甘すぎない恋愛心理学

「嫌いじゃないけど別れたい」と言われたときの対処法 〜その心理と乗り越え方〜

スマホを見る女性

こんにちは。心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は恋愛コラム。彼から突然「嫌いじゃないけど別れたい」と言われたというケースを扱ってみたいと思います。

彼から突然「嫌いじゃないけど、別れたい」と言われた。

そんな経験はあります?

その言葉の意味がわからず、ショックで思考が止まってしまったというお声もたくさん伺っています。

え?なんで別れなきゃいけないの?
私のこと嫌いじゃないなら、なぜ?
まだ可能性があるってこと?
それとも、やっぱり終わりなの?

今回は、そんなモヤモヤを抱えるあなたに向けて、「嫌いじゃないけど別れたい」という言葉の心理と、そこからどう関わればいいかの具体的なヒントをお届けしますよ。

「嫌いじゃないけど別れたい」……それってどういう心理?

実は「嫌いじゃないけど別れたい」と話す人の気持ちは大きく分けて2パターンあります。

  1. 「本当は別れたくないんだけど、今のまま一緒にいることは難しい」と感じている。
  2. 「もう別れる意思しかないけど、彼女には感謝しているし傷つけたくない」と感じている。

イメージとしては、
1のパターンが「別れたい気持ち50%」
2のパターンが「別れた気持ち90%」ぐらいの感覚。

そう捉えておいてまぁまぁ間違っていないと思います。(常に例外はありますが)。

だから、下手に彼に縋ったり、彼の気持ちを理解しないまま踏み込みすぎると「別れたい気持ち100%」になるリスクもあるんです。

「嫌いじゃない」は、別れの免罪符になりうる

多く、大切な人と別れるとき、僕たちは罪悪感を感じます。

それは正常な感情なのです。

ただ、あまりに罪悪感を感じたくない人は「嫌いじゃない」という言葉を、別れの免罪符としても使います。

なので「嫌いじゃない?なのに別れるの?」という期待と疑問が入り混じった場所に立ち続けないでください。

それはあなたの心を削ってしまう可能性につながりますから。

「嫌いじゃないけど別れたい」は「葛藤」を示す

「嫌いじゃないけど別れたい」という言葉。

これは心理学でいうと頃の「葛藤(コンフリクト)」を示しています。

・・・ちょっと難しい話なので、ささっと簡単に書きますよ!

葛藤とは「自分の外側にあるもの(誘引といいます)に引っ張らてた、もしくは、それを避けたいと思うがゆえに、決められなくなる」という状態のこと。

・・・難しいですね。だから、ここまでにしましょう。(あとはカウンセリングで聞いてくださいな)

要は「彼は今の関係を続けるかどうか迷うようになっていて、関係を続ける以外に何かしらの別の理由を気にしている」ということです。

そして、彼は決められない状態が嫌なので「嫌いじゃないけど別れたい」と言っているのが1のパターン。

「もう別れるしかない」とほぼ覚悟を決めているのが、2のパターンです。

嫌いじゃないけど別れたくなる理由

彼が葛藤しはじめる理由は様々です。ここで代表的な理由を列挙します。

  1. あなたになにか申し訳ないと感じていることがある
  2. 彼に隠し事がある(浮気、借金、家族の問題など)
  3. 今までの関係に不満がある
  4. 二人の関係を進める勇気がない
  5. 親があなたとのお付き合いに反対している
  6. 仕事など、どうしようもない事情で別れるしかなくなった
  7. 他に好きな人ができてしまった
  8. もうあなたへの恋愛感情が完全になくなった

かつ、この数字、1→8の順で、「彼の気持ちを変えることは難しくなる傾向がある」と思ってください。(ちなみにこれは僕の今までのカウンセリング経験から数えたので、例外はありますよ)。

また、このような理由の裏には、いくつかの心理が隠れています。

代表的な3つの心理を紹介しますね。

1:愛する力を持てない・無力感タイプ

  • 一緒にいたい気持ちはあるけど、「本気で向き合うこと」が怖い
  • 傷つけるかもしれない、壊れてしまうかもしれないという恐れが強い
  • 「どうせ自分なんて」と、自分を引っ込めてしまうタイプです

このタイプは、相手が自分自身に対して信頼が持てない状態。あなたに対する気持ちは本物でも、「関係を育てる自信」がないのです。

2:状況によって身を引く“事情タイプ”

  • 仕事・家庭・病気・お金など、現実的な壁が大きく感じている
  • 「あなたを巻き込みたくない」「迷惑をかけたくない」と別れを選ぶ
  • 自分の問題と恋愛を切り離して考えられない傾向が強い

このタイプの別れは、あなたのことが嫌いなのではなく、「今の自分では誰かを幸せにできない」という無力感や罪悪感が強いのです。

ただ、具体的にどうすれば関係が継続できるか、その知恵も見通しも立っていない。だから、身を引こうとしているのでしょう。

3:判断が定まらない“決められないタイプ”

  • 気分に波があり、関係を維持する覚悟が持てない
  • 「なんとなく違う気がする」と違和感に引っ張られてしまう
  • 傷つけたくなくて「嫌いじゃない」と伝えてしまう

一見誠実なようでいて、相手の反応を恐れて自分の本音をはっきり言えない人もこのタイプ。

あなたへの気持ちも曖昧になっていて、本人も混乱していることが多いので、彼の言葉を真に受けすぎると関係はかなり危険水域に入ります。

「嫌いじゃないけど別れたい」と言われたあなたが、まず知っておいてほしいこと

忍耐女子のシンボル・祈る女性

「嫌いじゃないけど別れたい」と聞いて、そのショックから

「嫌いじゃない」という言葉に希望を感じたくなる気持ち、わかります。

でもこの言葉に振り回されるのではなく、「自分からどう関わるか」を、ぜひ考えられるようになりましょう。

彼のその言葉の裏にどんな理由があるのかをなんとなく理解しましょう。

また、あなたの想いが報われる可能性はゼロじゃないことも、知っておいてください。

ただし、焦って行動するとうまくはいきません。

あなたが感情的になりすぎると、相手の心はますます閉じてしまうことがあります。(カウンセリングにお越しいただいたときには、もう手遅れというケースもありましたしね・・・。)

だからこそ、まずは「今、自分にできる最善の関わり方」を整理しておきましょう。

「関係を戻したい」ときの対処方針と、できること

「どうしたら、また戻れるのか」
「何をしたら、彼の気持ちは変わるのか」

あなたがもしそう思うなら、彼の葛藤とその苦しみを理解して寄り添うことがおすすめです。

「苦しいよね」「たくさん考えたんだよね」と、その彼をいたわる視点。

そこから彼との対話を重ねていくことなのです。

ただ、このタイミングで必要なのは、過剰に動きすぎないことです。

ここでは、関係を戻したいあなたが意識したいことを、具体的にお伝えします。

1. 焦って説得しない

別れを告げた人は、今「自分の気持ちすら整理できていない」ことが多いです。

その状態で正論や愛情をぶつけても、相手は「やっぱり無理だ」と感じてしまうことも。

まずはあなた自身の心を整えましょう。あなただって辛いのではないですか?

様々な気持ちを整え、落ち着くことが優先です。僕で良ければいつでも手伝います。

そしてまず自分の意志を明確にやさしく伝えること。

その上で、なかなか話してくれないかもしれないけど「彼の話を聞くこと」です。

2. 「嫌いじゃない」の意味を詮索しない

相手の言葉の真意を、何度も読み返したくなる気持ちはあると思います。

でも、ここを考えすぎると「答えの出ない問い」にハマってしまう。

それは執着になってしまいます。

それよりも、今の相手の状態に対して「うまく関われる距離感」を探すことのほうが建設的です。

相手は嫌いじゃないけど別れたい、といった。

ならば、どう関わるか、何を見せていくか。ここが勝負の別れどころです。

3. 今までの関係を振り返り、心地よい関係を目指す意識を持つ

戻りたい、繋がりたい。

その想いを抱えながらも、今のあなたが「彼とどう向き合えるか」が試されています。

正直、キツイですよね。でも、彼との関係を

  • 距離を置く期間、自分を整えることに使う
  • 頼られすぎない自分になるために、生活や感情の軸を見直す
  • 必死にならずに、「この関係をどう整えるか」を考える

この姿勢こそが、もう一度向き合いたいと相手が感じられる関係性につながるのです。

📌 関連リンク

まとめ:彼の言葉に振り回されず、自分を整えつづけましょう

僕はいつもクライエントさまに

「やるだけやってみましょう。うまく行けばそれでいいし、もしダメでも意味はあります。

でも、ダメになる方法ばかり使い続けたら、後悔だけじゃなく自己嫌悪もひどくなる。

この恋愛を、あなたの幸せにつなげるか、失敗と後悔につなげるかは、これから次第ですよ」。

そうお伝えしています。

相手の言葉に、どうしても心がざわついてしまうとき、その気持ちは、決して弱さではなく「愛していた証」です。

でも、ここで大切なのは、「何を言われたか」ではなく「自分はどう在りたいか」

あなたが関係を望むなら、急がず焦らず、整える。

それが、再び繋がるための、最初の一歩になるはずです。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績9000件/東京・名古屋・オンライン対応。
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