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「人は見たいようにモノを見る」もの

カウンセリングをさせていただいていると
「どうして彼はあんな言動をするのでしょうか」
「どうして私の考えが相手に伝わらないのでしょうか」
という疑問を伺うことがあります。
もちろん相手のことが理解できないとか、自分の気持が伝わらないとなればスッキリしないし、時に不安になりますよね。
特に相手を異性として意識していればなおさらに。
ただ、人にはそれぞれのものの見方、価値観などがあるものですよね。
そして、人はそれぞれのものの見方、価値観、感情のあり方を通じて世界を見ています。
だから、自分の考えと相手の考えが異なることは当たり前のように起こることです。
たとえ自分の考えが相手の考えよりも優れていると思っていても、相手がそれを理解しない事も往々にしてありえるのです。
https://www.asanohisao.jp/archives/anshinkan_touei.html
気分一致効果
心理学の有名な考え方に「気分一致効果」というものがあります。
これは「気分の良いときは物事の良い面が見えやすくなり、気分の悪い時は物事の悪い面が見えやすくなる」ということを示しています。
気分がいい人はポジティブに、残念な気持ちの人はネガティヴに、世界、つまり人や物事を見る、ということなんですよね。
自分の気分が影響しているので「私はこのように世界を見たい、物事を感じたい」という理屈通りにいかないって部分が難しいところです。
だから
「私は世界を素晴らしいものだと感じたい」
「パートナーを好意的に受け止めたい」と思っていても
めっちゃストレスを溜め込んでいたり、我慢ばかり続けて苦しい気持ちになっていたり、自分を信じられずにいると、なかなかそう感じられないこともあるわけです。
逆に、あまりに気分が良くてイケイケのときは、ネガティブに物を見て慎重になるべきときに、うっかり楽観的になりすぎてアイタぁ〜みたいなことも起きますよね。
それはどこか僕たちの意思、願望を超えたものだともいえそうですね。
お互いに「人は見たいようにモノを見る」と気づくと世界は変わる
だから、自分も相手も「見たようにものを見ている」と気づくことってものすごく重要なことなのですね。
ここでのポイントは「見たいように」という部分と、「気分(感情)の影響」なのです。
もし自分の気分の影響で自分が見ているものが変わるとしたら・・・
それって「気分(感情)」の影響なんじゃない?
だから、自分が思うように、見たいように見ていないんじゃない?
なんてお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
が、ここで重要なのは、「自分の感情(気分)って誰が感じてるのよ?」という部分です。
今、感じている感情は、自分が感じているものである。
今、感じている感覚は、自分が感じているものである。
これは僕たちの心理学でいう「アカウンタビリティ」という概念です。
自分が誰かや取り巻く環境の影響を受けていたとしても、その中で自分が感じている感情は、自分の選択によるもの。
だから、自分の感情(気分)や認知を変えることができれば、自分が感じる感情も見る世界も変わってくるということ。
この考え方を身につけると、なかなかどうして、自分が自由になるものなんです。
具体例
たとえば、「彼が私に最近そっけない態度を取るようになった」という話があったとしましょう。
そのときに、明らかに自分が彼を傷つけたという事実があって、そこに気づいているなら、関係改善の取っ掛かりは見つけやすいものですね。
しかし、何も問題がなく、いつも通り過ごしていただけなのに、彼の態度が変わったとするならば、なかなか考え込んでしまうことになるやもしれません。
そこで「相手は相手が見たように物事を見て、その感覚で私を見ている」と考えてみると、どうなるでしょうか。
ここでは
「彼は今そっけない態度を必要としている」とか「
そっけない態度を取るほどに、彼が見ている世界がしんどくなっているのではないか(彼が何かしら感じたくない感情を感じているのではないか)」
と推測することができますね。
こう考えられると「彼はどうしたんだろう」とか「気遣ってあーげよ」とか思いやすくなります。
しかし、問題意識からの自己関連付けだけが進むと「私、なにかした?」とか「私のこともう好きじゃないの?」と考えてしまうわけです。
彼の態度で自分の感情や考えが決まりすぎてしまうので、相手のことが冷静に見れないわけです。
自分の感情で判断しない分だけ、より現実が見えるといいますかね。
人は同じように物を見ていないと理解すると感じられる愛もある

人は見たいようにモノを見ているし、自分と人は同じではない。
そう受け止めることって大事だなと思うんですね。
それは家族やパートナーに対しても同じです。
みんな考えていることも感じていることも違うのです。
それはさみしいことではなくて、そもそも昔からそうだったんですよ。
だからお互いを尊重できるという考え方ですね。
相手は自分と全く同じ考えや物の見方をしているわけじゃない、と理解するといいかもしれません。。
すると、なんでわかんねーんだ!なんであなたはこうなんだ!という文句は、どこか消えていくのです。
そして、お互いを尊重できる物事の見方をすると
実は自分の家族、パートナー、仲間が「自分の世界ではないところ」から、自分を支えようとしてくれる、仲良くしてくれる、と思えるようになるものです。
まさに相手の明確な意思で
自分と関わってくれる
愛してくれる
支えてくれる
そう感じ取れるから、世界ってすげーな、人ってすげーなぁって思えるものですよ。
やばい、愛されるってこんなに嬉しいんだ・・・と思えるようになりますよ。
だから、そして、誰かと同じではないことで傷つきすぎないように、自分を受けとめて認めておくことって大切なんですよね。
「互いの個と違いを認め合う感覚」が、その次の幸せや支え合いにつながっていくものですから。
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