こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

「なぜか他人の揉め事に巻き込まれやすい」

「気づいたら、調整役になっている」

「どっちの気持ちも分かるから、逃げられない」

そんなご相談をいただくことがあります。

これ、よくある“性格のせい”みたいな話ではなくて、
共感力の使われ方(=近づき方)の問題として起きていることが多いんですよね。

共感力が高いこと自体は、もちろん長所です。

ただ、その長所があるぶん、トラブルに「近づいてしまう」形になりやすいこともある。

今回はそのあたりを、心理的な背景から整理してみます。


巻き込まれやすい人の心理|共感力が高い人ほどトラブルに近づいてしまう理由

結論から言うと、巻き込まれやすい人は

「揉め事を避けたい」のに、揉め事の中心に寄っていってしまうことが起きやすいんですね。

なぜか。

共感力が高い人は、

  • 相手の気持ちが分かる
  • 相手の“困り感”が分かる
  • 場の空気の変化が分かる

こういった情報を、無意識に拾いやすい。

拾ってしまうとどうなるかというと、

「放っておけない」→「近づく」→「頼られる」→「巻き込まれる」

という流れができやすいんです。

ここがポイントで、

あなたが“揉め事が好き”だからではなく、
あなたの感受性が、揉め事を「放置できない対象」にしてしまうことがある、ということなんですよね。


巻き込まれやすさは「共感力」だけでは説明しきれない

ただ、共感力が高い人が全員巻き込まれるわけでもありません。

僕の見立てでは、巻き込まれやすさには、共感力に加えて、もう少し要素が絡んでいることが多いです。

たとえば、次のようなものです。

  • 役に立ちたい気持ちが強い(=困っている人を見ると反射で動く)
  • 断りにくさがある(=頼まれると引き受けてしまう)
  • 正しさが気になる(=間違いを放置できない)
  • 責任感が強い(=場が壊れると自分のせいにしやすい)

これらは全部、悪いものではありません。

ただ、揉め事という“圧の強い場面”に置かれたとき、
あなたを中心に寄せてしまう力として働くことがあります。


「どちらの気持ちも分かる」が、いちばん苦しい

巻き込まれやすい人がしんどくなるのは、ここです。

揉めているのが一人ならまだ対応できる。

でも、登場人物が複数になると、途端に苦しくなる。

たとえば、

  • 友達のAさんとBさん
  • 上司と部下
  • 同僚と後輩
  • 夫と妻
  • 妻と母(あるいは夫と母)

こういう状況になると、共感力が高い人ほど

「どっちの言い分も分かる」

になりやすいんですよね。

そして、その瞬間に起きるのは

“自分の立ち位置が消える”という現象だったりします。

どちらにも寄り添えるのは強みなのに、
揉め事の場面では、その強みが「逃げ場のなさ」になってしまうことがある。


共感力が高い人ほど「共感されてこなかった」ことがある

これは少し深い話なのですが、現場でよく見かけます。

共感力が高い人ほど、

自分が共感してもらえた経験が少ない、というケースがあるんですよね。

自分がもらえなかったものを、誰かに与えようとする。

それ自体は、とても自然なことです。

ただ、揉め事の場面でそれが出ると、

「救ってあげたい」「分かってあげたい」「整えてあげたい」

という方向に、気づかないうちに寄ってしまうことがあります。

その結果として、巻き込まれやすくなる。

もちろん、ここは決めつける話ではないのですが、
「なんかいつも自分だけ疲れるな…」という方は、ここが関係していることもあります。


共感力が高い人は、慕われやすい(そしてアテにされやすい)

共感力が高い人は、人から見て

「分かってくれる人」になりやすいです。

この人だったら話が分かる、とか

この人なら自分の気持ちを伝えても大丈夫かも、などと思われやすい。

それは良いことでもある一方で、

揉め事の場面では、当事者双方から

「あなたは私のことを分かってくれるよね」

という期待を向けられることがあります。

つまり、そこに居るだけで“引力”が働く。

本人は何もしていないのに、巻き込まれてしまう。

これは、地味に、いや、しんどいやつです。


巻き込まれやすい人が楽になるためのコツ

ここからは、対処の話です。

大げさに人生を変えるというより、
共感の距離感を整えるという発想が役に立ちます。

1)「自分の感情」と「相手の感情」を分ける

共感力が高い人は、相手の感情を自分の感情のように感じやすい。

これは能力でもあるのですが、揉め事の場面では負荷になります。

なので、まずはシンプルに。

「これは相手の感情」「これは自分の感情」

と、分ける意識を持つだけでも違います。

たとえば

「あなたとだったら受け止めてくれると思った」と言われたとき

「ありがと」と言いながら、サーッと相手との間に線を引くイメージです。

これは冷たいのではなく「相手と自分の境界」を意識しているだけ。

自分の位置も相手の位置も変えていないでしょう?

他にも、ひとりの時に

「相手と自分は別人」

と声に出すのもおすすめです。

思うだけより、声に出した方が“身体”が反応しやすいことがあるんですよね。

2)無理に「解決役」にならない

揉め事は、基本的には当事者が解決するものです。

あなたが間に入って整えること自体が悪いわけではないのですが、

「私がなんとかしなきゃ」

になると、関係があなたの責任になってしまうことがあります。

やるなら、自分の責任でできる範囲だけ。

それ以上は、やらない。

この線引きは、けっこう大切です。

3)「分かりすぎない」共感を使う

共感というと、深く分かることだと思われがちですが、

現実には

分かりすぎないから、尊重できる

という面があります。

相手の

「領域」にあるものまで回収しない。

「気持ち」を“自分のもの”にしない。

「結論」を、こちらが先に出さない。

これができると、巻き込まれ方が変わることがあります。

4)困ったら「第三者の視点」を借りる

共感力が高い人ほど、当事者の気持ちが入り込んでくるので、視野が狭くなりやすいことがあります。

だからこそ、信頼できる人に相談して

「それ、あなたが背負う話?」

と聞いてもらうだけでも、頭が整理されやすいんですよね。


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最後に|共感力は「才能」でもあり、「負荷」でもある

共感力が高いことは、間違いなく強みです。

ただ、その強みが、揉め事の場面では負荷になることもある。

そして巻き込まれやすさは、優しさの問題というより、

共感の距離感(=近づき方)の癖

として起きていることが多いんですよね。

もしあなたが、いつも巻き込まれて消耗してしまうなら、

「もっと優しく」ではなく、

「少し分ける」「少し離す」「分かりすぎない」

この方向の方が楽になるかもしれません。

必要があれば、個人セッションでも一緒に整理できます。

あなたがどこで近づきすぎるのか。
どこで責任を回収してしまうのか。
どこで立ち位置が消えやすいのか。

そこが見えてくると、巻き込まれやすさは「性格」ではなく、
調整できるものとして扱えるようになることがあります。

今回の記事が、何かのヒントになれば幸いです。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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