夫婦のための心理学

パートナーからの拒絶が辛い 〜パートナーを拒絶する人の心理と関係修復を考える〜

「パートナーからの拒絶が辛い」というご相談

パートナーからの拒絶が辛い

例えば

「パートナーから拒絶されていて辛い。なんとか関係を改善したい」

といったご相談をお受けすることがあります。

パートナーから拒絶され、何をしても反応してもらえないってめちゃくちゃ辛いですよね・・・。

もちろんパートナーを拒絶する側も辛いと感じることが多いわけですが、とにかく近くにいる人を拒絶する、拒絶されるという状態は最悪な気分をもたらすものかもしれません。

ただ、僕たちはあえて

「自分が最悪な気分を引き受けることになるとしても、パートナーを拒絶する」

なんてこともあるようです。

その裏には怒りや失望が隠れている、なんてことも多いんですけどね。

ということで、今日は拒絶の心理と、パートナーから拒絶されたときにどうすればいいか、について考えていきたいと思います。

よろしければどうぞ。

拒絶とは何か?

さて、拒絶という言葉を辞書で引いてみると

「拒絶」:相手の頼みや要求をこばむこと

とあります。(出典:Goo辞書

まぁ、分かりやすいですよね。

多くの方がイメージする拒絶そのもの、とも言えそうです。

拒絶の心理とは

心理的な意味での「拒絶」とは、苦痛など自分を守るために行われることですね。

心理学の中にある防衛機制の一つ、「回避」の一形態だと考えられます。

要は、拒絶する側は自分自身が感じる(であろう)苦痛や、悲しみ、失望、絶望など受け入れたくない感情から回避したい、と考えていることが多いよ、ってことなんです。 

また、拒絶自体、特別なものではなく、まぁ誰しも行うことだと言えますね。

辛いときに何かを拒絶しないとやってらんない、なんてこともあるでしょうし。

仕事の中で、今の自分に全く余裕がないときに、周囲から振られた仕事を拒絶(断らざるを得ない)、なんてこともあるでしょうしね。

誰しも、拒絶に陥ってしまうもの、と言えそうです。

拒絶している人に「拒絶するな」と伝えるとどうなるか?

このように考えると

事実としての拒絶と、心理としての拒絶は同じように捉えるとマズいのかな、と僕は考えるんですね。

事実としての拒絶は「相手の頼みや要求を拒む」となるのです。

だから、拒絶された側からすれば、「勘弁してよ」「やってらんないよ」と思うこともあると思うんです。

ただ、拒絶する人の心を見つめると

「これ以上苦痛などを感じたくないよ」

なんて状態になっている、と考えられるんですね。

例えば、パートナーを拒絶する態度をとる人に

「どうして拒絶するのよ、ひどい!」と

どこか相手の態度が変わることを期待して、ついこのように言いたくなることは当然のようにありえることだと思うのです。

が、その言葉を投げかけるということは

拒絶している人に「嫌な気持ちを感じなさいよ」と言っているようなものだ、と言えそうです。

うーん、どうなんでしょう。

たしかに事実としてパートナーを拒絶することを手放しに良いことであるとは僕も思えないのですが

だからといって「拒絶するなんて最低!」と伝えたところで、良い結果は導けないってことになりそうですね。

女性が感情をぶつけると「拒絶された」と感じる男性たち女性が感情をぶつけると「拒絶された」と感じる男性の話 「男性は女性の感情が苦手である」 これは何度もこのブログに書いてきたことの...

パートナーシップの中での「拒絶」はこのように作用する

さて、ここからはパートナーシップの中で生じる拒絶に関して考えていきます。

そもそも恋愛関係、風雨不関係などのパートナーシップって、お互いを愛し合う、支え合う関係ですよね。

そのパートナーを拒絶する、という状態を考えるなら

「自分自身が今の状態でパートナーと関わると、自分自身が苦痛などを感じちゃうんだよね」

というサインだと言えそうです。

また、パートナーへの拒絶は

「相手の愛情や支えはいらないよ」という意思表示とも言えるんですけど

「こちらも素晴らしいパートナーであることを(一時的にであれ)放棄するよ」って意味にもなるんです。

つまり、パートナーへの拒絶には

  1. 今、パートナーと関わると、自分自身が苦痛などを感じる
  2. パートナーの愛情や支えはいらない
  3. 自分自身も素晴らしいパートナーであることを諦める

なんて意味合いが込められていることが多いんです。

つまり、パートナーを拒絶している人が「自分ってすげーいいやつだ」なんて思えていないってことですね。

パートナーへの拒絶は自分自身に対する拒絶ともなりえる

僕の学ぶ心理学には次のような考え方があるんですよね。

「パートナーへの拒絶は自分に対する拒絶」。

「私が相手に拒絶されたと感じている時、実は自分も相手を拒絶している」。

だから、拒絶が繰り返される関係(パートナーシップ)というものは、いわゆる戦争状態に似た状態になるわけです。

多く、パートナーを拒絶した側は「拒絶するだけの理由がある」と考え

パートナーに拒絶された側は「私が拒絶(否定)された」と考えることが多いと思います。

ただ、実際にパートナーとの間で拒絶が起きるとしたら

実はお互いがパートナーのことを(悪意なとなくとも)すでに拒絶していた部分があった、なんてことも少なくないんです。

で、いいか悪いか別にして

「これ以上苦痛を感じたくないわ」と思った側が、事実としての拒絶を示す、という感じなんでしょうね。

パートナーからの拒絶を超えて関係改善するには

さて、ここからはパートナーからの拒絶を超えて関係改善するには、という部分を考えていきたいと思います。

いくつかの要素を一つずつ解説しますので、よろしければご覧くださいね。

パートナーの拒絶でこちらの価値を下げないように整える

まずおさえておきたいポイントは

パートナーの拒絶でこちらの価値を下げないように整えることです。

パートナーから拒絶を受ければ、ショックだし、悲しいし、苦しいし、つらいものだと僕は思うのです。

(そういったお気持ちはカウンセリングの中で浮かわがせていただくことも可能です。)

ただ、パートナー(自分が愛すると決めた人)を拒絶する態度って、あまり好ましいことではありませんよね。

それによって(自分の内面で)「自分自身が相手のパートナーであることの価値」が下がってしまうわけです。

だから、相手の拒絶を受けて

一時的にでもショックを受け、自分の価値が下がってしまうことは仕方がないことなんですよ。そこは丁寧に手当していく部分です。

ただ、こちらも怒り狂ったり、相手を批判する態度しか取らないなど、

「私を拒絶する相手に合わせるように自分の価値を下げてしまうこと」

は避けたいところなんです。(とはいえ、そうなっちゃうものなんですけどね(^^;)

自分の価値を下げることで、更にパートナーと愛し合えるとは思えなくなっていきますからね。

ここは自分の気持ちを丁寧に整えるところ、自分を癒やすところだと思っていただくといいんじゃないでしょうか。

悲しいなら悲しい、苦しいなら苦しい、まだ好きなら好き、ときちんと自分の気持ちを丁寧に扱う方がいい、といいますかね。

このあたりはカウンセリングのサポートが得意としているところかな、と思います。

「今まで無理ばかりしていなかったか」を振り返って行動を整える

繰り返しになりますけど

パートナーシップって、愛し合い、支え合いの関係なんですよね。

どちらがどれだけの負荷を引き受けるか、どれだけ苦痛に耐えられるか、といった競争ではないんです。

とかく我慢強い人ほど、愛する人のために我慢やしんどい思いを抱えることが愛情表現の一つだと思われているようなんですけどね。

もちろんその思いも尊重されるべきだと僕も思うんです。

が、それだけだと「ただただ苦痛(負担)の引き受け合う関係」となり、対等なパートナーシップにはなりづらいんですよね。

むしろ、パートナーがいつも辛そうにしていることが嫌で苦痛だという人もいますよ。

特に男性に多い気がしますけどね。

そう考えると

「パートナーからの拒絶がやってきた」とか

「パートナーを拒絶するしかない」という状態って

そもそも自分自身がパートナーに対して対等さを感じていなかったり

実は愛される自身や自分の愛情や存在の価値を感じきれていなかったり、なんてこともあるのかもしれません。

それを今からでも取り戻す、きちんと自分の存在を(自分自身が)丁寧に扱うことも重要なことなんですよ。

どこかで

「パートナーから愛されることを望み、しかし、自分のことは雑に扱っちゃう」としたら

それはパートナーから拒絶される可能性をはらんでいる、ともいえるんです。

だってねぇ、パートナーはあなたを素晴らしい人として見ている(見ていた)はずですから。

少しでもお互いの居心地が良くなる空間作りを意識してみよう

上記のように自分自身を整えることを初められたならば

「少しでもお互いの居心地が良くなる空間作りを意識すること」がオススメです。

ここでの「居心地の良い空間つくり」とは、具体的にどうその空間をデザインするか、という話より先に

「自分を否定する気持ち、つらい気持ちを我慢している状態、相手を拒絶するマインドを持たずにいる」

という自分自身のあり方のほうが優先されると僕は思います。

いくら頑張って相手の居心地の良い空間を作っても、自分が悲しんでいたり苦しんでいるならば、相手に良い影響を与えづらいということになりますからね。

だから、「(私を拒絶している)相手の居心地」だけを考えていても、辛いだけって場合も少なくないようです。

そもそもパートナーシップってお互いの居心地がよくなることに価値がある関係ですからね。

だから、自分だけの居心地がいい空間でもダメで、相手だけ居心地がいい空間でもダメ、なんです。

ただ、自分の価値を(カウンセリングなどで)支えながら、自分自身が無理ばかりしないようになれば、次第に居心地の良い空間は作れるようになっていきますよ。

パートナーを拒絶している側はこう考えてみよう

また、もしあなたがパートナーを拒絶している側なら

あえて悪役を引き受けている(自分を罰している)なんて側面があるのかもしれません。

それは、深層心理レベルで

自分自身が「愛のある素晴らしい自分の価値を拒絶している状態」にあるとも考えることができます。

要は、自分で自分が気に入らないのです。

だから、自分以外(パートナーなど)に何か救いや喜びを求めすぎてしまい、結果、自分の期待通りにならないことでパートナーに失望する、なんてことを繰り返しているのかもしれません。

それは、自分自身のことをあまり良い形で捉えていないときに起こること、なんですよね。

だから、

「自分で自分を諦めてこなかったかな」
「いつもなにかに期待して失望ばかり重ねてこなかったかな」
「愛のある素晴らしい自分の価値を受け取ってみようかな」

なんてことを考えていくことがオススメではあるんですよね。

最後に

いかがでしたでしょうか。

最後になりますが、パートナーを拒絶する、パートナーに拒絶される状態とは

自分の内面で

「愛のある素晴らしい自分の価値を拒絶している状態」

とリンクしていることが多いものです。

それはどこかで

自分を善き存在として扱えていない

どこか自分には何か足りない、と感じて

自分を否定する気持ちを持っている、というサインともいえます。

ただ、もし自分に足りない部分があったとしても、それでも誰かと愛し合えるのが僕たち。

だから、少し自分を見つめ直して、丁寧に自分を扱って、その上でパートナーと向き合う、なんてプロセスが僕はおすすめではあるんですよね。

そのために、あなたの信頼できる人、あなたを応援してくれる人など

「あなたを大切に扱ってくれる人との関わり」

はたしかに重要で、一人で頑張りすぎないことも大切なんですよね。

カウンセリングを利用する
カウンセリングを受ける

本当の幸せを見つめる・見つけるカウンセリングが人気!
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。

カウンセリングのご案内ご予約可能時間のご案内