執着心が強いのは私だけ?|相手の感情を抱え込みやすい人に起きること
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
恋愛の中で、
「どうして私はこんなに執着してしまうんだろう」
「相手のことが頭から離れない」
「別れたくない気持ちが強すぎて、自分でも苦しい」
そんなふうに感じることがあります。
もちろん、執着心そのものは、誰にでも起こりうるものです。
好きな人を失いたくない。
関係を終わらせたくない。
そう思うのは、ある意味自然な心の動きでもありますからね。
ただ、中には少し違うパターンもあるようなんです。
それは、自分の気持ちだけではなく、相手の不安や執着に強く反応して、こちらの気持ちまで大きく揺れてしまうようなケースです。
特に、相手の感情や空気を敏感に読み取りやすい人。
いわゆる「お察しさん」や「エンパス気質」と言われるようなタイプの方には、こうしたことが起きる場合があります。
今日は、そんな「執着心を抱え込みやすい人の恋愛」について、少し整理してみます。
Index
執着心が強いのは、本当に自分だけの気持ちなのか
まず、ここを最初にお伝えしておきたいのです。
恋愛の中で「私がこんなに執着している」と感じていても、その気持ちが本当に全部“自分だけのもの”とは限らないことがあるんです。
これは、あなたの気持ちが偽物だとか、勘違いだとか、そういう話ではありません。
ただ、人との距離が近くなりやすい関係の中では、相手の不安、怖れ、しがみつきのようなものにこちらが強く反応して、
「自分が執着している」ように感じやすくなることがある、という話なんですね。
恋愛って、ただ好きな気持ちだけでできているわけじゃありません。
そこには、
- 相手の不安
- 言葉にされていない怖れ
- 抑え込まれた寂しさ
- 見捨てられたくない気持ち
そういったものも流れていることがあります。
そして、相手の感情を読み取りやすい人ほど、その“見えない部分”に引っ張られやすいことがあるのです。
相手の感情を抱え込みやすい人に起きること
人の感情や場の空気に敏感な人っていますよね。
たとえば、
- 相手が少し不機嫌なだけで、自分まで苦しくなる
- 言葉にされていない不満まで感じ取ってしまう
- 相手が悲しそうだと、自分のことのようにつらくなる
- 空気が重いと、自分が何とかしなきゃと思ってしまう
こうした反応が起きやすい方です。
こういう方は、表面に出ている感情だけではなく、その奥にあるものまで感じ取りやすいことがあるんですよね。
だからこそ、パートナーが言葉にしていない
- 寂しさ
- 不安
- 怒り
- 執着
そういったものにも、強く反応してしまう場合があります。
そして、その結果として、
「気づけば、私のほうが執着しているような状態になっている」
ことが起こるんです。
「私が執着している」と思っていたけれど…というケース
たとえば、意識の上では、
「私が彼と別れたくないんだ」
「私のほうが彼にしがみついているんだ」
と感じていたとします。
でも、じっくりお話をうかがっていくと、少し違うこともあるんです。
たとえば、心理的な距離を少し取ったとき。
相手との境界線を意識してみたとき。
その瞬間に、
「あれ? 思ったより執着が薄い」
「私はここまで強くしがみついていたわけじゃないのかも」
と感じることがあるんです。
もちろん、本当に自分自身の執着が強いケースもありますよ。
ただ、そうではなくて、
相手の中にある不安やしがみつきの気配にこちらが共鳴して、それを自分の感情として背負っていた
ように見えるケースもあるのですね。
こういう関係では、自分でも「なぜここまで苦しいのか」がわかりにくいんです。
だって、意識の上では、どう考えても「執着しているのは私」に見えるからです。
なぜ相手のほうが冷たく、突き放すように見えるのか
ここで、さらにややこしいことが起きる場合があります。
それは、執着や不安を強く抑え込んでいる側のほうが、こちらを突き放すような態度を取りやすいことです。
たとえば、
- 急に既読スルーが増える
- 連絡を避ける
- 近づくと冷たくされる
- 急によそよそしくなる
- こちらの気持ちを重たがる
こういう流れですね。
これって、表面的には
「相手はもう何も感じていない」
「私だけが執着している」
ように見えやすいです。
でも、別の見方をすると、本人が認めたくない気持ちほど、それを映し出す相手を遠ざけたくなることがあるんですよね。
つまり、相手の中にある見たくない執着、不安、寂しさが強いほど、それをこちらが感じ取って近づいてくることが、ものすごく嫌に感じられる場合があるのです。
だから、突き放す。
距離を取る。
冷たくする。
そういう形で関係を切ろうとすることがある。
これ、かなり切ない構図なんですが、意外と珍しくないんですよね。
このタイプの恋愛が苦しくなりやすい理由
こういう関係で苦しくなりやすいのは、ただ失恋がつらいからだけではないんです。
そこに、
「本当は何が起きているのかが、わからない」
という混乱が加わるからなんですね。
自分としては、ただ相手を好きなだけに思える。
でも、近づくと嫌がられる。
距離を取れば不安になる。
相手の態度は冷たいのに、なぜか気持ちは切れない。
こうなると、
「やっぱり私が重いんだ」
「私だけが執着してるんだ」
「もっと上手に愛せばよかったのかな」
と、自分を責めやすくなります。
でも、実際には、単純な「自分の執着心」だけでは説明しきれないこともあるのです。
だからこそ、このタイプの恋愛は、一般的な恋愛論や「とにかく手放しましょう」的な話だけでは、しっくりこないことも少なくないんですよね。
必要になるのは、「気持ちの境界線」を引くこと
こういう関係で大切になるのは、まず
「これは本当に私の気持ちなのか」
を見ていくことです。
もちろん、相手の感情を100%区別するなんて難しいでしょう。
ただ、少なくとも、
- 私は何を感じているのか
- 相手は何を感じているように見えるのか
- 私はどこまでを自分の問題として背負っているのか
ここを分けて考えることには意味があります。
特に、お察しさんタイプの方って、無意識に「相手のしんどさまで自分の責任」にしやすいんです。
だから、気持ちの境界線を引くこと。
心理的な距離を取ること。
すぐに反応しないこと。
こうしたことが、ものすごく大事になってきます。
それができると、初めて
「私が感じていた執着心の全部が、私だけのものだったわけじゃないのかもしれない」
と見えてくることもあるんですよね。
この手の恋愛は、理解できる人と整理したほうがいい
ただ、この話、少し複雑です。
しかも、本人の実感としてはかなりリアルなので、一般論で片づけられると余計につらくなることもあります。
「そんな相手やめたら?」
「あなたが依存してるだけでしょ」
「もっと自分軸を持てばいい」
こういう言葉が、まったく役に立たないとは言いません。
でも、こういう関係で苦しんでいる人にとっては、ちょっと雑に聞こえることもあるでしょう。
なぜなら、問題はもっと“感情的な混乱”に近い感じで起きていることがあるからです。
だからもし、あなたが
- 相手に執着している気がして苦しい
- でも本当に自分の気持ちだけなのかわからない
- 相手が冷たいのに、なぜか離れられない
- こういう恋愛を繰り返しやすい
そんな状態にあるなら、こういう心の動きを理解できる人と整理したほうがいいのかもしれません。
少なくとも、「私が全部おかしい」と決めつける前に、もう少し丁寧に見てみる価値はあると思うんですよね。
最後に
執着心というと、多くの場合は「自分が強くしがみついている状態」として語られます。
それはそれで間違いではありません。
ただ、相手の感情を敏感に受け取りやすい人の場合、話は少し複雑になることがあります。
自分の執着心だと思っていたものが、実は関係の中で増幅されたものであったり、相手の不安やしがみつきに強く反応した結果だったりすることもあるからです。
だから、もしあなたが
「私はどうしてこんなに執着してしまうんだろう」
と悩んでいるなら、いきなり自分を責める前に、
「この気持ちは、本当に全部私のものなのだろうか」
と一度立ち止まってみてもいいのかもしれません。
その視点があるだけでも、苦しさの見え方は少し変わってくることがあります。
そんなところも含めて、何かの参考になれば幸いです。
こちらの記事も読まれています
- 執着とは何か?意味・愛との違い・手放すヒントをわかりやすく解説
- 執着を手放すということ|心を縛る感情から自由になるために必要なこと
- 愛と執着の違いとは? 心理的特徴・手放すヒント・見分け方を解説
- 立ち位置のズレとは何か|人は裁かないが、苦しさの心の仕組みはごまかさない心理学
このサイトでは、
「人は裁かない。でも、構造はごまかさない。」
というコンセプトで、“今の自分”や“今ある関係”を整えるための心理の視点を週3回お届けしています。
あなたの思い・やさしさを折れない形に整える|心理カウンセリング
もし今、一人で抱え込んでしまったことがあるなら、そのときのあなたの状態に合わせて、対話を重ねていく”心理カウンセリング”をご利用ください。
・考えが堂々巡りになっている
・どうすればいい関係になるのかが見えなくなった
・後悔のない形で自分の毎日を整理し直したい
誰にも知られることなく、今のお悩みを丁寧に扱うあなただけの時間です。
東京(品川駅前)/名古屋(金山駅前)で対面式カウンセリング・全国向けにオンラインカウンセリング(ZOOM)を行っております。
日常に新しい視点を持ち帰れる”心理学講座”
毎月定期開催中の心理学講座は、「こういう見方もあるのか」という発見を、ゆっくり増やしていく場所です。
オンライン受講できる講座もご用意しています。
”一人で考えすぎる日常”から離れるための無料メールマガジン
今はまだ、誰かに頼るほどじゃないけれど、一人で考え続けるのは少ししんどい。
そんなときの、日常のお供として。週3回(火・木・土)配信しています。
あなたのペースで、心理学を“使える気づき”に。

