夫婦のための心理学

子供がいるうちは離婚はしないと言い切る彼の心理と私にできること

浅野先生に質問です。

私は既婚者ですが、心の支えとしてお付き合いをしている彼がいます。
彼とは間もなく3年になりますが、職場で知り合い、彼の独立についてきて欲しいと言われて、現在は彼の運営する事務所でNo.2としてのポジションで仕事もしています。

彼は、ご両親の離婚を経験しており、自身のお子さんには同じ思いをさせたくないと、私とのことで離婚はしないと言い切っています。
少し前までは、お子さんのために離婚しないって何かの言い訳じゃないかな、と懐疑的でしたが、今は本当にそうなのだろうと思えます。

彼は今の夫婦生活がどれだけ苦しくても、子どもが成長し、子どもからもう離婚してもいいよ、と言われた時にやっと離婚できると言います。
私はどうしても、そこまで自分を犠牲にすることはないんじゃないか、と感じてしまい、そこまで彼が背負うつもりなのがそばで見ていて切なく、苦しくもあります。

私が彼にできることはいったいどんなことでしょうか。
私は、すぐじゃなくてもいつか彼といっしょに人生を歩けたらいいと願っていますが、私が彼を待つことは彼の負担になってしまうのでしょうか。

よろしくお願いします。

ネタ募集ネーム:ふうこさん

ふうこさん、ネタのご協力ありがとうございますm(_ _)m

今日はあなたのご質問にお答えしますね。

さて、今日はビジネスパートナーでもある彼についてのご質問ですね。

特に「私が彼を待つことは彼の負担になってしまうのでしょうか」という部分でしょうか。

では僕なりにお答えしますね。

※基本的に僕のカウンセリングでは、どのようなカタチの男女関係でもあくまで「一つの男女関係」として扱わせていただいておりますこと、ご了承くださいませねm(_ _)m

 

私とのことで離婚はしないと言い切る彼の心理

いただいたご質問の内容から読み取れる「私とのことで離婚はしないと言い切る彼」の心理についてですが、これはもうあなたが書いてくださっていますね。

「彼は、ご両親の離婚を経験しており、自身のお子さんには同じ思いをさせたくないと、私とのことで離婚はしないと言い切っています」

これに尽きます。

仮に夫婦関係が破綻していても子供がいるから離婚しないと言い切る彼の心理とは「犠牲してでも子供を守る」という気持ちでしょう。

本来、彼自身がいい加減な人じゃないから犠牲してしまうのかもしれませんね。

だから、自分自身の幸せが後回しになってしまうのです。

もちろんふうこさんから見れば「そんなに無理しなくても」と思うかもしれませんね。それを「犠牲」という言葉を使って表現してくださっているのだと思います。

が、もし彼がご自身の経験から「子供のために」と考えているなら、その思い(行動動機)はきっと彼の愛情であり、彼の価値観から生み出される志ですよね。

僕たちの中には「誰かのお役に立ちたい、支えになりたい、幸せを願いたい」という自尊感情があるわけです。その一つの形として彼が離婚しないと決めている可能性も十分に考えられそうです。

かつ、ここは誰もツッコめない部分かな、と思います。

その方の人生の責任はその方が取るべきものですからね。

どう生きて、誰をどう愛するかは、基本的にその人の自由なんですから。

 

ただ、僕はあえてではありますけど、ツッコめそうな部分があるとしたら

「彼は今の夫婦生活がどれだけ苦しくても、子どもが成長し、子どもからもう離婚してもいいよ、と言われた時にやっと離婚できると言います」という部分でしょうかね。

この事実をあくまで子供さんの視点で見た場合、「お父さんありがとう」と思うお子さんもいるかもしれませんし、「そんなに僕たちのために無理しなくてもいいのに」と思うお子さんもいるかもしれませんよね。

いくら彼の志が彼の想いから生まれているものであることは間違いないのでしょうが、それを「相手がどう見るか」については一度検討してみてもいいことなのかもしれませんね。

だとすると、この男性は「自立タイプ」の男性だということになりそうですよ。

相手の気持ちより自分なりの思いを優先して表現する、という意味で、自立している人だと言えそうです。

 

本当にこのままでいいの?と疑ってしまう気持ち

そう考えると、ふうこさんが「私が彼にできることはいったいどんなことでしょうか」とお考えになるのも無理はないな、と思うんです。

なぜなら、この手の男性は自分の気持ちを話すどころか、周囲の人の気持ちに心を寄せ、気持ちを語り合うことはまずしないだろう、と僕は考えるからです。仕事の面では別かもしれませんけどね。

だから、ふうこさんも自分で考え、自分で行動するしかなくなっちゃうんですよね。

人間、一人で物事を考えすぎると、ついつい不安から物事を考えてしまうものかもしれません。

だから、あなたが彼のそばにいると「私が彼を待つことは彼の負担になってしまうのでしょうか」と考えてしまうのかな、と僕は推測しております。

 

もしそうであるならばの話、それはきっとふうこさんの不安から生じている気持ちだと思います。

例えば、「心の支えになってくれている彼の負担にはなりたくない」という気持ちが、もしかして私の存在が彼の重荷になっているのではないだろうか、という疑いにつながっちゃっているのかもしれません。

それこそ罪悪感を感じているってことです。

こうなると、罪悪感を感じている(彼の負担になっているかもしれない)私のことを、彼は本当に選ぶのだろうか?と感じるようにもなります。

だとすれば、「今は彼と一緒にいられる。けれど、彼は本当に私のことを選ぶのだろうか?待っていてもいいのだろうか?」と更に考え込んでしまう材料も増えてしまう可能性も否定できないかなぁ、と僕は思うのです。

ちょっと意地悪な書き方になっちゃうかもしれませんけど「もし、今はいいけれど、本当に未来に私が側にいられないんだったら・・・」と思うと、なかなか気持ちが揺れると思いませんか?

でもその根っこには「私は本当に相手の喜びになっているの?」という疑いが隠れている、というわけです。

私が彼にできることはいったいどんなことでしょうか

さて。

もし、今あなたが彼のためにできることがあるとしたら、どんなことがあるか?ですが。

ここ、多くの女性が「もっと上手に彼を愛して上げる方法が知りたい」と思われて、僕のもとにご相談に来てくださるのです。

もちろん、それも間違いじゃありませんし、僕も必要とあればご質問にお答えしています。

このようなお話をさせていただくのは、僕にとっては意外と簡単なことなんです。

例えば、多く自立男性は「自分の行動動機〜なぜ自分が今、このような行動をしているのか〜」を表現しません。だからその気持ちを理解してくれる人に惹かれるのです。

これ、試してみてもいいかもしれませんよ?

彼の行動や思いを見て「そうだよね、分かってるよ」と心から伝えてみてはいかがでしょうか?

もちろん他にもいろいろな方法があります。

ただ、ここから話がぐっと深くなりますが。

いくら上手に愛せても、あなたの内面に罪悪感が強く存在しているのであれば、おそらくその方法は焼け石に水、と化す可能性があるのです。

つまり、「上手な愛し方」を学んで実践してくださった方の中には、また時間を開けて僕のもとにご相談に来てくださる方がいるってことなんです。

それは「どれだけ彼を愛しても、良いことをしても、自分の中にある虚しさが消えない」からにほかなりません。特に「女性」としての気持ちが満たされない、というご相談はとっても多いものなんです。

このような「虚しさ」と呼ばれるものは、表面的なものではなく、内面に隠れている「分離感〜自分は人と違う〜」や「怒り」、「罪悪感・無価値感〜今の私の存在自体に意味があるのだろうか〜」といった感覚から生じるものです。

この感覚がある限り、今度は自分が犠牲をしてしまうのです。

「相手のために上手に愛してあげても、自分が喜べないという状態になってしまう」というわけですね。

こうなると、本当にこの人は私のことを見ているのか?と相手を疑ってしまいかねません。いつもそばにいるのに、私の葛藤や苦しさ、虚しさに気づいてもらえないことが多いでしょうからね。

でも、多くの女性はそれを口にしません。言えば揉める、トラブルになると分かっているからです。

だから更に自分の気持ちを抑えて犠牲していくことにもなるんですね。

動機は彼への愛かもしれませんが、行動は自分が葛藤し、消耗し、犠牲するという現実につながっていく、というわけです。

 

そう考えると、あなたが彼のためにできることがあるとしたら、あなたの内面に生じている疑いや罪悪感、怒りなどの感情をちゃんと処理しておくことなのでしょうね。

気づかないレベルで、疑い、罪悪感、怒りなどの感情が強いと、どうしても犠牲的になってしまいます。

意識としては彼に貢献しているつもりで、それが喜びだと思っていても、どんどん自分が消耗していくわけです。

だから、なぜこんなに自分が罪悪感や疑いを感じるのか、という部分にフォーカスしていくといいんですね。僕のカウンセリングやセミナーはこの感情の部分を扱うためにあるものです。

そもそも僕のもとにご相談に来てくださる多くの女性が一生懸命男性を支え、愛しておられます。

きっとふうこさんもそうではないですか?

そうでなければ僕に質問を送ってみようと思われないはず。

僕はそう思っています。

質問や相談をしようと思うのは、自分が苦しいからだけじゃなく、相手のために本気だからですよね?本気じゃないなら、勇気を出して、しかも自分の貴重な時間を使って、僕に相談なんてしなくてもいいはずでしょうからね。

そのあなたの内面に「疑い」が生じているなら、それこそ本当に苦しいことだと思うのです。

だから、「どう愛していいのか」「彼にできることはなにか?」と考えてしまうではないでしょうか?

こんなときは、「なぜ私はこんなに不安を感じるのか」など、今わかる気持ちからスタートして、自分自身の気持ちをじっくり見つめて整理していくことが、結果的に彼のためになる私(彼を心から愛せる私)になることに繋がるんですね。

できれば、自分への疑いを手放しておきたいところですね。

最後になりますけど、ふうこさんはこう書いてくださっていますね。

「少し前までは、お子さんのために離婚しないって何かの言い訳じゃないかな、と懐疑的でしたが、今は本当にそうなのだろうと思えます。」

だから「私が彼のためにできることってなんだろう?」ってお考えになったんじゃないでしょうか。

そんな気がしています。

犠牲してでも、お子さんのことを思う彼のために、私ができることってなんだろう、と。

もしそうだとしたら、これ、あなたにとってかなり切ない疑問になりはしないでしょうか。

もし、その気持ちに蓋をしているとしたら、なかなかしんどいかもしれません。

でも、きっとそこにはあなたの愛情があると思うんですね。伝えたい気持ち、表現したい思いが。そこを大切にしていただくといいんじゃないかな、と僕は思っております。

今回は以上です、最後までご覧いただきありがとうございました。

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