恋愛・夫婦の心理学

パートナーのことが信じられないときの心理とその処方箋

パートナーを信頼しましょうというけれど・・・

「そうですね、やはりパートナーを信頼する方向が良いですよね」

カウンセリングの中でこういったお話をさせていただくと、実にいろいろな反応が帰ってくるのです。

そしてこの反応自体が「その方」や「そのパートナーシップ」のあり方を如実に示していることが多いですよ。

まぁカウンセラーが見ているネタバラシ的な話なんですけど、今日はそんな話を一つ。

 

パートナーを信頼してねと言われたときの反応・あれこれ

例えば僕が「そうですね、やはりパートナーを信頼する方向が良いですよね」とご提案させていただくと、人それぞれ、実にいろいろな反応が返ってくるのです。

  1. 「どんなことがあっても全面的にパートナーを信頼しなくてはいけない」と考えてしまう人
  2. 「パートナーを信頼するって、そりゃ無理だよ」と思いこむ人
  3. 「今でも信頼しているつもりなのに、不足しているってこと?」と感じる人
  4. 「そうですよね、もっと愛してあげたいです!」と感じて前向きになる人

これ以外にもいろんな反応があるのですけど、代表的なものはこれかな、と僕は思います。

そして一つ一つのパターンについて詳しく解説しているとかなり解説の分量が多くなるので、さっくり解説しますね。

「1」のパターンは「何事にも期待が強い」タイプです。

言い換えるなら完璧主義が見え隠れする感じ。完璧に愛せれば理想的なのかもしれないけど、完璧に愛せないと思うからこそ「もっと頑張らなきゃ」と感じているようなイメージです。

このパターンは「ちゃんと信頼できていない自分が悪い」と感じていることが多くて、ちょっと自分のことを認めていない事が多い感じなんですね。

その方として十分信頼を向けていても、自分への信頼が欠如しているので「もっと頑張らないと」と感じてしまうというわけです。

だから、何事もハードルだけが先に高くなるので、頑張らないと、と思いつつも、「無理かも」と気落ちしてしまうこともあるようです。

そもそも100%信頼してくださいね、とお伝えしているわけではないのですが、そう聞こえてしまうようで・・・。

 

「2」のパターンは「諦めが強い」タイプです。

「信頼しようと思ってもそんな気分になれないよ」もしくは「なんでこちらが信頼しなきゃいけないんだ」といった気分になっている可能性が高いんです。

例えば相手の浮気問題とか、浪費問題とか、相手に散々に苦労させられたなんてケースはその典型例です。また、そもそも「自分には無理、できっこない」と感じてしまう場合もあります。

これらは、自分自身への信頼が足りていない状態が諦めを作るわけなんですが、なかなかそう感じられない部分に罠がありますね。

いわば、自分自身を肯定したり、自分自身のプロセスや意志、行動などに意味が感じられなくなってしまっている可能性が高いんです。

依存的な人は「そもそも無理」と感じますし、自立的な人は「これ以上何をしろと?」と感じるわけです。

 

「3」のパターンは「判断・正しさ」「競争意識」が強いタイプです

このパターンは「自分なりにちゃんとやっています」といった意識が強い人です。

確かに自分なりにちゃんと行動されていることは間違いないことでしょうから、そこを僕もあれこれ言いたいわけではありません。

もし問題点があるとしたら「自分が、自分なりに、自分として、相手を信頼している」という部分にあるといえます。

あくまで「自分はこう思っている」という範疇で物事を考えていることに気づいていないことかもしれません。

信頼とは「架け橋」のようなもの。コミュニケーションは「キャッチボール」のようなもの。相手あってのものですからね。

だから、このタイプの人は「相手に伝わりやすい表現(信頼)」を投げかけることができれば、そもそも信頼しているのですから、相手との関係は改善できる可能性があるのです。

が、自分のやり方以外の方法を採用することに、微妙な気分になっちゃうことも多いのかもしれません。

競争意識があるので、自分の考え方とは違うものを採用すると、ちょっと負けた気分になって気がすすまないとかね。

 

「4」のパターンは許しが深まっているタイプです

パートナーを信頼するためには、何が必要なのかが分かっている人は「そっか、相手のことをもう少し信頼してあげたほうがいいですよね」といった反応を見せることが多いんです。

・「自分は自分なりのベストを尽くしてきた」
・「できることはやってきた」
・「それでもうまくいかないこと・悲しいできごとは起きる」
・「つまり自分が全て悪いわけじゃないんだ」
・「だから、相手が悪いと責めることも必要ない」
・「自分は相手を信頼したい・愛したいという気持ちがあるから、それに今は素直に行動しよう」

このような気持ちの流れができていると、すんなり「もっと信頼しよう」と思えるようになるんです。

ここで必要なことは

・「自分は足りていない」「自分が間違っている」といった強い判断を極力、現実に即したものに変えること(人は完璧じゃないから足りないこともあるけれど、足りないことばかりじゃなかったと知ること)

・「自分なりにベストだと思って行ってきたことの価値を認めること」

・「自分や誰かを責める気持ちを手放して、自分や人を責める気持ちがあるから、こんなに自分が苦しいのだと知っていること」

・「相手のことをよく知っておいてあげること」

いわば、罪悪感や無価値感の罠、判断の罠を手放して、自分の心に従って信頼したい人を信頼しようと思えているんです。このとき、自分を責めていないので「ま、信頼してみますかねー」みたいな軽い、かつ本気な感覚でいられるんですよね。

 

「100%信頼することよりも、信頼することを選ぶ」という発想を持つために

人間はだれしも完璧ではありません。

ぶっちゃけ、間違うこともあれば、ミスもするし、人を疑うし、相手の地雷を踏むこともあれば、自分自身の欠点だってあるものです。

だから、100%完璧に相手を信頼することは難しいものですし、僕もそうお願いしているわけではありません。

時々、「少しでも疑ったり、信頼できないってことは愛がないってことだ!」なんて言葉を聞くことがありますけど、そりゃ無理ってもんです。

そこまで相手の自由を奪うことが信頼だとは僕には到底思えないし、相手にビタ一文ミスを許さない愛なんて、僕は聞いたことがありません。いいかどうかは別にして、そりゃただの要求だと僕は思います。

むしろ、そういった要求を突きつけられて、答えられる人はきっといません。だから求めるだけ虚しいことなのでしょう。

それでも僕が「パートナーを信頼しましょうか」とお伝えするのは、私たちの本質には常々「誰かの役に立ちたい、誰かを愛したい、喜ばせたい」と思っている部分があるからです。

そして、できる範囲の信頼を与えていくことで、関係がより素晴らしいものになる、その可能性を高め、かつ自分自身がいい気分でいられるようになるために、そうお願いしているのです。

これこそ自己肯定感・自尊感情という言葉が示す要素なのです。

 

そして、パートナーが「自分の中の信頼を表現するのか」「信頼しないという選択をするのか」は、こちらの言動が決め手になることが多いから、という理由もあります。

まぁ、とても現実的すぎる話なんですけどね(^^;

逆に言えば、自分が「相手を信頼するか」「信頼しないと決めるか」も、ぶっちゃけ「相手の言動」にかなり左右されるわけですよね。いくら愛したくたって、相手があまりにひどい態度を取るなら、愛したい気持ちがあれど、その気持ちが揺れるわけです。

この考え方を用いれば、もし自分が「信頼しない」という態度をとれば、相手も「信頼しない」という態度を取るのです。そして、相手もまた信頼とは真逆の、悪い態度をとるようになるわけです。

一方、自分が信頼に基づく言動をとれば、相手は自分の中の信頼を選びやすくなります。それにより、自分はより二人の間の信頼関係を実感することができるわけです。

だから、「信頼を選んでいたほうが、いい関係になりやすいですよ」という意味でお伝えしているのです。

 

それを100%完璧にやろうとするとか、今までの自分が不十分だったというの?と思うならば、それこそ「自分が自分に与えている罰」なのかもしれませんよ。

だって、あなたはそんなに不十分な人ではないはずでしょう?

でも、あなたがそう感じるということは、あなたはどのように自分を見ているのでしょう?

実はここに大きな信頼に関する問題点があるのです。

「自分を信頼していない人は、人を信頼できない、のではなく、人から向けられた信頼がよくわからない

つまり、自分が信頼を受け取っていないと、「自分が与えた信頼が、相手の中でどのように作用するかがわからない」のです。

これも一つの「投影〜自分が感じていることを相手に映し出す〜」の作用によるものです。

だから、どれだけ信頼しようとしても「これでいいの?」「これで十分なの?」と感じてしまう可能性が出てきて、いわばどれだけ頑張っても天井が見えない状態になるのです。

これが意味するものは、「あなたのことを愛してくれた人、支えてくれた人、育ててくれた人、見守ってくれた人への感謝や、その思いを受け止める感覚が少ない」ということです。

だから、信頼しようと頑張りすぎていたり、信頼できない自分を責めすぎていたり、そもそも信頼とは何かがわからないぐらい人と分離しすぎてしまうのです。

そして、自分が与えた信頼の意味や価値を自分で測りかねるのです。

もちろんそんなことあなたを愛する人は求めていないでしょうから、相手ががっかりするのは目に見えている話かもしれません。

 

ここでのポイントは、信頼とは与え、受け取るものだからこそ、自分の信頼の価値を少しでも知るために、あなたが愛されたこと、信頼されたことを思い出す必要があるのです。

言い換えるなら、今の自分があるのは「自分の努力+人の支えがあってのこと」と理解できるかどうか。

そう考えると、一人で自分の価値を高めていても、なかなか不安が消えないと思いませんか?

どこか人と関わる中で「自分がどのように愛され、信頼されてきたか」を受け取ることが、人を信頼する側に回ったときに自分を支えてくれる、というわけです。

そもそも信頼とは、自分だけのものではないわけですよ。

人との関わりの中で効果を発揮するものなら、人との関係で負った心のダメージを癒やすことや、人の愛を感じ取ることで、自分の信頼が持つ影響力を知ることもできるようになるのですよね。

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