恋愛・夫婦の心理学

いつも彼とケンカばかりしてしまう人の深層心理とその処方箋

いつもケンカばかりしてしまう人の深層心理にせまる

『私は私なりに、彼のことを一生懸命愛し、理解し、寄り添い続けてきました。

でも、どうしても彼が喜んでくれなかったし、いつもケンカばかり。

どんな風に愛してもパートナーが嫌がったり反発するので、私もついつい言い返してしまうことが増えてしまいました。

そんな自分がいけないのかもしれないと思うんです。

でも、私なりに彼に気を使い、良かれと思ってアドバイスや提案を重ねても関係は良くなるどころか重くなっていくばかり。

どうしていつもケンカばかりしてしまうんでしょう。どうしていつもこんな関係になってしまうんでしょう。

その理由が知りたいです』

もしあなたが、ケンカなどしたくないしただ好きなだけなのに「いつも彼と喧嘩してしまう」ことでお悩みならば、悪意なき加害者(無意識の加害者)」について知り、理解されると良いかもしれません。

悪意なき加害とはなにか

「悪意なき加害(者)」とは、自分なりに相手のことを考えてとった言動・態度・考えなどが「相手の考え、行為、価値観を否定する」カタチで作用してしまい、全く悪意はないのだけれど相手を傷つけてしまう人(状態)を指します。

これは普段から自立されている方に多い心理パターンです。

僕も日々、カウンセリングの現場でたくさんの皆様の恋愛格闘記を伺う度に、この「悪意なき加害」について考えさせてもらうことも少なくないのです。

悪意なき加害者の具体例

例えば、彼のことが好きで愛情を注いでいる忍耐女子の皆様は、彼を傷つける意図などまったく持てずに、自分なりに愛し続けますよね。

彼が困っていたらそっとアドバイスをする。

彼が一人で悩む姿をみて「一人で悩まなくていいよ」と伝える。

私がいるから甘えていいよ、とも伝えていた。

その言葉や思いに悪意なんて全く感じられないですよね。

ただ、「パートナーに迷惑をかけたくないなぁ」とか「自分なりのやり方で今の状況を克服したい」と思う彼にとっては、「彼女に自分のやり方、価値観、考えを否定された」と捉える場合があるわけです。

その彼にとっては「彼女の好意は嬉しい」と感じながらも、彼女に「自分の弱さを見られている」「自分の弱さを引っ張り出されてしまうようで困惑する」と感じるかもしれません。

特に「彼女の前では強い男でいたい」と思う男性なら、そう感じるかもしれませんよね。

切ない話ですし、彼にとってはありがたいことなのかもしれないけれど、しかしどこかで「自分が負けたような感覚」を感じるのかもしれません。

また参考までに、恋愛以外での事例を挙げますと、『上司が部下に「〇〇のようにすれば成功する」とアドバイスをした』というケースがそれに当たります。

上司が部下にアドバイスを与えた。

そのアドバイスに込められているものは、まさしく上司が出世するために取り続けた行動(その指針)でもあった。

ただ、上司はいわゆる「あまり人の意見や目を気にしないタイプ」であった。

しかし、その部下は他者との調和を重んじるタイプで、人の目を気にする傾向があった。

上司は良かれと思って部下に「このようにすれば成功する」と伝え、そう行動するように要求したが、部下はそれによって「自分の価値観を否定されたような気分」になり、上司に対して不信感を抱くようになった。

このような事例を挙げればキリがないわけですが、私たちは「自分の成功体験、努力、やり方、正しさ」を「誰かの幸せのために参考になれば」と思い、与えることがありますね。

もちろんその思いを否定的に見る必要はないのかもしれません。

しかし、私たちは「人と違う要素」を持つものです。

必ずしも自分の成功体験が他人の成功体験とイコールで結びつくとは限りません。

そこを意識せず、たとえ善意からであっても「こうするといい」と相手に伝えたとき、相手にとっては「自分が負ける」ような感覚を覚える場合があり、これがお互いの信頼関係を壊す理由になることがあるわけです。

 

人は善意で「自分にとって良いこと」を与えるもの

「人は自分にとって良いと思うことを、人に与える」ものですよね。

誰かに「自分にとって良いものを与える」という行動や意識に悪意が入り込む余地はない、と言ってもいいでしょう。

逆に、悪意があると疑うほうが余計なことだと言えるかもしれません。

つまり、「自分の気持ちや努力をわかってもらえなくて、ついつい感情的になり、いつもパートナーとケンカばかりしてしまう人」とは、とても愛情深い方が多いのです。

情熱的、ともいえますし、愛を与える意識はしっかり持たれている方が多い、とも言えます。

ただ、その「自分なりの愛情」「自分なりの愛し方・考え方」が「相手のためになることか」については常に検討の余地があるということなんです。

そこを考えずストレートに愛情というボールを投げ続けてしまうと、なぜかパートナーと衝突するといった現実と出会うことになるやもしれません。

 

例えば、多くの女性の皆さんにとって「孤独を癒やす・大切な人のそばにいる」ということ自体が「愛情表現」であり、「私にとっての望み、良いこと」のようにお感じではないでしょうか。

大切な人のために「頑張れる私」「何でもしてあげたいと思える私」も素晴らしく価値のある存在ではないでしょうか。

だから、その思い、方法を使って、彼を愛することがあっても不思議ではないし、それがあなたにとっての最上級の愛情表現と言えるかもしれません。

しかしそれが彼にとっては「あまり望まないこと」だったとすれば、どうなるでしょうか。

多く、自立した男性にとっての「孤独」は、ある意味当たり前のもので、自分自身で扱えるものだったのかもしれない。

だから、彼が「俺の孤独ばかり見つめられる」より「俺の良さを見てほしい」と感じても不思議ではないと考えられるのです。

自立するにいたった動機が悪意なき加害を作る理由になる

さて、では「全く悪意がないのにどうして加害者になってしまう」ようなことが起きるのでしょうか。

その理由はとてもシンプルで、愛を与える側の「自立」が強まっているからです。

ここでの自立とは、防衛的な意味合いでの自立です。

「もう誰にも傷つけられたくない」「誰にも振り回されたくない」「自分は自分で生きていきたい」という気持ちが強ければ強いということです。

この気持ちが強い人ほど「悪意なき加害のパターン」にハマりやすくなります。

自立が強いタイプの方は、その子供時代(依存時代)に「親や家族、友達や周囲に対して何かを期待しても自分の思うような愛情や理解、信頼を得ることはできなかった」というハートブレイク(傷心)を経験していることが多いものです。

中には「いい子になれば(周囲の人間に合わせれば)愛情や理解、信頼を得られるのでは」という犠牲的な努力をされた方もいるでしょう。

しかし、それでも自分が望むように「愛してもらえない」「理解されない」としたら、きっと人に対する期待を捨てない限り傷つき続けることになるわけですよね。

その結果、「自分を譲って相手の期待に応え続けたり、こちらから何かを期待して失望したり、振り回されるなんてことはもう懲り懲りだ」という気持ちを持つようになります。

「自立」にはこのような気持ちが隠れていることが多いのです。

誰かと関わるぐらいなら、自分ひとりで生きていたほうが楽だ、と思うようになるわけですね。

かつ、このときに「孤独感(孤独だ)」「分離感(自分は人と違うんだ)」「ネガティヴな競争意識(自分のことを理解してくれる人などいないから、自力で、自分の力や正しさを証明しないといけない)」といった感情を感じるわけです。

また、自立するからには何事も「自分」で決めていかねばなりませんよね。だから、必死になって頑張って、自分なりのやり方、生き方、価値観、成功を手に入れていくわけです。

このプロセスで得られるものがいわゆる「自信」「自分にとっての成功法則」なのです。

 

その後、大切な仲間や愛する人と出会った時、相手に差し出したいと思うものが自身の体験から導かれた価値観、やり方、方法、いわば「自分にとっての成功法則」なのです。

そこでは、あくまで『自分にとって価値のあるものだから、素晴らしいものであり、相手の役に立つはずだ』と認識されるでしょう。

が、その成功法則が「大変に価値のあるもの」であることは間違いがないことだと僕は思います。

ただ、それがそのままのカタチで「相手の役に立つか」「相手の価値観に沿うものか」に関する検討がなされないと、与えることでパートナーなど愛する人と意見・価値観の衝突が起きてしまうのですね。

これが終わらないケンカ、対立、別居、別れ・離婚、相手へ不信感を抱く、などの理由になるのです。

つまり、自立が強く、その深層心理で「孤独感」「分離感」「ネガティヴな競争意識」が強まったままでいると、善意から与え、ただ相手を思って愛しているだけなのに、それが悪意なき加害となってしまう、といえるのです。

いつも彼とケンカばかりしてしまう私から卒業する方法

 

さて、ではどのようにすれば「いつも彼とケンカばかりしてしまう私から卒業」できるのでしょうか。

いくつかの方法・視点をまとめていきます。

リラックスや気分転換をする時間をつくる

いつもケンカばかりしている人と向き合っているだけで気が滅入りますし、自分なりの思いを相手に伝えても受け取ってもらえないと悲しい気持ちが溢れてきます。

そんなときほど、自分の気持ちを整理するためにリラックスする時間を作ったり、気分転換をするための行動を取り入れてみるといいでしょう。

散歩したり、軽めのワークアウトを日常に取り入れたり、音楽鑑賞・読書・芸術鑑賞など、自分の好きなことに触れる時間を多めに作りましょう。

不安など話を話せる人を見つける

自分一人で怒りや切なさ、悲しみを抱えていても苦しいだけかもしれません。

できれば自分の気持ちをちゃんと聞いてくれる人を見つけて、話しましょう。信頼できる友人、家族、仲間などがいるなら、相手の同意の上でぜひ頼ってみてください。

話を聞いてもらうだけでかなりスッキリして、また優しくなろうと思えることも多いですよ。

実は自信喪失状態なのだと自覚する

実は「パートナーなど大切な人をケンカばかりしている人」ほど、自信を失っている事が多いんです。

先にも書きましたが「自分なりの愛情、成功体験」を使ってもなお、ケンカなっているわけですから、自覚している以上に「自分ってちっぽけなのかも」「価値がないのかも」といった思いを抱えやすくなります。

心理的には「不安」「無力感」「無価値感」などを感じやすい状況にあるのです。その感情を強く感じるから、それに蓋をするために怒る、つまりケンカをするのです。

だから、ちょっと勇気は必要ですが、自分に対して真摯に「もしかして自信を失っているのかもしれない」ということを認めてみるのもいい方法です。

自信を失うことは恥ずかしいことではありません。自分なりに努力したけれど、しかしいい方法が見つからないだけですから。

かつ、自分に必要なことが癒やしだと理解できるはずです。

それだけでパートナーに対する怒りの出力が抑えられることもありますし、ちゃんと自分のことをみつめようという意欲を持ち、いたずらにケンカを続けようとはしなくなることもあります。

自分を肯定する習慣を取り入れる

今までの自分が「自分なりの成功体験、愛情」を与えているなら、それ自体を否定する必要はないと思いませんか?

自分なりに愛したい、相手のためになにか貢献したいと思うこと自体は素晴らしいことなのです。

しかし、僕たちには自尊感情があり、愛を与える喜ぶを感じたいと思いながら、愛を与えられない自分を許せなくなってしまうのです。

だから、自分なりの愛情を受け取ってもらえないことでも傷ついてしまうことがあるのです。

その自分をもう一度いい意味で見つめ直し、肯定していくことは、再度「相手のために」「愛する人のために」という気持ちを取り戻し、素晴らしい自分を感じることに繋がります。

普段頑張っていること、自分なりに与えようと思ってきたことを一つ一つ認めていきましょう。

すると、気持ちが落ち着いていきますから、「相手にも相手なりの考え、こちらに対する思いがあるのだよな」と相手を理解することができ、相手にぶつけたいと思う怒りを手放すような考え方を取り入れることも可能になってきます。

あなたに愛があるからケンカをするのです

私たちにとっての「自信」「成功体験」を相手に差し出す行為自体、おそらく自分にとって最大級の愛情表現だと言えるかもしれません。

その行為、発想自体はとても素晴らしいものだと僕は考えています。

しかし、あまりに自立が強まっている状態であることが恋愛においての大きなリスクなのです。

その深層心理で「もう誰にも振り回されたくない」「誰にも傷つけられたくない」「自分が正しい」という感覚が強まったままで人を愛そうとすると、なぜか関係性が壊れてしまうこともあるのです。

そこでは、相手に「自分なりの最上級の愛情表現」を受け取ってもらえない感覚、否定されてしまうような感覚、を覚えるので、つい激しいケンカになってしまうのです。

つまり、あなたに愛情がないからケンカばかりするわけではないのです。

愛があるからケンカするのです。

ただ、それが相手にうまく伝わらないことがあまりに悲しく切ない。その気持ちを引き受け続けることが難しいからケンカしてしまうだけなのかもしれませんね。

 

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