「なんであのとき、ちゃんと怒れなかったんだろう」

別れた彼のことを思い出して、そう感じる夜がある。

SNSで流れてくる恋バナの投稿を見ていて、ふと、自分のことを考えてしまう。

彼は、私の話をあまり聞かなかった。
曖昧なまま返事をすることも多かったし、
私がなにか言うと「また始まった」みたいな顔をした。

別れたあと、友達に「もっと言ってよかったんじゃない?」と言われて、
そうかもしれないと思った。

でも、やっぱり……どこかでわかってた気がする。

怒ったって、たぶん届かない。
何を言っても、響かない。

そう思わせるものが、彼の態度や言葉に、ずっとあった。

あのときの私は、黙ることを選んだ。
その方が、関係を壊さずにすむと思っていた。

でも、それでもうまくはいかなかった。

振り返ってみると、あいつとのLINE、まだ消せていない。
今でも見返すと、私、めっちゃ彼の気持ち察してる。
そんな跡がある。

怒らなかったのは、気を遣っていたからかもしれない。
でも本当は、怒ってもムダって、どこかで感じていたのかもしれない。


パートナーへの怒りは“期待するモチベーション”である

人は、相手に少なからず希望や期待を持っているときに怒ることがあります。

「ちゃんと伝えればわかってくれる」
「今度こそ受け止めてもらえるかもしれない」

そんな期待があるからこそ、人は怒りというエネルギーを使えるのです。

つまり、パートナーに対する怒りは、
どこかで「相手への期待を捨てないためのモチベーション」でもある。

だからこそ、怒れなかった人は、
「なんでちゃんと怒れなかったんだろう?」と思いやすい。

でもその時すでに、
「言ってもムダだ」と、無意識に判断していたのかもしれません。


怒れないのではなく、“怒らない”を選んでいたかもしれない

心理的には、無力感を刺激されている状態だった、ということ。

何をやっても意味がない、という感覚を覚えていたのかもしれません。

だから、怒れないんじゃなく、怒らなかった。

あなたは、あなたなりに「状況を見て判断していた」可能性があるのです。


「どうして怒らなかったの?」という問いに、違和感がある理由

「あのとき怒ればよかった」「言いたいこと言えればよかった」

そんな後悔の声を伺うこともあります。

でもそれってたぶん、
「怒らなかった自分」に対する後悔じゃなくて、
「怒っても変わらなかったであろう相手」を思い出してるんじゃないか。

僕はそう思うことがあります。

人って、「信じてるうちは怒れる」んですよ。
「これなら通じるかも」とか、「今なら伝わるかも」とか。

つまり、怒りって、期待の派生形なんです。

昔の人は言いましたよね。「怒られているうちが華」って。

まぁ怒られたくはないんだけど(笑)

だから「あのとき怒ればよかった」と思うなら、
「もう、何言ってもムダだな」と察する瞬間があったはず。

本人も忘れてるけど、あの手応えのなさ、
あなたの無意識はちゃんと覚えてるのかもしれません。

だから、友達やカウンセラーから
「どうして怒らなかったの?」と突っ込まれても、なんか違うって感じる。

そういう問題じゃない、って思うというか。


怒らなかったあなたが受けたダメージはいかほどか

怒らなかったのは、あなたが優しすぎたからかもしれません。

でも、自分の気持ちを無視したわけでも、
何も考えていなかったわけでもないのではないでしょうか?

むしろ「これ以上、どうしたらいい関係になるのか」が、
もうわからなくなっていた。

だから、声を出すことより、黙ることを選んだ。

それは、あなたなりの誠実さだったのかもしれませんよね・。


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まとめ:怒れなかった自分を責めないで

怒らなかったことを、後悔する気持ちもわかります。

「まだあのとき、なにかできたんじゃないか」
そう思いたい気持ちもあるでしょう。

でも、あのときのあなたは、
何かをする以上に「何もできない感覚」を抱えていたのかもしれません。

だから今になって、怒れなかったことを責める必要はないと思います。

怒れなかったのは、無力だったからではなく、
「これ以上、傷つけなかった」と察した、
優しさと限界の混じった判断だったのかもしれません。

もし今もその気持ちを抱えているなら、
どうか、あのときのあなたに「それでよし」と声をかけてあげてください。

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浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたはずなのに」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 相談しなくても日常が回っている。でも、どこかしんどい。そんなとき、丁寧にあなたの生きづらさやお悩みをほどいていきます。 キャリア17年・臨床10,000件超。東京・名古屋・オンライン対応

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