恋愛の心理学

「合わせるのがめんどくさくなった」と話す彼との関わり方をお中元理論から考える

浅野さんへの質問です。

婚活アプリで知り合い2年弱交際した元彼との件でご相談です。

LINEや電話などの連絡は頻繁で楽しく過ごしていましたが、間に二度別れています。
一度目は彼の態度がおかしくなり、結果的に別れを言い出したのは私でしたが、10日後くらいに彼から連絡があり復縁。
二度目はケンカの勢いで彼からもう話すことは無いと一方的に振られましたが、1ヶ月程後に私から謝りたいと連絡をして復縁。
その数ヵ月後に彼の様子がおかしくなり、尋ねたところ、合わせるのがめんどくさくなったと言われました。

言うほど無理はさせてはいなかったと思うし、言いたいことあったら言ってねと伝えたりしてましたが、いつも何も無いとしか言われませんでした。
少し話しましたが気持ちは変わらないと思ったので受け入れることになりました。

それから1ヶ月半程たった頃、彼から連絡が来ました。
当たり障りのない会話をしていましたが、私の家で飲まないかと誘われました。
しかし、自宅場所の関係で飲む=泊まるになる為「それはおかしいよね」と伝えると「ごめん、忘れて!」と返ってきました。
一人で飲んでもつまらないからたまには一緒に…と思ったとのことでした。

交際中、彼は向き合うことが苦手な人、喧嘩をしながら話し合って理解し合って深くなるという過程を辿れない人でした。
そんな人だから別れた方がいいんだ!という思いと、それでもまだ好きで復縁の可能性を考えてしまう気持ちで揺れています。
もうすぐ彼の誕生日ですが、お祝いのLINEが来ると思ってるであろう彼に、送らない方がいいんだろうなと思いつつ葛藤しています。
彼的には、話は合うし楽だから一緒にいるのはいいけど、男女の仲だと面倒だから、暇つぶしに飲みに誘ってる感じなんでしょうか。
(性欲はほぼない人なので身体目的というのはないです。)
私は一体、何を見てどう決断して進めばいいのでしょうか…。
自分の気持ちも彼の気持ちもわかりません。
グダグダな内容ですみません…。

ネタ募集ネーム:まるさん(一部内容を編集しています)

まるさん、大変おまたせしましたm(_ _)m

ネタのご協力ありがとうございます。今日はあなたのご質問にお答えしますね!

 

なるほどなるほど。

まるさんと彼とは付き合っている間に2度ほど別れているのですね。

そして、彼は「合わせるのがめんどくさくなった」とおっしゃっていた。(これ、今回の重要キーワードですね!)

しかしその後、彼からお誘いの連絡もやってきた。

で、まるさんは「彼的には、話は合うし楽だから一緒にいるのはいいけど、男女の仲だと面倒だから、暇つぶしに飲みに誘ってる感じなんでしょうか。」と思われた、という話のようですね。

うーん、なるほど。そう思いますよねぇ。どうこの彼と付き合ったらいいか、考え込んでしまうお気持ちも僕なりに理解できるような気がします。

ただ、先に僕なりの答えをお伝えしちゃいますけど、おそらくこれはまるさんの主観の中にいる「彼」が述べていることであって、実際の彼がどう考えているのか、ではないかなぁ、と僕は思います。

もちろんまるさんの考えがビンゴ!という場合もあろうかと思うのですが、今回のご質問を読ませていただくと、少なからず僕の目には「彼ってこういうタイプじゃないのかな?」と読み取れる記述がいくつかありましてね。(それが100%の答えではないのでしょうが)

今日はそのあたりを少し解説しながら、「私は一体、何を見てどう決断して進めばいいのでしょうか…。」というご質問に僕なりにお答えしたいと思っておりますよ。

よろしければお付き合いください。

 

合わせるのがめんどくさいと言う彼の気持ちを「お中元理論」で紐解いてみる

一度目は彼の態度がおかしくなり、結果的に別れを言い出したのは私でしたが、10日後くらいに彼から連絡があり復縁。
二度目はケンカの勢いで彼からもう話すことは無いと一方的に振られましたが、1ヶ月程後に私から謝りたいと連絡をして復縁。
その数ヵ月後に彼の様子がおかしくなり、尋ねたところ、合わせるのがめんどくさくなったと言われました。

僕の経験上「合わせるのがめんどくさくなった」と話す彼ほど実は怒ってる、なんてケースが多いように感じているんです。

もちろんこの怒りは不満やイライラという意味であって、それ以上の意味ではないんですけどね。

そして、この怒りについて見つめるときに使える法則が「お中元理論」なのです。

お中元理論とは

お中元理論とは「人は基本的に自分の価値観でものを考える」という考え方によって成立しているものです。

お中元ギフトとして麺類もらって嬉しい人(それは僕のことだな(^^;)は、自分自身が麺類最高!と思っているからこそ、お世話になった誰かに喜んでほしいと考えた時『このめっちゃ美味しいそうめんをあげたらきっと喜んでくれるはず』と考えがちだ、ということなんですよね。

「相手が提供してくるもの≒相手が好きなもの、好むもの、良いと思っているもの」と推測できるわけですから、こちらもそれを投げ返しておけばいい、というわけです。

いわば「相手がくれるものは、まぁ相手がほしいもの、もらって嫌な気持ちがしないものである可能性が高い」という話なのです。

だからこそ人は「自分が人からされて嫌なことは自分もしない」と考えるわけですし、「人からされて嫌なことをしてしまう自分」がいるとしたら、そんな自分を良いとは思えなくなるわけです。

この考え方は「未だ見えない相手の気持ちを推し量るため」に有効な考え方です。

逆に言えば、「自分の価値観でのいいこと、そうではないこと」だけを見て、考えて行動している人は多いということでもありますし、相手の気持ちを理解する、共感することがなぜ有効なのかを暗に示している、とも言えますね。

ただし、このお中元理論を駆使しても、揉めてしまう例外があるわけです。

そう、もうお気づきですね。

世の中には自分の価値観だけで動くのではなく、ちゃんと相手を見て「自分にはそこまで価値を感じないものでも、相手が好きなものならばそれを提供する人」もいるのです。

この場合、「お中元理論を駆使する人(自分の価値観中心で動く人)」VS「相手の価値観を大切にしようとする人」という構図が生じます。

 

参考までに事例を書きます。

かつての我が家の話で申し訳ないのですが、僕の母はうなぎが苦手です。昔から苦手なのだそうです。Why?と投げかけると「ダメ」の一言で済まされます(笑)

よほど苦手なのでしょうなぁ。なにかトラウマがあるのやもしれませんが、未だ謎のままです。

が、僕や弟、父はうなぎが大好きです♡。

すると、食事を作るのは母でしたから、母が嫌いなうなぎは食卓に出づらくなる可能性は極めて高いはずなのです。

が、我が家では頻繁に出ていたのです。母は家族が好きなものを理解して出していた、というわけですな(ありがたい)

ただ母は抜け目がなく、うなぎが食卓に出る日、自分が目一杯好きなものを食べていた記憶がありますねぇ。

これ、なかなかいい戦略だなと思うわけでございます。まさにWIN-WINな考え方だな、と。

 

さて、ここでもし母が「うなぎなんてありえねー」と自分の価値観だけで物事を考えていたとしたらどうなるでしょうか。

これは揉めそうですなぁ。

どちらも全く悪いわけではないのですが、「うなぎ出せやー!食べさせろー!」「なんで私の嫌いなものを出さなきゃいけないんだー!」といったふうに揉めそうですなぁ。

ま、これはあくまで「うなぎ」のことなのですが、食べ物の恨みは怖いってことでしょうか。

 

お中元理論から「合わせるのが面倒になった」という彼の心理を推し量る

さて、ここからはお中元理論を使って、彼の気持ちを推し量ってみましょう。

そもそも「合わせるのが面倒」という発言が彼から出るということは、どういうことなのか、と考えてみるといいと思うんですよね。

彼は「恋愛とは相手に合わせるものだ」と考えている可能性がありそう。

かつそれが「良いことだ」と感じている可能性がありそうですね。

だとしたら、あくまで彼の視点では「恋愛関係になるということはお互いに相手に合わせるものだ」と考えている可能性は高いわけです。

だからその彼は相手に合わせるのかもしれない。もちろん「彼なりに」ですけども。

そう考えると、いいか悪いか別にして「自分はそんなに自己主張していない」と思っている可能性が大かなーと僕は推測しちゃうわけです。

かつ、彼は彼女に対しても「合わせる」ということを求めてきそうだな、と僕は推測するのです。

それ、実際にいいかどうかという話ではなく、恋愛をお中元理論で考えるならば「彼の行動・考えは彼が求めていることを指し示している」と考えらるから、というわけですね。

さて、まるさんはこう書いてくださっていますよね。

>交際中、彼は向き合うことが苦手な人、喧嘩をしながら話し合って理解し合って深くなるという過程を辿れない人でした。

多分そうなのだと思います、僕も。

彼は「合わせる」ということに価値を見て、自己主張を抑えることが相手のためになる、と考えている可能性が高いと僕は考えます。

ただし、この彼の価値感をいい悪いで判断はできませんよね。

彼なりに相手のことを思い、自分なりに最善だと考えていることを、なんのエクスキューズもなく頭ごなしに否定することはできないでしょうし、そんなことをしたら火に油じゃないでしょうか。

もちろん、まるさんのお考え「恋愛する相手とが向き合うほうが良く、時には喧嘩をしながら話し合って理解し合って深くなることもある」という考え方もまずは尊重されるべきことだと僕は思います。

これは「お互いが違う価値感を持っている」というだけであって、それ以上でも以下でもないのでしょうから。

ただし、この違いが明確に感じ取れていないときほど

>私は一体、何を見てどう決断して進めばいいのでしょうか…。
>自分の気持ちも彼の気持ちもわかりません。

とお感じになりやすいのではないか、と僕は思います。

いわば、お互いの価値観の違いを超えて、お互いの価値観を認めあえるとしたら、分かり会えることは増えるのではないか、と。

そして、それをやってみたいかどうか、なのだと思います。

相手なりに考えてくれたことを受け取る。

自分なりに考えていることを丁寧に説明し表現する。

このようなことを通じて、お互いが関わる中で価値感の共有ができているなら、関係を続けていく意思も、続けない意思も明確になるのではなり、少なくとも迷いや不安、相手への期待で困ることはないと思うのです。

 

価値感の違いは愛の形の違い衝突によって生じることが多いもの

さて、恋愛やご夫婦の問題の多くは「価値感の違い」によって生じることが多いようですね。

が、そもそも人の好みや生育プロセスが違うこと、また人には個性・性格がある以上、お互いの価値感は違うものと考えておくほうが、おそらく恋愛も夫婦関係もうまく回ります。

そもそも自分も相手も「パートナーのために同じである必要はない」と思いませんか?

もちろん「相手とひとつになりたい」という気持ちを感じることが恋愛感情ならば、お互いの価値感の違いは障壁になるという考え方もあろうかと思います。

が、今の自分のあり方を、お互いにそのまま尊重しあえる関係であれば、新しい二人の価値観を共有することも可能になっていくのではないでしょうか。

ここでのポイントは、まず「お互いが自立」しており、その上で「二人の価値観を共有する(戦わせない・認め合う)」ということなんでしょうね。

これがいわば、絆、つながり、親密感につながっていくというわけですし、「こんなにも違うのに共に生きていける人がいるなんて!分かり会える人がいるなんて!」という感動体験にも繋がるのではないでしょうか。

これこそ「相性が合う」という話なのではないか、と僕は思っているのです。

「こんなはずじゃなかった」と感じてからが本当の勝負といいますかね。自分の愛や、自分の行動に責任を持つ姿勢、コミットメントが試されるときなのだろうぐらい思っていたりします。

僕のクライエント様にもこの壁を乗り越えようとされている方がたくさんいますが、マジすげぇ、と僕は思っておりますよ。心から応援させてもらいたいと思っています。

だとしたら、そもそも「やっぱりもう愛せない」と思う人と関わること自体、お互いにとってかなり切ないこととも言えそうです。

そういう意味では「違う」と思うなら、自分の選択において別の人を探すのもありだと思います。

 

こう書くと、まるさんのおっしゃる

>そんな人だから別れた方がいいんだ!という思いと、それでもまだ好きで復縁の可能性を考えてしまう気持ちで揺れています。

という気持ちに対する、答えになっていないような答えになっちゃうのですが、それこそが「選択」なんだと思うんですね。

だから、自分の気持ちと向き合って、後悔のない選択をすることが大切なんだろうと思うのです。少なからず僕はあなたの選択を応援したいと感じているところです。

また、このような選択をするためにもう一つ考えておくといいことがあるんですよ。

いわゆる恋愛や夫婦などにまつわる悩みは「自分がどうか」だけでなく、「二人のテーマ」だと考えてみることです。

例えば「私と彼はお互いの気持ちを二人のこととして向き合うことができる関係なのだろうか」だとか。

「私に愛する気持ちがあるように、相手にも同じような気持ちがあったのではないか」とか。

お互いの気持ちが未だ「主観」の域を出ておらず、自立的な発想で「自分が良いと思うことばかり」を見つめていたのではないか、とか。

「お互いが自分の愛情だけを見て、相手の気持ちを受け取らないまま恋愛をしてきたのではないか」などなど。

こういった部分に気づくことで、気持ちが整理できたり、自分の意志や覚悟が明確になるケースってものすごく多いんですよ。

だから、まずこの視点を持って二人のことを考えてみてはいかがでしょうか。

自分の気持ち、彼の気持ち、この両面から見て、さてどうするか、と考えてみてはいかがでしょうか。

もちろんどちらかが間違っている、という話ではないと僕は思うのですけどね。

 

とはいえ、「お互いが自分の愛情だけを見て恋愛する」ということ自体、普通に起こり得ることで、そこを否定しちゃったら勘弁してよ〜、恋愛なんてめんどくせぇよ〜という話になっちゃうんでしょう。

自分なりに愛してみて、うまくいかないときに「なぜだ?」と考え、相手の様子をうかがうことが、いわば愛し上手になるプロセスでもありますしね。

だから、自分なりに考えて愛した経験は否定なんてする必要はなく、めちゃくちゃ尊い経験だと思っていただきたいのです。(ここ、超重要!)

ただ「自分の愛情だけを見て愛すること」しかできないならば、どうしてもパートナーと分かり会えない事が増えたり、いわば揉める理由にはなりますから、ここは乗り越えておきたいところではないでしょうか。

これは問題というより、課題なんです。

より進化した、成長した恋愛・夫婦関係に行き着くためのプロセスであり、いわば自分の限界を超えていくような一つのテストのようなものです。

そもそも恋愛や夫婦などの関係では、お互いの価値観が違うからこそどうしても揉めるものでしょうからね。

ただ、僕がお伝えしたいのは「揉めるというステージの【先】があるよ」ということなのです。

それこそ「愛し合う」というステージです。

それは相互に理解し合う、ということでもあり、どんなことでも分かちあえる関係そのものなんでしょう。

今後どうしたいかが決められないときは、愛の視点で二人のプロセスを見てみよう

ということでまるさんに僕から最後のアドバイスをば。

彼は「合わせるのがめんどくさくなった」と言ったのですよね。

お中元理論を使えば、彼なりに良かれと思って「あなたに合わせていた」ということになりません?それをあなたが望んだか望まなかったかは別にして。

だとしたら、あなたは彼に何を伝えたいと思うでしょうか?

ごめん、でしょうか。

それとも、ありがとう、でしょうか。

逆にあなたの中に「ケンカしてでも向き合いたい」という気持ちがあったとして、彼から「それはムリ、ごめん」と言われたいのか、それとも「君なりに真剣に向き合おうとしてくれていたんだね、ありがとうね、でもお互いが納得できる関係を一緒に見つめていきたいんだよね」と言われたいのか。(ここ、かなりのヒントになろうかと思うのですが。)

そこを考えてみてはいかがでしょうか。

彼が実際にあなたの価値感を理解されるかどうかは、僕にも分かりません。彼に会ってないのでハッキリしたことは言えないのです。

ただ、あなたがどうされたいか、あなたがどんな気持ちで彼と向き合いたいか、はきっとあなたでお決めになれるでしょう。

そのとき「こうすべき」という正解は何一つありませんよ。

「どうしてみたいか」が全てです。

ご質問を読ませていただく限り、まるさんはまるさんなりのやり方で「親密な関係を作ろうとされた」のだろう、と僕は感じています。その気持ちは素晴らしいものです。

だとしたら、一旦自分の気持ちを受け容れてみる。

そして「彼も同じだったとしたら?」と考えてみてもいいのではないでしょうか。

こう考えることで「彼をあなたの価値感を否定する人にしない」と思えるようになるでしょう。いわば罪悪感を手放せます。

その上で「どんな自分を表現してみたいか」を考えてみて、そうしてみたいと思うなら、チャレンジするのはアリなのではないでしょうか。

そもそも僕たちは「自分の愛情や大切に思う気持ち」を上手くアウトプットできないときほど「モヤモヤする」ものなんですよ。

今の自分にOKを出しづらくなるのでね。

彼に気持ちを伝えるか伝えないかは別にして、今までの二人の関係を見つめ直してみることで、まるさんのお気持ちを整理することができるのかな、と思いますよ。

 

以上、なにか参考にしていただければ幸いです。

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