ほぼ30代からの心理学

自分の依存が気になる自立の人々の話

頑張ってる人ほど依存が嫌いなものかもしれません

カウンセリングの中で「私って何も頑張っていないような気がするんです」というニュアンスの話を伺うことがあります。

もちろんそのお声も僕は大切にしたいと思うんです、今のその方の実感として。

ただ、こういったお話をしてくださる方って「すごく頑張っている状態」にしか見えない方が多いんですね。

そこで今日は「自分の依存が気になる自立の人々」の心理についてコラムにしてみます。よろしければどうぞ。

 

自立タイプの人は依存心を嫌うもの

さて、ここでの自立とは「自分一人で頑張る」という意味ですね。

何事も自分の力で成し遂げようとする意識が強い方。だから、人の手はあまり借りませんし、なにか問題や悩ましい事態が起きても「自分でなんとかしなきゃ」と考える傾向があります。

だから、自分でなんとか対処できない問題が出てくると、自分自身を否定的に見つめていくことにもつながります。

そもそも自立を強めているから、できないことが問題になる、というわけです。強い自立を緩められていると、自分で頑張れることは自分で、できないことはお願いしよう、という形になるんですね。

この話をすると「でも、自分の周囲にお願いできるような人はいません」というお声が多数飛んでくるのですが、それこそが「あなたが自立するために必要だった環境」ということかもしれませんよ。

そもそも自分自身が、「いつもお願いを聞いてくれる」と思える人の中で自立を強めること自体が矛盾している話ですからね。

 

また、自立タイプの方ほど、依存を嫌う傾向が強いです。

自分の依存心も、他人の依存心も、どこか苦手で律する傾向があるんです。

だから、自分にゆとりや甘えを許さないですし、「自分さえ頑張っていれば成功する」という思いを信じている方も少なくありません。もちろんそう思うこと自体、否定的に見る必要はないのですけどね。

ただ、どこか他人の依存を引き受けられず、つい罰してしまうという傾向が出てきて、対人関係の中で孤立してしまったり、自分の依存を律しすぎて、自分が燃え尽きてしまうほどの無理をしてしまう方も出てきます。

こう感じるにはまたそうなるべき事情、理由があるものなんですね。

 

抱え込んだ痛みの影響

そもそも心の世界に善悪はありません。だから依存心が悪いわけでも、問題を作る諸悪の根源であるとも言い切れないものです。

が、自立の人はなにかにつけ「私に依存心があるからダメなんだ」と考えがちです。

それほどまでに、自立の人は依存心の中に痛みを抱えていて、この痛みを封じ、自分の力で生きていく目的のために、依存心を禁止している人が多いのです。

どこか「自分の依存が十分に満たされず、諦めるしかなかった」といった体験がある、ということなんですけどね。

 

僕たちは誰かに愛してほしいし、分かって欲しいし、認めてほしいものです。これは一つの欲求ですし、依存的なマインドです。

が、自分自身の今までのプロセスの中で、どれだけ頑張っても満たされなかった、と感じたとき、「愛してもらいたい(認められたい)と思った自分が馬鹿だった」「誰かに期待した自分があかんかった」と感じたことってないでしょうか。

例えば、夫に期待してもダメ。
親に期待しても何も分かってもらえない。
友達に期待しても、辛い思いをするだけ。
彼に、彼女に期待しても思った幸せは得られなかった。

このように感じるできごとがあるならば、「もう誰にも依存しないように(期待しないように)」と考えて自立する方がいても不思議ではないですよね。

また誰かに期待して失望するのは辛いですから。

でも、その最中も頑張っている方、パートナーのために愛情を注いでいる方もたくさんいるんですけどね・・・。

 

この状態で、愛する人のために頑張る、仕事に打ち込む、と思ってみてください。

ね、もう人生頑張る(自分一人で戦うがごとく生きる)ことしか残っていないと思いませんか?

時には、自分の努力、その成果、愛情、自分の存在を誰かに喜んでほしいのですけど、そんな気持ちすらも封じて、「自分なんて大したことないですよ」「全然頑張っていません」と言い始める人だっているわけです。

そうなってしまう理由は「依存したかったけど依存できなかった」「愛してもらいたかったけれど愛されなかった」と感じる、普段は心の奥底に封じているような痛みにあります。

こうなると、人に依存すること、人を信頼することが怖くなります。また痛い目にあうんじゃないか、と思うわけですからね。

 

自分は喜びではないのではないか、という疑い

このような状態になると、更に自分に対する疑いも止まらなくなる場合があります。

ひらたく言えば「自分になにか問題があったから愛されなかったのでは?」と感じやすくなるということです。

これは罪悪感の影響なのですけどね。

すると、「自分になにか問題があるうちは愛されない」と思い、必死で努力する人もいれば、問題がある自分を嫌というほどに嫌い、自分自身に対してまるでモノ扱いすような場合も出てきます。

頑張ったとしても、自分は誰かのためになっていて喜びになっている、とは思えず、頑張っても報われない、自分の問題を解決しようにも解決しきれないダメな存在で、自分はやっぱり喜びではないと感じてしまうわけです。

これこそ罪悪感がもたらす罠そのものですが、だから「私はもっと頑張らないといけないんだ」と感じてしまい、更に依存心を禁じていくというわけです。

その結果、依存嫌いな人になる。

しかし自立を強めると孤独感が増しますから、そんな自分がいいとも感じられない、とも思うようになる。

行き着く先は、依存嫌いの自立嫌いの自分嫌い、なんて場合もあるんですね。

依存的な人も嫌、自分より頑張っている人もなんか鼻につく、自分が大好き!といっている人を見ると引いちゃう・・・みたいな。

それほど頑張っている方には、その方なりの価値も魅力も素晴らしさもあるのですけれど、どんどんそれが感じ取れなくなっていくのですね。

 

今の自分から「認める」こと

自立が強まって依存嫌いになってしまうことの最大のデメリットは「受け取れないこと」です。

人の好意、援助、助け、愛情、自分自身の価値、魅力、才能、権威性、真の豊かさ・・・こういったものを受け取れなくなってしまいます。

受け取るとは依存的な要素を孕む行為ですから、どうしても受け取ることが嫌だと感じるんです。

だから、自分を認めたくないし、自分の価値を感じられないし、つい一人でいたくなります。

(なので、同じタイプの超自立、超受け取らない人を見て「愛してあげたい」と思い、恋愛や夫婦関係を構築する場合もありますよ。)

こういった依存嫌い、かつ、自立を強めた状態をより良い方向に変えてくなら、今の自分からでいいので、コツコツ認めることが効果的でしょう。

なぜなら、依存嫌いを手放すなら、依存嫌いという時点で、その感情や行動動機の根っこが「他人」になっていることに気づくことが求められるからです。

例えば、自分が過去に愛してほしいと感じていたパートナーと別れることになった、としますよね。

すると、そこには、湧き出てくる怒りも、悲しみも、分かって欲しい気持ちもあるでしょう。当然のことですよね。

しかし、その怒り、悲しみ、分かって欲しい気持ちも、感じているのは自分ですが「感じさせたのは過去のパートナー、もしくは恋愛をした結果」という認識のままですと、別れたパートナー、もしくは恋愛の神様から理解され、愛されること以外に抜け出す道はなくなってしまいますね。

その結果、もう恋愛に期待しても無理、もう自分で生きていくと決めるなら、その思いの根っこにパートナーとの別れ、もしくは恋愛に対する観念の影響が拭い去れないわけです。

パートナーに愛されることを諦めるために自立しているわけですから。

ここが、今の自分の行動動機(自立の動機)が他人(自分以外のなにか)になっている、という部分ですね。

つまり、どこか過去の痛みやわだかまりを無意識的にでも抱えていると、自分が自分の意志で、自分のために頑張っている状態にはならない、というわけです。

だから、自分を認めることが難しくなるんですね。認めてほしいのは自分以外の誰か、となるわけですから。

なので、もう一度自分を見つめ、受け入れ、今の自分のことをコツコツ認めていくことがポイントになる、ということです。

かつ、過去の恋愛に対するわだかまりがあるなら、その解消を行うことで、自分の人生の軸を自分自身に取り戻すことができます。

すると、誰かに依存することも、自分で頑張ることも、どちらも自分の選択となるので、いいも悪いもなくなります。

今までの自分なりに頑張ってきたことも、自分のこととして受け止められるようになります。自分を認められるようになりやすい、ということですね。

 

だからカウンセリングでも「あなたの素晴らしさから、見つめていきましょう」というご提案をすることがあるわけです。

一方で、自分の感情の理由を他人とにしている部分があるならば、自分の選択として取り戻していただくことも同時に進めていきましょう、ともお伝えしています。

ただし、今、強い自立状態にある人にとって、自分だけで認めるとまた孤独の罠にハマるので、信頼できる誰かとの関わりの中で、自分自身を認めていくプロセスを歩むと、より楽に、良い感情を感じられることが増えると思いますよ。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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