「人に期待しないトレーニング方法」について、相談したいと思い、投稿させていただきました。
最近、日々漠然と感じるストレスの元はなんだろうと考えていたところ、人への期待なんじゃないかと思うようになりました。
例えば、彼氏ために(もしくは彼氏と私のために)とった行動が、逆に嫌がられたり、相手も私と同じような気持ちに違いないという思いこみや期待から外れると傷ついてしまいます。
相手が悪いという事ではなくて、きっと自分が勝手に傷ついていることだと思います。これは見返りというものなのでしょうか?
そこで、相手に期待しないということは、自分は傷つかなくてよいし、相手にも私の不機嫌なリアクションを見せなくても済むので、「期待しないトレーニング」を意識して人と接していけばよいのかなと思いました。
見返りや共感(相手からの良い反応)を期待ぜずに人と接していく事は、人として成長に繋がるでしょうか。
それでも、人に期待すべき場面というのはあると思いますが、それがどういう時なのか分からないんです。
よろしくお願いします。
ネタ募集ネーム:おひるねさん
おひるねさん、ネタのご協力ありがとうございますm(_ _)m
とてもいいご質問をいただきました!では解説させていただきますね。
◯この記事のようにこのブログではお客様のリクエストでコラムを書かせていただいています。
ご興味のある方は下のページからリクエストしてくださいね。

Index
期待することへの疲弊と「期待しないトレーニング」の必要性
「あなたは、周りの人に期待したり、周囲の期待に応えようと無理をして、その通りにならなくて疲れていませんか?」
私たちは誰かに「こうあってほしい」「こうしてくれるだろう」と期待します。
が、現実はその期待通りにならないことが多いものかもしれません。
この期待と現実のギャップが、失望感やフラストレーションといったネガティブな感情を生み出し、それが積み重なることでストレスとなっていきます。
期待が大きいほど、裏切られた時の落胆も大きくなるため、過度な期待は心の負担となっていく。
そんなときは人や何かに
「期待しないトレーニング」
を用いることで、期待から生じる問題を解決し、生きやすさにつながる方法が分かってきます。
ただ、ここでご紹介する「期待しないトレーニング」とは、他人の行動や反応をコントロールしようとするのことではありません。
むしろ逆で、「人はそれぞれ違う」という前提を受け入れ、自分のコントロールできることに焦点を当てる考え方と実践方法です。
これにより、他者の言動に一喜一憂することが減り、期待によって生じる失望やストレスから解放されます。
自分の感情が他者の行動に左右されにくくなり、気持ちが安定し、より自分らしく、楽に生きられるようになっていきます。
この記事では、実際に「人に期待しないトレーニング」についていくつかご紹介しています。
是非参考になさってくださいね。
「期待しない」とは?その本質と誤解
まず、「期待しない」という言葉が意味するものからお伝えしていきます。
ここでの「期待しない」とは、単に諦めるということではありません。
「自分のコントロールできないことに執着しない生き方」を意味しています。
つまり、「期待しない」ことと「目標を持つこと」や「良い結果を望むこと」は違うことなんですね。

2つの「期待の心理」について
期待の心理には
「不足感からの期待」と「良い結果への期待」の2つの側面が存在します。
不足感からの期待とは、「自分には何かが足りないと感じていて、それゆえに自分の外側に何かを期待する」という心理状態です。
一方「良い結果への期待」とは、いわば祈りや応援のようなもので、「自分自身や他者などの成功や幸せなどを期待すること」を意味します。
例えば、「推しのチームが勝ちますように」や「友達が幸せになりますように」と行ったものがそれに当たります。
※詳しい「期待の心理」の解説が以下のページにありますので、参考になさってください。

今回の「期待しないトレーニング」は「不足感からの期待」が強まっている時に有効です。
むしろ、「良い結果への期待」は、期待していたほうがより良い結果を得たり、自分自身の心の成長が促される側面があります。(これについては後述します。)
なぜ私たちは人に期待してしまうのか? 〜人に期待しすぎて疲れてしまう心理〜
では、なぜ僕たちは人に期待してしまうのでしょうか?
人に期待しすぎてしまう人の心理の特徴は
「自分に対して不十分さを感じている」という部分にあることが多いです。
言い換えるなら、何かしらの理由で
「自分をアテにできない」と感じているので、「自分以外の誰か(なにか)に期待する」
というわけです。
もちろん自分をアテにできないと感じる必要はなく、自分は自分として認めていればいいのですよ。
ただ、「私は不十分なところがある」とか「今の自分は力不足だ」という自己評価が強いと、その不足感を満たそうと、人やモノなどに期待する気持ちが出てくるのです。
典型例は「ダイエットサプリへの期待」でしょうか(^^;
自分の努力だけでは痩せられない、と思えば、ダイエットサプリに過剰な期待をし、思うように痩せなければがっかりする。
このときの心理状態は
- 自分の実力を過小評価し、自信を感じられない
- 未だ十分な実力(自信)が備わっておらず、実力を身につける必要がある
このどちらかとなります。
自分の力で痩せられると思えているなら、そこまでサプリに期待しないでしょう。
また、自分が痩せるノウハウを知らなければ、サプリに期待しすぎてしまうでしょう、ということですね。
相手に見返りを求めてしまう場合も期待しすぎている可能性がある
また「自分以外のなにかに見返りを求める」という形で期待を強めてしまうこともありますね。
もちろん誰しも多かれ少なかれ「相手からの見返りを求めるもの」なのですが、それが過剰な期待になってしまうと、生きづらくなってしまいます。
自分の与えているものに不十分さを感じているので、相手からその不十分さを埋めるための評価・対価を示してもらいたくなるのです。
これは、他者から好意的に評価されたいという期待、となることもありますね。
それはまるで「相手への要求」「依存心」とも感じる場合があるでしょう。

期待しないトレーニングはどんな場合に有効か

期待しないトレーニングが必要になる場合は
「自分自身が感じている不足感からの期待を抱えているとき」となります。
例えば、
- 人に(パートナーや親、上司や仲間など)に〇〇してほしい!と期待しすぎて辛くなる
- 自分の力では不足していると思うから、夢や目標があっても諦めてしまう。
- もっと周りの人の期待に応えられるよう頑張なきゃ!と自分を追い込みすぎてしまう
そんなときに有効です。
人に期待しないトレーニング、その4つの方法

「不足感による期待をしないトレーニング法」は
- 「べき思考を手放す」
- 「自己ベストを尽くす」
- 「他人のせいにしないという意識を持つ」
- 「自分の心を満たす」
の4つの要素でできています。
もう少し詳しく解説しますと、「不足感からの期待の心理」は
- 「べき思考」(〇〇しなきゃという考えが生み出す他人軸的発想)
- 「力不足感」(能力・知識・経験などの不足・無力感)
- 「自信のなさ・不安」(他人への依存心と相手との境界線(距離感)の曖昧さ)
- 「満たされていない欲求」
などの感情を自分が抱えていることを示すのですね。
だから、自分の中にあるこの4つの要素を整えていくことを考えればいいわけです。
「べき思考」に気づき、手放す
まずは普段から「べき思考」が強くなっていることに気づいて、それを手放すことです。
「べき思考」が強くなると、どうしても期待の心理にハマりやすくなります。
「私はこうしなきゃいけない」「こうするべきだ」という考え自体が、いわば他人軸の発想なのです。
例えば
「私は仕事に集中しなければならない」と考えているなら、それは「自分がしたいことではない」という意味で他人軸の発想。
これを「私は仕事に集中したい」と考えたとき、自分軸の発想となるのですね。
まず自分がこの「べき思考」にハマっていないか、自分の日常の考え方をノートやスマホに書き出すなどしてチェックしてみてください。
それでしっくり来るかどうかを確かめたうえで、しっくりこないことは手放してしまいましょう。
例:「朝起きたら『〜すべき』と思ったことを3つ書き出す。
それぞれ『本当にそうしないとどうなる?』と自問自答する」など。
その上で、自分が納得して行動できることがあるなら
「〇〇したい」
という形に書き換えてみるのです。
自己ベストを尽くす
これは、恋愛であれ、仕事であれ、対人関係であれ、目の前の出来事に「自己ベストを尽くす」という意識を持つことです。
これは「自分の力不足感から人に期待してしまう人」にとって有効なトレーニングです。
言い換えるなら
- 何事に対しても「自分のベストを尽くせばよい」と考える
- 自分を高めたい場合は、自分に無理のない程度の目標を設定して取り組む
- 他者などに認められたいという気持ちより「相手のために与える意識」を持って行動する
ということになります。
普段から、今日の自分の「自己ベスト」を尽くそうと考えて行動することを習慣づけてみてください。
これはあくまで「自己ベスト」であって、相手にとってのベストではないところがポイントです。
今日の自分にできることを行う。
そして、それで良いと自分を認めていきましょう。
例:「今日の仕事で『自分が納得できる最高の仕事をする』と心に決めて取り組む」「他人からの評価は一旦置いておき、自分が満足できるレベルを目指す」など。
自分の気持ちに素直になって「〇〇したい」と思うことを選んで実践していきましょう。
また、パートナーや仲間、友人と楽しんだり、相手をいい気分にさせるように接することもいいですね。
このように自己ベストを尽くす意識を持つことは、不足感からの期待を手放す「土台」の要素になります。
他人のせいにしない意識を持つ
これは、自分の感情や行動の結果を他人のせいにしない意識を持つことです。
これは「自信のなさ・不安から人に期待してしまう人」に有効なトレーニングです。
僕たちが期待しすぎて傷ついてしまうとき
「他人への依存心と相手との境界線(距離感)が曖昧になっている」のです。
その心理状態が
「私の不安を分かってくれてもいいのに」「どうしてわからないの?」
という不満を作り出すのです。
だからこそ、自分の中で生じる期待、または自信のなさなどは
「あくまで自分が感じていること」と捉える意識付けは大切なのです。
いわば
「そう感じてもいい。けど、自分を責めないし、人のせいにもしない」
という意識を持ってみることです。
期待通りにならなかった時に、自分や他人を責めるのではなく
「自分はどうしたかったのか」「これからどうすれば良いか」に焦点を当てていきましょう。
例:「相手の言動にイライラした時、イライラした自分の気持は否定せず、ただ『なぜそう感じたのか』と自分の感情を見つめてみる。」
「相手に期待するのではなく、『自分はどうしたいか』を明確にするように心がける」など。
自分の期待通りにならないことを「自分の責任だと思いすぎる」とか、「他人だけの責任と思う」としたら、それも「期待」なのです。
だから、丁寧に手放していきたいですよね。

自分のしたいことを日常に取り入れる
自分の好きなこと、やりたいこと、楽しめることを日常に取り入れることです。
いわば「自分を満たしてあげること」なんですね。
特に、「満たされていない欲求から人に期待してしまう人」には有効な方法です。
例えば
- 美味しいものを食べる
- 趣味を楽しむ
- 恋愛を楽しむ
- 興味のあることを学ぶ
- リラックスできる手段を持つ、など
これはトレーニングと言うより、人生を楽しむことに近いですね。
例:「週に一度は必ず自分の好きなことをする時間を作る」「寝る前にリラックスできる習慣を取り入れる」「新しいスキルを学ぶなど、自己成長につながる活動をする 」など。
一人で悶々となにかに期待するより「楽しめる、満たされるため」に行動するわけです。
とってもシンプルですね。
「良い結果への期待」は期待したほうがトレーニングになる
さて、期待には
「不足感からの期待」だけでなく、「良い結果への期待」という側面も存在する
とお伝えしましたね。
この良い結果への期待に関しては「期待すること」に意味があります!
カウンセリングの現場にいますと
「期待するとろくな事がない。全て良くない」とそう思い、「良い結果への期待」まで否定しようとされている人がいるのです(^^;
確かに期待が裏切られるとつらいし、残念に感じますよね。
ただ、この「より良い結果への期待」までも否定的に認識すると
「さみしい人」
「合理的すぎる冷たい人」
「自分しか興味のない人」
「人の幸せや成功を願えない人」
「どこかとっつきにくい近づきたくない人」
と誤解されかねないので要注意です。
むしろ、良い結果への期待に関しては、期待したほうが失望に強くなります。
たとえ、期待が裏切られ自分が失望し傷ついても、それでも人の幸せを本気で願えることは、「人間としての成熟さ・懐の深さ」だからです。
例:「推しのチームが決勝戦で敗退した」としたら、そこで感じる失望は
「自分の真剣な応援だったのだな」と捉え直してみる。
「子どもの受験がうまくいかずに悲しい気持ちになった」としたら
そこで感じる失望は「私の愛情の証だ」と捉え直してみる。
このように、あなた自身が、自分の、そして大切な誰かの
「一番の理解者」になってみてください。
すると、自然と「人にどんな期待をしても失望しない強い自分」になれますよ。
「期待しないトレーニング」を継続するためのヒント
最後に、この「トレーニングを継続するためのヒント」をお伝えします。
それが「小さな成功体験を積み重ねること!」と「自分を責めないこと!」です。
人はなにかに期待してしまう生き物です。
それ自体を変えることは相当難しことなのです。
だから「人に期待するから辛い」と思ったところで、期待が止まるものでもないし。
それ故に失望したり、人に振り回されることは起こり得ます。
逆に、「人の影響は受け入れない!」と頑なになれば、対人関係や恋愛・夫婦関係の中で問題が生じてしまうでしょう。
だからこそ、小さくてもいいので
「人に期待しないで、自分を振り返ることができた、ベストを尽くすことができた体験」
をきちんと認識し、認めていくことがオススメです。
今は「たいしたことないな」と思えることでもいいんです。丁寧に自分が行ったトレーニングの結果を認めて、自分を褒めてあげてください。
その積み重ねが、トレーニングを挫折せず続けるコツ。
「期待で振り回される人生」を終わらせてくれますよ。
ただ、どうしても一人では困難に思えたり、「人に期待しないようにしても難しい」と思うこともあるかと思います。
そんなときは、カウンセリングのサポートも検討していただけるといいと思います。
まとめ:期待を手放し、もっと楽な自分へ。もし一歩踏み出す勇気が湧いたら
いかがでしたでしょうか。
この記事では、人に期待しないためのトレーニング方法をお伝えしました。
ただ、心の深い部分にある期待を手放すには、時に少し時間が必要かもしれません。
その期待は
「あなたが本当に欲しくても得られなかった」
と感じているものかもしれないからです。
もしあなたが
「どうしても期待してしまう自分を変えたい」「もっと誰かにじっくりと話を聞いてほしい」
とお感じてなら、一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。
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あなたの勇気ある一歩を、心より応援しています。

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