛し、親密な感覚を与えてくれる人」がいるとは。
それぐらい元カレが、あなたにとって恋愛という意味合い以上に「大きな存在」になって
いる場合がありますね。
「心の中で元カレと手放すこと=本当の孤独がやってくる」
そう感じているなら、確かに手放しのプロセスはなかなか進まないことがあって不思議じゃないなと思うんですね。
こういったケースの場合、僕はこう考えます。
直球で元カレを手放す前に
「たくさんの人の思いや親密感を感じること」
「あなたの孤独を癒やすものは、今までにもきっとあったはず。それをどうして見過ごして、手放してきたのかを理解すること」
のプロセスを進めておく必要があると。
きっとあなたの知らないところで、感じられないところで、誰かあなたを助けようと思っていたり、あなたの幸せを祈り、励まし、見守っている人がいるはず。
それが例え、あなたが求めるような愛し方でなかったとしても・・・その想いを感じられる私になる。
「私は独りぼっちにはならない」
そうあなたが感じられた時、もしかすると元カレに対して、ちゃんと感謝し、手放せる時が来るかもしれませんね。
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