女性上司との関係があまりうまくいっておらず辛い・・・
浅野寿和さんへ
私は今フルタイムのパートで働いています。
ボーナスがないので、どうしても正社員に憧れますが、今の会社で正社員になることは考えていません。もしなるとしたら転職したいと考えています。
とりあえず今はこの会社で頑張ろうと思っていますが、上司との関係があまりうまくいっていないので職場に行くこと自体がキツイです。
特に女上司との関係が苦手で、今までも嫌われたり気が合わなかったりすることが何回かありました。仕事でのミスや挨拶ができてないだの、たまたまいっとき出来ていなかったことを指摘されやすいです。
言われたときは、自分ばかり言われてるような感じがして腹が立ちますが、自分が出来ていないのも確かだし、成長させてくれてると思った方が自分のためになると考えるようにしました。
でも人間関係がぎくしゃくするとやっぱり仕事はしづらいし、話しかけるときも萎縮してしまいます。
自分以外の人は誰とでも話せたり、上司に好かれていたりするのを見て、置いてきぼりなのかもと思うこともあります。
だからってお人好しなキャラでもないし、ゴマすりも苦手だし、飲み会もほぼ断るタイプで、もしかしたら愛想が悪いやつと思われてる可能性もあります。自分を変えてまで、相手に好かれようとは思わないからです。
でも稼ぐためには上司への印象が大事で、社交性やコミュニケーション能力が必要なんだなってしみじみ感じます。
私はどの会社に行っても必要とされないのかなと思うことがあり、絶望的になります。
この気持ちを少しでも軽くしたいです。
ネタ募集ネーム:チョコさん
チョコさん、ネタのご協力ありがとうございますm(_ _)m
いや、これはとってもいいご質問だと思いました。お返事が遅くなってごめんなさいね。
でも稼ぐためには上司への印象が大事で、社交性やコミュニケーション能力が必要なんだなってしみじみ感じます。
この部分がチョコさんの心の動きを的確に表現しているように思うんですよ。
確かにコミュニケーション能力や社交性は必要。
しかし自分を変えてまで「好かれたい」とは思わない。
ここでのポイントは「好かれたい」なんですけど、なんだか分かるなぁ~と個人的にすごく共感してしまいました。
僕も自分を変えるってことに対してものすごく抵抗感を感じた時期がありましたしね。
自分らしくありたいし、今の自分を否定的に見られたくもない。
しかし、今の自分のままではどうやら周囲とうまく関係を結べない。
ではそんなとき、どう考えたらいいか。僕なりの見解をお伝えしていきますね。
自分で作ったキャラの意味
こういった自分が悪いわけではないですよね。
そのキャラを選んだ理由や事情もあると思うんですよ。
ただ、この自分でいることで
そう思うようになるならば、何かしらのメッセージを感じているのかもしれませんね。
「もっと自分も人とうまくつながりたい」といったね。
ただ、ここからが若干ややこしいのですけど、
そもそも自分で作った「キャラ」の多くは「いかに愛されるか」もしくは「いかに傷つかないか」をベースに形成されている事が多いんです。
いわゆる「可愛いキャラ」「いい子ちゃんキャラ」は「いかに愛されるか」を考えて作られたもの。
自分のペースを守って自分の思うように生きるキャラは「いかに傷つかないか」を考えられてるくられたもの。
一概に全てがそうだとは言えませんけど、こうなっていることは多いです。
そして僕たちは、なかなか自分のキャラを変えることに抵抗を感じることが多いもの。
なぜなら「いかに愛されるか」「いかに傷つかないか」を考えて作ったキャラなら、それを手放すにはそれなりのリスクが伴うと感じるからです。
せっかく作り上げた自分なりのやり方を手放すって・・・なんか嫌だし不安でしょう?
だから「自分を変えるのは難しい」なんて話が出てくるんです。やってできないことはないんですけどね。
つまり「好かれたいとは思わない」って「もうこれ以上傷つきたくない」と解釈することもできるんです。
何かに期待して失望するのはもうゴメンだし、自分が愛されるために行動する、そのモチベーションはもう使いたくないって場合が多いんですよ、一般的にね。
だから、自分が考え出した「これ以上傷つかないような方法」を採用するわけです。
その最たるものは「人から離れる・一人で頑張る」ってことなんですね。
人と関わらなければ傷つかないって思いたいじゃないですか。
しかし、職場など人と関わる場所では、どうしても人と関わることになります。恋愛も同じですね。
すると、今までの自分を守ってきた方法が逆にデメリットになるんです。
上手に人と関われない悩みってこのあたりから生まれていることが多いのですよね。
職場の対人関係の問題の背景
この気持ちを少しでも軽くしたいです。
そうですよね、それは軽くしたいですよね。
ただ、「自分は自分だから」と言い聞かせても気持ちが和らぐことがあればいいんですけど、そうでないならば、どうしても「人との関わり・つながり」が必要になるのかもしれません。
挫折感や絶望感は分離感の中で感じるもの。心が人とつながっている状態で挫折感や絶望感はなかなか感じにくいものですからね。
自分を守ろうとすると人から離れることが必要。
しかし、人とうまくやるにはそれなりに関わることが必要。
この矛盾で苦しむわけです。
そもそも人と関わると傷つくんじゃないか(私は嫌われるんじゃないか)と思えば思うほど、人と関わることが億劫になりますよね。
このストレスって結構大きなものなので、本当に問題になりやすいんです。
ただ、よくよくそのココロを見つめていくと、家族関係や対人関係で抱えた「怖れ」「痛み」があることが多いんですね。
この怖れや痛みなどの感情を感じた「過去」が鍵。
その当時、自分が関わった人を思い出させる人と出会うと、どうしても「怖い」「また傷つくかも」という思いを映し出しても不思議ではないんです。
だから人の前に出ると緊張するんです。緊張=怖れでガチガチってことですから。
これが「投影」の法則なんですね。
つまりチョコさんは女性の上司に、誰かを映し出しているという可能性は高いです。
ただ、上司さんからすればチョコさんに「ん?のっけから警戒されてる?」と感じるんですね。だから相手も素直に反応できないこともあるのかもしれない。
しかしチョコさんからすると、ただ「過去の誰かを思い出させる・緊張する苦手な人」になってしまうので辛いんですよね。
いわゆる「会社に行くことが億劫」「上手に人と関われない悩み」ってこのあたりから生まれるんですよね。
それはもういちいち会社に傷つきに行っているような感覚になりますからね。
対人関係への苦手意識を克服するならば
この考え方を使うなら、チョコさんのキャラ設定のベースには「いかに傷つかないか」という思いがあるのかもしれませんね。
ただそこにはチョコさんなりの必死さ、頑張りもあるはずですから、今のキャラは「それはそれ
でよし」と扱いたいところですよね。
今の自分のキャラを「なんだかなー」と自分で嫌うと問題は解決しにくくなりますし。
*
この問題を心の面から解決していくことを考えるならば
「あなたはどうしてそこまで傷つきたくない(人を苦手にして離れよう)」と思うようになったのか。
それはいつから?どんな理由で?そのとき何があったのか?
その現状認識は必要かもしれません。
その現状認識が終わったら、自分を肯定してみる。
また、「過去の人と上司や仲間は違う人」としっかり線引して物事を見るように意識してみるといいでしょう。
その上で関わりやすい人、得意な人から少しづつ関わってみる、自分を表現してみるってことです。
いきなり無理だと思うならスモールステップを積み上げていきましょう。
例えば、まずは気持ちのいい挨拶にこだわってみてもいいでしょう。
挨拶を自分から行うことは、自分から人に関わる効果と、相手に安心感を与える効果があります。
僕はこの挨拶一つで人の印象って変わると思っていますよ。
よく「挨拶できないことがダメ」という表現がありますが、僕は「挨拶すると得・しないことは損」と考えているわけです。
*
ちなみに問題解決の時間短縮を考えたい場合は、セルフイメージを書き換えてみたり、自分の抱えてきた感情を解放するなど「癒やし」に取り組んでみてください。
今まで抱えてきた怖れや痛みなどの感情は、「投影」として跳ね返ってくることが多いので、自分の感情を解放して癒やすことには大きな意味があります。
カウンセリングやセラピーで扱うジャンルの話ですけどね。
ちなみに、「今の自分を肯定する」ことだけでもこの問題は解決するケースもあるんです。
ただ、自分を肯定する際に「いかに傷つかないか」と考えている自分を肯定し続けた結果、人と関わることへの抵抗感が変わらない、ということも実際に起きます。
もし自分を肯定していくなら、ポイントを絞るのではなく、ふわっと全体的に、みたいなニュアンスを僕はオススメしています。
最後に
そう思えるっていいですね、スゴイ。
人の指摘を成長の糧にできるってとても前向きな考え方です。
それができるチョコさんは素晴らしいんじゃないでしょうか。
ただ、チョコさんがそう考えていること、周囲の人はご存知なんでしょうかね?
もし知らないとしたらもったいないというか、周囲の人もあなたへの反応を変えるかもしれませんしね。
ただ「自分のことを分かって」と伝えても社会の中ではなかなか難しいので、自分から「私、前向きですよ」というメッセージを出せるといいですね。
それは挨拶もそうですし、相手への感謝や気遣いで表現できることも多いですよ。
自分を周囲に分かりやすく伝える、それも大事なことです。
しかし、もう傷つきたくないと思っていると、どうしても躊躇が生まれやすいもの。
そんなときは「自分を守るのは仕方ない」と自分に語りかけながら、「さて、どんな自分になりたい?どんな自分を知ってもらいたい?」と考えてみてはいかがでしょう。
それでも感じる怖れや不安が強いなら、癒やしや気持ちの整理に取り組んでみてもいいかもしれませんね。
僕たちは生きていれば、何かを頑張れば同時に傷つきます。
傷ついたダメージが大きいほど、どうしても自分が思うように人と関わりづらくなるものです。
その自分に理解の目を向けて、本来の自分に戻るプロセスを歩むこともまた、自分に優しい視点といえないでしょうか。
僕の知る限り、対人関係で悩む人の多くは本来楽しい人・優しい人・愛されキャラさんが多いようですから。
そう、問題は才能の裏返し。才能がないところで悩み傷つくことはあまりないのです。
でも本人はピンとこないんですよね、怖れや痛みを感じるから。
僕はそのように思いながら、いつもカウンセリングルームで皆さんと向き合わせていただいておりますよ。
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