夫の気持ちを試してしまうのをやめられた理由|「試し行動」と不安の整え方
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
「夫の気持ちが分からなくなると、不安になる」。
不安になると、
「私のことどう思っているの?」
「私のこと大切なら、普通こうするよね?」
と、相手の気持ちを確かめたくなる。
時には、わざと冷たくして相手の反応を見たり、
「もう別れたほうがいいんじゃない?」
なんて、本当はそう思っていないことまで口にしてしまう。
そして夫が疲れて距離を取り始めると、もっと不安になる。
また確かめる。
また距離を取られる。
実際、こういった流れの中で夫婦関係がかなり悪くなってから、ご相談に来られる方がいます。
しかも、パッと見た感じでは「そんな不安になりそうには思えない人」からのご相談が多い。
これは、普段はうまく不安を隠している、という意味じゃないんです。
そういう方ほど、周囲に気づかれないまま、一人で抱えてきたことも少なくないんですよね。
そして、お話をしてくださる方の多くは、「こんな自分がよくない」と思われています。
・・・若干、「仕方ない」「どうしようもない」とも思っていらっしゃる様子もありますが(^^;
そういったときに、「ね、もう相手を試すのをやめましょう。ご主人も大変ですからね。」と言えば、それはそうなんですが、おそらく焼け石に水かもしれない。
そもそもご本人だって、だいたい何が問題かを分かっています。
だから、ご相談にこられている。
「分かっているけれど、止まらない」。
そこが悩ましいんですよね。
では、こうした状態から抜けていった人は、何をしたのか。
今日はその話をまとめてみます。
Index
相手を試すことより先に見たい、心のあり方
相手を試してしまう方のお話を伺っていると、見えてくる”感覚”があります。
それは、
「安心できる手がかりが見つからないと、ものすごく不安になる」。
ここでは、安心が見つからない、ではないんです。
安心できるなにか手かがりが見つからない、という部分です。
人間って、「安心できる場所にいれば、誰でも安心できる」とは限らないんですよ。
安心できるよね、と思えるトリガー、何かしらの要素が見つからないと、安心できない。
たとえば、ホテルのベッドで眠れない、実家にいると不安・・・。
場としてはけっこう安全なはずなんだけど、安心できる手がかりがないと感じていれば、安心できないわけですよ。
それが夫婦関係や人間関係にも適応される、ってイメージですね。
たとえば、
- 夫の返信が遅い。
- いつもより口数が少ない。
- なんとなく表情が冷たい。
- 以前なら笑ってくれたところで笑わない。
こういう、ほんの少しの変化があったとき。
頭では、
「疲れているだけかもしれない」
と理解できないわけではない。
しかし、心はそう素直に受け取っていなくて、安心できる手がかりがない、と感じている可能性がある。
だから、
「何かあった?」
「私に冷めた?」
「嫌われた?」
「浮気してるんじゃ?」
そんな不安が、一気に動き始める可能性があるわけですよね。
・・・これは、想像するだけで切ないことです。
本来安心していいはずの状況に、それを見つける手かがりが見いだせない。
しかも、その場では、自分だけがそうなる。
だから、安心できる材料を探すんですね。
「好きだよ」と言ってもらう。
連絡を増やしてもらう。
態度で示してもらう。
優しくしてもらう。
それが確認できれば、一度は落ち着く。
だから、本人からすると、相手を困らせたくて試しているわけではないことも多いんです。
むしろ、好きだしそばにいてほしい。
安心できる手がかりを必死で探しているだけ。
僕にはそんなふうに見えることがあります。
ただし、問題は、それでは安心できる手がかりを自分で見つけられた状態ではない、ということ。
しばらくすると、また不安になるのは、そのためなんだろうと僕は考えています。
「分からないまま」が、とても怖い
こういう方とセッションをしていくと、
今の夫との関係だけではなく、もっと前から似た感覚があったことに気づく場合があります。
- 誰かの機嫌が悪いと、不安になった。
- 何が起きているか説明してもらえないと怖かった。
- 大丈夫だと思ったあとに、急に関係が変わった。
- 寂しかったけれど、その気持ちを受け止めてもらえなかった。
もちろん、どんな経験があるかは人それぞれですけどね。
ただ、
安心できる手がかりがない状態で、不安なまま過ごした経験
が重なっていることはあります。
そうすると心は、「分からないままにしておくのは危ない」と反応しはじめる。
だから、今の夫の気持ちが分からないときにも、ただ「分からない」だけでは済まなくなる。
早く確認しなきゃ。
答えを出さなきゃ。
安心できる証拠を見つけなきゃ。
そうやって心が動く可能性がある。
つまり、試す行為だけ止めようとしても、安心できる手がかりが見つけられないなら、なかなか楽にはならないわけです。
その人がやったのは、「試す自分を反省し、無理やり抑え込むこと」ではなかった
では、そこからどう変わっていったのか。
まず大きかったのは、
「また夫を試してしまった」と自分を責め続けることをやめて、きちんと理解すること
だったりします。
「なんで私はこんなことばかりするんだろう」
「こんなことしてたら嫌われて当然だ」
「私は面倒な妻なんだ」
そうやって自分を責めていても、安心の手がかりが見つかる保証はありませんよね。
むしろ、
不安になる。
lass=”yoast-text-mark” />>↓<br />夫を試す。
>↓
自分を責める。
>↓
もっと不安になる。
となることもあるんですよね。
そこで、
「私は今、夫を困らせたいんじゃなくて、安心できる手がかりをを探しているんだな。」
「それはいつからなんだろう?いつから安心できる手がかりを見つけられないままなんだろう。」
そう理解していく。
とはいえ、だから「相手を試す自分の行動を何でも許せばいい」という意味ではありません。
行動として変えたほうがいい・・・というか、「そもそも夫にそんな詰め寄り方をしたいわけじゃなかった」という気持ちを大切にしていいんだと思います。
ただ、行動を変えるために、自分を敵に回す必要はないということなんです。
むしろ、理解の目を向けて、実際に手当することのほうが、よほど役に立つと僕は思いますよ。
ここは、「今の自分に向ける気持ちの側面」と、「実際に、安心の手がかりを感じ取れるように心を整える」の両輪が必要だと思います。
どちらもカウンセリングで扱わせていただく部分ですけどね。
ただ、自分を「仕方なかった」と慰めつづけていても、どこかで夫との関係を不安に感じ続けていても、変わらないこともありますから。
ちょっとドライな意見かもしれませんが、そう思います。
不安になった自分を、まず手当てする
こういったケースでは、「夫を信じられるようになる」ということは一つのゴールです。
いきなり目指すのではないんです。
まぁ、今までさんざん不安から夫を追い立てていたのなら、その数が激減すれば、それだけで関係が落ち着くこともありますもんね。
だから、「もっと夫を信じたいんです」というお気持ちは理解できますし、それもあなたなりの大切な思いですよね。
しかし、それで今の自分を裁いて、出てくる答えってあるんでしょうか?
まずは、不安になったとき、自分の中で何が起きているのかを理解してみること。
- 何が怖いのか。
- 何が起きると思っているのか。
- その不安は、どこか懐かしい感覚ではないか。
- そのとき本当は、どうしてほしかったのか。
そういったものを少しずつ見ていく。
そして、ここからは、ほぼカウンセリングのセッションで行うことになるんですが、
昔感じた不安や寂しさを、そのまま放置するのではなく、
「あれは怖かったよな」
「分からないまま待つのは、しんどかったよな」
と、自分でも受け止められるようにしていく。
場合によっては、セッションの中でその感情を十分に感じたり、言葉にしたり、安心できる感覚を少しずつ経験していくこともあります。
そうやって整えていくうちに、不安の反応が少しづつ収まっていく。
すると、ゆっくりと安心できる手がかりも見えてくるようになるんですね。
不安になった瞬間に選択できるようになる
このようないい意味での変化が出てくると、
夫の態度が少し違ったときに、今までのような不安に突き動かされることは少なくなるんです。
実際に、そんなご感想をいただいています。
だから、違う選択、いや、本来自分が見せたい自分を表現できるようになるんです。
ここがけっこうなポイントでしてね・・・。
自分が不安に飲まれているとき、自分だけじゃなく、相手にも不安を与える表現が続いているんです。
こちらが「本来見せたい自分」でいられるようになると、少なくともこちらから相手の不安を煽ることは減っていきます。
すると、関係の中に安心できる手がかりも戻ってきやすくなる。
・・・わかります?いいたいこと(笑)
たとえるなら・・・
泥沼に落とした鍵を手探りで探すより、透き通った水の中に落ちた鍵を拾うほうが格段に簡単ですよね?
それぐらい「不安で安心の手がかりが見えない状況」を、どう整えるかも大切なこと。
そう考えると、「夫に詰め寄らないように」「安心させてもらおう」と思い続けることのリスクが、少し分かっていただけるんじゃないでしょうか?
僕は、ここが回復するための条件だと思っています。
ただ、闇雲に自分の不安を意識し続けたり、何度もケアするよりは、「こちらが本当に表現したい自分になること」も、重要です。
ただ、ここは卵が先か、鶏が先か、という話でもあって。
自分の不安を全くケアせずに気合と根性で「良い自分」になろうとしても、いつか息が切れるし、安心の手がかりが見つけられるようになったわけでもない、ということ。
なので、手順は重要かな、と思います、はい。
「相手を試さなくなった」は、結果として起きた
こういう「相手を試さなくなった」という変化を見続けてきて、思うことがあります。
相手を試すのをやめられた人は、最初から「試さない人になろう」と頑張ったわけではないのです。
まぁ、浅野にうまくそそのかされた、いや、そんなことはないか・・・。
むしろ、試さなければ安心できなかった自分を、少しずつ理解していったのです。
その結果として、
夫から答えを引き出さなければならない場面が減っていった。
本来、こんな私でいたい、と思える自分に戻っていった。
よって、安心できる手がかりがたくさん見つかるようになった。
だから、試すこと自体が必要じゃなくなった。
最も強いのは、本来表現したい自分でいられる、という部分。
それは優しさを向けるのか、穏やかでいるのか、夫の帰りを待っている可愛い妻なのか、人によって違います。
ただ、このとき「私は私の愛に背いていない」という感覚がやってくる。
これが強い。
ものすごく強い。
ここに「ずっと自分が大切にしてきた想い」を表現できる自分がいます。
これは、自分を肯定し、支える強力な柱になります。
そうなると、夫なりの思いやりも受け取りやすくなるし、夫婦の関係も以前より落ち着きやすくなり、不安に飲み込まれる回数が減っていくこともあります。
目指すのは、不安が二度と出ないことではない
こういう話を書くと、
「じゃあ、どれくらいセッションを受ければ変わるんですか?」
と思う方もいるかもしれません。
これは、本当に人によります。
子供の頃から、安心できる手がかりを見つけらない、という反応が続いているケースでは、ある程度時間がかかることもあります。
夫婦関係が実際に悪化している状況では、毎日の生活で感じる不安も大きいでしょうから、セッションを受けながらでも、日常で不安が強まることもあります。
だから、何回で変わるとはいい切れるものではありません。
ただ、「安心できる手がかりが見つからない」という状態を、そのまま抱え続けるのか。
それとも、そこに少し手を入れてみるのか。
多分、その違いは大きいんだと思います。
最後に
相手を試す自分を何とかしようとして苦しくなっているなら、
「どうして私はこんなことをするんだろう」
ではなく、
「私は何が分からなくなると、こんなに不安になるんだろう」
と見てみてもいいかもしれません。
そこに、その人がこれまで一人で抱えてきたものが見えてくることがあります。
そして、そこを理解し、手当てしていくことが、
結果として夫婦関係の中で、今までとは違う選択をするための土台になることもあるのだと思います。
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