与えるけれど受け取らない人の心理を解説する── 好意を向けられると距離を取ってしまう理由
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日のコラムのテーマは
「与えるけれど受け取らない人の心理」
あなたの周りにこのような人はいませんか?(それがあなたのパートナーかもしれませんが)
他者の面倒は見るのに、いざ好意を向けられると距離を取ってしまう人。
こちらから誘えば応じてくれる。
こちらが気遣えば、きちんと返してくれる。
でも、こちらの好意を一歩近づけようとすると、なぜか距離を取られてしまう。
「嫌われているわけではなさそうなのに」
「むしろ優しい人なのに」
そんな違和感を覚えたことはありませんか。
この記事では、
与えることはできるのに、好意を受け取ることができない人の心理について、
恋愛や人間関係の具体的な場面をもとに、構造的に整理していきます。
Index
与えるけれど受け取らない人とは、どんな人なのか
たとえば、このようなご相談があるんですよ。
今、お付き合いしている男性のことで相談があります。
彼は、私が好意を見せて近づくと、いつも避けたり、逃げていくような感じがします。
相手からデートや食事に誘われることはあっても、私からの誘いには一切乗ってこないのです。
こういう男性は、プライドが高いタイプなのでしょうか。
それとも、私から関係を縮めることはできないのでしょうか。
相手からの誘いはあるけれど、こちらからの誘いは避けられる。
このような態度を取る人は、心理学的には「与えるけれど受け取らない人」と呼ばれるタイプに近いと言えます。
与えてくれる分には問題がなさそうなのに、
こちらの好意だけは、なぜか受け取られない。
その状態が続くと、
関係の中で切なさや不安が積み重なっていくのも、無理はありません。
与えるけれど受け取らない人の心のしくみ
与えるけれど受け取らない人の心理を一言で表すなら、
他者との関係の中で、失敗することへの怖れが非常に強い状態
だと言えるでしょう。
「受け取らない」という反応は、
わがままや冷たさではなく、
「自分のやり方・価値観・正しさの中に留まっていたい」
という、強い自己防衛のあらわれであることが多いのです。
つまり、与えるけれど受け取らない人は、
自分がコントロールできる世界の中では人と関われるけれど、
相手の世界に踏み込むことには強い不安を感じやすい、という特徴を持っています。
好意を受け取らない人に見られやすい行動パターン
- 自分からはデートに誘うが、相手の誘いはやんわり断る
- 奢ることはできるが、奢られそうになると割り勘にこだわる
- 優しくされると「すみません」「ご迷惑をおかけしました」と返す
- 追いかけられる恋愛になると、急に距離を取りたくなる
- 人を喜ばせることは得意だが、同じことをされるのは苦手
これらはすべて、
「相手の好意を受け取る立場に立つことへの不安」
から生じています。
なぜ好意を向けられると、距離を取ってしまうのか
与えるけれど受け取らない人が、好意を向けられたときに距離を取ってしまう理由。
それは、「傷つくことへの怖れ」が強く反応するからです。
ここで言う「傷つく」とは、
攻撃されたり、否定されたりすることだけを指していません。
相手の期待に応えられなかったらどうしよう。
相手の価値観の中で、失敗したらどうしよう。
そうした不安が、ほぼ無意識のうちに立ち上がるのです。
隠れているのは「失敗=価値がない」という恐れ
与えるけれど受け取らない人は、
自分のやり方・価値観の中にいれば失敗しないと感じています。
反対に、相手の価値観の中に身を置くことは、
「価値のない自分が露わになるリスク」
と結びつきやすい。
そのため、失敗は単なるミスではなく、
屈辱・無価値感・罪悪感として感じられてしまうのです。
だからこそ、
自分の価値を守るために、好意を向けられる場面から距離を取る。
それが、「与えるけれど受け取らない」という関わり方として現れています。
与えるけれど受け取らない人と、どう関わればいいのか
では、与えるけれど受け取らない人と関わるとき、何を意識するとよいのでしょうか。
無理に好意を受け取らせようとしない
受け取らない人に対して、無理に好意を受け取らせようとすると、
相手は「危険」を感じ、さらに距離を取ります。
まずは、相手が受け取れる範囲の関わり方を尊重することが大切です。
相手の価値観に一度、足を踏み入れてみる
与えるけれど受け取らない人って、
他人の世界観にお邪魔することを避けがちですが、
他者が自分の価値観の中に入ることには、比較的寛容です。
無理のない範囲で、
- 相手の話を丁寧に聞く
- 相手の「好き」を尊重する
- 共通点を探して共有する
それだけでも、関係の空気は変わっていきます。
好意や愛を押し込まない
好意を伝えること自体が悪いわけではありません。
ただ、相手の準備が整っていない段階で、
気持ちを強く押し出すと、逆効果になることがあります。
相手のペースを尊重しながら、
「今はここまで」という距離感を見極めること。
それが、与えるけれど受け取らない人と関わるうえでの、現実的なスタンスだと僕は思います。
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まとめ|「受け取らない」のではなく、「受け取れなくなっている」
与えるけれど受け取らない人は、好意や愛情を拒んでいるわけではありません。
むしろ、
「失敗したくない」
「価値を失いたくない」
「相手の期待に応えられない自分を見たくない」
そんな怖れの中で、必死に自分の立ち位置を守っている状態なのかもしれません。
だから、
- 与えることはできる
- 気遣うこともできる
- 優しさも持っている
けれど、
相手の好意を受け取る「側」に立つことだけが、どうしても怖くなってしまう。
そう考えると、これまで見えていた態度の意味も、少し違って見えてくるかもしれません。
一方で、その構造を理解したからといって、
関わる側が我慢し続ける必要はありませんよ。
相手の事情と、自分のしんどさは別のものです。
相手を理解しようとすることと、
自分の気持ちを後回しにすることは、イコールではありません。
もし今、
「この関係、私はどこに立たされているんだろう」
そんな違和感を感じているとしたら、
それは責めるべきサインではなく、
立ち位置を見直すタイミングなのかもしれませんね。
今日の話が、関係を白黒で判断するためではなく、
もう一段、落ち着いた位置から眺め直すヒントになれば幸いです。
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