人と馴染めないと感じる心理|あなたの心が立っている「立ち位置」の話
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
「人と馴染めない気がする」
「輪の中に入ろうとすると、そわそわして落ち着かない」
「でも、ひとりでいると寂しい」
こういう感覚って、案外ちゃんとしんどいですよね。
ただ、ここでいきなり
「自信がないから」「コミュ力が低いから」「慣れてないから」
みたいにまとめてしまうと、話が雑になります。
今回は、そういった原因よりも、もう少し手前のところ
「今、心がどんな位置に立っているのか」
という整理の仕方で書いてみます。
Index
「馴染めない」は、能力というより“位置”の問題として起きることがある
人と馴染めないと感じるとき、心が立っている位置が、
「他人の影響を受けすぎたくない位置」
になっていることが少なくないんですよね。
ここで言う「影響」は、悪い刺激という意味だけではなくて、
- 相手の空気
- 相手の期待
- 場のノリ
- 評価されそうな感じ
そういうもの全般です。
この位置に立つと、心はこう感じやすくなります。
- 下手に話しかけて、相手の領域に踏み込みたくない
- 逆に、自分の領域にも踏み込まれたくない
- どの距離感が安全なのかがわからない
結果として、「馴染もう」以前に、まず距離を取りたいという意識に向きやすくなるんですね。
輪の外にいるほうが落ち着く。でも、寂しい
この話のちょっとした切なさは、ここにあります。
輪の外にいるほうが落ち着く。
余計な影響を受けずにすむ。
でも、外にいると、やっぱり寂しい。
つまり、「安全でいたい」と「つながりたい」が、同時に出てくるイメージ。
この矛盾があると、心は当然揺れますよね。
そして揺れているときほど、
「私が変なのかな」とか「私がダメなのかな」という結論に早く着地したくなる。
それが一番早く着地できてしまう結論だったりするんですよね。
でも、ここは急いで結論を出さずに、
「そういう立ち位置に立つと、そう感じるのかもしれない」
と自分を客観的に眺めるだけでも、少し楽になることがあります。
「馴染めない不安」が強まるとき、何が怖くなっているのか
人と馴染めないと感じるとき、怖いのは「人」そのものというより、
人と関わることで起きそうな“何か”だったりします。
たとえば、
- 変に思われるかもしれない
- 距離を間違えて嫌がられるかもしれない
- 場の空気を壊すかもしれない
- 期待に応えられず、浮くかもしれない
こういう「起きてほしくない展開」を先回りして想像するほど、
心は“安全”を確保しようとするものなんですよね。
結果、輪の外にいるほうが落ち着く、でもやっぱり寂しい。
このなんともいえない相反する気持ちを抱える、ということなんですよね。
だってねぇ、嫌じゃないですか、浮くのも、嫌がられるのも、寂しくなるのも。
それを乗り越えよ、という考え方もあると思いますが、ここではその話はなし、いうことで・・・。
「領域侵犯されたくない位置」になってしまう背景がある場合もある
ここは断定までできることじゃないんですが、
実は人に馴染めないという方の中には、過去の親子関係や対人関係の中で、
自分の中に誰かの価値観が強烈に入り込んできて、すごく苦しかった
という経験がある方もいます。
たとえば、
- 親や周囲の期待が強くて、いつも“正解”を求められていた
- 過干渉で、距離が近すぎる関係が続いていた
- 言い返せない相手に合わせ続けて、しんどくなった
もしそういう体験があると、心は学習します。
「近づく=入り込まれる」
「関わる=影響を受ける」
だから、馴染もうとすると怖くなる。
これは、経験から作られた反応として説明できる部分もあります。
「馴染めるようになる」より先に、まずできること
ここで「こうすれば馴染めます」と処方箋を押しつけるのは、
あまり相性が良くない気がします。
それよりも、入口としてはこのくらいでいいと思うんです。
「馴染めないのは、なんか事情があるようだ」
まずは、そういった自分を俯瞰する位置に一度立ってみる。
すると、少しずつ、次の問いが自然に出てきます。
- 私は、何を“影響”として怖がっているんだろう?
- どんな関わり方だと、領域が守られる感じがするんだろう?
- 「近づきたい」と「守りたい」は、どこで両立できそうだろう?
この問いが出てくるなら、もう前に進んでいます。
さいごに
人と馴染めない不安って、
「馴染めない自分を直す話」だけでは片づかないことがあります。
ときには、
「他人の影響を受けすぎたくない位置」に立っているだけで、
人付き合いが重たく見えてしまうこともあるんですよね。
だから、今の反応を急いで結論づけるよりも、
「今はこう感じている」という形で見つめてみるほうが、現実的な場合もあります。
もし、ひとりで抱えるのが苦しいなら、信頼できる人に話してみたり、必要なら専門家に相談するのも選択肢です。
「馴染めない」を直すというより、
どの位置なら息ができるかを一緒に探す、という考え方もありますからね。
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