「私、職場の人たちから避けられてるようで・・・」
これ、意外と多くカウンセリングで伺うご相談なのです。
この問題を放置しておくと、人によっては「仕事を辞めるかどうか」という問題になることもあるほど、つらい気持ちを伴いやすいことでもありますね。
そこで今日は「人から避けられてる?」と思いやすい人の心理についてコラムにしてみます。
よろしければどうぞ。
Index
職場の人に避けられていると感じる瞬間
では、職場の人に避けられている瞬間とはどのようなときでしょうか?
視線が合わない
こちらから話しかけたときや、挨拶をしたとき、相手の視線がこちらに合わない。
こちらを向いてくれなかったり、視線を合わせてもらえなかったりする場合は、避けられていると感じるかもしれませんね。
挨拶をしたときの反応がない
出社時や退社時にこちらから挨拶したときに反応がない。
相手は他の人には挨拶をしているのに、自分にだけ反応がない。
昨日までは対応が普通だったのに、急に相手の対応がぎこちなくなる。
そんな反応が返ってくると、避けられている感じやすいかもしれませんね。
自分の意見をあからさまに否定される
自分の意見や提案をあからさまに否定されるようになった。
そんなときは避けられているサインかもしれません。
自分だけ誘ってもらえない
同僚との飲み会や休日の集まりがあったことを知らず、自分だけ誘ってもらえてもらえないことが分かった、なんてときは、避けられていると感じるかもしれませんね。
職場で避けられてると感じやすい人の特徴
では、実際にどんな人が職場で避けられやすい、と考えられるのでしょうか。
少し解説してみたいと思います。
考え方が自己中心的・利己的
考え方が自己中心的で、周囲の人の都合を考えず、自分の都合中心で行動する人は避けられやすいでしょう。
例えば、理不尽に他人を怒る、すぐ被害者ぶる、一方的に不満をぶつけたり、相手に作為を求める人などは、やはり職場で嫌われます。
また、相手のプライベートなことや内面的なことを配慮なく指摘する人も同じです
例えば、「あなたってこういう性格だから損してるよね」という発言など。
このような人は周囲からすると「こちらに依存してくる」「配慮や気配りがない」と感じますからね。
この場合は自分の言動や態度を振り返り、自分の本心を伝えられるように改めてもいいのかもしれませんね。
影で悪口を言う
普段は何ら問題のないいい人なのですが、「いい人でいなきゃ」という思いが強いぶんだけ、心の影の部分に「悪い自分」を隠している人がいるわけです。
この悪い自分をこっそり表現したくなるとき、つい影で人の悪口を言いたくなるのですよね。
ただ、人の悪口をいう人に積極的に近づきたいわけじゃないので、避けられるようになるわけですよね。
でも、悪口を積極的に言いたいと思う人ばかりではないと思いますよ。
ストレスなどの影響で、ついそうなってしまっている人も少なくないのかもしれません。
そんなときは、自分自身のケアを考えてみてもいいのかもしれませんね。
周囲から話しかけられたときの反応が少ない
普段は何ら問題のないいい人なのですが、「いい人でいなきゃ」という思いが強いぶんだけ、「失敗したくない気持ち」が強くなっている人がいます。
これは職場の対人関係でも同じで、職場の人ともめたくない、関係を悪化させたくないと思い、職場の人と積極的に関わろうとしなかったり、相手から話しかけられたときにあまり反応しない人がいます。
これは一つの心理的な防衛、安全確保行動とも言えるのですが、それが裏目に出てしまうことがあるのですね。
例えば、目を合わせず話したり、挨拶も小声でしか答えなかったり、相手に話しかけられても答えなかったり。
僕たちは、自分からのアプローチに反応してくれない人には、積極的に近づきたいとは思いませんから、避けられるようになるわけですよね。
この場合は、自分が思うほど人はあなたを嫌っていない、むしろよく知りたいと思っていることを理解してみてもいいかもしれません。
自分の正しさに対するこだわりが強い
職場の中で、誰もが反論できない正論を振りかざし、少しでも異を唱えられると、相手が根負けするまで持論を展開したり、「それは間違っている!こちらが正しい!」と語り続ける人がいます。
このようなタイプは、正直「話し合いにならないな」と思われやすい、という点で避けられやすいです。
話し合いとは「お互いの意見を尊重しながらより良い結論を導くもの」なのでね。
自分は「この考え方が正しい!」と思っているのかもしれません。
そのお気持ちも分からなくはないのです。
ただ、自分の正しさがあるように、相手にも正しさがあることに気付く必要がありそうですね。
この場合は、お互いの価値観を大切にする意識を持つといいのかもしれません。
上から目線・相手をマウントするような言動をとる
人との競争心が隠しきれない自立タイプの人は、悪気がないとしても、つい言動が「上から目線」「人を見下している」ようになりがちです。
自分自身の競争心などの心理状態に気付けないと、言い方の修正が難しいんですよね。
だから、周囲の人になんとなく避けられてしまうこともあるようです。
この場合は、あなたが思うより周囲が自分の価値を認めている、という意識を持ってみてもいいのかもしれませんね。
成熟した考え方、価値観を持っている
このタイプの人は、職場の中でもお互いを尊重し、その価値を認められる成熟さを持っていて、どんな人でも理解しますし、相手のことを闇雲に批判せず尊重できるのです。
が、こればっかりはどうしようもないことなのですが、その素晴らしさが周囲の嫉妬や劣等感を刺激してしまうと、職場の中で避けられる場合があります。
「あなたは調子に乗っている・あなたが間違っている」なんて否定的な言動を受けてしまうこともしばしばあるようです。
この場合は、自分自身のあり方を変えるよりは
「今の環境を変えたり、自分の気持ちを整えたり誰かに相談するなど気持ちの安定をはかる方法もありますよ」
と僕からご提案することもありますね。
職場の人に避けられていると感じた時の心理
職場の人に避けられていると感じたときの心理を見つめていくと、避けている側(相手側)と避けられている側(自分側)の2つの側面に分かれます。
一つ一つ解説していきます。
避けられている側の心理
避けられている側の心理としては「自分に対する疑いが強まる」という状態になります。
さらに言えば、職場の中で感じられていた安心感、所属感などが低下し、急に居心地の悪さを感じたり、つらい気持ちになることも少なくありません。
例えば、私がなにかした?私が悪い事をしているのかも?自分は邪魔なのだろうか?
このように自分を疑ってしまうんですね。
この「疑い」のベースには「罪悪感」があるんです。
罪悪感は「自分が悪い」「愛されるにふさわしくない」といった感覚をもたらします。
この罪悪感や疑いが強まれば強まるだけ、どこか職場の人の気持ちが離れているような、避けられたり、嫌われているような気持ちを抱くようになるのです。
避けている側の心理
もし、あなたが職場の人に避けられているように感じたり
周囲の人が自分と積極的に関わろうとしてこない、といった状態があるなら
「相手があなたに対して何かしらの警戒心を抱いている」可能性があります。
相手があなたに関して得た情報であなたを誤解をしてしまったり、あなたと関わるとコンプレックスを感じていたり、あなたとの関わりの中で何かしら嫌な気分になったり、という可能性があるということです。
なので、避けている側も傷つきたくない、嫌な気持ちになりたくないと思っている可能性があるということなんですね。
人は「分からないものを怖れて避ける」という心理
ではここで、今までとは別の視点で物事を見てみましょう。
もしあなたが職場の人から避けられていると感じるとしたら
「職場の人はあなたのことがよく分からなくて、怖れを感じている」
そんな可能性も考えられるんですね。
この話、もう少し詳しくご紹介しますね。
人は「分からないものを怖れ、そして興味を持つ」
心の鉄板法則に、次のようなものがあります。
「人は分からないものに怖れを感じる」
同時に、「人は分からないことに強い興味を持つ」のです。
僕たちは「よく分からない人」がそばにいると怖れを感じやすくなります。
これは「よく分からない人がいる」だけでなく、「どう関わったらいいかわからない人」という場合もありますよ。
そう考えると、もし、あなたが普段から自分を隠したいと思っているとしたら、
そもそもあなたは避けられやすい人になってしまっているかもしれません。
実際のご相談でも
「私、職場で孤立しやすいんです」というお話をうかがうことがありますよ。
もちろん「それはおつらいですね」とお話を伺わせていただくのです。
が、よくお話をうかがうと、あまりに自分のことを話していないので、周りに警戒されていただけ、というケースがかなり多いです。
それでも「避けられている」ではなく「私が嫌われたんだ」と思うなら
こう考えてみるといいでしょう。
「あなたのことをよく分からない人が、あなたを本当の意味で否定し嫌うことは相当に難しい」
ただ、どうして周囲があなたに警戒心を抱くのか、については少し考えておく必要がありそうです。
これは「あなた自身が周囲に与えている影響力(相手に与えている印象)」に理由がある場合もあるからですね。
「私、避けられてる?」がもたらす本当の問題は「人間関係の悪化」
さて、今回扱っている
「私、避けられている?」
という不安がもたらすものは、ただつらい気持ちになることだけではありません。
いわば「徐々に人間関係が悪化すること」が本当に厄介な問題なのです。
では、どうして人間関係が悪化してしまうのでしょうか?
心理的に見ると「人が怖いものを避ける」「お互いに警戒する」ということだけで人間関係まで悪化することは稀だと言えます。
人間関係が悪化する理由は「他人の価値を引き下げる心理」が強力に作用することにあります。
他人の価値を引き下げる心理とは
他人の価値を引き下げる心理とは
「自分自身の内面で、他人の価値を貶めることによって安心感を得ようとする」という心の動きです。
この心理は「内面的なコントロールの心理」とも解釈できますね。
このような方法で他人の価値を下げようとするならば、他人を認め、褒め、仲良くしていてはダメなのです。
他人を嫌い、他人の欠点を見て、バカにする必要が出てくるのです(^^;
その影響で「人間関係が次第に悪化していく」というわけですね。
少なくとも、自分が他人を嫌い、バカにするのでどんどん関わりづらくなるのです。
「私、職場の人に避けられてる?」というお悩みを解決する方法
「私、職場の人に避けられてる?」というお悩みを解決する方法をご提案します。
なぜ避けられているのか、その理由をある程度特定する
まずはざっくりと「なぜ避けられているのか」について、ある程度特定しましょう。
なかなか気の進まない作業かもしれませんが、何が起きているのかを見つめてみることです。
それが誤解によるものなのか、自分の言動の理由なのか、それとも相手が勝手に思い込んだのか、などです。
それによりどのように振る舞うべきかの対策が立てられるようになりますからね。
ただ、あまりにこの原因探しばかりすると辛くなるので、ある程度のところで止めておきましょう。
自分を責めていることに気づいて、責めないようにする
「あれ?私、避けられているかも?」と感じて不安になったり、辛くなるのは、「自分で自分を責めているから」という場合がほとんどです。
確かに嫌われている?と思えば不安になったり、辛くなることが多くなりますよね。
ただ、その苦しみの本質は周りにあるのではなく、自分が自分の存在を攻撃していたり、自分をちっぽけな存在だと扱っているからです。
そう考えて、自分を責めないようにすることで、「自分が嫌われているんだ」と思い込みを修正することができるのです。
その結果、職場の中で「避けられている」と感じる本当の理由にたどり着きやすくなるのです。
「避けられる」と「嫌われる」は常に一致するとは限らないと理解する
よく「避けられているということは、私が嫌われているの?」とすぐ思い込む人がいます。
確かに嫌われる可能性も否定できないのですが
心理的に考えてみると、多くの「私、嫌われてるのかな?」という不安は
「自分が自分を嫌っているから起こる投影(自分の自己嫌悪を相手に映し出している)」
であることが少なくないものです。
※投影に関する詳しい解説は以下のページに記載していますので参考になさってくださいね。
この投影に気がつくことができると、こう考えられるようになります。
「もし自分を避けている相手がいるなら、相手も良い気分ではないかも」
こう考えられるようになると、こちらから相手を避けるのではなく、「お互いのため・相手のために関わる」ということが可能になってきます。
自分の気持ち・考えを丁寧に表現する
相手に自分の気持ちを伝えるときは
「自分の考えや気持ちを相手を否定することなく、自分の気持ち・考えとして伝える習慣」を身につけてみてください。
また、自分がわかりやすくなれば、相手も「こちらを警戒していないのね」と感じることができるので、徐々に普通に接するようになることが多いです。
つまり、分からないという怖れが作り出す妙な幻想を打ち破る、その勇気を持つことです。
人を褒める・人の価値を承認する
これは「人の価値を見る」「相手を褒める」といった行動ですね。
先に書いたように、怖れの影響で他人の価値を引き下げてしまうと問題は肥大化します。
ならば、その逆の行動を取れば、問題は収束していくことになるのです。
例えば
素晴らしい!素敵!お幸せに!
そう思える分だけ、自分の怖れや罪悪感がなくなるのです。
だから、「避けられてる?」と感じるからといって、嫌われていると感じてしまうのは行き過ぎという場合も少なくないんです。
だとしたら、ここで起きていることは
嫌われた、ではなく、避けられた、と解釈して、その理由について考えていくほうが前向きな選択になると思いますよ。
職場の人から避けられてると思うとつらいもの。だから早めに手を打ちましょう
いかがでしたでしょうか?
最後になりますが、いくらこの問題が起きる事情がわかったとはいえ
「人から避けられている」と思うことは、つらいものですよね。
こういったつらい気持ちを感じて悩んでしまうなら、まずその気持ちを誰かに話すことから始めてみてほしいんですね。
一人で辛い気持ちを抱えていることで不安や辛い気持ちが大きくなると、また別の意味での問題を作ったり、自分への不信感を強めたり、対人関係をこじらせる理由になります。
*
また、もし「あなたが周りに嫌味や暴言を伝え続けていた」とか「なにか問題を起こし続けて多大な迷惑をかけた」といった話なら、今日の内容は当てはまらないかもしれません。
その場合は自分の言動や態度を改めたり、謝罪が必要になることが多いです。
ただ、僕のもとに相談に来てくださる方の多くは、そういう方ではありませんからね。
この記事の内容があなたの毎日にお役立ていただければ幸いです。
本当の幸せを見つめる・見つけるカウンセリングが人気!
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。