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ダメ男が好き? まっすぐ愛してくれる人が苦手になる心理的背景
カウンセリングサービスの浅野寿和です。いつもありがとうございます。
さて、今日のテーマは「愛してくれそうにない男性につい惹かれる」「まっすぐ愛してくれる人が苦手」。
ついつい「その彼じゃない、違うって・・・」と自覚しつつも放っておけない。
その心理的背景についてのコラムです。
例えばこんなケース。
今、彼氏候補が4人いるんです。
一人は完全に友達感覚。いいなと思うけど恋愛感情は沸かない人。
あと2人はとってもいい人。誠実で恋愛対象になる人。私のことを大切にしてくれているなって感じるんです。
ただ、私が惹かれているのはもう一人の男性。
その彼は(既婚者・バツ○などで)正直やめておいたほうがいいと自分でも思っているんです。けれど、やっぱり気になるし、その男性なら受け入れてもいいなって感じている私がいます。
昔から辛い恋愛になりそうな人を意識しちゃう傾向があるような気がします。それが切なくて・・・。
「自分が好きになった人が、その人だった。」
「好きになったのだから仕方ない。」
今回のお話は、このようにまとめることもできますよね。
いちいち問題として掘ることがいいとも限らない気もします。
ただ
「この人、愛してくれそうにないと思うけど、ついつい惹かれる」
「まっすぐ愛してくれる人が苦手なんです」
そんなお話を伺うことも少なくないわけです。
確かにその心理的背景を見つめていけば、いくつかお話できることはあります。
なにか参考になればと思いながら今日のコラムをお届けします。
愛してくれそうにない男性を好む その心理的背景
愛してくれそうにないな~と思う男性に惹かれる。
このタイプの男性がなぜか気になる、とおっしゃる女性って、どこか情が深い方が多いんですよ。
困っている人を放っておけない傾向もありますし、相手のためにとことん与える方も多いです。
相手を受け入れる力、耐える力、相手を理解する力が凄い、ともいえます。
だから「どうしてあなたがあの人と付き合ってるの?」という声が周囲から飛んできやすいともいえます。
周囲がその女性を評価しているからこそ「やめときなよ」という声も聞こえてきそうです。
もちろん自分が望んだ恋愛を「どうして?」といわれてしまうと切ない部分もありそうですけどね。
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実はここに一つその心理的背景を見つめるポイントがあると僕は考えています。
多くの人は「自分の気持ちをわかってほしい」と願っていますよね。
しかし、自分自身の成長プロセスの中で「自分は人に理解されていない・共感されていない」という思いが募っていると、つい「自分の考え、意見、思い」にこだわりたくなるものです。
今の自分を大切に扱ってほしい。
誰かに自分の思いを認めてほしい、わかってほしい。
その思いが人一倍強くなります。
こういった経験をした人は、責任感や情が深く、相手をとことん理解しようとしたり、大変そうな人は放っておかない傾向があると考えられます。
言い方は妙ですが「自分自身が経験した痛みを才能に変えることができる」ともいえるんですね。
まま、僕も同じようなもので、ボロボロだった過去があるからこの仕事を選んでいるわけですし(ちょっと恥ずかしい・・)
*
ただ、それだけでは「愛してくれなさそうな男性」に惹かれる人にはならないのです。
もし、自分が理解されることの重要性を知っているならば
やはり自分を愛してくれそうな人を選ぶようになるはずですから。
では、それでも「愛してくれなそうな男性」に惹かれるとしたら、そこにどんな違いがあるのでしょうか?
その違いこそ「その内面の未だ隠されたままの傷心が癒やされているかどうか」なのだろうと僕は見つめています。
もし普段は人に表現することがなかったとしても
「自分の思いはいつも受け入れてもらえない・・・」
その深層心理に、自分自身が大切にされていないという傷心が色濃く残っているとしたら。
「私ってなんなんだろう」
「私なんて・・・」
切ないですけれど、そう感じる理由になるんですね。
もちろん、この傷心を癒やしてくれるような人との出会いや、自分自身をもう一度見つめて大切にしようと思う経験を積むと、この傷は癒えていくものです。
が、中にはどこか自分に厳しく、弱音を嫌う人がいるわけです。
「自分自身が大切にされていないなんて思う自分が嫌」
傷ついている自分を癒すのではなく、悪意なく自己嫌悪や自分を律する理由にしているタイプの方ですね。
こんなに自分が辛いのは「誰かのせいではなく自分自身の問題」と考えているんです。
もちろんこの考え方が悪いわけではありませんし、自分の問題を人のせいだけにしないことは重要です。
ただ、このタイプの方ほど「自分に厳しく、人に甘くなる傾向」があるんです。
自分に対しては厳しいけれど、人には理解を示し、相手の望みを叶えてあげたいとも思うのです。
もちろん対等な恋愛関係であれば、これは問題にはならないでしょう。
が、どこか対等さがないアンバランスな関係で発揮されると・・・
恋愛の中で切ない気分になるたびに
「二人がうまくいかない理由・・・きっと自分が悪いんじゃないか?」と考えるクセが登場するのです。
心の深いレベルでは
「自分自身の思いが理解され、大切にされること」を願い続けているわけですが
その願いが叶うまで努力し、相手を否定せず自分自身の問題として扱う
そのような発想が止まらなくなるのです。
投影の世界で見つめているもの
もうお分かりですよね。
いわゆる「愛してくれそうにない男性」
実は「周囲に理解されない経験」をしているように見えるのです。
「あぁ、この人もきっと誰にも理解されず、辛い思いを経験してきたのではないだろうか・・・」
ここに自分自身を映し出していくのです。全く気づかないうちに。
これは心理学でいうところの「投影」です。
まるで自分のことのように「きっとこの人もたくさん傷ついてきたのだろう」と感じている。
だからこそ、相手が私を愛してくれそうになくても、放っておけなくなる気持ちが溢れてきます。
そこで男性から
「君だけだよ、俺の気持ちを分かってくれるのは・・・」
「君しかいないんだよ、いなくなったら困る」
そんな押しの言葉を聞いたとしたら、更に放っておけなくなりますよね・。
まるで傷ついた過去の自分が目の前で語っているような、そんな心理状態になっていきますからね。
これは
「自分」→「自分自身の過去・内面」
この関係が
「自分」→「目の前の男性」
ここで再現されている、ともいえるわけです。
その男性がもたらす共感と優しさ
いわゆる愛してくれなさそうな男性も、全くダメなわけではないのです。
寂しさ、孤独、辛さ、苦しさ・・・そういった気持ちは自分自身が感じているからこそ、人一倍理解できるケースも少なくないのですね。
「君もきっと辛かったんだろう」
「そんなに強がって無理するなよ」
他の男性ならば伝えてこない言葉、気づかない理解を投げかけてくることも多い。
特に自分に厳しい女性ほど、自分の弱さは表現していませんから、日常の中で自分を理解される経験はレアですからね。
ついつい「私にはその男性が必要なんだ、分かってくれるのはこの人だけだ」と感じていくわけです。
その結果、自分が必要だと感じる男性をとことん大切にしようとし、相手の意見に従っていったり、相手を満たそうとするのです。
しかしそもそもここでいう「愛してくれなさそうな男性」とは、
「私が愛しても愛されそうにない(私のために頑張りそうにない)男性」ですから。
愛しても愛しても、自分が与えた度合いだけのリターンが返ってくることが少ないわけです。
この状況に耐えて耐えて、でも大切にしてもらえなくて苦しんで、ついには「彼から離れるしかない」という決断に至る女性も少なくないようですよ。
もちろんその男性をなかなか忘れられないという問題もここでは起きやすいでしょう。
しかしその深層心理を見つめてみると
忘れられないのはその男性ではなく
「自分が理解され、愛されること」であることは多いものです。
それほどまでに
今まで拭い去ることなく心の深い部分に沈めてきた感情をケアしないまま、頑張って生きてこられた方が多い、ということですね。
この痛みや誤解には「癒やしや優しさ」が必要なのですが、自分に厳しい女性ほど悪意なく自らを隠し、自らに無理を強いてしまうわわけです。
ここで
「自分」→「自分自身の過去・内面に対して否定的に見つめる」
この関係が
「自分」→「目の前の男性から愛してもらえない、自分にとって辛い恋愛になる」
このように再現されている、ともいえるわけです。
まっすぐ愛してくれる人が苦手になる理由
自分自身に厳しく、内面的なハートブレイクを隠して恥じている人ほど、
「受け取る力」が少し弱まってしまう傾向があります。
男性のために頑張ることはできても、異性と親密な距離になることを恐れたり、相手からの愛情を受け入れることに抵抗感を感じるのですね。
その理由こそ「自分自身を隠しておきたい」から。
例えば、「私、いい恋愛していないな・・・」と思う自分がいるとしたら
その自分を恥じて隠したいと思う人は少なくないですよね。
そこ、決して恥じるところじゃないんですけど、つい隠しておきたくなるものですよね。
このように自分を隠しておきたい気持ちが強まるとまっすぐ愛してくれるタイプの男性は苦手になるのです。
まっすぐ愛してくれる人の前に出ると、更に自分を隠さなきゃと考えてしまうんですね。
これは自立的に生きている人によく起きることといえます。
だからまっすぐ愛してくれる男性と向き合うと
「なんだよ、私の辛い気持ち分かってないじゃん」とか
「私が頑張らないといけないじゃん」
「辛い気持ちを隠して付き合わなきゃいけないじゃん」と思うわけです。
もちろんそれも大切にされるべき気持ちですよね。
ただ「こんな自分を見せたら人に愛されなくなるのではないか?」と自分を疑っていると
自分自身も無理をして恋愛することになるし
恋愛相手も「君は僕のことを疑っているの?試しているの?」と感じるでしょう。
だから、ストレートに愛してくれる人との関係が続かなくなりがちなのです。
そもそも人の心は裏腹なものなんですよね・・・。
「どんな自分をも愛してもらいたい」という願望を持つ一方で
「隠しておきたい自分」を知られることも怖いのです。
隠しておきたい私、知られたくないその気持ちもわかってほしいものなのです。
だから、今の自分のまま愛されることを願いたくなるし、辛い今であっても自分を肯定してほしいものなのでしょうね。
それぐらい自分を疑う気持ちを抱えたくないけれど、そこに気づいてほしい・・・
そう願うようにもなるんですね。
だからその結果選ぶのは、今の私の感覚に馴染む人・・・
つまり「愛してくれなさそうにないけど、今の私の辛さ、苦しさを分かってくれる男性」
になってしまうことがありますよ、というお話です。
もちろんいつもそうだとは限りませんけどね。
愛を受け取る力を取り戻そう
しかし今日の話をよくよく考えてみると
「今まで理解されず、悲しい思いをしているのは自分」なのですよね・・・。
理解されなかった、辛かった、切なかった・・・
そんな気持ちを抱えている私を恥じてしまう罠はいくらでもありますが、そこで必死に努力し生きてきた私もいるはずです。
その自分自身にこれ以上の切なさや疑いを与えるのは、やはり癒やしとは異なる考え方だろうと僕は思うのですよ。
だからこそ、このようなご相談をいただくと
「あなたが苦しい思いをする恋愛を手放せるようになるといいですね」
そのスタンスを僕は崩しません。
自ら選んだ男性に愛されないことでさらに自分を責めてしまうなら、こんなに苦しいこともないのだろうなぁ、と想像するからです。
自分が選んだ男性が、あなた自身の価値や評価を下げ、自分で自分を責める理由、キャストになってしまっている状態ですから、ここは要注意ですよね。
この状態からの癒やしを考えていくなら
「まず今の自分を否定的に見ないことですよ」ともお伝えしています。
自分には素晴らしい部分がある。
同時に、自分には弱い部分もある。
それはとても自然なことです。
その弱い部分が刺激されれば誰だってココロが揺れ動くもの。
ただ、自分自身の中にある痛みが強いほど、痛みを使って人とつながろうとします。
この痛みを使って相手とつながると、何より自分が苦しい思いをしてしまいますからね。
このような状況を作ってしまう心理的要因
「隠し続けてきた痛み、悲しみ、虚しさ」をどれだけ優しく解放するかがポイント。
自分を優しく丁寧に見つめ、受け止めていくプロセスこそ癒やしであり、自分への優しさ。
少し勇気はいるけれど、自分の内面を見つめ、丁寧に癒やし、自分を大切に扱うことですね。
ただ・・・この話、非常に誤解されやすいのです。
過去の自分を見つめること=「自分を否定的に見つめること」と誤解する人も少なくありません。
とにかく「今の自分を肯定したい」と感じているとそうなります。
しかし、今の自分を肯定したいがあまり、自分が無理をしなきゃいけないような辛い恋愛に踏み込むとしたら、それはそれで切ない話になりやすいもの。
そこ、少し未来視点で見つめて、じっくり選べるようになるといいですよね。
ここでの自分癒やしとは
自分の中に強く出てきている「今の自分を肯定したい」理由を見つめて癒やして、
自分のための最適解を選べるようになること。
どこかインナーチャイルド的なアプローチになることが多いんですが、
過去の解放されていない感情を丁寧に解放し、辛い気持ちを手放し、自分は自分でいいと感じることですね。
そもそも無理をして疲れ果てるのは自分ですからね。
誰もあなたに無理をしてほしいとは願ってないはずですから。
自分を愛する、受け入れるってはじめは抵抗がありますけど、少し見方を変えて自分自身を客観的に見つめるといいですよ。
最も自分に疑いの目を向け、厳しいのは自分だった。
もう自分は認められるために無理をしなくてもいいんだ。
そう気づくことが許しですし、もっと楽に、自由に恋愛も楽しめるようになる入り口ですよ。
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