恋愛・夫婦の心理学

パートナーシップの価値を高めるコミュニケーションの秘訣

パートナーシップの価値を高めるコミュニケーションについて考える

恋愛やご夫婦のカウンセリングでは「パートナーにどのように関わっていけばいいのでしょうか?」というご相談をたくさんいただきます。

例えば凹みやすいパートナー、怒りっぽいパートナー、いつも我慢ばかりしているパートナー、なんだか価値感が合わないように感じるパートナーなどなど、これからもうまくやっていきたいのだけれど、しかしどんな風に関わったり、コミュニケーションすればいいのか、といったお悩みです。

こちらとしては仲良くやっていきたいと思っているし、相手のことを大切に考えているのだけど、何故か噛み合わない、といったお話でもあります。

そんなとき、どう考えていくといいのか、について今日は考えてみます。

よろしければお付き合いください。

コミュニケーションの視点や愛し方にもポジティブな視点とネガティブな視点がある

実はコミュニケーションや愛し方って、人それぞれの「視点」があって、その自分の視点で相手と関わったり、愛そうとしているものなんですよね。

この「視点」が相手と噛み合わなかったり、今の二人の置かれている状況にフィットしないでいると、なんだか空振っているような、うまく気持ちが伝わっていないような感覚を感じることにもなります。

この状態が慢性化すると、いわゆる「マンネリ」ではないですが、「いつも同じ感じ」「いつもドヨーンとした感じ」「二人の間にロマンスが感じられなかっり、新鮮な気分になりにくい」と感じるようにもなります。

ただ、この感覚が実は自分の視点によってもたらされているとはなかなかお気づきになれない場合もあるようです。気づかないことが悪いという意味ではなく、気づきにくいものだという意味なんですけどね。

例えば、普段からあまり小さなことでは悩まないタイプの人って、基本ポジティヴなコミュニケーションを好む傾向があります。

物事を前向きに見たり、まぁ悩んだって仕方ないよ、といった視点を持ちやすいわけですよね。そればもちろん美点といえますし、その視点が前向きで楽な感じを相手に提供することにも繋がりますから、間違っているわけじゃありません。

しかし、逆にネガティヴな視点を持つことに対してはあまり得意ではなかった場合、相手のネガティブな気持ちに共感することをちょっと忘れがちになるんですね。

すると、なぜかパートナーから「あなたは私(僕)のことを分かってくれない」という声を聞くことにもなるのです。

特に物事をポジティブな視点で見ている人ほど、人をいい気分にさせたい、お互いにいい気分でいたいという考え方をしがちのようです。

だから「分かってくれない」と言われると、「こんなに相手のことを考えているのになぜ?」とか「前向きで、相手の良さを見ているのにどうして」と思うことが増えるかもしれません。

人の恐れや不安などにも意味があり、それを分かち合うことも信頼関係を築く上では重要なことなのですけど、そこにいわば弱点があるとも言えます。

逆に、普段から物事を慎重に見ていたり、些細なことでも気にしやすいタイプの人って、基本ネガティブななコミュニケーションを取りやすくなります。

たとえ、ネガティヴなコミュニケーションを好んでいなくても、つい視点がそうなってしまうという感じです。

これ、物事を慎重に見て、丁寧に考えるという意味では美点といえますし、その視点がリスク回避にも繋がりますから、間違っているわけじゃありません。

ただ、物事をネガティヴに見た結果を伝える傾向が強くなると、人を褒めたり、相手のいい気分に共感することが少なくなってしまうようなのです。

特に物事をネガティヴな視点で見ている人ほど、悲しみ、切なさを知っているからこそ、人を責めない、人に迷惑をかけないという考え方をしがちのようです。

もちろんそれは美点とも言えるのですが、このタイプの人ほど頑なに自分の気持ちを言わず、誰に相談せず、一人で考えて答えを出したり、思い込みで動いて後で後悔する、なんてことが多いのです。

だから、コミュニケーション自体の頻度が減ってしまったり、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを聞くということをスルーしがちで、逆に言えば「何も言わなくていいだろう」と感じやすくなる場合があるのですよ。

この弱点は「人と人との分離」を作りやすいので、どうしてもパートナーとの関係に距離を感じたり、自分から距離をつくってしまうことも少なくないようです。

自分の視点も間違っていないけど、相手の視点も間違いではない

さて、今日はポジティヴ・ネガティブという言葉を使い、わかりやすさを重視して事例を書きましたけれど、人には様々な視点・考え方・愛し方があり、人それぞれ違うものです。

そして、そこに違いはあれど、優劣はない、というか、優劣を証明することは非常に困難なことではないだろうか、と僕は考えています。

つまり「自分の視点も間違っていないけど、相手の視点も間違いではない」と思うのです。

ここで勝ち負け、白黒をつけようとするのが競争の心理です。

もちろんビジネスや研究の世界ではクリティカルな視点が重要になりますけど、それは人との競争というより考え方や戦略の中においてのものですよね。

お互いに支え合い分かち合う人との関係、特にパートナーシップでは、この競争の心理が問題を作るのですよね。

 

もちろん「自分が相手のために」「これがベターを考えたこと」に関しては、間違っているなんてことはないのだろうと僕は思うのです。

が、何故か僕たちは「自分の視点と違う」ことを批判的に捉えやすくなります。

僕たちの自我の成長プロセスの中にも「自分の視点・考え・意見に自信を持つ分だけ、他人の視点・考え・意見に対して非常に批判的になる」という時期があると言われています。

自分自身に肯定的であればあるほど、人の違った視点に対してつい悪気なく批判的な視点を持ってしまう、というわけです。

もちろんそう思うことも一つのプロセスなので、すぐ問題にする必要はないのだろうと僕は思っています。いわば「それもしゃーない」ということなのだと僕は理解しています。

が、例えばパートナーと異なる視点・考え方・愛し方をどのように共通理解や絆に変えていくのか、特に「二人の視点・考え方・愛し方」を構築していくのか、を考えたときに、この視点の違いは、自分自身の違和感や共感されていない感じとして捉えられることも少なくないようです。

「相手が言っていることも分かるけど、でも自分はそれを望んでいないし、違う気がする」と感じるような、ね。

そして多くの方が、このような違和感・気持ちを我慢して、相手に合わせていたり、自分の気持ちを言わずにいることがいいことだと考えて過ごしている。

もちろん納得いかない!と思う人はケンカするのかもしれませんけど(^^;

ただ、その結果「今の関係に限界を感じる」「パートナーとの関係がつまらない」「結婚生活長いけど毎日がどんよりしている」なんてお声を伺うこともにつながることもあるようなんですね。

パートナーシップの価値を高めるコミュニケーションはお互いの視点で両面から物事を見ること

もし、これからもっと素敵なパートナーとのコミュニケーションを考えたり、パートナーシップを持ってよかった!と思えるようなコミュニケーションを考えるなら、実は「相手の視点」がとても参考になるのです。

もし自分が「ポジティブな視点」で物事を考えやすいならば、相手のネガティブな視点について考えてみるといいんです。

実は自分がそれをどれだけ苦手にしていたか、が分かるかもしれません。

もちろん逆も同じ。自分が「ネガティブな視点」で物事を考えやすいならば、相手のポジティブな視点について考えてみる。

すると、実は自分がそれをどれだけ苦手にしていたか、に気付けるでしょう。

そしてどちらの視点にも美点と欠点があります。完璧ではないんです。だから、お互いの視点が相手のためになっていた、なんてことはザラに起きていることなんです。

言い換えるなら、相手の視点が自分を支えていて、自分の視点が相手を支えていることはよく起きていることだ、と。

だから「自分のものの見方が全て間違っている」も「相手の考え方が変だ」も、どちらも行き過ぎている、と言えるかもしれません。

そして、お互いに相手の視点で物事を見ると、実は自分が愛されていたとか、支えられていたことに気付けることも少なくないようです。

こうなると「二人がお互いの思いを受け取れる」ようになるので、つい二人でいるのに自立してしまう関係を解消できたり、「二人でどうするか」を考えることができるようになっていくのですよね。

パートナーの視点を信頼することで関係が改善した事例

かつてこのようなご相談を伺ったことがあります。(掲載OKの話です)

ある奥さんからご相談を頂いたのですが、その方はとても自立的で前向きな方だったんですね。だからいちいち心配性なご主人に「もっとしっかりしなさいよ」ぐらい思い、不満を抱えていたんです。

ご主人の優しさに惹かれてご一緒になられたのですが、実際一緒になってみると、言い方はアレですが「辛気臭い・ウジウジしている」ように見えて、結婚当初の「そこがかわいいのよね」も通り過ぎ、「一緒にいると気分が滅入る」ぐらい思われていた。

だからご夫婦の間にはお子さんもいらっしゃったのですが、「もうこの人といてもしんどい」と思われていたのです。もちろん二人の間にはケンカも頻繁に勃発していたようです。

奥さんはこう思われていました。「夫にもっとしっかりしてほしい。じゃないとやっていけない」と。

その時、僕はこのように伝えた記憶があります。

「それだけご主人にネガティヴな態度を取られたら、嫌ですよね。だって、あなたが辛いときにご主人に頼ったり、甘えることもできませんから、そりゃイライラしますよねぇ。一緒になって落ち込まれてもしんどいだけでしょうし・・・。」

するとその方は驚かれたようなんです。

「私は夫にしっかりしていてもらいたいだけです。いつもウジウジするのではなく前向きでいてほしいだけで、頼りたいとは思っていないんです。」

そうお答えになられたんですよね。そりゃそうですよね、そう思わなきゃ離婚までお考えにならないと僕は思うのです。もういい加減にしてほしい!と思うから別れたいと思うわけで。

 

ただ、僕はここで不思議に思ったのです。

どうしてそこまでこの奥さまはしっかりしていること(頼りがい)にこだわるのだろうか?それは自分自身にも、そして相手にも。

そこまで別れたいほどにご主人のネガティブさが嫌いなら、とっくに別れているのではないか、と。

だから、僕は次のように伝えたのです。

「そう、そうですよね。ご主人にはしっかりしてほしいですよね。

つまり、気分的にご主人を頼りたくなっているわけですよね。

もちろんそれって悪いわけじゃなく、当然のことなんです。パートナーシップは支え合いですし、いつもあなただって元気で前向きな気持でいられるわけじゃないと思いますし。

あなたが辛いときに一緒に落ち込まれてもしんどいですしね。だから私が落ち込めないし、しんどい思いを伝えることができないし。それが嫌なんでしょうか?

だから、これはもしかするとの話なのですが、もし今のご主人と離婚したら今度はもっと頼りがいのある男性がいいとか考えていませんか?」

どれだけ前向きな考え方をしている人でも、パートナーとの関係ではどうしたってニーズがでます。それはもう致し方ないことで、そこ込みで考えないとパートナーシップの問題はうまくいかないのです。

 

ただ、ここで僕がお伝えしたかったことは「そりゃ別れたいですよね」ではないのです。

むしろ逆で「あなたはそんなにイライラされていても、まだご主人のことを大切に思い、愛されているのですね」なのです。

その気持ちが全くご主人に伝わっていない気分になって、ものすごくつらい思いをされたのはあなたではないでしょうか、とお伝えしたわけです。

僕にはこの奥さんって、きっとご結婚当初から「この人を元気づけてあげたい、笑顔にしてあげたい」と思われていたようにしか見えなかったのです。

しかし、いつまで立ってもネガティブな視点を持ち続けるご主人にイライラしてしまったのでしょう。

 

だから、複数回のカウンセリングの後、僕からこのように提案させてもらったのです。

「今回のケースでは「あなたがもっと自分を認めましょうね」「自分の好きなことをしましょうね」では全くスッキリしないと思うんです。

これはコミュニケーションと気持ち・愛情のやり取りの問題だと僕は思うので。

うーん、そうですねぇ。

きっとご主人はあなたよりネガティヴな感情に強いはずですから、思い切ってあなたの悩みを(離婚を考えている以外で)話してみてください。

僕の見立てが間違っていなければ、きっと受け止めてくれるし愛してくれます。」

もちろんその奥さんはすぐにはご主人に話すことはなかったのですけどね。

が、ある時「実はこんなことで悩んでいる」とお話になったのです。

するとご主人は「君にそんな思いをさせて申し訳ない」というモードで接してきたので、奥さまは更にうんざりされたそうですよ。またか、と思われたそうです。

が、その後でご主人は「でも、悩んでいるならいつでも話してほしかった」とおっしゃったそうですよ。

その時、奥さんは初めてご主人の気持ちを知ったような気がする、とおっしゃっていました。

 

その後、僕からはこのようにお伝えしたんです。

「それって信頼ですよね。

あなたがご主人の視点を信頼した、ということではないのでしょうか。相手に愛されていることに気づいたというよりも。

つまり、あなたが想像できないやり方で相手はあなたを受け止めようとしていた、ということをもっと信頼してもいい、ってことではないでしょうか。

しかし自分の視点ややり方だけを信頼していると、なかなか相手の視点ややり方を信頼できないといいますかね。

この信頼がめっちゃ難しくて、信じたいけど怖くてアテにできない・任せられないと思う自立タイプの人って少なくないんです。

もちろんあなたもご主人も、お互いの受け止め方(視点)が理解できなかったのかもしれませんしね。

ただ、パートナーシップの素晴らしいところは、自分の想像を超えた相手の強さがあることを知ることなんでしょうね。

そして、お互いがその自分なりの視点で相手を受け止め合うこと、それを相互に理解することに価値が出てくるといいますかね。

言い換えるなら、人って自分ではありえないと思うような視点で、相手のことを思い、愛してくれていることがあるんです。

ただ、それって心から渇望しているだけでは受け取ることってできないんです。

欲しい欲しいと思っているだけでは手に入らない。

自分とは違う相手なりの視点、強さを理解できると受け取れるものなんです。

すると、状況はガラッと変わることも多いんですよ。

もちろん、それが自分の視点になじまないことであればあるほど「それは求めているものと違う」と思うんですけどね。そりゃしゃーないんですけども。

どうでしょう、ご主人のその気持ちを知って、ご主人がずっとあなたのためにできることってないだろうか?と考えていたこと、なんとなく気づきませんでした?」

 

それからその奥さまはご主人に些細なことでも相談されるようになったんです。

すると、ご主人の態度が少しづつ前向きになってきたそうなのです。(相変わらずネガティヴ思考は変わらなかったそうですが)

これはご主人の視点で奥さまに対して愛や気持ちが届き始めたから起きたことなのでしょう。僕はそう見ています。

そしてずっとご主人に前向きな気持ちになってもらいたい、という奥さまのご希望も叶った、ということのようでした。

今回のケースで僕がご提案したことは一つ。

「相手の視点、強さに立って考えてみる」「それを信頼してみること」です。

その逆は自立です。他力を信頼せず、相手の個性や良さと戦うことです。

もちろん自立が悪いわけではないのです。

ただ、戦ってはいい結果が出ない。相互理解に持ち込みたいねぇ、ということなのです。

そう考えると「パートナーシップの価値を高めるコミュニケーション」って、自分と相手、ポジティブ・ネガティブ両面から物事を見るイメージが重要なんでしょうね。

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