期待しないトレーニング|人に期待しない4つの方法と、それが続かない理由
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日の記事は僕のブログの読者さんからのご相談にお答えします。
テーマは「期待しないトレーニング」と「どこまで期待しないが正解か?」です。
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いただいたご質問はこちら
最近、日々漠然と感じるストレスの元は「人への期待」なんじゃないかと思うようになりました。
彼氏のためにとった行動が、逆に嫌がられたり・・・。
「共感してくれるはず」という思いが外れると、傷ついてしまいます。
でもこれは、相手が悪いというより、自分が勝手に傷ついてるのかなと。
そこで「期待しないトレーニング」を意識して人と接してみようと思ったのですが、 本当にそれでいいのかが知りたいです。
見返りを求めず接することは自己成長に繋がるのでしょうか?
また、期待しないほうがいい場合と、期待したほうがいい場合があるようにも思います。
どこまで期待していいのか、また、人に期待すべき場面というのはあるのでしょうか?
ネタ募集ネーム:おひるねさん
*
とても大事なご相談を、ありがとうございます。
「人に期待しすぎて疲れる」「裏切られて、もう誰も信じたくない」「期待しないって、冷たいことなんでしょうか?」
そんなふうに、期待にまつわる悩みを抱えている方って、けっこう多いんですよね。
で、今日は先に、結論めいたことを書いておきますね。
「期待しないトレーニング」の方法自体は、この記事の真ん中あたりに書きます。
ただ、僕がいちばんお伝えしたいのは、その後ろのほうでして。
・・・というのも。
期待しないトレーニング、やってみたけどうまくいかなかった。
そういう方が、実はけっこう多いんですよ。
今日は、そのあたりまで心理学的な視点からコラムにしていきます。
そもそも「なぜ期待してしまう」のか
「相手の言葉に一喜一憂してしまう」
「約束を守ってくれるか、気になって仕方がない」
仕事でいえば「期待したような評価をもらえなくて、モヤモヤする」。
あるいは「ダイエットのサプリを買ったのに、思ったほど効かなくて失望する」。
・・・これも立派な期待です。
裏を返せば、「こうあってほしい」「これくらいは分かってほしい」という思いが、心の中にある、ということで。
ただ、期待すること自体は、悪いことじゃないんですよ。
期待は良くないと言い切ってしまうのは、心理学的にも無理がある、と考えられるんですよ。
たとえば、心理学の中に「効力期待」という言葉があります。
これは「観察学習」という学習理論の中で出てくるものですが、簡単に言えば「人のふりを見て我が振り直せ」みたいな話なんですよ。
誰かの言動を見て「あぁ、こうすれば自分もうまくいくのか」と学ぶ。
この「こうすればいいのか」も期待なんですよね。
僕たちは、誰かを、何かを、自分がうまくいく未来を、信じたい。
大切な人と信じられる関係を築きたい。
だから「こうしたい」という希望を抱く。
これはごく自然なことではないでしょうか。
ただ、その期待が「こうしたいのに」「こうしてほしいのに」と過剰になってくると、しんどくなる。
たとえば、
「彼はきっとこうしてくれるはず」と思い込む。
「ちゃんと評価されたい」と強く願う。
そして、そうならないと、がっかりしたり、イライラするようになる。
こうなると、自分自身が「他人の言動」などに、どんどん振り回されていくんですよね。
期待には、2種類あるんですよ
ここはけっこう大事なところなので、先に押さえておきますね。
期待には、大きく分けて2つあると僕は考えています。
ひとつは、不足感からの期待。
「私は足りていない」という感覚から生まれる、他人や外の世界への、依存的な期待です。
もうひとつは、良い結果への期待。
誰かの幸せや成功を願う、祈りみたいな期待。
この2つ、同じ「期待」という言葉で呼ばれてますけど、中身はまるで違うんですよ。
で、「期待しないトレーニング」が有効なのは、主に前者。「不足感からの期待」のほうです。
後者の「良い結果への期待」まで手放そうとすると・・・それはもう、人を愛さない、ということになってしまう。
それはちょっと方向が異なる話だよなぁ、と僕は思うんですよね。
期待しないトレーニング、4つの方法
では、期待でしんどくなる自分を整える方法を、4つご紹介します。
1:「べき思考」をゆるめること
「〇〇すべき」「〇〇しなきゃ」が強い人ほど、無意識に他人にも「こうしてくれるはず」を向けやすいようです。
なので、3つくらい、自分の中の「べき」を書き出してみて、「それ、やらなかったら何が起こる?」と自分に聞いてみる。
そして「〇〇したい」に言い換えてみる。
これは「自分軸」に戻すリハビリ、みたいなものですね。
2:自己ベストを尽くすこと
認められたい、結果がほしい。
そういうときほど、「今日の自分が出せるベストは何か」に意識を向けてみる。
他人の評価も、他人の言動も、いったん横に置いて、自分の納得を優先してみる。
誰かと自分を比較し続けたり、「自分に何かが足りないから期待する」のではなくて、「自分の手の届く範囲で誠実にやる」。
この視点が、不足感を少し整えてくれます。
3:他人のせいにしないこと
「わかってくれてもいいのに」「どうして伝わらないの?」という不満が湧いてきたら、それは「それだけ期待してたんだな」と気づくチャンス、と捉えてみる。
期待する自分をやみくもに批判するのではなくて、「視点を変えるチャンスだな」と捉えてみる感じですよ。
そして「相手がどうか」ではなく、「自分が何を期待していたのか」に目を向けてみる。
すると、その期待は「これから自分がどうしたいのか」を理解するヒントにもなりえます。
たとえば、「ダイエットサプリが期待外れの効果だった」と思うなら、「あぁ自分は健康のためにダイエットしたがっているのか」と自分の声を聞く。
そんなイメージです。
4:自分を満たす時間を持つこと
期待が暴走するときって、心がカラカラに乾いてることが多いんです。
おいしいものを食べる、好きな音楽を聴く、興味のあることを学ぶ。些細なことでいいので、自分の心を満たしてあげる。
これはトレーニングと言うより、自分を整えたり、ご自愛する、みたいなイメージですよね。
*
ここまでが、いわゆる「期待しないトレーニング」のご紹介部分です。
ちなみに、ネットで検索すれば、似たような話はいくらでも出てくると思いますよ。
記録をつけましょう、コントロールできることとできないことを分けましょう、瞑想しましょう。
全部、間違ってないです。ほんとに。
・・・ただね、ここからが、今日の本題なんですよ。
期待しないトレーニングがなぜか続かない理由
・・・自分で期待しない方法を紹介しておいて、なんなんですけどね。
この手の方法を試してうまくいった方は、それでいいんです。
もうこの先は、読まなくていいくらい。
問題は、「期待しないトレーニングってなぜか続きにくい」という部分にあるんですよ。
トレーニングを調べてみた。
実際にやってみた。
いろいろ書き出してもみた。
自分を満たす時間も作ってみた。
なのに。
また、期待してしまう。
また、彼や彼女から返信が来ないだけで、心がざわつく。
そして、「なんで私は、こんなこともできないんだろう」と、今度は自分を責め始める。
・・・こういったお話、僕はたくさん伺ってきたわけですよ。
「浅野さんの記事も読んだし、他の方の記事も読んだけど、でもうまくできませんでした」と。
ここで「焦らず続けましょう」と言うこともできますよ。
そして、それも一理あるというか、続けたほうがいい場合もあります。
ただ、僕はちょっと違うことも考えるんです。
「期待しない、がうまくいかない理由、他にあるんじゃないか」と。
実際、カウンセリングの中でその理由あたりを整えていくことで、期待よりも自分の思いで行動できるようになっていった方、僕は結構知っておりますよ。
僕のサイトにある「お客さまからの感想」、特に「パートナーができた」「彼と結婚します」というご感想がそれですね。
個々の感想には「期待を手放せた」とは書いていないはずですが、「幸せになりたいのになれない」という期待と失望を手放して、現実の中で一歩踏み出した結果が、ご感想につながっているわけです。
とはいえ、そういった結果を残した方が「何に対しても全く期待しない自分」になっていくわけではないのです。
何かに期待する自分は当然残る。
だって、人間だもの。
しかし、それが問題にならない、という話なんですよね。
期待を手放すと、バランスが崩れる人がいる
ここ、僕がいちばん書きたいところです。
期待しないトレーニングがうまくいかないとき。
それは「期待を手放せないほどの執着がある」ケースもありますが、
今、何も手当せずに、期待を手放すと、心のバランスが崩れすぎてしまう、という場合があるんですよ。
・・・ん?って思いますよね。
どういうこと?と。
ここ、もう少し丁寧に解説しますよ。
一般的に「期待」って、しんどさの原因みたいに語られますよね。
それ、間違った考えではないんです。
だからこそ「期待は捨てるべきもの」に思えてしまう。
逆に言えば、期待ばかりする自分が未熟だ、みたいなイメージにもつながる。
確かに「自分に足りない何かを外側に期待し続けることが正しいか?」と聞かれると、そうでもないと僕も思いますよ。
ただ、その期待は、その人にとっての「支え」であったのかもしれないんです。
「いつか分かってくれるはず」
「この人なら、大丈夫なはず」
「頑張れば、報われるはず」
その「はず」があったから、ここまでやってこられた。踏ん張ってこられた。
そんなケースもきっとあるはず。
たとえば、
「いつか彼が私の思いを理解してくれるようになるはず」と思って、今まで頑張って関係を続けてきた。
「いつか自分の結果が評価されるはず」と思って諦めずに取り組んできた。
それを、いきなり全部「期待はマズい」「捨てましょう」と言われたら・・・そりゃ、がっくりきちゃいませんか?
だから、心が抵抗する。手放そうとはしない。
それは、手放したら立っていられなくなる何かを、その期待が支えていたから、なのかもしれない。
・・・そう考えると、ちょっと話が変わってきませんか。
その期待は、何を守ってきたんでしょうね
強い期待が出てくるとき。
そこには、一人で頑張り続けることへの疲れや、誰かに頼れない不安があることが多いんですよ。
ずっと、自分でなんとかしてきた。
人に頼らずに、やってきた。
頼り方も、よく分からない。
でも、しんどい。
だから、言葉にはできないまま、「分かってほしい」「察してほしい」が、期待という形で、にじみ出る。
これ、罪や問題としてみるべきことなんでしょうか?
もしそうだとしたら、今まで頑張ってきた自分が未熟でしょぼい、と言われていることに近くないですか?
もしかすると、その期待はあなたが本当にほしくて、得られなかったものかもしれない。
それが心のどこかに残っていて。
今、目の前の人に、そっと向かっている。
・・・だとしたら。
それを「はい、問題だから手放しましょう」って、なかなか言えないですよね、僕には。
だって、それ、あなたがずっと抱えてきた「願い」に近いものだと思うので。
期待を手放す前に、見ておきたいこと
そう考えていくと、こう思うんですよ。
「期待しない自分」を目指す前に、見ておきたい部分も存在するのではないかなぁ、と。
それは、その期待の裏にある、疲れとか、不安とか。
「ずっと一人でやってきたなぁ」という、あの感じ。
そこに気づかないまま、「期待しない自分」を目指してあれこれトレーニングすると、どうしても無理が出て続かなくなるんです。
頑張って、期待を我慢して。
でも、支えを失ったぶん、しんどくなって。
それでもうまくいかない自分を、また責める。
・・・これ、もうどうしようもなく虚しいループですよね。
だから、期待しないトレーニングを続けていく順番としては・・・
期待を手放そうとするより先に、
「私、こんなに期待するほどけっこう疲れてるのかもな」
と、認めるところからなんです。
少なくとも僕はそうクライエントさんにお伝えすることが多いです。
「もう自分でも厄介だと思うほどの期待があふれるとしたら、かなりストレス溜め込んじゃってるのかも、ですね」と。
そっちのほうが、たぶん近道なんですよ。ちょっと地味ですけどね。
疲れが少し整うと、不思議なもので自分を苦しめる期待って、勝手に力を失っていったりするんです。
「期待=全部悪」では、ないですからね
ここまで読んで、「期待って、やっぱりダメなんだ」と思われる方がいたら、それも違うよ、とお伝えしたいのです。
先に書いた「良い結果への期待」。
これはとても「人間らしい感情」であり、「成熟した愛のかたちにすらつながる」と僕は思ってます。
たとえば・・・
パートナーの幸せを願う。推しの活躍を願う。子どもの合格を祈る。
これも立派な期待でしょう?
こういう期待は、たとえ叶わなくても「その人を信じた証」として、ちゃんとあなたの中に残るんですよ。
だから、応援する気持ちや、人の幸せを願う心までは、どうか手放さないでいただきたいなぁ、と思います。
手放したいのは、期待そのものじゃなくて。
期待しないと立っていられない、その状態のほうではないでしょうか。
おわりに
おひるねさんのご質問に、あらためてお答えすると。
「期待しないトレーニングを意識してみようと思うが、本当にそれでいいのか」
いいと思いますよ。やってみる価値は、あります。
ただ、もしうまくいかなかったとしても、そこで自分を責めないでほしいんです。
それは、あなたがダメなんじゃなくて、その期待が今までのあなたの「何か」を支えていたサインかもしれないから。
「人に期待すべき場面はあるのか」
それは「ある」と思います。
相手の幸せを願う気持ちは、期待というより、信頼に近いものですから。
それは持っていていいと僕は思います。
*
僕のカウンセリングでは、期待の裏にある、疲れや不安のほうから整理していきます。
期待を手放せない自分を、責めるでもなく。
かといって、安易に励ますわけでもないんですが。
ただ、今あなたが無理をしていないか。
長い間、満たされなさやしんどさを抱えながらも一人で戦っていないか。
そこから確認して、無理なく期待を手放していくための時間。
もし、一人で「期待しない自分」を目指すのが、しんどくなってきたなら、僕でよければあなたの癒しのプロセスにお付き合いさせていただきますよ。
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期待し続けて気持ちが揺れてしまうことは誰にでも起きることです。
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ここまで読んでくれたあなたへ。
「期待しないほうが楽なのかな」「職場にいづらいな」「私って人と違うのかな」
そんなことを、なんとなく考えながら読んでいた方もいるかもしれませんね。
それ、軽い悩みのようで、案外ずっと一人で抱えてきたことだったりしませんか?
一人で抱えている人ほど、自分に厳しく、他人に優しい。
そんなこともあるのかもしれませんね。
でもね、そのしんどさの根っこには、必ず愛や優しさがあるんですよ。
だから、もし何かあったとしても、自分を無理に追い込まなくていいんですよ。
まずは僕の考え方、スタンスを読んでみてください。
――そのうえで。
もし、もう少し僕と関わってみたいと思っていただけたら、あなたの今の気持ちに合わせて、三つの入口をご用意しています。
記事には書ききれない話を、無料メルマガに書いています
もし僕の知っていることが、あなたの今のお悩み解決や気持ちを楽にするためにお役に立つなら。
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一度、気軽に話を聞いてみたい方へ
毎月第3木曜の夜、90分のオンライン心理学セッションを開いています。「答えを出す場」ではなく、「あ、そういうことか」と見え方が少し変わる時間です。はじめての方こそ、どうぞ。
じっくり、自分の状況と向き合いたい方へ
自分でなんとかなる、どうにかできると頑張ってきた方へ。
それは本当に素晴らしいことだと思います。
でも、もし、あなたが今の現実を、自分の気持ちを一人で抱えきれなくなったなら。
それは弱くなったのではなく、本来は強いあなたの”心”が疲れているのかもしれません。
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