日常に使える心理学

「愚痴を言う自分が嫌い」と思ったら 〜愚痴を手放す心理学〜

「愚痴を言う自分が嫌い」と思ったら

愚痴を言う自分が嫌いなんです。
変えたいと思うんですけど、なかなか変わらなくて・・・。

日々カウンセリングをさせていただいておりますと、このようなご質問をいただくわけです。

確かに愚痴って言いたくないけれど、出ちゃうものですよね。

だから、そんな自分を変えたいと思えど、なぜかなかなか変えられないことも多いですよね。

実はそこにはある理由が隠れているのです。

そこで「愚痴を言う自分が嫌い」と思ったときの処方箋についてまとめていきますね。

愚痴を言ってしまう人の心理

愚痴を言う自分が嫌いと思っている女性

さて、愚痴を言ってしまう(愚痴を言う自分を変えられない)人の心理状態を見つめると

「長く後悔や失望を抱えていて、その気持ちが整理されておらずずっと抱えている」

そんな状態である場合が少なくありません。

そもそも「愚痴」とは

言ってもしかたのないことを言って嘆くこと」です。(出典:Goo辞書

つまり、愚痴っぽいとは、性格が悪いのではなく

「未だ未処理の後悔や失望があり、その感情や記憶が整理できていない」

そう考えるほうが心理的には妥当だと僕は思います。

確かに誰彼かまわず愚痴を言い続けることには一定のリスクがあると思いますよ。

ただ、愚痴っぽいということだけで自分を否定する必要がない、と僕は考えます。

むしろ、愚痴を言わなければ心のバランスが取れないのだろう、と考えるのです。

愚痴を言う自分が嫌いだと思う人の特徴

愚痴を言ってしまう女性

つまり、愚痴を言う自分が嫌いだと思う人の特徴があるとしたら

それは

  • 我慢強い
  • 誰にも相談しない
  • 悩みを抱え込む
  • 人に弱音を吐けない
  • 人の力を借りずに生きている

そんな特徴がある可能性が非常に高いと言えるでしょう。

一般的に「愚痴を言う人」とは、依存的な人、文句や不満が多い人というイメージかもしれません。

また愚痴が「過去の後悔や失望に関するつぶやき」ならば、愚痴を言う人は「いつまでも過去にとらわれている人だ」と思うこともあるでしょう。

確かにそうとも言えるのです。

では、なぜいつまでも愚痴を言いつづけるのでしょうか。

その心理的な理由が

「未だ未処理の後悔や失望があり、その感情や記憶が整理できていない」

ということならば、それはなぜでしょうか?

そう、自分で解決できないことがあっても、それをまるっと抱え込んで我慢しているから、過去のことをいつまでも考えてしまうのでしょう。

逆に言えば、愚痴っぽくない人とは、自分の問題を誰かの力を借りながら解決してきた人、と言えるのかもしれません。

愚痴を言う自分を嫌っても愚痴は止まらない

だから、もしあなたが「愚痴を言う自分が嫌い」と思うなら

そんな自分を嫌うべきではないのです。

むしろ、「私はここまで自分の力だけで問題解決しようとしてきたのではないか」と

自分の生き方、そのスタンスに気づくべきなのです。

それこそが、愚痴っぽい自分を卒業するために必要なことと言えます。

愚痴を言う心理的なデメリット

ただ、愚痴を言うことには一つのデメリットがあります。

それこそが「被害者意識」と「無価値感」を強めてしまうことです。

自立と依存 〜心の成長プロセスの解説〜自立と依存 〜心の成長プロセス〜 「自立と依存」とは、「今の自分の心の状態を示す言葉」で「自分の成長プロセスと課題を示す指標」です...

愚痴が「過去の後悔や失望に関するつぶやき」ならば、自分自身の後悔や失望について思いを巡らせ、なんであんな事になったのだろう?と考えるのでしょう。

そのとき「まぁ、自分にできることはやったし、それはそれかな」などと、物事を完了させるように考えられるなら、愚痴を言う必要はないのです。

つまり、愚痴のあるところには「たられば」や「If」がつきまとっているんですね。

「もしあのとき、私がこうしていたら」
「あのとき、環境や状況が整っていたら」
「もっと時代が私に追いついてきていたら」
「もっと理解ある人がいたらこうはならなかった」

このように、自分だけでなく、自分以外の何かが悪かったから失敗した、と考えやすくなってしまうのです。

この「自分以外の何かが悪かった」と発想が、依存的な意識や被害者意識をつくるのです。

そして、被害者意識を感じれば、確実に「無価値感〜私には価値がない〜」という感覚を刺激します。

すると、自分は「失望や後悔がふさわしい人間なんだ」と感じるようになり、さらに愚痴っぽくなってしまうわけですよ(^^;

これこそが愚痴を言うことの最大のデメリットだと僕は思うんですね。

愚痴を言う自分が嫌いなら、自分を変える方法はコレ

愚痴を言う自分が嫌いから卒業した女性

さて、もし「愚痴を言う自分が嫌い」ならば、その自分からどう卒業していけばいいでしょうか。

それは、愚痴を禁止することではないのです。

むしろ、愚痴を言わなきゃいけない、その気持ちの整理が必要なのです。

そして、自分にとって失敗や失望がやってきたときに、その気持ちを一人で抱え込まず、ちゃんと処理する習慣を身につけることなのです。

例えば

  • 信頼できる人に過去のことでも相談して整理する
  • 過去の後悔にとらわれているなら、冷静に「その当時の自分にできたこと」を考えて今後の学びにする
  • 「私はどうして過去にとらわれやすいのか?」と自分の考えグセについて見つめておく
  • いつも一人で物事を考えているなら、誰かと相談する習慣を身につける
  • 「いつもまぁいいか」と我慢ばかりする癖がないかチェックしておく
  • いつでも相談できるカウンセラーや信頼できる人をつくっておく
  • 普段から友人などを大切にして、困ったときには力を借りるようにしておく

 

このようなことを日常の中に取り入れておくことで、愚痴を言う自分を卒業することが可能になりやすいでしょう。

最も効果が薄い対処法は

「他の人は愚痴っぽくないからと、他人と自分を比較して愚痴を言うことをを禁止する」

です。

それで愚痴が止まるなら、あなたは自分の感情や記憶を我慢することで消化できる特殊な人ってことなんでしょう(^^;

もし、他人の力を借りながら自分を変えるなら

「私はどんな人になりたいか」を考えて、自分が尊敬できる人を作り、その人の考え方、価値観、物の見方を学んで取り入れることですよ。

なぜ我慢が募ると夫婦関係が悪化するのかを心理する我慢が募ると夫婦関係が悪化する理由を探る 夫婦生活を営んでいれば「我慢すること」なんて日常茶飯事と言えるのかもしれません。 もち...
カウンセリングを利用する
カウンセリングを受ける

本当の幸せを見つめる・見つけるカウンセリングが人気!
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。

カウンセリングのご案内ご予約可能時間のご案内