ほぼ30代からの心理学

補償行為 〜心理学の用語解説〜

補償行為

補償行為のシンボル

「補償行為」とは、愛に基づくのではなく、怖れ、罪悪感、無価値感などから行われる行為のことを言います。

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別名「埋め合わせの行為」とも呼ぶことがあります。

何かを「償うため」「補うため」「証明するため」等、埋め合わせをしようとする行為でもあるため、

どんなに素晴らしい行為でも、動機が「埋め合わせ」というマイナスな感情なため、行動した結果を受け取ることができず、やがて燃え尽きてしまいます。

なお、補償行為の大きな特徴は、「自分にとってメリットが何もない」ことです。

補償行為の具体例

デートの約束をした彼。

彼女と約束したのにもかかわらず、同僚の誘いに負けて飲みに行ってしまい、罪悪感でいっぱい(自業自得ともいう?)

この彼女に対して申し訳ない気持ちを埋め合わせる為に、彼女の喜ぶことをしようとした彼。

この「彼女の喜ぶことをしようとする」が補償行為とよばれるものですね。(分かりやすい!)

ただ、補償行為は「自分にとってメリットが何もない行為」です。

だから、結局この彼が何度も彼女との約束を破り、そのたびに彼女のご機嫌をとっているとしたら、次第に「もうこんなことやってられない」と感じやすくなるのです。

えぇ、「だったら約束守りなよ」というツッコミどころはありますよ、確かに。

その他にも

  • 夫に嫌われたくなくて、いつも優しくする。
  • 友達に嫌われたくなくて誘いに全部につきあう。
  • いつも尽くしまくり報われない犠牲的な恋愛ばかりする。
  • 浮気をしていると(愛していないと)パートナーに優しい。
  • 地位や名誉、プライドに強いこだわりがあり譲らない。
  • ハードワークを続けて疲れているのに、休日に休むことができない。
  • 家庭を顧みず、仕事に勤しむ。
  • 恋愛で、傷ついている人、辛い思いをしている人、を好きになる。

こういったことが分かりやすい補償行為といえます。

補償行為はなぜ起こるのか

補償行為は、怖れ、罪悪感、無価値感などから行われる行為。

つまり、補償行為をすることで怖れ、罪悪感、無価値感などを受け容れたくないと感じているわけです。

しかし

自分が悪いのなら、非を認める(罪悪感を受け容れる)

自分に自信がないのなら、それを受け容れる(無価値感を認める)

怖れを超えて、勇気を持って行動する

そういった行動ができない人ほど、この補償行為を続けてしまうことになるんですね。

補償行為から抜け出す方法

どんなに素晴らしい行為でも、動機が「埋め合わせ」というマイナスな感情であれば、行動した結果を受け取ることができず、やがて燃え尽きてしまうのです。

であるならば、この逆を考えてみると「補償行為」を抜け出す方法が見えてきます。

「どんな行為であれ、特別に素晴らしい行為でなくとも、動機を「心から与える」という感情で与えると、行動した結果を受け取ることが出き、心が満たされる。」

つまり、補償行為を抜け出すには

  • 心から与える。
  • 素直な気持ちで行動する。
  • 感じたくない、認めたくない感情も受け入れる勇気を持つ。

そんなことが求められることが多いですね。

なお、最も補償行為を抜け出す際に障害となるものが、犠牲とプライドの高さです。

犠牲は罪悪感が動機となる行動なので誰も幸せにしませんし

犠牲と貢献の違いについて 〜犠牲のパターンを手放す方法〜 幸せになるためには「与えることが重要」ということは理解できます。 ただ私には与えること(愛すること)と犠牲の違いがよく分かりません...

怖れ、罪悪感、無価値感などを受け容れたくないと感じていれば、そんな自分を守るためのプライドも必要になります。

そして、この犠牲も、プライドの高さも「埋め合わせの行為」なので、自分にメリットがないのです。

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