こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

パートナーから、

「そこ、直した方がいいよ」

「そういうところ、本当に良くないと思う」

「普通はそんなことしないでしょ」

なんて、悪いところを指摘される。

一度や二度なら、「まぁ、確かにそうかもな」と思えることもあるでしょう。

でも、これが何度も続くと・・・。

しかも、言われている内容そのものより、なんだか自分という人間そのものを否定されている感じがして、しんどい。

そんなご相談をうかがうことがあります。

で、こういうとき、「指摘されている自分にも悪いところがあるから、ちゃんと受け止めなきゃ」と頑張る方もいるんですけどね。

今日は、そのあたりを少し分けて考えてみようと思います。

指摘されたことを受け止めることと、あなたという人間への評価まで引き受けることは、同じではない。

今日はそんな心の話を一つ。

悪いところを指摘されること自体が問題とは限らない

まずですね。

パートナー同士であれば、相手に対して、「ここはちょっと変えてほしい」と思うことはあるんじゃないかな、と思います。

たとえば、

  • 使ったものを片づけてほしい
  • 帰りが遅くなるなら連絡してほしい
  • 家事をもう少し分担してほしい
  • 話している途中でスマホを見るのはやめてほしい

こういった話です。

別に、何も言わずに我慢することが愛情ってわけでもないですからね。

困っているなら、困っていると言っていい。

「こうしてほしい」とお願いすることもあっていい。

なので、パートナーから何かを指摘されたから、悪い関係だと言えるわけじゃないと思いますよ。

・・・ただですね。

ここから先が、実際のご相談の中でも、ちょっと気になるところなんです。

「何をしたか」と「あなたがどういう人間か」は別の話

たとえば、「使った食器は片づけてほしい」と言われる。

これは、ある意味では行動についての話ですよね。

ただ、

「本当にだらしないよね」

「だからあなたはダメなんだよ」

「そういうところ、人としてどうかと思う」

という言葉になってくると、ちょっと話が変わってきます。

これ、「何をしたか」という話から、「あなたはどういう人間なのか」という話に踏み込んでいる。

言葉としてはそこまで露骨ではなくても起きるんですよ。

たとえば、

「へぇ、また忘れたんだ」と、ため息まじりに言われる。

鼻で笑われる。

呆れたような顔をされる。

「まぁ、あなたには分からないでしょうね」みたいな言い方をされる。

実際、そういった言動を受けると、「この人、私のことをかなり下に見てるな」「雑に扱われている気がする」と感じることもあるんじゃないか、と。

こんなとき、

「私が気にしすぎて傷ついているだけなのかな」

と全てを自分の受け取り方の問題にしなくていいと思うんです。

もちろん、あなた自身の過去の経験や、特性の影響で、他人からの批判に敏感になっている場合もあります。

ただ、実際に「相手がこちらの人格や内面まで批判しているケース」もある。

ここは分けて見た方がいいです。

人格まで批判され続けると、なぜこんなにしんどいのか

「部屋を片づけてほしい」なら、「じゃあ、これからこうするね」といった話もできます。

「もう少し連絡してほしい」なら、連絡の仕方を話し合うこともできる。

でも、

「あなたはだらしない」

「思いやりがない」

「そもそも人としておかしい」

と言われ始めると、何を直せば終わるのかが分からなくなるんですよね。

行動なら変えられる。

でも、「あなたという人間が問題だ」と言われ続けると、

・・・じゃあ、私、どこまで直したらいいんですか?って話になる。

髪型変えるぐらいじゃ済まないわけです(笑)。

自分そのものを変えないといけないような気持ちになる。

だから、かなり消耗するんです。

「指摘されている内容に一理ある」と「人格批判を受け入れる」は別

ここ、忍耐強い人ほど混ざりやすいところかもしれません。

たとえば、相手から、

「あなたって本当にだらしないよね。何回言っても片づけないし」

と言われた。

で、実際、片づけを忘れたのは事実だった。

すると、「確かに私が悪い」となる。

そこまではいいんです。

ただ、「片づけを忘れた」ことと、「私はだらしない人間である」は同じではない。

ここまで一括りにしなくていいんですよ。

「忘れたことは認める」

「相手が困っていたことも聞く」

でも、「だから私はダメな人間だ」までは引き受けない。

この区別は、あったほうがいいんですね。

むしろ、この区別がうまくできない人ほど、相手の言動の影響を引き受けすぎてしまう傾向がありますから。

困りごとは聞く。でも人格評価までは引き受けなくていい

たとえば相手が、「帰りが遅いのに連絡がないと心配する」と言った。

これは聞ける話です。

「家事が自分ばかりになっていてしんどい」も同じ。

でも、そこから、

「だからあなたは思いやりがない」

「そういうところが人としてダメ」

となったら、

その部分まで、「はい。おっしゃる通りでございます」と受け取る必要はないんです。

「あなたが困っていることは聞く。でも、私がどういう人間なのかまで、あなたに決めてもらう話ではない」

という感覚は持っておいていいと思います。

これ、相手を拒絶する話ではないんですよ。

むしろ、相手の訴えと、相手から飛んでくる評価を分けるという話です。

なぜ「困っている」が「あなたが悪い」に変わるのか

では、なぜ人は、

「私は困っている」ではなく、

「あなたが悪い」と言いたくなるのでしょうか。

もちろん理由は一つではありません。

本当に腹を立てていることもある。

積もり積もった不満があることもある。

「何回言っても変わらない」という諦めが混ざっていることもあるでしょう。

ただ、カウンセリングをしていると、もう一つ気になることがあります。

相手に厳しくなっている人は、自分にもかなり厳しいことがある。

たとえば、

  • ちゃんとしていなければいけない
  • 人に迷惑をかけてはいけない
  • ミスしてはいけない
  • だらしなくしてはいけない

そんなルールを、自分にも強く課している。

すると、パートナーが、ちょっと抜けている。

ゆっくりしている。

あまり気にしていない。

というだけで、妙に腹が立つことがある。

「私はこんなにちゃんとしてるのに、なんであなたは平気なの?」となる。

その「自分ならこうするのに、あなたはそうしない」という部分から、相手の人格やあり方への批判をする人もいるようです。

または、自分自身が親や周囲から、自分のあり方を批判されるような言動をされてきた、という場合もある。

その指摘には、その人自身が世界をどう見ているかが乗ってくることはあるんです。

相手の「正しさ」の中で、自分が裁かれているように感じる

相手から、

「普通こうするでしょ」「それぐらいやって当然でしょう」「なんでそんなこともできないの?」

と言われ続けると、

指摘されている側は、相手の価値観の中で、自分がずっと採点されているような感覚になることがあります。

100点取ったら、次のテスト。

80点なら、改善要求。

60点なら、お説教。

・・・家庭内模試じゃないんだから、という話なんですが。

でも、近い関係ほど、こういうことが起きるんですよね。

そして、指摘される側もだんだん、「また何か言われるんじゃないか」と警戒するようになる。

相手が何か話し始めただけで身構える。

すると今度は、相手から、「なんでそうなの?」と言われる。

・・・いや、そりゃそうなるでしょうよ、みたいな(笑)。

二人の間で「指摘する人」と「守る人」が固定されていく

こうなると、関係の中で役割が固定されやすくなります。

一方は、

「直すべきところを指摘する人」

もう一方は、

「否定されないように自分を守る人」

になる。

すると、もともとは、「もう少しうまくやりたい」「関係を良くしたい」という話だったはずなのに、いつの間にか

誰が正しいか。どちらが悪いか。誰が謝るか。

という話になる。

で、勝った方もそんなに嬉しくない。

負けた方はもっとしんどい。

このやり取りで関係が良くなるなら、誰も苦労しないって話っぽいですね。

では、どうしたらいいのか

まず、指摘される側について言えば、

「何を指摘されたのか」と、「私はどう評価されたのか」を分けてみること

だと思います。

たとえば、「連絡が遅かった」これは事実。

「相手が不安だった」これは相手の感情の話。

ただ、「つまり、自分は思いやりのない人間だ」となると、ここは別の話。

全部を一つにしないことです。

そして、必要であれば、「連絡しなかったことはごめんなさい」と素直に言えばいい。

でも、「だからあなたは人としてダメ」まで言われるなら、「そこまで言われると、私は話を続けられない」と伝えてもいいと思います。

指摘する側は「あなたが悪い」ではなく「私は何に困っている?」へ

もしこの記事を、指摘する側の立場で読んでいるなら。

少しだけ、「私の心は一体何に反応しているんだろう?」と考えてみるといいかもしれません。

「あなたって本当にだらしない」ではなく、

「片づけが自分ばかりになっていて、私は疲れてる」

「あなたは冷たい」

ではなく、

「話しかけても反応がないと、私は寂しい」

「本当に思いやりがない」

ではなく、

「帰りが遅くなるなら、一言もらえると安心する」。

ここまで整理できると、相手を評価する話から、二人の間で何を調整するかという話に戻りやすくなります。

というか。

そもそもパートナーシップをよりよい関係にしたいなら、伝えたいことと、相手の内面やあり方への批判を切り離したほうがいいです。

こちらにどれだけ「正当性」があっても、相手の内面やあり方にまで踏み込んでいい、という理由にはならない事が多いですからね。

理解より先に、距離を取った方がいいケースもあります

ここは大切なので書いておきます。

ただし、もし相手からの指摘が、

  • 人格否定を何度も繰り返す
  • 侮辱や嘲笑が続く
  • 怒鳴る、脅す
  • 行動や交友関係を過度に監視する
  • 金銭や生活を強くコントロールする

といった状態になっているなら、「相手の心理を理解して関係を改善しましょう」という話だけではおさまらないことも多いです。

まず自分の安全や距離を考える。

一人で抱えず、信頼できる人や専門機関などに相談する。

そういった選択も必要になります。

相手の事情を理解することと、相手から何をされても受け入れることは違いますからね。

最後に|相手の困りごとは聞く。でも、自分まで差し出さない

パートナーから悪いところを指摘され続けていると、

だんだん、

「私が悪いのかな」

「もっとちゃんとしないと」

「この人に認めてもらえる自分にならなきゃ」

という方向へ行ってしまうことがあります。

そんなときは、

相手が困っていることは聞いていい。

直した方がいいところがあるなら、考えてもいい。

謝るところがあるなら、謝ってもいい。

ただ、あなたがどういう人間なのかまで、相手の評価に預けなくていい。

ここを丁寧に分けておくことです。

相手がいくら自分が選んだパートナーであっても、この線引がうまくできない関係は、お互いにしんどいですから。

そして二人の関係を整えることを考えるなら、

「どちらが悪いか」ではなく、

「今、二人の間で何が困っているんだろう?」

というところへ戻ることです。

そこまで戻れれば、「二人でどう関係を作るか」という話に変わっていきます。

相手の困りごとを受け取ることと、相手の評価まで背負うこと。

この二つを少し分けてみるだけでも、関係の見え方は変わるかもしれませんよ。

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浅野寿和 | 心理カウンセラー・トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたはずなのに」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 相談しなくても日常が回っている。でも、どこかしんどい。そんなとき、丁寧にあなたの生きづらさやお悩みをほどいていきます。 キャリア17年・臨床10,000件超。東京・名古屋・オンライン対応

「もっとうまく関わり合えないだろうか」

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