彼が苦しいと言わないのはなぜ?|自立男性の心の痛みと向き合い方
こんにちは。心理カウンセラーの浅野寿和です。
パートナーシップのご相談の中で、こんなお声を伺うことがあります。
「なかなか彼は私に心を開いてくれません」
「そんなに苦しいなら、苦しいって言ってくれればいいのに」
どう見ても大変そうなのに、弱音を吐かない。
頑張り続ける彼を見て、どう関わればいいのか分からなくなる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、自立的な男性に見られやすい“心の痛み”の扱い方と、その男性との関わり方を整理してみます。
自立男性の心の痛みとその扱い方
ここでいう「自立男性」とは、
人を頼るより、自分の力で抱えて乗り越えようとしやすい人、という意味で使います。
(もちろん全員がそう、という話ではありません)
このタイプの男性は、過去の経験から来る心の痛みが強いときほど、
その痛みを感じたり、人に話したりするより、プライドや自戒で固めて“感じないようにする”ことがあります。
だから、誰にも内面に触れさせたくない。
素直に話したくない。
人を当てにする行動に出にくい。
結果として、恋愛や夫婦関係の中でも「信頼して自分を預ける」ことに抵抗が出て、
本当は相手が大切でも、頼りきれずに頑張り続けてしまうことがあります。
これは心理的な「防衛」として起きている場合が多い、と考えられます。
そして、この防衛の奥には、強い観念があることが少なくありません。
「この痛み、辛さ、苦しみを、たった一人で乗り越えなければ」
自立的な男性特有の「自分の力でやらなければ意味がない」という自戒と、
それを肯定する価値観によって支えられているんですね。
ただ心理的に見ると、この観念が強いほど、痛みは心の中から抜けにくくなることもあります。
成功体験を重ねて「成し遂げる自信」は育つかもしれません。
一方で心の痛みは、その自信を揺さぶり、弱さのシンボルのように感じられやすい。
だから痛みを“強さ”で押さえ込もうとする。
これは、例えるなら、傷を縫って治すのではなく、叩いて痛みを感じないようにしているようなものです。
一時的に麻痺して楽になることはあっても、痛みが消えたわけではないんです。
そんなジレンマを抱えやすい、ということですね。
「痛み」を痛みとして扱いたくないと感じる男性たち
自立的な男性は、痛みを痛みとして扱うこと自体に強い抵抗を持つことがあります。
幼少期から「感情的になるな」「強く生きろ」と教わってきた人ほど、
痛みを感じること=弱さ、
のように結びついている場合もあるからです。
そのため、女性が近づいて「楽になっていいよ」「しんどいって言っていいよ」と触れようとすると、
- 怒り出す
- 馬鹿にしているのか、と反発する
- 「自分で何とかする」とさらに頑張る
といった拒絶反応が出ることがあります。
それぐらい、触れられることが怖い。
本人にとっては直視できないほど痛い、という可能性もあるんですよね。
痛みを抱えた自立男性との関わり方
こういう男性のパートナーである女性は、たいてい「痛み」に気づきます。
「ここが痛そう」
「こうすれば楽になるのに」
それぐらい敏感で、愛したい人、助けたい人なのだと思います。
その気持ちは、本当に愛だと思います。
ただ、最初にお伝えしておきたいのは、
“いきなり痛みに触れない”ほうが良い場面がある、ということです。
このタイプの彼にとって、痛みに触れられることは「荒療治」になりやすい。
麻痺させてきたものを急に開かれるような感覚になることがあるからです。
まずは「何かあるな」と気づいてあげる。
そのうえで、いきなり癒そうとするより、信頼の土台を作り直すほうが進みやすいこともあります。
そして、想像してみてほしいのです。
優しく労わられることに強い抵抗が出るとしたら、
それは多くの場合、誰かや何かとの関係の中で受けた痛みが背景にありそうなんです。
つまり、最初から自分で自分を切り刻んだわけではない。
そういう見立てもできるんですよね。
だから、痛みが強い状態で近づくと、彼にとっては「試されている」感覚になることもあります。
「この傷を君は癒せるの?」
「俺の気持ちが分かるの?」
そんな形で、拒絶されたり、関係が宙ぶらりんなまま進まなかったり、
一定の線から先に近づけなくなることもありえます。
そのとき女性側は、「彼に愛されていない」と感じやすくなります。
寂しくなるし、頑張ってしまう人ほど辛くなる。
もちろん、愛するために頑張ること自体は素晴らしい。
ただ、今の状況をそのまま抱え続けるより、
「彼の頑なさを和らげるために、信頼関係を作り直す」
という見方を持ったほうが、結果的に楽になることもあります。
最後に
心理学には「自分を癒していないと、人は癒せない」という格言があります。
だから、あなたが愛したい人であればあるほど、人を愛するために自分を大切にする。
今の自分の気持ちを、そのままにしない。
そういうことも、選択肢として大事になってくるのですね。
以上、何かの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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