恋愛と男性心理

人付き合いは得意。しかし恋愛を避ける男性心理

★浅野さんへの質問★

浅野さん初めまして。是非、彼の心の内を教えてください!

1年前に知り合い、友達以上恋人未満な関係の彼がいました。私は30後半、彼は40前半です。

趣味も合い居心地も良く楽しい時間を過ごしてきましたが、彼がどう思ってくれているのかがわからない。次第に私は苦しくなり、フラれるのを覚悟の上、2/14に手紙で自分の正直な気持ちを伝えました。Aさんの気持ちがわからず、どうしたら良いかわからなくなっていること。単なる友人の一人としてしか見てもらえないなら、他に進みたいこと…。

そして3/14にようやくお返事が来たのですが(その1ヵ月まったく連絡がなかったのも予想外で驚きでした)、そこには、正直私のことを好きかどうかわからない。ずっと一緒にいたいか確信が持てない。しばらく距離を置きませんかという内容でした。ただ、自分は人と一緒にいると疲れてしまうので、普段は一人が好きだけれど、私とは落ち着くとも書かれてありました。

その後コロナになり、そのまま距離置き期間に突入。私はその間にも色んなことを考えました。まず、2/14から3/14まで1ヵ月もあったのに、それでも答えが出せなかった彼…。それはなぜだろうと。お返事をもらった後、一度、「お互いここからスタートしたい」ということを伝えたものの、彼からはスルー。今まで仕事一筋だったようで誠実な印象は持っていましたが、思った以上に考え込むマジメすぎる様子が垣間見えました。私は何に悩んでいるのか彼の気持ちが知りたいのですが、急に黙り込む(返事をしない)ようになったのも意外な感じです。

先月、久しぶりに連絡をしてみました。でもフツーの内容ですら、困惑している様子が伝わってきました。気持ちを整理したいと言ったのは彼だけれども、やはりできていないのかな。それとも単に断れないだけなのか。

彼は仕事もできる管理職で、むしろ人付き合いが上手に見えていたので、実は疲れると言ったことも驚きでした。
そして、普段なら柔軟に応じられるタイプなのに、私が想いを伝えてからは心がガードされている印象を持ちます。不思議です。

カウンセラーの浅野さんに、是非彼の心の内を教えていただきたいです。
私自身も恋愛は久しぶりで、心開くのは苦手なんです。そんな私がせっかく打ち解けられそうな彼と出会えたのに、この展開(>_<)私はただ彼と向き合いたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

ネタ募集ネーム:しまこさん(一部編集させていただきました。)

しまこさん、ネタのご協力ありがとうございますm(_ _)mおまたせしました。

今日はあなたのご質問にお答えさせていただきます。

ご質問拝見しましたが、なるほど確かに彼のガードは固そうですね。ただ今回のご質問の内容だけでは「なぜ彼が固いガードを作るのか」の事情まで見えない部分がありますので、そこまで突っ込んだ内容にはならないこと、ご了承くださいね。

よろしければどうぞ。

 

近づこうとしても近づけない。ガードが固い人の心理

恋愛で積極的になれない人って「はずがしがりや」なんて表現されることがありますね。

例えば、周囲から見れば明らかに両思いで意識しあっているのに、なーんかはっきりしないまま時間を過ごしている人。

こういった人って自分の気持ちを相手に伝えることが恥ずかしくて、恥を回避するあまり怖くなっちゃって、相手に気持ちを言い出せずにいる方が多いように僕は思います。

まぁ僕たちは「本当に云いたいこと」を伝えるコト自体怖れますからね。本音を言うのは恐いもので、ぶっちゃけ心にない言葉ならいくらでも伝えられるものかもしれません。

つまり「自分の内面、本音を見られたくない人」ほど、まぁ恋愛の中で固いガードを作ります。

自分のこと

ただただ知られたくない、恥ずかしい、と思う人もいれば
知ってほしいけど、知られてがっかりされるのが嫌だ、と思う人もいれば
絶対に知られたくない、知られれば絶対に嫌われる、と思いこんでいる人もいます。

そもそも自分を隠したいと思っている人にとって、自分を知られることは、恐いことなんですよね。

だからガートを固める。

こういった場合、自分以外の誰か(もしくは気のおけない誰か)以外に、自分を知られることによって、何かしら感じたくない感情を感じることが嫌なのですよね。

恥ずかしいとか、嫌われる(自己嫌悪・劣等感)とか、女性が恐い、とか、恋愛が苦手とか・・・。

普段は口にもせず、表現しないで済んでいる自分の一部を開示することが嫌だと感じているのでしょう。それほどまでに「誰かに自分を開示したあとのイメージ」がネガティヴなものになっている可能性がありますね。

それはまるで「こんな自分は受け入れてもらえないだろう」と考えているようなもの、とも言えます。

だから、もし、今回ご質問にある彼のような態度を取る人がいるとしたら、きっとこれ以上自分を知られたくないと感じている可能性はあります。

けれど、少なからず自分に好意を寄せてくれている相手に「NO」という意思表示することにためらいがあるのかもしれないですね。

 

エドワード・ホール氏による「パーソナルスペース」という概念を引用するならば、恋愛関係(密接距離)とは0〜45cmといいます。

この距離ならば、相手に濃厚に接触できますし、相手の様子もよく見え、相手の内面をぼんやりとでも感じることができますね。

ただ、この位置にいると自分を隠しておきたい人でなくとも「自分のことがバレてしまう、知られてしまう」というリスクが生じます。もし自分を隠しておきたければ、この距離にいないほうが得策なのです。

すると「固体距離」と呼ばれる、親しい友だち、仲間との距離感(45cm~1.2m)で、恋人や気になる人と向き合っている方が、自分がそこまでバレないので安心なのです。

そもそも彼は人付き合いが上手なの人なのですよね?だとしたら、おそらく密接距離より、個体距離の方を選びたがるんじゃないでしょうか。

ただ、この距離感にいると「どんな自分でもいいんだ」「自分の弱い部分があってもそれは愛されるのだ」とはなかなか感じられないので、自分を隠し続けることにはなるかと思います。

ただ、いいも悪いもなく、それが今の彼にとって心地よい距離感だ、ということですね。

 

人付き合いは得意でも恋愛を苦手にする人もいる

恋愛のご相談の中で、よく「彼は人付き合いが上手で」「会社でも人気があって」という彼の形容詞を伺うことがあります。

だから、きっと恋愛も上手、親密な関係も上手に構築できる、とお考えに鳴る方もいらっしゃるかもしれません。

僕の臨床経験上、そのお考えは半分正解なんだろうな、と感じています。

つまり、人付き合いが上手な人が恋愛も上手、という場合もあれば、そうではない場合もある、ということなんです。

(ここからの話は、異性のことを好きか嫌いか、相性が合うかどうかなどの話を超えた話だと思ってくださいね。)

リスクヘッジボーイ

僕が「リスクヘッジボーイ」と呼んでいる男性は、友達関係、職場の対人関係は得意でも、恋愛が苦手だという人が少なくないものです。

リスクヘッジボーイとは、世の中で起きる様々なリスク(心理的負担)を回避しようとしたがる男性のことを意味します。

例えば、結婚はしんどそう、仕事でチャレンジすると失敗のリスクがあるから安パイを掴んでおきたい、高収入より安定収入を目指したい、好きと言ってフラれるぐらいなら言わない、といった考え方をしている男性ですね。

かつ、社会生活を送る上で、求めに応え社会に合わせていく考え方は持ち合わせているので、人付き合いもそれなりにこなしますし、付き合いも悪くないんです。

が、どこかで「一人になりたい」「人に合わせるのはしんどい」と感じている男性でもあります。

いわば、自分の思い通りにしたいという気持ちが比較的残っている男性ともいえますし、まぁまぁバレなきゃ自由にしていいだろう、と考えている人でもあります。

ただ、リスクを取らず安全に生きれば生きるほど、安定はするけれど、喜び・ワクワクを感じられない人生になっちゃう可能性が高いので「つまらなさ」「退屈さ」と付き合うことにはなりやすいのです。

その結果、恋愛や未来のことに対してあまり希望を感じられないこともしばしば起こります。それがどれだけの喜びだとしても、恋愛や結婚、家族を作ることのリスクを考えてしまうと、何も喜べるものがない、と感じるわけですね。

なので、このタイプの男性はなかなか恋愛に踏み込んでこない場合が多いです。

「恋愛を楽しめない」という人もいれば、「友達のままで」という人、近づかれると急にガードを固める人もいますよね。

あぁ、ちなみに口癖としては「めんどくさい」「かったりぃ」となることが多いかもしれませんね。

 

いい人だけど敵を発見すると豹変するタイプ

このタイプの男性は、自分なりの規範、ルール、考え方、正しさ、価値観を持っています。

同時に、社会性も持ち合わせていて、いわゆる人付き合いも(本人は得意じゃないと口にするかもしれませんが)しっかりできるタイプといえます。

自分で決めたことに対して責任を持つ態度を示すことができるんです。なので、恋愛関係を持つことを悩んだとしても、一度決めて前に進んだらちゃんとその男性なりに愛情を示そうとするタイプです。

が、自分の規範、ルール、正しさから逸脱しているものや人をみると、途端に攻撃的になります。それはおかしい、間違っているといい始め、いわゆる戦闘モードに突入するのです。

このタイプの男性がもし好意を寄せる女性に対してガードを固めるなら、そもそも女性に対して、何かしらの考え方の違い、違和感などを感じていることが少なくない、といえそうです。

例えば、「女性がグイグイ迫ってくるのは、表面的な自分を見ているからであって、本当の自分(といいながらネガティブな自分を意味する)のことを本当に好きになれるはずがない」と感じている可能性も少なからずあるのです。

なぜなら、彼は、戦闘モードかつ攻撃的な自分の存在を自ら知っているからですね。その自分を「心が狭い自分」と認識している人もいれば、「周りが間違っている」と思い込んでいる人もいますけども。

だから、そういった男性が望んだか望まないかは別にして、自分をすべて見せなくてもいい男女関係、つまり不倫関係を持つことも考えられる話です。(ただこのタイプの男性が不倫関係に陥るとかなりの罪悪感を感じると思いますが・・・)

その男性が特定の女性と恋愛関係を持つとしたら、その心理的距離が密接距離(親密な距離)になることで攻撃的な自分が目覚めてしまうと感じる人もいて、「俺はめんどくさいよ」などといいながら、親密な関係になること自体を避けたいと考えている可能性もあるでしょう。

また例えば、男性が過去の恋愛や結婚生活で攻撃的な自分を女性に見せていた事実があり、そのことを内心で後悔・反省しているなら、まぁいくら好きと言われても女性をそばに近づけたがらないでしょうしね。

自分に好意を寄せてくれる女性を傷つけたくもなければ、しかしまた攻撃的な自分にもなりたくはない。けれど、その自分をどう扱って良いかもわからない。

だとしたら、日常モード・社会人モードの比較的気持ちが落ち着けて、何が起きても清濁のみこめる自分でいることを好む。

そんな男性の思いがあって恋愛に対して固いガードを作るなら、個人的にはその男性の気持を批判することもできないよな、むしろそこに男性なりの考えがあるんじゃないか、と僕は感じるのです。

 

ガードが固い彼と向き合い方を考えてみた

さて、今回ご質問いただいた彼のことですが、僕の印象としては「リスクヘッジボーイ」「いい人だけど敵を発見すると豹変するタイプ」のどちらの可能性もあるかな、と感じています。

彼の心の内を知りたい、というご質問なのですが、いわゆる既読スルー、返事がないという行為は、どちらのタイプの男性も行うのです。

ただ、リスクヘッジボーイは「面倒なこと、リスクのあることは避けたい」という動機で、いい人だけど敵を発見すると豹変するタイプは「自分の中の負の要素を見せたくない」といった動機で行うよ、という違いはあるかもしれません。

だから、あなたが好きな人が「リスクヘッジボーイ」だった場合は、ある程度リードしてあげて、二人でいるとこんなに楽しいよ、楽だよ、といった感覚を与えてあげるといいかもしれません。

(まぁ女性の皆さんにご面倒をおかけすることになるのかもしれませんけど(^^;でもまぁその人のことが好きならば、の話だと思ってくださいm(_ _)m)

また、「いい人だけど敵を発見すると豹変するタイプ」は、まず固体距離の関係になり、何でも話せる関係になることが先でしょうか。なかなか見せない男性の胸の内を、いわゆる信頼できる仲間の距離感で聞き出して、そこからグッと近づいていくイメージかな、と。

特に仲間、友人関係の感情はプラスのものである場合が多いので、そこでかけがえのない相手となりやすいともいえますからね。

ただ、恋愛における感情は、プラスとマイナスが混ざったものになりますから、このタイプの男性はとかくマイナスな感情を表現している自分になりたくないと、また距離を置こうとするかもしれません。

そこでどれだけ「彼の心を揺さぶる言葉や態度」を見せるかが腕の見せ所なんですけど・・・具体的方法ん関してはもう完全にケースバイケースといえるでしょう。

どうすれば彼の気持ちを動かす、つまり「癒やし」を感じたり、「意外性」を感じたり、「彼の未だ拓かれていない自分に気づいてもらうか」ということができるなら、より親密な関係になれるものかもしれませんね。

また、この手の男性は相手の気持を疑うことから入るので、数回の「NO」は想定内、程度で考えておいたほうがいいとは思います。

もちろん執着や追いかけたい気持ちだけで彼に近づくと別の意味でいい関係になれないので注意していただきたいのですが、ある程度NOと言われても、そこで「相手がなぜNOを伝えてくるのか」に気づいていければ、ちょっと切ないけど、彼のことが好きならうまく交わせるかもしれませんしね。

実際、そういった女性の皆さんの心のサポートもさせていただいているところです。

 

最後になりますが、こういったガートの固い男性の心を動かすヒントとしては

「誰も悪者にはなりたくないもの。

多くの男性は悪者になりたくないから普段の社会性のある自分でいたがっている。それがたとえ仮面をつけた自分だったとしても、彼は今の自分を選びたがっている。

その彼をどう見て、どんな自分で接したいか。」

ということでしょうか。

だから、「彼は人付き合いが上手いから」とか、「彼は自分を偽っている。彼が苦しそうだからそばにいてあげたい」という動機だけで近づいても、なかなかそのガードは外れないことも少なくないようですね。

人は自分なりの好意、善意を理解されたとき(自分が理解されたと感じたとき)に、心の壁をゆっくりと取り払うものですから。

以上、なにか参考にしていただければ幸いです。

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