どうしてそんなに自分勝手なの? 〜何も聞かずに決める人の心理と“優等生型自立”の正体〜
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、恋愛や夫婦のご相談でわりと頻繁に出てくるテーマを。
「ちょっと……なんで勝手に決めるの?」
こちらがまだ返事をしていないのに予定が確定していたり、こちらの意見を聞く前に話が進んでいたり。
いわゆる「自分勝手」に見える振る舞いですね。
ただ、この手の話って、単純に“横暴な人が悪い”で終わらないことも多いように思います。
本人なりには善意だったり、やり方の癖だったり、価値観だったり。
そこで今日は、
「人に聞かずに決める人は、いったい何を“扱っているつもり”なのか」
という視点で、いくつかのタイプに分けて整理してみます。
(※特定の誰かを断定する記事ではなく、「こういう場合もあるかもしれない」という整理です。)
Index
ちょっとなに自分勝手にやってくれてんのよ!と思うとき
たとえば、こんな場面です。
- 相談しているつもりだったのに、いつの間にか決定事項になっていた
- 「君のためにやった」と言われたけど、こちらは頼んでいない
- 話し合う前に結論が出ていて、あとから説明だけされる
こういうとき、人はだいたい二重でしんどいんですよね。
- 決め方が雑に感じる(手続きの問題)
- 自分が扱われていない感じがする(存在の問題)
で、腹が立つ。
当たり前です。
自分勝手にも「種類」があるかもしれません
ここから少し、落ち着いて整理します。
「勝手に決める」という行動は同じでも、その人が内側で扱っているものが違うと、見え方も対応も変わってきます。
今日は大きく4つに分けます。
- 善意型:良かれと思って先回りする
- 悪意・反発型:怒りや反発が混じっている
- 防衛型:人と相談すること自体がしんどい
- 悪意のない自己完結型:自己完結するのが「良いこと」だと思っている
どれが正しい、間違っている、という話ではなく、見立ての材料として置いてみます。
善意型|本人は「自分勝手」だと思っていない
これはよくあるやつです。
本人の中では、
- 相手の手を煩わせたくない
- 段取りよく進めたほうが助かるはず
- 迷惑をかけないようにしたい
みたいな“ちゃんとしたい気持ち”が動機になっていることがあります。
だから、こちらが
「勝手に決めないで」
と言うと、相手は相手で
「え、良いことをしたつもりだったのに」
となりやすい。
ここで頭ごなしに責めると、揉めやすいのは想像がつくと思います。
善意のつもりだった場合、相手は「否定された」感覚になりやすいからです。
悪意・反発型|「聞かない」で距離を取っている
次に、少しややこしいパターン。
勝手に決めることが、
- 不満の表現
- 怒りの表現
- 反発の表現
になっている場合です。
本人は言葉では「別に」と言うけれど、行動が「別にじゃない」みたいな。
この場合、行動そのものよりも、
二人の間で何が積もっているのか
がテーマになりやすいかもしれません。
ただ、ここは一概に決めつけないほうが安全です。
「怒ってるでしょ?」と断定すると、そこから戦争が始まることもありますので。
防衛型|相談が「苦手」で、結果として自己完結する
これは、本人が横暴というより、
人とやり取りすること自体が負担
になっているタイプです。
- 相手の意見を聞くのが苦手
- 自分の意見を言うのが苦手
- 相談の場で感情が動くのが苦手
だから、結果として「一人で決める」に寄っていく。
このタイプを外側から見ると、たしかに自分勝手に見えます。
ただ本人の立ち位置としては、
「揉めたくない」「失敗したくない」「面倒にしたくない」
を扱っていることもあります。
もちろん、それで相手が置き去りになるなら、関係としてはしんどいです。
でも、動機が「支配」ではなく「回避」寄りのこともある、という話ですね。
悪意のない自己完結型|自己完結こそ“良いこと”だと思っている
そして、今回加えたいのがここです。
これは防衛型と似て見えますが、ニュアンスが少し違います。
本人が、
- 自分で決めるのが美徳
- 人に相談するのは甘え
- 迷うくらいなら、決めて動くほうが誠実
みたいな価値観で生きてきた場合。
つまり、学習の結果としての自己完結です。
このタイプは、本人の中に悪意がなくても、相手からすると
「私がいない扱い」
になりやすい。
で、揉める。
でも、ここも一概に批判すると余計にこじれやすいです。
本人の中では長年それで回ってきた“生き方”だったりするので、突然「それは自分勝手だ」と言われると、関係の中で防衛が強まることがあるからです。
どうしたらいい?
ここまで読むと、こう思われるかもしれません。
で、どうしたらいい?
考え方としては、
自分勝手に見える行動の“内側”をこちらが見間違わないように
ですかね。
善意型に「怒り」でぶつかると揉めやすい。
悪意・反発型に「お願い」だけで押すと通らないこともある。
防衛型や自己完結型に「話し合いの正論」を当てても、動けないことがある。
ただ、具体的な対応は個別案件になりやすい性質があります。
なぜなら、人それぞれで抱えている思いが違うから、ですね。
ただ、ひとつだけ意識しておくとラクになるかもしれない視点
それでも、ポイントを一つだけ挙げるなら。
「その人はいま、何を扱っているつもりなんだろう?」
です。
- 善意型は「段取り」や「役に立つこと」を扱っているのかもしれない
- 反発型は「距離」や「正しさ」を扱っているのかもしれない
- 防衛型は「安全」や「疲れないこと」を扱っているのかもしれない
- 自己完結型は「自立」や「責任」を扱っているのかもしれない
その上で、こちらは何を扱っているのか。
多くの場合、こちらが扱っているのは
「私はここにいる」
という話だったりします。
意見が通るかどうか以前に、まず“扱われたい”んですよね。
だから、話が噛み合わないときは、内容より前に、立ち位置がズレていることがあるのかもしれません。
まとめ|「自分勝手」に見える行動の内側は、案外バラバラです
「どうしてそんなに自分勝手なの?」と思う相手がいたとき。
その行動は確かにしんどい。
ただ、内側を少し見立てると、
横暴というより、善意だったり、癖だったり、価値観だったり、回避だったり。
そういう場合もあるかもしれません。
もちろん、だから我慢しろ、という話ではありません。
ただ、いったん整理しておくと、
「何を言えば通りやすいか」
の見当がつくことがある。
今日はそのための材料として書いてみました。
どこか引っかかった方は、よろしければ、相手だけでなく自分の立ち位置も含めて、少し振り返ってみてください。
以上、今日の記事が何かの整理のヒントになれば幸いです。
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