すれ違う夫婦の心理

仕事も人生も順調な女性が、 なぜかパートナーの前で立ち位置を失ってしまう理由

パートナーの前で立ち位置を失ってしまう女性

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日のテーマはこちら。

仕事も人生も順調な女性が、なぜかパートナーの前で立ち位置を失ってしまう理由。

仕事も順調。

生活もちゃんと回っている。

人としても素晴らしい。

なのに、恋愛や結婚の場面だけ、うまくいかない感を感じている。

そんな話を、セッションの中でお聞きすることが・・・ないわけじゃないのです。

たとえば、こんな感覚です。

別に、合わせすぎてるつもりはないんです。

尽くしてる自覚も、そんなにない。

でも気づくと、相手のことばかり優先していて。

相手の機嫌や事情を「まるっと」受け止めてしまって。

いつの間にか、しんどくなっていたり、自分だけ小さくなってる気がするんです。

なのに周りからは「あなたなら余裕でしょ?」みたいに見られるのが、実はきついです。

これ、外から見える景色と、本人の内側で起きていることが、噛み合わないんですよね。

外からは「順調そう」「強そう」「なんでもできそう」に見える。

でも本人の内側では、恋愛の場面だけ、立つ場所が分からなくなっている。

今日はこのズレを、できるだけ言葉にしてみます。

「あなたが弱いから」でも、「相手が悪いから」でもなく、

“立ち位置”が少しずつズレていく構造として整理してみます。

「立ち位置を失う」とき、何が起きているのか

ここで言う「立ち位置が失う」は、

「無自覚に合わせるうちに、自分の立ち位置がズレてわからなくなる」ということ。

ざっくり言うと、こうです。

  • 自分の感覚より、相手の事情を優先する
  • 「私の希望」より「二人の空気」を守るほうが先になる
  • 相手をまるっと受け入れることに抵抗がないから、いつもそうしてしまう
  • 衝突を避けるうちに、気づけば選択権が相手側に寄っている
  • 「嫌」や「違和感」を感じても、飲み込むほうが自然になる

そして特徴的なことは、

ご本人が「合わせてる自覚が薄い」という点かもしれません。

むしろ本人の感覚としては、

「合わせてる」というより、「受け止めている」なんですよね。

相手の背景も分かる。

弱さも見える。

不器用さも、求めていることも理解できる。

だから、責めない。

追い込まない。

“理解する”側に立つ。

ただ、この「理解力」が強い人ほど、

恋愛や結婚生活の中で、なぜか立ち位置を失いやすくなることがあるようですね。

できる女性ほど「合わせる」より先に「受け止めてしまう」

このタイプの方は、いわゆる「尽くしすぎ女子」とも少し違います。

いや、”かなり”違うと思います。

相手に依存したい気持ちはあれど、何かしてあげるほうが好き。

仕事も日常も問題なく自分で回せる。

人生の課題も、自分の意志で乗り越えてきた。

だから恋愛でも、「相手をまるっと受容できてしまう」

もちろん、仕事ができる能力と、相手を受容する能力が一致している、なんてことは申しません。

が、できる人って、

受け入れる力、相手を観察する力、先回りする力、段取り力、実行力などが

やはり優れてらっしゃいますよね。

だから、迷いなく相手を見て、その包容力を持って受容する、みたいな傾向がある。

ただ、だからといって、

それがパートナーシップでの自信に繋がっているか、というと・・・

きっと個人差があるのかなと思います。

なんせ繊細ですからね、恋愛の中でのマインドの動きは。

すると、その受容の中に、いつの間にか

「相手のために、自分の価値を下げる」という動きが混ざるのです。

わざとじゃないです。

たぶん、本人は善意でやっていることなんだと思います。

たとえば、こんな感じ。

  • 相手が落ち込んでいるとき、自分の希望を引っ込める
  • 相手の自尊心が揺れそうな場面で、あえて手柄を隠す
  • 「正論」を言えば話は早いのに、相手のペースを優先する
  • 相手が傷つきそうだと感じると、自分が先に折れる

これ、短期的には関係が穏やかになります。

でも長期的には、立ち位置がズレていきます。

なぜなら、

「相手が立てるように」と動くうちに、こちらが立てなくなるからです。

「小さくなる」って、実は自己評価の低さだけではない

ここでよく誤解されるのが、

「自分に自信がないから自分を小さく感じるのですよね?」という見方です。

もちろん、それが絡む場合もあります。

でも、できる女性の場合は、少し違うことがあるのです。

自分を小さく感じる理由が、

自己否定というより、

理想の関係構築のための“選択”として起きている。

そんな意味合いが色濃くなっていることがありますよ。

相手の不安を読める。

揺れているポイントも分かる。

相手が傷つく言葉も、逆に救われる言葉も分かる。

だから、相手が壊れない方法を選べてしまう。

それがあなたの強さでもあるし、同時に落とし穴にもなります。

そしてその落とし穴が、ある日ふと、

「私、どうした?」「今、どこに立ってるんだろう」という感覚になって出てきます。

別れが難しいのは「依存」ではなく「責任」になっているからかもしれない

このタイプの方がもう一つ苦しくなりやすいのが、

別れがなかなか選べないことかもしれません。

これも「依存」や「執着」と言い切るとズレます。

むしろ、心の中ではこうなりやすいようです。

  • 私がここで離れたら、この人はどうなるんだろう
  • とりあえず受け入れられるから、関係だけは続けたい
  • この人の問題を見捨てるみたいで苦しい
  • 私が背負ったほうが早い気がする

結果として、関係が続くんですね。

でも保ち続けるうちに、自分の立ち位置はさらにズレはじめる。

どちらにズレるか、というと・・・

結果として、「献身」という言葉でしか説明できないような自己犠牲の形に、ズレていくこともあるのかもしれません。

そして、もし別れるときが来るなら。

よく聞くのが、このタイプの覚悟です。

「これからは、もう一人で生きていけるようにしてから別れよう」

・・・これ、ものすごく立派なんです。

けど、同時にしんどいのかもしれません。

まぁ、僕がいちいち書くことでもないとは思うのですが・・・

恋愛の終わりを、人生設計のプロジェクトみたいにしてしまう感じ。

ここにも、あなたの強さが出ているのかもしれません。

ただ、その強さが“立ち位置のズレ”を固定してしまうこともあるようです。

だから、別れるときは

「パートナーと共に、献身という名の自己犠牲とも距離を置く」。

こうなると、それ以降の恋愛に対して、こんな印象を持たれる方もいるんです。

「恋愛すると自己犠牲が戻ってくる」。

「あなたなら余裕でしょ?」という視線が、地味に効く

もう一つ、外側の要因もあります。

仕事も人生も順調に見える人ほど、周りからこういう視線を浴びやすい。

  • あなたなら、いい人いるでしょ
  • あなた、強いもんね
  • 悩みなさそう

これ、言われた側は、ちょっと孤立します。

「こんなことで悩んでるの、意外って思われそう」ってなる。

さらに厄介なのは、その視線に、嫉妬が混ざることがある点です。

「恵まれてる側が何言ってんの?」みたいな空気。

これを浴び続けると、人はますます自分の立ち位置を隠します。

強いふりではなく、強く見られることに合わせてしまう

結果として、パートナーの前でも、周りの前でも、

「ちゃんとしてる私」を維持する方向に寄っていく。

そしてまた、立ち位置がズレる。

この「強く見られることに合わせる」ことも、

自ら望んで行っていることではないなら、犠牲のようなものになるのでしょうね。

じゃあ、どうやって立ち位置を取り戻していくのか

ここから先は、たぶん派手な解決策はありません。

でも、現実に効くのはこういうことなんでしょう。

1)「私は今、どこに立ってる?」を言葉にする

まずはここからです。

  • 私は今、相手の不安の肩を持ってないか
  • 関係維持のために自分を引っ込めてないか
  • 必要以上に「受け入れる人」になりすぎてないか

責めるためじゃなく、確認のために、です。

2)「受け止める」と「引き受ける」を分ける

あなたはきっと多くを受け止められる人です。

でも、人間だから、恋愛や夫婦関係の中で感じる感情を

あまりに引き受けすぎると立てなくなります。

相手の事情を理解することと、相手の人生まで背負うことは、別。

恋愛や夫婦関係の中で生じる、様々な感情をたった一人で(パートナーにも見せることなく)背負い続けることもまた別、なのでしょうね。

3)「小さくなる前の自分」を思い出す

パートナーの前で自分を小さく感じても、他の場所ではちゃんと立てていますよね。

仕事の場。

友人関係。

自分の領域。

その「自分がズレていない感覚」を、恋愛の場にも持ち込めるようにしてみる。

これは少しトレーニングが要りますが、

これができると、少し引き受ける量が減るかもしれません。

ただし、愛したいように愛せていない不満は・・・若干残るかもしれませんが。

ここはもうバランスで決めるといいとのかもしれません。

受け入れたいなら受け入れてもいい。

でも、一人で様々な感情を抱え、引き受け続けることはやめる、みたいな。

まとめ|あなたの受容力は美点です。でも、立ち位置まで差し出さなくていい

今日は、

仕事も人生も順調に見える女性が、なぜか恋愛で立ち位置を失ってしまう理由

を整理してみました。

もしここまで読んで、「これ、私のことかもしれない」と感じたなら。

ポイントは、あなたの問題性というより、あなたの強さにあります。

受容力がある。

相手の事情が分かる。

関係を壊さない技術がある。

だからこそ、ズレる。

でも、ここは誤解しないでほしいのですが、あなたの受容力は美点です。

ただ、その美点を使うときに、自分の立ち位置まで差し出さなくていいという話です。

もし今、恋愛や結婚で苦しさが出ているなら。

それは「あなたが弱いから」ではなく、

頑張り方の位置が少しズレたのかもしれません。

そのズレは、戻せます。

大げさなことをしなくても、少しずつ。

今日の内容が、立ち位置を取り戻すヒントになれば幸いです。

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ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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