甘すぎない恋愛心理学

愛を受け取る勇気

愛を受け取る勇気って?

多くの方が「愛されたい」「好きな人に選ばれたい!」と思うものかもしれませんね。

しかし、人の心というものは不思議なもので、なぜか「愛されては困る」と感じ、「愛する」ことは厭わなくても、「愛されること、愛を受け取ること」から遠ざかることがあるのです。

そこで今日は「愛を受け取る勇気」についてのコラム。

お伝えしたいことは山ほどあるので、おそらく1回では書ききれない内容になるでしょう。

よろしければどうぞ。

役割とは「目的意識」である

「私は妻だから、夫ともっと関わりたい」

「私は彼女だから、彼のことをもっと理解したい」

「私はお母さんだから、子供のことをしっかり愛してあげたい」

いろんなカタチの「大切な人のために」というお話。

こういったお話を伺うたびに「愛だよなぁ、愛」って思うんですよ。

「私は〇〇だから」という言葉に込められた思い、そして使命感を感じるんですよね。

僕たちの心理学には「役割」という言葉があります。

例えば、男だから、女だから、親だから、子供だから、夫だから、妻だから、といった意識のことです。

そして「役割にハマると、喜びを感じにくくなりますよ」という話はまぁよく登場します。

確かに役割にハマると、べき思考「〇〇だから〇〇すべきだ」という思いが多くなるので、確かに続けると燃え尽きやすくなるものかもしれません。

けどね・・・。

「私は〇〇だから」という言葉の根っこで響いている「愛」とか「目的意識」って僕は見逃せないものだなといつも思っています。

自分の中に大切なものへの思いがなければ、「〇〇だから」とは思わないと思うのです。

だから、僕の考え方では「役割とは目的意識でもある」と考えています。

役割意識を持つということは、自分が大切にしたいものがある、成し遂げたい目的があるという意味が強いと僕は思うのですよね。

 

目的意識を持って与えているから意識したいこと

ただ、役割〜私は〇〇だから〜という思いを持っているときほど、意識してほしいことがあるんです。

それが「愛している」ことと「愛しあえていること」の違いなんです。

多くカウンセリング事例でも

「私が愛さないと」「自分が頑張らないと」というお声、たくさん伺います。

「今、十分に愛せているでしょうか」「頑張れているでしょうか」というお声とともに。

そんなみなさんはきっと「与える意識」「貢献意識」が強いのです。

与える喜び、愛する喜びをきっと知っているのですよね。

ただ、それは愛していることであり、「愛し合えていること」とイコールではないことも意外と多いんです。

そう。あなたが愛を受け取っていますか?という話です。

自分のどの部分を人に預けるか、人の愛によって支えてもらうか、という話です。

 

愛し続けている人に伝えたいこと

ある女性の話。

彼女は、とにかく「人から支えてもらうこと」に遠慮がある方でした。

何でも自分から行動し、関わって行こうと思うタイプだったのです。

仕事でも、恋愛でも、家族の中でも率先して行動する彼女は、いつも周囲からの評価を得ていましたし、彼女のことをネガティブなイメージで捉える人は少なかったのです。

そんな彼女はある一つの悩みを抱えていたのです。

それが「寂しさ」です。

彼女には彼もいましたし、やりがいを感じられる仕事もありました。

しかし、彼女はいつからか漠然とした虚しさを抱えるようになった。

そこで心のことやカウンセリングに興味を持ちはじめた、というわけです。

「彼がいるのに、仲間もいるのに、どうして私はこんなに虚しく、寂しいんだろう・・・」

その彼女の問に対して僕はこう答えたんです。

「あなたはきっと素晴らしく与える人です。きっとみんなが、あなたのことを大切に思っていますよね。

ただもし、いや、万が一。

自分から愛せていても、大切な人と愛しあえていないとしたら、どんな気分になると思います?」

「愛しあえていない?ってどういうことですか?」

彼女のこの質問にもこう答えました。

「自分に向けられた思いに反応するか、そうでないかの違いです。

もし、あなたの中に「私は愛されてはいけない」「自分が愛されると誰かが不幸になる」なんて思いがあると、なかなか愛しあえない状態になることもありますよ。」

「愛されてはいけない?ですか?」

「そう、愛されてはいけない、です。

自分にはそんな資格はないと思う人もいれば、人から愛されると周囲の人の愛の取り分が減ってしまって申し訳ないと思う人もいます。

なかなか気づかないんですけどね。

ただ、あなたが愛すると喜びを感じるように。あなたが誰かの愛情を受け取ることができるなら、きっと相手はすごく喜びます。

相手はきっとあなたに触れて、喜ばせたいと願っているはず。

あなたもそう思いませんか?そうでなければ、パートナーのそばにいないですよね?」

そこから彼女には人の愛情を受け取る、相手の好意に反応することに意識を向けてもらいましたっけね。

すると、彼女のパートナーがやけに喜ぶので

「浅野さん、なにかすごいことが起きているんですけど・・・」

なんて話を伺った記憶がありますね。

そりゃそうでしょう。

大切な人に愛を向けて、喜んでもらえたら超ハッピーな気分になりますよね。

逆に受け取ってもらえなければ、寂しいですよね。

そして彼女に僕は聞いてみたんです。

「今、寂しいですか?」って。

そこで彼女は気づかれたようです。そういうこと?・・・と。

そう、自分の周りにある愛情を無意識的にでも遠ざけていたから、寂しさや虚しさを感じていたわけです、彼女は。

 

愛を受け取る勇気

愛を受け取ることの第一歩は「気づくこと」です。

自分の周囲にある好意や、人の思いに気づき、理解することです。

そして、その人の思いに自ら反応することです。

そうすれば「愛しあうこと」ができます。

毎日育児に頑張っているお母さんに、僕はこうお伝えすることがあります。

「あなたと触れ合えて、お子さんがどれだけ嬉しいか分かります?」

毎日、彼のために、夫のためにと頑張っている皆さんには

「あなたの存在はとっても大きいんですよね?」

でも、僕たちはなかなか自分のことを理解できないんです。

その存在の偉大さも、自分が担った役割の目的、そして日々為すことの意味も。

だから、「誰か」という人を通じて、それを実感することが必要になることが多いんです。

それは「愛すること」だけではなく、「愛しあうこと」でわかるのです。

だから、毎日頑張っているみなさんには「人の愛を受け取る勇気」を持ってくださいね、とお話しています。

あなたに向けられた思いを、恥ずかしがらずに、遠慮せずに、感じてみましょう、とお話しています。

愛を受け取る勇気は、愛しあえる関係につなげるための第一歩、なのです。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー・トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績9000件/東京・名古屋・オンライン対応。
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