心理カウンセラー浅野寿和です。いつもありがとうございます。
今日のコラムは過去記事の加筆・再編集版です。
今の僕の視点で、過去の記事に更に新しい意味・視点を加えてみました。
よろしければお付き合いください。
パートナーがいても寂しさが消えない
日々皆さんのご相談をお伺いしている中で、僕はときどき「妙なこと」を思いつくことがあるんです。
それはただの思いつきということではなく、皆さんのお話をお聞きしていると、その言葉の裏に隠れている「心の流れ」みたいなものを感じるんですね。
例えば、
「彼(元カレ)が手放せないんです」
「別れを切り出してきた夫ともう一度やっていきたいんです」
でもなかなかうまくいかないというご相談。
そんなお話を伺っていると、ふと僕の中に芽生える感覚。
「もしかして・・・あなたはパートナーがいても、ずっと孤独だったのではないでしょうか?」
「え?そんなことないですよ」
そう思われる方が多いでしょうし、もちろん僕も全ての方がそうだとは思いません。
ただ、実際にカウンセリングを進める中で
「私にはパートナーが必要だ」と感じていらっしゃる今の時点で
「そこはかとない寂しさ、孤独、自立」を感じている方はは少なくないんですよね。
それはまるで
「これ以上寂しさは受け入れられない。これ以上孤独に離れない。これ以上私は一人で頑張れない・・・。
だからパートナーがほしいんです。
パートナともう一度やり直したいんです。」
そんなニュアンスで伝わってくる切ない思い、といいますか。
*
ではここにある「これ以上・・・」という表現は何を意味するのでしょうか?
それはおそらく
「今、孤独感を感じている」
「今、寂しさを感じている」
それが私にとってのスタンダードである、ということ。
人は、孤独感、寂しさを感じることに慣れすぎていると、日常の中で「今、私は寂しいのだ、孤独感を感じているのだ」とは感じないのです。
むしろこれが「私の生きている世界の感覚で、みんな同じなのだろう」と感じるのです。
「人は見たいように物を見て、自分の価値観を正しいと思い、疑わない」ものだから。
だからこそ、
恋愛や夫婦関係の中で感じる「孤独・寂しさ・別れの危機」は、「もうこれ以上引き受けられない孤独、寂しさ」
になるのです。
ここでのポイントは「もうこれ以上引き受けられない」という部分。
「もうすでに孤独や寂しさを引き受け抱えている」という事実です。
*
もし仮に、あなたが誰といても、あなたの心の深いところに
誰の手も、声も、愛情も届かなくなるような
孤独、寂しさ、自立、コンプレックスなどがあれば
「もう何でもするから。せめて一人にだけはしないで」
そんな悲壮感に似た思いが出てきても不思議ではないと思うんです。
そんなみなさんのお話を伺うと、こういったお声をお聞きすることが多い。
「私はそんなに高望みしたわけでもない、遠慮しているし、迷惑かけないように過ごしてきた。
あなたに尽くすこともあれば、あなたを理解しようと努力もしてきた。
なのにどうして、今、別れなければいけないの?手放さなければいけないの?」
そんな思いが湧き出す時かもしれません。
「別れ」がとても理不尽に感じるのです。
そんな時、僕はこんなお話をすることがあります。
「もちろん今のパートナーがいなくなることはとてもつらいことだと思います。
その気持ちはちゃんと解放しましょう。
ただ。
もしかすると、あなたにパートナーがいてとても幸せだった時も、あなたは孤独を感じていたのかもしれませんね。
それがあなたの生きる世界のスタンダードだから。
僕はそう思うんです。
もしそうであれば、それはあなたがこれからも「一人でいる」ために、今のパートナーを手放したくない、と言っているのかもしれません。
たった一人のあなたの世界を変えないために。そこに誰でもいい、一人だけそばに居てくれる人がいればいい、と。
だからパートナーは別れたい、と言っているのかもしれない。
パートナーはきっとその世界にいるあなたを見て、「自分は彼女をうまく愛せていない」と感じるでしょうからね。」
もちろん孤独や寂しさをスタンダードにすることを、誰も否定などできないでしょう。
だから、その方がそう望むなら僕は「そうなんですね」とだけ思うのです。
その生き方を選ぶ事情もあったと思います。
その生き方を選ぶしかなかったことに間違いなどないと思う。
だから、僕はその生き方も尊重したいのです。
しかし「これからは幸せや豊かさを感じていきたい」と願われるならば少し話は変わります。
心を癒やし、本来の自分に戻るお手伝いをさせていただくこともあります。
もちろんクライエント様からいただくオーダー次第ですけどね。
あなたが人とのつながりを感じられる状態であるか?
つながりが切れたまま、ずっと長い間孤独や寂しさを抱え込んだままでいないか?
その感情や、その感情を抱える心の癖を「変化」させているかどうか。
それぐらい、「自分に幸せやつながりを許しているか」どうか。
こういったことがとても大切なことだと僕は思っています。
もう一度大切な人と共に生きる私を取り戻す
そもそも人は孤独の中では成長しませんし生きられません。
自分が生まれてすぐに無人島のような環境で育つことは難しいのです。
そこに人がいて、人の想いがあって、その中でしか生きられないのが私達。
つまり、
私達の周りには必ず私達を見て、愛してくれた人がいるのです。
しかし、その愛を拒絶し、なかったことにし、私は孤独であると言い聞かせて生きざるを得ないこともあるでしょう。
辛い別れ・失恋を経験する。
大きな挫折感を味わう。
苦労している親や家族のために孤独を引き受け迷惑をかけない。
人を頼って傷ついた経験が、強い自立を生み出す。
これが「孤独と寂しさのスタンダード化」を生み出すわけです。
愛が欲しいと願い、大切な人と別れたくないと願っているそんな人の心の中には
知らず知らずのうちに「私が人の愛を拒絶していた」というケースは本当に多い。
これを「悪意なき加害」と僕は呼んでいます。
ここに気づくことができれば、幸せな恋愛や夫婦関係を望むこともできます。
しかし、「相手を変えよう」だとか「自分が問題視している自分の欠点を克服すればうまくいく」と考えているうちは、なかなか思うような結果が出ないようです。
大事なことは「愛を拒絶しない私」になろうとする意欲です。
あなたのココロが人とのつながりを感じられない状態で、どれだけ愛しても頑張っても、あなたの心の中で響くのは虚しさだけ・・・。
幸せやつながりを感じる私を目指すなら、そんなに自分を追い込まなくてもいいと思いますよ、僕は。
もう一度、心の中の孤独を解放し、愛情やつながりはちゃんと感じる経験を積むこと。
人に感謝しながら生きること。
その積み重ねで、実は「誰かと共に生きる」感覚を取り戻すことはできます。
もっと自分を大切にしましょう。
あなたに短所があってもいい、しゃーないと言い続けるのです。
もちろんちゃんとあなたなりの魅力も長所もあります。
それを見つけてちゃんと受け入れていきましょう。
そう考えると、僕たちの前に「大切な人と共に生きることが難しい」という問題がやってくるとき。
その自分が執着しているのは「目の前のパートナー」ではなく、「今までのあなたの生き方、価値観」なのですね
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