恋愛の心理学

「相手の気持ちを考える」の意味を考える

「相手の気持ちを考えてみる」vs「自分で考える」

恋愛や対人関係、仕事でもよく登場する言葉。

「相手の気持ちを考えることって重要だよ」

ただ、なんとも不思議なことなのですけども「相手の気持ちを考えよう」と思って「自分の中だけで相手の気持ちを考えている」ってことがどうやら多いようなんですね。

特に「自立〜一人で頑張る〜」という姿勢で過ごしている人ほど、そうなりやすい傾向があるようです。

例えば、彼とケンカして悩んだときに友達に相談したら「辛いね」って言ってくれる人もいれば、「うーん、でももう少し彼の気持ちも考えてみたら?」って言われちゃうことってないでしょうか?

ここで多くの人は「そうか、相手のことを考えるってのが大事なんだな」と学びます。

ただ、その後、何をはじめるかというと「自分の中の不安や恐れをベースにして、相手が何を考えているのかを想像し、『きっと彼はこう思っているだろう、こんな人だろう』という観念を作る」ことが少なくないようです。

例えば、昨日彼とケンカして、連絡が取れなくなったとして。その理由を探すときって、「もしかして、彼は私のことを〇〇と思っているんじゃないかな」と思うようになる、ってイメージですね。

きっとそのイメージは間違っていないんですよ、その時点では。

ただ、この観念を持ち、彼に「あのときはごめんね」とだけ伝えたり、「私はこう思っていたの」と事情を伝えても、なんだか二人の関係がもとに戻らないことってないでしょうか。

せっかく彼のことを考えたのに、でも機嫌が良くならないとしたら、こちらもへそを曲げたくなることもありますよね?

どうしてこういった事が起きるのでしょうか?

まぁパートナーシップにまつわるご相談って、ほぼほぼこのようなすれ違いからトラブルになっているケースが圧倒的なんですけどね。

「彼とケンカした翌日、『ちょっと距離を起きたい』と言われてしまった」という事例から

例えば、彼とケンカした次の日。彼から「ちょっと距離を起きたい」なんて話があって、焦って「なんで?」って伝えたら、彼から連絡がなくなった、なんてケースを想定してみましょう。

まぁ焦りますよね、そんな事いきなり言われたら。

こっちだって好きな人とケンカしたくてしているわけじゃないのに、いきなり「もう無理」とか「距離を置きたい」なんて言われたら、悲しいし不安だし、どうしたらいいの?って悩んじゃうかもしれません。

だから反射的に「ゴメン」なんて謝って見るんだけど、彼からの返信はなくなっちゃった、なんてケースがあろうかと思います。

そこで「どうしたらもう一回彼と向き合えますか?」というご相談を伺うことも稀ではありません。

実際のカウンセリングでは、クライエントさんからお話を伺って、まずはその不安や焦りに共感させていただくわけですが、ただ、それだけではなかなか彼と向き合えるようにならないケースが圧倒的です。

それはなぜかと言えば「クライエントさんの考えている彼のイメージがネガティヴすぎるから」ですね。

彼はきっと怒ってる、私のことを突っぱねて嫌いだと思ってる。

そう思い込んでいる方がとても多いのです。

だから僕はこう伺うことがありますよ。

「あなたが思う彼ってどんなイメージなんですか?」と。

すると、彼が今怒っている、私のことを嫌いになった、なんてイメージを伝えてくださる方が少なくないんです。

きっとそのイメージって間違いじゃないんでしょう。

でも、なんか忘れてるんじゃないかな?って僕は思うわけです。(まぁ僕はその当事者ではなく、第三者だからこそ見えるのかもしれませんが)

いわば、たしかにあなたはは相手のことを必死に考えているには違いない。

ただ、自分が思い込んだ彼に向かって『ごめんね』って謝っているとき、相手はあなたに「理解されている」とは感じないものです。

例えば、もし彼が「あなたのことが好きで、できればあなたの役に立ちたいから付き合っていた」という前提があって、その前提が無視されているとしたら、その気持ちも理解してもらわない限り、「相手に気持ちを分かってもらえた」とは思わないはずなんです。

ここ、超重要です。

例えば、ケンカした相手ってのは、そもそも自分を愛したいとか仲良くしたいって思っていた人のはずです。その意識・考え方が抜け落ちた判断で作った相手のイメージって、本当に正確かどうか。

そもそもそう思い込んでいるのは一体誰なのかに気づくことって重要ですよね。

そう考えると、やはり自分の思い込みだけで作った相手のイメージだけでコミュニケーションした結果がすれ違いだった、というケースってめちゃめちゃ多いんですよね、僕の経験上。

また、二人の気持ちがこじれにこじれてしまった後では、また別の「分かり合えない痛みの問題」が出てきちゃうのでね。

できれば早めに手を打っておきたいところです。

 

相手のことを考えるための前提条件

ちなみに、もっと深く相手のことを知り、考えるには、解消しておくことが求められる思い込みがありますよ。

それが「私は愛されない、役に立てない」という罪悪感・無価値感と、「自分は間違っていない」という判断です。

この感覚が強いと「私は愛されない」もしくは「相手が間違っている」という前提で相手を見てしまいます。

すると、「彼は私のことを愛する気持ちなんてないんじゃないか」とか、「彼は私のことを批判したいに決まっている」なんて極端なイメージしか作れないことがあるわけです。

いわば、自らが相手を超絶ネガティブにみてしまうことになるんです。

こうなれば、相手にすがってしまうこともあるでしょうし、素直に相手に自分の気持ちを伝える気にもならないわけですよね。

もちろん相手も自分の気持ちを正確に見てもらえていないと感じて、がっかりするでしょうから、まぁ心を開かないし、関係は良くなっていくことは少ないかもしれません。

 

しかし、自分が思う相手のイメージが、相手の状態とおおむね一致しているなら、おそらく話は通じるし、気持ちも通じ合えますよ。

よっぽど彼がすねたり怖がっていない限り、ね。

先日も「(浅野が)おっしゃったとおり連絡したら彼から返信がありました!」的なお話を伺いましたけど、ここが人のお話を伺い、お気持ちを扱わせていただいているカウンセラーの持つテクニックの部分なのかもしれませんね。

なぜ僕たちがそういったテクニックが使えるかと言えば、まぁ相手のことをある意味「ポジティブ」「ネガティヴ」の両面から見て、その状態を公平に見て探っているから、と言えるでしょうか。

かつ、その相手も「きっと誰かを愛したいに違いない(自尊感情)」をベースにして物事を考えているから、ある意味より正確な相手のイメージが掴めるのかもしれません。

まぁ、もし僕が「相手が問題だらけでどうしようもない」としか考えなければ、きっと相手の素晴らしさとそこから生まれる葛藤を見逃してしまうい、いわば「もう手の打ちようがない」って見解になってしまうものなのです。

ここがポイントです。

(もちろんこちらが相手にニーズをぶつけたいってだけの場合は、さらに自分の気持の整理が必要になってくるんですけど、ま、その話は横においておきましょうか(^^;)

つまり、僕たちはいつも「自分の価値観で世界を見ている」と知っておくことって重要です。

「自分が思う相手のイメージ」が、常に正確に相手の今を映し出しているかどうか、検討す余地があるものなんです。

つまり「相手のことを考える」ということは、「より深く相手を知り、感じる」ということではないでしょうか。

今まであなたが見て感じてきた相手ってものを使い、ポジティブ・ネガティブの両面から相手の見て、かつ、相手の素晴らしい部分を見て、深く深く知ることですよ。

自分の中で「考えた」相手のイメージが、いつも真実の相手を映し出しているとは限らない。

少なくとも僕はそう思うのですよ。

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