心理カウンセラー浅野寿和です。いつもありがとうございます。
今日2本目のコラムは「私のパートナーさんはまぁいろいろやらかしてくれるんです」という、これまた伺う事が少なくない話です。
よろしければお付き合いください。
「私の夫がいろいろ問題を引き起こすんです。もう止めてよ・・・と思うんですが、なかなか収まってくれません。(例えば、浮気や金銭的な問題などをイメージしてください)
私も悪いのかもしれないんですけど、これ以上一緒にいると辛くて。正直別れたいと思っているんですが、それも踏み切れず。
一体夫はどういうつもりで、問題ばかりを引き起こすのでしょう?
そして私はどうしたら楽になれるのか、自分でもよく分からなくなってしまいました。」
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どこか困ったパートナーさんに手を焼いておられるという方のお話の中で「一体夫は(妻は)何を考えているのでしょうか?」というご質問、伺いますよね。
そして、じっくりお話を伺っていると「どんな感情があって、今、問題が起きているのか?」のある程度の分析は可能かな、とは思うんです。
今日はそんな話をば。
いわゆる問題行動って、いろんな解釈ができるんですけどね。
問題を起こす行動を「自己破壊的な行動」と考えれば、それはその人にとっての罰という意味であったり、何故か低くなってしまったその方の自己価値と一致した行動、とも考えられます。
問題を持つことで、『自分自身の内面の感覚と、自分の外にある感覚を一致させる』。
これがいい悪いではなく「その場の心の安定感」につながるという考え方があるんですよね。
例えば、海外出張生活が長くなったとき、ふと現地の日本人経営の料理屋さん赴くと、とたんに気持ちが穏やかになったり安定するってこと、考えられませんかね?
異文化であるがゆえに違和感を感じることもある異国の地にあって、今まで勝手知ったる感覚を感じられる場所があると、そこで心が安定する。
それぐらい私たちは意識していないところで、自分の心の内面と外側を釣り合わせると気持ちが安定することってあるんですね。
その逆のパターンを考えますと・・・例えば、今まで節約を心がけてきた方が、ある日友人からプレゼントで宝くじを貰ったとして。
それが、いきなり1000万円当選!
これ、今までの自分の金銭感覚と、実際に起きた出来事にかなりの不一致感が出るんですよね。
すると、その不一致感は不安・違和感になりますから、結果「もとの金銭感覚」になることで、心を安定させようとするんです。意識的にではなく何となくそうなる、という感じかもしれませんけど。
だから、入ったお金をバンバン使ってしまう。
そんな考え方があるんですね。
***
この考え方を応用すると、その男性は問題行動を起こすことで、『心の内面と外側を一致させている』のかもしれないと考えることができるんですよね。
そう考えると、その男性の内面、自己価値は一時的にしろ、今は著しく低下している可能性が否めないわけです。
で、ですね・・・。
問題行動には自分に対する罰、だけでなく、「人の興味を引く」という意味が隠れていることがあるんですね。
ま、簡単な例で言えば「好きな子に意地悪する男の子」「寂しがりさんほど、いけずなことを言う」みたいなイメージですけど。
人の興味関心を引くために、ポジティヴ・ネガティヴ、どちらにもアプローチ方法はあるんです。ストロークなんて言葉もありますけどね。
人に対して、いいことをしても、嫌なことをしても、何かしらの興味を持ってもらえる。
この方法が問題行動だった、という話は少なくないんですよね。
この両面からいろいろ考えてみると。
・今、問題行動を起こしてしまう人の、その自己価値は下がりやすく、その内面は自罰的で孤独。
↓
・自己価値が下がりやすく、孤独だから、やっぱり人の興味が引きたくなる。
↓
・その人の興味を引く方法が問題行動、になってしまうと。
↓
・更に自己価値は下がり、罰や孤独が強まる。
↓
・だから、更に人の興味を得るために手段を選ばず・・・
となっていく事が考えられなくはないわけです。いいか悪いかは別の話としてね。
だから、いわゆるパートナーシップレベルや親御さんとお子さんとの対話レベルで、関係性を向上させたいと思われる時ほど、「なんであんたはそんなことばかりするの」と伝えてしまうと、渡りに船といえばそう。火に油といえばそう。
ま、「なんであんたはそんなことばかり・・・」と言いたくなるお気持ちが生まれるのは、ホント自然だと思うんですよ。それが悪いとは言いたくないですよ、僕は。
しかし、それをそのまんま伝えてしまうと、パートナーさんの心の内面の状態と、あなたの言動によるパートナーさんの外側の状態が一致してしまう。
さらにパートナーさんの問題行動で、あなたの自己価値や低下しがちですよね。
だから、パートナーさんの心はネガティヴな状態で安定してしまいかねない、環境的に固まってしまう、という考え方ができるわけです。
よってパートナーさんの心のパターンは変わらない、という構図。
まぁここで書いていることは、あくまでリクツの領域を出ていない話です。
けれど、実際にそんな構図を少しづつ変化せることで、もう一度向き合えた夫婦関係・恋愛というものもある、ということも僕の経験上知っています。
今あるパートナーシップが、どのようなレベルで一致し凝り固まっているのか?を僕は見ますし、だから、パートナーさんの問題行動に意識を取られすぎず、あなた自身の人生を大切にしたり、自信を感じられる方向にカウンセリングは進む、とも言えるのです。
『え?私ではなくパートナーをどうにかしたいんですけど・・・』
そんなご質問をいただくんですけどね。
そのお気持ちは痛いほど理解できるのですが、実際、何かしら問題を必要としてしまうことで、心のあり方を安定させている人に、頭ごなしにそれをやめろ、と言っても、なかなか変化は起こりにくいんです。
例えば、彼の親や周囲の人に「ちゃんとしなさい」説得してもらっても、一時的には収まるけれどぶり返すことも少なくないのかもしれません。
そしてあなたがつらい気持ちを一人で抱え続けている、ということも、今のうまくつながれない関係性を強化してしまうんですよね。
そうではなく、あなたを変化させることで、今ある環境、感情にあり方に変化をもたらすほうが、僕は得策だと考える人です。
そしてそんなチャレンジをしてくださっている方ほど、たしかに変化があるような、そんな気が僕はしているんですよね。
何か参考になれば幸いです。
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