心理カウンセラー浅野寿和です。いつもありがとうございます。
私たちの学ぶ心理学の中に出てくる言葉。
「問題児」のパターンとよばれるもの。
これは「自分が何かしら問題を抱えることで、家族や大切な人を助けようとする」という心のパターンのお話し。
典型例は、いわゆる「グレちゃうようなお子さん」
例えば両親が不仲だとか、経済的に余裕がなくて家族が困っているとか、嫁姑問題がひどい・・・などなど、家族の中に問題があったとき。
子供は一生懸命、その家族の絆を取り戻そう、良心や家族・・・みんなの笑顔が見たいと願いますし、だから、いい子になる、迷惑をかけない子になる、子供なりに助けようとすることが多いんです。
が、それがうまくいかなかったとき・・・
「自らが家族最大の問題を引き起こす=問題児になる・問題を抱える」ことで、家族を助けようとする、そんな方がいらっしゃいます。
これがその方の心のパターンとなって、大人になった今も、恋愛や対人関係を作るうえで色濃く影響しているというケースってあるんですよね。
さて、この心の癖(パターン)
もちろん当のご本人もそんな意識があるかといえば、そうではないことも多いようなんです。
「なぜか問題を起こしてしまう、やらかしてしまう・・・」といった類のものだということなのです。
だから、当のご本人も「問題をどうして起こすのか?」いまいちピンと来ていないこともあるんです。
「ついそうなってしまう、結果的に問題を抱えてしまう」
そんな感覚になられることが多いように、僕がカウンセリングの現場にいますとそう感じることが多いですね。
だから結果だけを見て「どうして自分はこうなってしまうんだ・・・」とお悩みの方も少なくないんですね。
もちろん普段は隠しているんですよ、そういったパターンは。
ただ、家族、パートナーシップなど親密感を感じる場所や、どこか「家族」を思い出す状況になると、そのパターンが色濃く出てくることがあって・・・。
例えば、
なぜか、つかなくてもいい噓までついてしまう、という癖。
なぜか、人に責められるようなん言動や態度をとってしまう。
なぜか、取らなくてもいいものまで人から奪ってしまう。
なぜか、浪費したり、自分が困る状況を作り出してしまう。
そんなお悩みを伺うことも実際にあり。
だからこそ「どうしてこんな風になってしまうのか?」とお悩みになっている方もいらっしゃいます。
それがシンプルに罪悪感の影響だというケースもあれば。
どこかその方の感情からの逃避(現実や、今、感じていることから逃げたい気持ち)から起きることや、意図的に相手の興味を引こうとするような発想からうまれていることもあります。
ただですね、それだけでは説明がつかない心の動きも実際にあるんですよ。
「自分が下になり、悪者になることで、人が浮く、助かる、と感じている」
そんな観念・心の動きも実際にあるんです。
だから、普段は全くもって悪意を持って行動するような方じゃないのに、
どうしても嘘をついちゃう
パートナー(家族やお子さん)だけは強く拒絶しちゃう
知らぬ間に浪費しちゃう、浮気してしまう
なんて話も実際にあるんです。
何よりここでは
私が相手を「愛そう、大切にしよう」ではなく
私が相手を「助けよう」と感じていることがポイントなんですけどね・・・。
自らの身を挺して人を助ける・・・考え方によっては深い愛ですが。
どこか「人の問題を取り除く」という感覚が強い方が多いので、「愛そう・大切にしよう」という思いがあっても、実際はもう少しシリアスだったり、ヘビーな感覚が伴ってきます。
だからでしょうか?
実際こういった親並みを抱えている方ってエネルギッシュな方が多いですよ。
情熱的であったり、パワフルであったり、セクシャリティ(生命力)に満ち溢れていたり、そんな雰囲気の方も多いです。
だからこそ、その方のちょっとネガティヴな言動は、周囲に理解されないものはない、というか。
なので、例えば家族の中でも、夫婦間でも
「どうしてあなたはそんなことをするの?私を困らせたいの?」
といった言動を相手からもらい受けることもありそう。
が、それこそがこのパターンの罠でしてね・・・。
たぶん引っかかりまくると思いますよ、周囲の人は。
問題をもって人を助ける、という方法は、やっぱり「その方が身近な人・大切な人に責められない限り成立しえないこと」ですから。
なので、親であっても、家族であっても、友達であっても、パートナーであっても・・・
その方の仕掛ける「どうぞ私を責めてください」という罠に引っかかって、その方を責めたり、理解できずに悩むことが多いでしょうね。
もちろん仕掛けている側も、自分のパターンを理解しきれているわけでなければ
「私は、僕は、いつも家族に、周囲に負担をかける悪い、ダメな人間だ」
と思っていらっしゃる方も少なくなくて、その自分への評価が更にそのパターンに拍車をかけるのです。
もっと人の役に立たないと、人のために努力しないと・・・
そう思う度合いだけ、自分に無理を課したり、必要以上の自己攻撃を向けたり、さらに自分を追い込むような状況に興味を持つようにもなります。
実際、注意深くカウンセリングをさせていただくとそのパターンが見えてくることもありますが、実際表面的にすぐ理解できるようなものではないと僕は思っています。
ただ、感覚的には・・・その方が、ちゃんと人を大切にしていたり、仕事などにも熱心に取り組まれているにもかかわらず、その内面で「自分を見捨ててる」「自分に必要以上に価値を見ようとしていない」感じが凄くするという部分が、僕のカウンセラーとしての実感。
そんな方には、今じゃなくてもいい、ただいつか「気付いていただきたい」といつもご提案させていただくことがあるんです。
「自分が罪を背負っても、自分を傷つけても、大切な人は守れないかも、ですね」と。
私が自分を傷つければ、私の大切な人は、私が傷つくことを止められなかった人になります。
私が罰や罪を背負えば、私の大切な人は、私を喜ばせることがより困難になります。
私が無理をし続ければ、私の大切は人は、私の苦労を止めることができない「無力な人」にもなりかねません。
あなたが無理をしてはいけない、ということではありません。
でもね、きっとあなたは。
家族や大切な人の中に「無理」「苦悩」「悲しみ」を見たから、人を助けようと思ったのかもしれないですね?
そして、今もしかすると、あなたは。
あなたがかつて「助けたい」と思っていた人が、あなたに見せた光景を、 形は違えど、周囲の人に見せているのかもしれない。
そう、このパターンが「連鎖」しているのかもしれないことに気づいてほしいのです。
人のために心を砕き頑張ることと、自分が痛みを背負い、問題を抱えることは違うと僕は思います。
なにより「この連鎖をつなぐ接着剤」はおそらく罪悪感です。
だからこのパターンを持つ方の口癖は「○○しないとダメ」ってものになっていることが多いかもしれません。
何がダメで、不足していて、問題で、どうすればいいのか?を考えてばかりいるかもしれません。
もちろんそれ自体は上手に使えば役立つネガティヴさですが、度が過ぎると大変です。
そんな時は、ぜひ思い出してください。
あなたが大切な人のために、与えたかったこと、見せたかった光景は何か?を。
そして、
「○○しないとダメ」を手放して、「今の自分に何ができるか」を考えてみるんです。
今の自分は「力不足だ」という認識ばかりを持つのではなく、「今の自分にだってできることはあるんだ」と知ることです。
自分を理解し、許すことです。
これがうまくできない時、あなたはきっと、まだ問題を抱えようとしたり、無理をしようとしてしまう。
それがパターンだと言う事に少し思いを馳せていただければなぁ・・・と僕は思うわけです。
そして何より。
あなたのホッとした表情、笑顔、楽な雰囲気、満たされている様子・・・それはあなたの大切な人の心を温める材料になります。
「そんなものに意味なんてない」と思うのは、あなたの自由で。
「・・・もしかすると、そうなのかもしれない」と思うのも、あなたの自由ですよね?
あなたがどちらを選ぶかを決めていただけたなら、
少しじっくり自分を、今までの自分を見つめて、今自分にできることを見つめる癖をつけてみてください。
これも一つの「自分を大切にする」ことであり、自分を「許す」ことに繋がります。
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