こんにちは。心理カウンセラーの浅野寿和です。
さて、今日は愛と罪悪感の話を一つ。
とてもとても大切な話なので、あえてテキスト化しています。
僕たちが
誰かを傷つけてしまったとき。
大切な人に届かなかった想いを思い出したとき。
私たちは、どうしようもない罪悪感に襲われます。
そのとき、心のどこかでこう思いたくなることがあります。
「でも、あれは愛だったはずだ」と。
そして、時にはカウンセラーからも「それは愛から生まれたことだったのでは?」と言われることがあるやもしれません。
ただ、僕としては、罪悪感は愛に似ているように感じる感情だとしても
「罪悪感≠愛」
と明言したいと思います。
よって、罪悪感が愛に変わることはない、と考えています。
Index
罪悪感は“自分を守る”ための感情でもある
罪悪感は、「相手のことを想っている証拠」のように感じられることがあります。
後悔している、申し訳なく思っている・・・。
それだけ誰かを大切にしたかった、という気持ちとつながっているのは確か。
ここは間違いのないことだと考えています。
けれど、ここで一つ、見落とされやすいポイントがあります。
それは、罪悪感という感情が“誰かのため”にあるように見えて、
実は“自分のため”に発動していることがある、ということです。
自責の裏にある「物語」
罪悪感とは、まるで自分を毒のように感じる感情ですが
言い換えると「自分が悪かった」という物語の中に自分を置くことで、
ある種の安心や意味を得ようとするこころの働きだとも言えます。
言い換えるなら「自己防衛的な要素をはらむ」ということです。
ただ、実際に
「私がもっと〇〇していれば…」
「私のせいであの人は…」
そうやって罪悪感を使って“自分が主語”のストーリーを回し続けてしまうと
かえって心が動けなくなっていくわけです。
そして、罪の意識が自己価値を下げ、人との関わりを恐れに変えてしまう。
この構造に気づかないままだと、
どれだけの思いがあったとしても、罪悪感によって“自分を罰し続ける”ようになってしまうわけです。
「罪悪感は愛だった」と言いたくなる気持ちの正体
「罪悪感は愛だった」と思いたくなるのは、
苦しい思いを“意味あるもの”にしたいという願いでもあるのでしょう。
確かに、それは悪いことではありませんし、僕も否定するつもりはありません。
ただ、たとえそれが「真に相手を思いやるため」という動機であったとしても
「自分を罰したり、自分を守るために」になっているとしたら
それはやはり、愛とは言えないと僕は考えます。
真の癒しは「罪悪感を見つめること」から
罪悪感を抱える人は、誰かを大切にしたかった人。
その想い自体は、決して否定されるものではありません。
僕もカウンセリングの中でその想いは肯定したいと考えています。
でも、その想いを「誰かのための愛」に変えていくには、
まず「これは愛ではなかった」と認める勇気が必要なのです。
そこからしか、本当の許しも、関係の修復も、生まれない。
それが僕の考え方です。
一見すると残酷に見える話だと思いますよ。
それは僕も分かっています。
「自分が必死になって誰かを思った気持ちが、愛ではなかった・・・」
そう気づくとしたら、そりゃ心が折れそうになると思います。
だから「あれは愛だった」と認めたくなるのです。
でも、そこに切実な想いでありながらも、しかし、その実態が罪悪感だったとしたら。
大切な想いを肯定することで自分のマインドが無限地獄に突入してしまうことにもなりかねないのです。
だから、勇気を持って「あれは罪悪感で愛ではなかった」と認める必要がある。
思いが間違っていたのではなく、この思いの形は罪悪感だと気づく必要がある。
それによって、既に自分の中に強く根付いている「愛からの気持ち」に気付けるのだと思います。
そういう意味で「罪悪感は愛に変えられない」。
そう僕は考えるのです。
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おわりに
あなたが罪悪感を抱えているのは、それだけ心が誠実でやわらかい証拠でしょう。
そんなみなさんに僕も積極的に「それは愛じゃない」と言いたいわけじゃないんです。
ただ、あなたの中に本当に根付いている愛を見つめるために
「それは愛ではなく罪悪感だった」と認めていただくプロセスもご提供するのです。
それはあなたが間違ったのではなく、罪悪感のそばにある「誰かを大切にしたかった」という思いが真実だったから。
罪ではなく、愛を選ぶ。
罪を選べば自分が傷つきます。
その違いを見極める一歩は、安易に罪悪感を否定し消すことではなく、
罪悪感の正体を、見つめ直すことから始まる。
そこに向かうあなたを、僕は信じています。
「恋愛や夫婦関係がうまくいかない」
「自分に自信が持てない」
「なんだか毎日がうまくいかない」
そんな時、必要なのは“がんばること”ではなく、 心のしくみを静かに知ることかもしれません。
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