なぜ別れた後、いつも復縁したくなってしまうのか |それは「依存」ではなく「立ち位置の喪失」かもしれません
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、いただいたご相談をベースにコラムを書いていきます。
テーマは、
「なぜ別れた後、いつも復縁したくなってしまうのか」
そして、その背景にあるものが、必ずしも「依存」だけではない、という話です。
結論めいたことを先に言うなら、
別れを迎えたあと、人は「相手」だけでなく「自分の立ち位置」も失いやすい。
その結果として、復縁=元に戻ることを強く望むケースがある、というのが僕の実感です。
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いただいたご質問はこちら
浅野さま
いつも拝読しております。
優しい文章に、カウンセリングされているような感覚になりいつも助けられています。
彼氏と別れる度に、毎回復縁活動をしてしまうという悩みがあります。
絶対に別れた方が良いと思う人であっても、振られても振っても、必ず復縁したいと思い、実際に冷却期間を置いて連絡したりしてしまいます。
今回も、まだ別れから2週間ではありますが、彼と復縁したいという思いに取り憑かれています。これは依存なのでしょうか?
仕事や勉強では強い意志で我慢することはできるのに、失恋となると、次に行かずにまず復縁を願って進めなくなります。自分で言うのもなんですが異性にはモテる方なので、頑張れば彼氏はすぐできると思うのに、一年経っても復縁したいと頑張ってしまうのです。
最近は失恋の度に電話カウンセリングや占いにお金をつかってしまう傾向があり、なんて弱いんだと思いながらもやめられなくて罪悪感を感じます。
復縁だけの選択肢から抜けて、また新しい恋をしたいですし、このようにさせるものが一体何なのか、自分でも分からず怖いです。
彼との大切な思い出はそのまましまっておいて、前を向くにはどうしたら良いのでしょうか?
何かヒントをいただけたら嬉しいです。
宜しくお願い致します。
ネタ募集ネーム:ドーナツさん
まず最初に:「復縁したくなる=依存」と決めつけることは難しい
ドーナツさんのように、別れのたびに復縁を考えてしまうと、
「私って依存体質なのかな」
「弱いのかな」
と、自分を疑いたく方も少なくないかもしれないですね。
まぁたしかに、依存心が強く影響しているケースもありますよ。
ただ、僕の実感としては、
依存心が強くて起こるケースもあれば、
毎日頑張りすぎて「立ち位置がズレている」ことで起きるケースもある
という感じなんです。
失恋で起きるのは「彼を失う」だけではありません
失恋は、悲しい出来事です。
でも、心理的に見ると、失恋で起きているのは「彼がいなくなる」だけではありません。
もうひとつ、起きやすいことがあります。
「私は、誰として生きていたのか」が一瞬わからなくなる。
こんな感覚を覚えることもあるんです。
他にも、
誰かが傍にいた安心感、安全な感じ。
誰かに愛されていることで感じる居場所的な感覚。
そういったものも失うわけです。
これは大げさな話ではなく、わりと多くの人に起こります。
恋愛って、大人になってから
「役割」や「居場所」や「未来像」を作る営みでもあるからです。
- 恋人としての私
- 大切にされる私
- 誰かの特別である私
- 未来に向かっている私
こういう「恋愛中には感じられた私の立ち位置」が、別れと同時になくなる。
すると、人の心はバランスを崩して不安定になることがあるわけです。
「復縁したい」は、元彼ではなく“元の自分”に戻りたい反応かもしれない
ここが今日の核心です。
復縁したい気持ちが強いとき、もちろん相手への愛情や未練もあります。
しかし同時に、もっと根っこにある願いが混ざっていることがあります。
「元に戻りたい」
この「元に戻りたい」は、彼との関係だけではなく、
“自分を見失っていない状態の自分”に戻りたいという意味でもある、ということです。
別れを迎えた後、心が苦しいのは当然です。
でもその苦しさが、
- 空っぽになる
- 焦る
- 意味が消える
- 自分が自分じゃない感じがする
という形で出ているなら、これは「立ち位置」が揺れているサインかもしれません。
よって、立ち位置を失ったとき、
いちばん分かりやすい回復ルートに飛びつきたくなる人がいる。
それが「復縁」なのです。
心理学的に言うと:失恋は「愛着システム」が強く作動しやすい
少しだけ心理学の言葉を使うなら、
失恋は、僕たちの中の愛着の仕組みが影響しやすい出来事です。
ここでの愛着の仕組みとは、簡単に言えば、
安心できる相手(安全基地)とのつながりを確保しようとする仕組みです。
別れは、この安全基地が突然失われる出来事に近いのです。
すると心は、
- つながりを回復しようとする(復縁したくなる)
- 強い不安が出る
- 思考が相手中心になる
という方向に引っ張られやすい。
これは「弱いから」ではなく、人間の自然な反応でもあります。
ただし「依存」だけでは説明できないケースがある
ここで大切なのは、
愛着の仕組みや立ち位置のずれの影響が作用する自体は自然でも、
その人の背景によって「復縁したくなる意味」が変わるということです。
1)依存心が強く影響しているケース
たとえば、
- 一人になると自分の価値が消える感じがする
- 「選ばれていない私」に耐えられない
- 相手がいないと日常が回らない
こういう場合は、確かに依存的な要素が強く影響している可能性があります。
2)頑張りすぎて「立ち位置がズレている」ケース
普段は意志が強く、仕事も勉強もできる。
でも、別れになると崩れる。
このタイプの人は、日常で「頑張る私」を保ち続けている分、
恋愛が“唯一の居場所”になりやすいことがあります。
ここで言う居場所は、依存的にしがみつく居場所というより、
「力を抜いて存在していい場所」の意味です。
だから失うと、急に自分の立ち位置が分からなくなる。
すると復縁が「相手の奪還」ではなく、
“自分の回復”の手段として強く欲しくなることがあるんです。
これは
- 毎日頑張って生きてきた人
- ちょっと無理をしてでも仕事や恋愛にエネルギーを投資してきた人
- 社会や組織の中で、重い責任や役割を担ってきた人
など、いつしか「自分らしい立ち位置」からズレたままでいた人に見られる反応の一つ、と思います。
前を向くためのコツは「復縁を禁止する」ではなく、立ち位置を取り戻すこと
ここでよくあるやり方が、
「復縁を考えちゃダメ」
「もう忘れよう」
と、自分を禁止で縛る方法です。
ただ、これだと心が余計に不安定になることもあります。
でも、少し想像してみてほしいんです。
まぁある程度気持ちが整って安定したら、ソワソワするほどの復縁したい衝動に駆られることはないのではないか?と。
もし復縁したいとしても、「また好きな人と向き合いたい」と淡々と思うぐらいで、落ち着かなくなることはないのではないか?と。
なので僕はこう考えます。
復縁したい気持ちを悪者にせずに、
“立ち位置”を先に戻す事を考えてみてはいかがでしょうか、と。
1)「復縁したい」は“一つの気持ち”として扱う
復縁したい気持ちが出たとき、こう考えてみてください。
「私は今、相手が欲しいというより、立ち位置が欲しいのかもしれない」
この一言で、少し息がしやすくなる人がいます。
とはいえ、復縁しかない!ぐらい追い詰められた気持ちを感じる方もいるかもしれないですよね。
その時は、まぁ落ち着け、じゃないんですよ(笑)
それぐらい強く立ち位置かズレているのかもしれない、って考えてみてください。
言い換えれば、恋愛中も今も、本当に私らしくないのかもしれない、と意識してみることです。
もちろんそれで強い復縁への衝動が消えるとは申しません。
ただ、理由もわからず復縁しかない!と思う気持ちは、多少和らぐと思います。
息が詰まるのではなく、少し息ができる、感じですね。
2)「今の私の足場」を3行で言語化する
立ち位置は、ある程度言葉で戻すことができます。
- 私は、別れた直後で揺れている
- でも、人生の舵を失ったわけではない
- 私は私の生活を守りながら、気持ちを回復させる
この3行だけでも、少し落ち着きます。
とはいえ、それでも強い復縁への気持ちが出ることもあります。
追いつかないわ〜と思うなら、信頼できる人に安全な場所で話を聞いてもらうなど、気持ちの整理をしてみてください。
3)「復縁したい私」が守ろうとしているものを見つける
復縁したい私が守ろうとしているのは、
- 安心
- 自分の価値
- 未来の見通し
- 特別である感覚
このどれかであることが多いです。
守りたいものが分かれば、復縁以外の回復ルートが作れます。
つまり、選択肢が増えるわけです。
なので、そのあたりをじっくり見つめる方法もありますよね。
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まとめ
別れた後、いつも復縁したくなる。
それは「依存」と断定されがちです。
でも僕の実感では、そうとも限らない。
依存心が強くて起きるケースもあれば、頑張りすぎて立ち位置がズレ、別れのあと自分を見失うことで起きるケースもあります。
復縁とは、相手を取り戻すことでもありますが、
「元の自分に戻りたい」という回復衝動でもありえます。
だからこそ、復縁したい気持ちを強く肯定したり、また禁止するぐらいなら
自分の立ち位置を取り戻すという視点があってもいいのではないでしょうか。」
そこから先の判断のほうが、ずっと自分らしい選択になると思います。
この記事が、揺れている方の呼吸を少し取り戻す視点になれば幸いです。
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