恋愛の心理学

自分が感じた気持ちを素直に表せなくて相手に不快感を感じさせる態度を取ってしまいます

浅野さんへの質問

初めまして。
感情のデットゾーン、パワーストラグルといった言葉から、こちらのブログに辿り着きました。

(中略)

今日お聞きしたいのは、パートナーシップに関してです。

私は同性愛者です。30になる前まで何人かの女性とお付き合いしてきました。
自分から好きになる方が女性でした。一度男性ともお付き合いしていますが、女性が多かったです。
30を過ぎて、ある方とお付き合いをしました。
今まで男性性を全面に出して生きてきたので、私の女性性が出てくると、
恥ずかしさもあり、でも女性性の気持ちで接する方が気持ちが楽であったりと、
私の中の女性性と向き合うお付き合いでした。
彼とは4年半お付き合いをしましたがお別れをしました。
パワーストラグルとデットゾーンの問題を乗り越えられずにです。

その後、今お付き合いしている方がいますが、数ヶ月で、同じ局面を感じています。

なんでこうなってしまうのか、私の不快な気持ちを味わいたくなくて、この原因はどこにあるのか、内観し続けました。家族との関係性をもう一度見つめ直しました。

私は、自分が最初に感じた気持ちを素直に表せなくて、止めてしまう癖がある事に気がつきました。
そしてその気持ちを守ろうと相手に不快な態度を取ったりしてしまうようです。
この瞬時に気持ちにのまれてしまう状態はどうしてなのでしょうか?

自分の気持ちを聞いたり、親を自分を許したりなど、色々試しましたし、愛されない私がそこまで強く形成されているようにも思えません。
怒っている人、自分を卑下している人の所に行きたい人はいないと思います。
捻じ曲げずに素直な表現をしたいです。可愛く(表現が)なりたいです。

どうしたら良いのかアドバイスを頂けたら嬉しいです。

ネタ募集ネーム:はるちゃんさん(一部編集しております)

はるちゃんさん、おまたせしましたm(_ _)m

ネタのご協力ありがとうごさいます。

今日はあなたのご質問にお答えしますねー。(あと、あなたの情報をたくさん書いてくださっていましたが、多くの方がご覧になるブログ上では全て伏せさせていただくことご理解くださいませ。)

さて、今回のご質問は

「私は、自分が最初に感じた気持ちを素直に表せなくて、止めてしまう癖がある事に気がつきました。そしてその気持ちを守ろうと相手に不快な態度を取ったりしてしまうようです。
この瞬時に気持ちにのまれてしまう状態はどうしてなのでしょうか?」

ですね。

ではではお答えしたいと思います。よろしければどうぞ。

自分の気持ちを隠すなら「ちゃんと隠せたほうがいい」と思いません?

今回のご質問は「自分が最初に感じた気持ちを素直に表せなくて、止めてしまう癖がある事に気がつきました。そしてその気持ちを守ろうと相手に不快な態度を取ったりしてしまうようです」というものですけどね。

では、よーく考えてみてくださいね。

もしあなたが「自分が感じたことを素直に表現しないほうがいい」と思っているとしたら、「自分の素直な気持ちはちゃんと隠せる方法」と使うと思いませんか?

「自分が思っていることが相手にバレたくない」と思うなら、本当の気持ちとは真逆の表現をする方がより効果があると思いませんか?

もちろんそういった表現や態度を取ることによって、自分でも自分のことを誤解するようになったり、相手に気持ちを理解されることはないわけで、これまた切ない気持ちになることもあるのでしょうけれど。

つまり、あなたが何らかの理由で「自分の気持ちを表現しないほうがいい(表現してはいけない・バレないほうがいい)」と思っているならば、「自分の素直な気持ちではなく、真逆の(相手に不快感を感じさせる態度など)を取る」ようになるのではないか、と考えることができるのです。

このような状態の前提には「私が素直な気持ちを伝えると問題が生じる」といった観念があるのでしょうね。

それ故に「素直な気持ち」とは「真逆の表現」、ここでは「相手を不快にさせるような表現」を用いることにより、「自分の気持ちを隠す」という目的を達成している、ということになります。

あえて逆の表現をすると、自分の内面で「自分の素直な気持ちを伝えてもいい」というパーミッション(許可)がでているならば、「真逆の表現」を使う必然性はなくなる、ということでもあります。

理解されたい気持ちが「怖れ」である場合、素直に表現できないこともよくあります

また別の視点で考えてみましょう。

多くの大人は「自分が怖がっていること」を隠したがります。

怖がること自体、弱点と解釈されることが多いものですよね。

だから、悪意を持った誰かに、自分の弱みに気づかれたり、つけこまれたくないと思えば思うほど、「怖い」という感情はひた隠しにされ、誰にもバレないように警戒心を抱くようにもなります。

そんな状態にある人ほど、素直に「怖い」とは言わず、また別の表現を使うわけです。

その代表例が「怒り」であり、「disり」であり、「文句・不満」であり、「相手の価値を引き下げるような言動」です。

怒りは感情の蓋のような作用を持つことがあり、人は「怒り」を感じているとき、怒り以外の感情を感じずに済むのです。

例えば「怖がりさんほどいつも怒っている」わけでして、怒っていないと何かしらの怖れに飲み込まれるので、怒り続ける必要が出てくるわけです。

人の文句ばかり言ったり、人のことを悪く言う、相手を困らさせるような言動を取る人も同じですね。「何かしらの怖れを感じたくない」がために、自分以外の物の価値を下げようとしたり、相手に恐れをぶつけるような言動をとって安心感を得ようとするんです。

(もちろんこの方法で得られる安心感は一時的なもの。なので、いつも何度でも文句や悪い態度を取る羽目になり、結果的に自分自身が自分のことしか考えられず、周囲のことが見えなくなり人や社会と接する際に「相手が何を考えているわからないという怖れ」ばかり感じてしまうことにもなりますし、とかく気持ちの面で消耗し、いつも気分が晴れず最悪になってしまうわけですけどね。)

つまり何かしら怖れを感じているとき、人は自分の本音とは裏腹に、怒ったり、まぁ相手に悪い印象(誤解)を与えるような言動を取ることがある、というわけです。

そして、そういった態度をとった経験があると、その反省から「めちゃめちゃいい人にならなければ」「すごく誠実であらねば」と思い、また自分を今までとは逆の方向にコントロールしていく人もいるんですよね。

なにか怖れていることや、触れることが怖い何かがあるのでは?

この瞬時に気持ちにのまれてしまう状態はどうしてなのでしょうか?

怒っている人、自分を卑下している人の所に行きたい人はいないと思います。
捻じ曲げずに素直な表現をしたいです。可愛く(表現が)なりたいです。

んー。

何かしら「触れると(表現すると)怖い」と感じる何かがあるのかもしれませんよね。

それは何かまで今回のご質問だけで詳しい事情までは分からない、という部分が僕の意見なんですけどね。

 

ただ、これはあくまで一つの考えなのですけどね。

はるちゃんさんは「捻じ曲げずに素直な表現をしたいです。可愛く(表現が)なりたいです」と書いてくださってますよね?

だとすると「素直に表現している自分」「可愛い表現をしている自分」を怖がっている可能性はあるかもしれませんよね。

そもそも僕たちにとって「本当になりたい自分」って怖い存在でもありますからね。

「たいして怖くもない、なりたい自分」「全く怖れを感じない価値のあるもの」って、感覚的に変でしょ?

そもそも僕たちは価値のあるものに対して、その価値の分だけ怖れを抱くものですからね。

もちろんなぜ「なりたい自分になること」を怖がる必要があるのかについてはまさに個々の事情なのでしょうが、まぁ一般的によくあるケースとしては「恥ずかしさを怖れている」とか「素直な気持ちを表現すること自体がめちゃめちゃ怖い」なんてものがありますかね。

恥とは、いわゆる「きゃ!恥ずかしい!」というあの感情だけでなく、親密感や自分自身の本質を受け容れるときに感じるものでもあるんですよ。

だから、例えば、素晴らしい自分、偉大な自分、愛らしい自分、愛情たっぷりで寛容な自分になろうとすると、この恥という感情を受け容れることになるものです。

それがなかなか難しくて、恥という感情を怖れているので、つい真逆の表現をしてしまう人がいるとしたら、僕は「まぁそれも有り得る話かもなー」と思います。

また、人は素直な気持ちを表現すること自体を怖れる傾向があるものです。

それは自分の気持ちがバレたくないから、ではなく、恥ずかしいからなのです。

実際、素直な自分を受け容れて表現するということ自体恥を受け容れることなのですけど、そこではとても気持ちのいい体験をすることになるのですよ。なんだかスッと自分の内面で筋が通ったような、感覚として「通りが良くなった」ような感覚を得る人もいますかね。

が、そもそも恥、ここでは「恥を劣等感として捉えている」という意味ですが、この場合は「恥を受け容れたくない」と踏ん張ってしまうので、めちゃめちゃ苦しくなるんです、気持ちの面で。

だから、ついつい恥ずかしくないように、恥を感じない表現を使う人も出てくるんですよね。

 

そう考えると僕たちは「なりたい自分になりたい」と思いながら、しかしなりたい自分になることを怖れ、それゆえに「なりたくない自分」を選択してしまうこともあるのかもしれませんね。

ここでどれだけ素直になって「なりたい自分を選ぶか」は、まさに「勇気」がテーマになっている話でもあるわけですね。

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