心理学の用語解説

執着を手放すということ 〜心を縛る感情から自由になるには〜

自己肯定感を感じようとしている女性

「頭では手放したほうがいいとわかってるのに、どうしても気持ちが残ってしまう」

そんな経験、ありませんか?

執着とは、「手放せない気持ち」「離れられない想い」のこと。

たとえそれが苦しみの原因だと気づいていても、そう簡単には切り離せないのが人の心です。

この記事では、カウンセラーの視点から

「執着を手放すとはどういうことか」

そして「なぜ手放すことが難しいのか」

その心理構造を丁寧にひもときながら、実際に心を整えていくためのヒントをお届けします。


執着とは何か?

心理学では、執着は「心が何かに縛られた状態」と言われます。

恋愛、仕事、お金、成功、過去の栄光、人間関係……。

執着の対象は多岐にわたりますが、共通しているのは「失いたくない」「離れたくない」と思うあまり、心が不自由になってしまうということです。

でも、まず知っておいてほしいのは、

執着すること自体が悪いわけではない、ということ。

私たちは、大切に思ったものに自然と心を寄せて生きています。

だからこそ、執着は「それだけ大切だった」という証でもあるのです。


では、なぜ「手放す」必要があるのか?

問題は、その想いによって自分の人生が止まってしまうときです。

執着が強くなりすぎると、

  • 過去の人や出来事に心を奪われ、今を生きられなくなる
  • 「失う怖さ」から人間関係を壊してしまう
  • 「こうでなければならない」と自分を苦しめてしまう

そんなふうに、心の自由を奪われていきます。

だからこそ、執着を手放すことは「今を生きる自由」を取り戻すために大切なプロセスなのです。


執着を手放せない3つの理由

1. 価値があるものだから

執着の対象は、自分にとって大切だったもの。

それを手放すことは、「失うこと」と感じられてしまうため、心が強く抵抗するのです。

2. 喪失の痛みを避けたいから

手放すことは、痛みを伴います。

「悲しみ」「寂しさ」「空虚感」などの感情と向き合う勇気が必要になるため、

心は無意識にそれを避けようとします。

3. 無意識の復讐心や罪悪感

過去に深く傷ついた経験があると、

「こんなに傷ついた自分を見せつけてやる」

「自分が幸せになったら、あの人を許すことになる」

そんな無意識の誓いが、手放しを邪魔することがあります。


手放すとは「忘れること」ではない

「手放す」と聞くと、「忘れる」「捨てる」「無かったことにする」と思うかもしれません。

でも、心理学的な意味での“手放し”とは、

「心の中で、それに縛られずに向き合える状態になること」

つまり、過去を否定したり、無理に切り捨てるのではなく、

それを抱えながらも“自分の人生を前に進める”ということなのです。


執着を手放すために必要なのは「目的の明確化」

手放すとき、いちばん大切なのは「何のために手放すのか」を自分ではっきりさせること。

× 復縁のために手放す
× 誰かを見返すために手放す
→ これは実質“手放したフリ”です。

〇 自分の人生を幸せに生きるために手放す
→ ここに立てたとき、本当の意味での自由が訪れます。


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最後に:焦らず、丁寧に向き合うこと

執着の手放しは、勇気が要ります。

でも、それは「自分を苦しめていた思考や想い」から自由になるプロセスです。

焦らず、丁寧に、まずは「自分の心に何が残っているのか」に気づくことから始めてみてください。

そして、「今の私が、これからの私を幸せにする」と決められたとき。

その執着は、ゆっくりと、あなたの心から離れていくでしょう。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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