変えたいと思うんですけど、なかなか変わらなくて・・・。
日々カウンセリングをさせていただいておりますと、このようなご質問をいただくわけです。
「愚痴を言う自分が嫌い」
「また愚痴を言ってしまった……」
そう感じたとき、人は心のどこかで自分を責めているものです。だけどそれ、本当に“悪いこと”なんでしょうか?
この記事では、「愚痴を言う自分が嫌い」と感じてしまう方に向けて、その心理的背景と感情の扱い方を、カウンセラーの視点でお話しします。
※本記事は、いわゆるパーソナリティ症と診断されるケースにおける「慢性的な愚痴・被害感覚」とは切り分けてお話しています。
Index
愚痴を言うとき、心はどうなっているのか?
愚痴って、そもそもどうして出てくるのでしょう。
よく言われるのは「性格の悪さ」や
「弱さ」のようなラベルですが、実際はそうではありません。
心理的には、愚痴というのは“未消化の感情のかけら”と考えることができます。
たとえば、悔しさ、寂しさ、無力感、裏切られた思い。そういった感情を、適切に処理できないまま押し込めていくと、その“残滓”が、愚痴という形でふと出てしまう。
ある意味、愚痴は心の“自己調整機能”のひとつだといえます。
ただし、この調整機能は“誰にでも使える”わけではありません。愚痴を口にしたあとに自己嫌悪に陥る方は、そもそも自責感が強い傾向にあります。
「愚痴を言わない人になりたい」と願うこと自体は悪くありませんが、
それが「愚痴を言ってしまう自分はダメだ」という全否定につながると、心の負担は逆に大きくなります。
「愚痴を言う自分が嫌い」な人ほど、まじめで優しい
これは僕が9000件以上の相談を受けてきたなかで強く感じることです。
愚痴を口にして自己嫌悪になる人というのは、ほとんどが、
- 我慢強く、
- 責任感があり、
- 誰かを傷つけたくない、
そういう人です。
だからこそ、自分の中にある不満や怒りを“誰かのせい”にすることに、強い抵抗があるんですね。
愚痴を口にしたあと、「私はこんなことで文句を言ってしまった」と自己攻撃が始まる——そんな構造を、僕は何度も見てきました。
でも、そこには“本当は助けを求めたかった気持ち”があるのやもしれません。
愚痴の裏にある「わかってほしい」という欲求
愚痴を語ることには、心理的にいくつかの意味があります。
- ストレス解放(カタルシス):感情の出口がなくなると、心の中は高圧状態になります。愚痴は一時的な“圧抜き”です。
- 共感欲求:誰かに「そうだったんですね」と言ってもらいたい気持ち。言い換えれば“感情の同伴者”を求めている状態です。
- 関係性の再確認:愚痴は本音を共有するコミュニケーション担っている場合がありますよ。
もちろん、延々と愚痴ばかりだと人間関係は疲弊しますが、心の中で黙って抱えるよりも、誰かと共有できることのほうが健康的です。
愚痴と付き合う、という選択肢
愚痴を否定するのではなく、上手に扱う視点を持ちましょう。
- 信頼できる人にだけ話す(聞き手を選ぶ)
- 愚痴の奥にある「気持ち」まで言葉にしてみる
- 書き出して、可視化する(スマホのメモでもOK)
「愚痴=未熟」ではなく、「愚痴=心の調整プロセス」
と捉えることができると、随分ラクになります。
「愚痴を言ってしまった自分」をどう見るか
愚痴を言うというのは、心が「これ以上耐えきれない」とSOSを出したサインである場合も。
「愚痴を言ったということは、それだけ傷ついていたんだ」
あなたは、ただ自分の気持ちを扱いきれないほど頑張っていただけなんです。
そのことを、どうか責めないでください。
そして、そんな自分を少しでも優しく見つめられたなら、
それはもう立派な“感情との再会”なんだと思うのです。
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最後に〜ちゃんと真面目に生きてきた人へ〜
愚痴を言う自分を責めるのは、それだけ“ちゃんと生きてきた証拠”でもあります。
僕は、そういう人のことを、信じたいと思ってカウンセリングをしています。
だからどうか、あなたのそのままの心が、誰かと出会えるように。
そして、自分自身と再びつながれるように。
そんな願いを込めて、今日もここに言葉を置いています。
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