「もう君のことが理解できない」と言われたときに、起きていること|通じ合えなくなった関係の心理
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
彼から、こんなふうに言われたことはありませんか。
「もう君のことが理解できない」
これ、言われた側は普通にショックですよね・・・。
ケンカの勢いとはいえ、胸に刺さる。
「もうダメなのかな」「私は分かってもらえない人間なのかな」
そんなふうに考えてしまう方もいらっしゃると思います。
今日はこの言葉が出てくるとき、関係の中で何が起きているのかを、できるだけ安全に整理します。
彼を分析して攻略する話というよりは、
あなたの心と立ち位置を守るための読み物としてご覧ください。
Index
「もう君のことが理解できない」と言われたときに起きやすいこと
この言葉が出るとき、場の空気としては、たいていこうなっています。
- 話そうとしても噛み合わない
- 説明しても伝わらない
- 言えば言うほど、相手が硬くなる
- 最終的に、どちらかが投げ出したくなる
そして、ここがポイントなのですが、
「理解できない」という言葉が飛び出してくるときは、
個々の理解力の問題もありつつ、
そこを超えた、関係の状態の問題であることが多いです。
つまり、彼はあなたのことを「難しい人だ」と言いたいだけではなく、
二人の間で“通じ合えなさ”が積み上がっていることを示している場合があります。
「理解できない」とは「もう理解したくない」なのか
「理解できない」は「もう理解したくない」という意味でもある。
そんな考え方もあるのかもしれません。
ただ、実際のカウンセリング現場での僕の実感は少し違います。
彼は彼なりに理解しようとした。
でも、通じ合えない実感が続いて、心が折れそうになっている。
つまり、「理解したくない」というより、「理解したかった」。
ただ、今はもう「分かろうとしても無理かもしれない」という疲労感が前に出ていることがあるんです。
もちろん、彼が何も努力していないのにこの言葉を使う場合もありますし、
逆に、彼が自分の気持ちを一切言語化しないまま、相手にだけ「理解」を求める場合もあります。
なので、ここは一律に決めつけない方がいいと思いますけどね。
ただ、もし彼が一生懸命あなたとの関係を考えていたなら、彼もまた理解できずに苦しんだのかもしれません。
もちろんこれは彼だけじゃなく、”お互いに”、なのでしょうけどね。
「通じ合えなくなった」と感じるとき、関係の中で起きていること
「理解できない」という言葉が出る関係では、
多くの場合、二人の間に“ズレ”が生じています。
ズレとは、たとえばこんなものです。
- 大事にしている価値観が違う
- 求めている安心の形が違う
- 感情の扱い方が違う(話したい人/黙りたい人)
- 正しさのぶつけ合いになっている
ここで苦しくなるのは、
「相手を変えれば解決する」と思うほど、変わらない現実にぶつかるからなんですね。
彼が言う「理解できない」は、
「俺の正しさが通らない」なのかもしれないし、
「君の気持ちが見えなくてどうしたらいいか分からない」なのかもしれない。
どちらにせよ、二人の間で共有したかった”良い感情”を共有できていない可能性は高いです。
ただ、同時に、今、”この瞬間感じている感情”を共有している、
つまり、お互いが「理解できない」という思いだけ共有している可能性は極めて高いです。
この「パートナーと共有している気持ち」のあり方次第で、関係性は変わっていってしまう。
これが僕の臨床経験での実感であり、心の不思議な部分でもあります。
※ここは関連として、こちらの記事も参考にしてみてください。
▶関連記事:パートナーは同じ感情を共有する
もしかすると、あなたも「私なりに理解してきたつもりだけど…」と思っていませんか
ここ、少しだけシビアな話をしますね。
彼が「理解できない」と言うとき、
あなた側にも、こんな実感が出ていることがあります。
「私なりに理解してきたつもりだけど、通じ合えない」
この実感が出ているなら、
問題は「誰が悪い」ではなく、
“通じ合うための土台(位置・距離・やり方)が噛み合っていない”という可能性が高いです。
そしてこのとき、頑張り方を間違えると、
関係の中で、あなたの立ち位置が下がっていくことがあります。
- 謝って終わらせる癖がつく
- 自分の気持ちを言う前に、相手の反応を優先する
- 正解探しで会話を続ける
だからこそ、いったん一呼吸おいて、自分の心と立ち位置を整えることを優先してほしいのです。
自分と相手を切り分ける|背負いすぎないための線引き
「自分と相手を切り分ける」とは、
冷たく突き放すことでも、見捨てることでもありません。
ここでいう切り分けは、シンプルにこうです。
- 彼がどう感じ、どう言うかは彼の領域
- それをどう受け取り、どこまで背負うかはあなたの領域
「理解できない」と言われた瞬間、
言われた側は、つい自分を責めやすいんですよね。
でも、相手の感情や結論まで、全部あなたが抱える必要はありません。
もし、頭がぐるぐるしてきたら、こう確認してみてください。
「私は今、彼の疲労感や限界まで背負おうとしていないだろうか?」
この線引きが持てると、
相手を助けようとしすぎたり、分からせようとして消耗したり、
そういう“空回り”が減っていきます。
この言葉を言われたときの返し方|「反撃」でも「謝罪一本」でもない
「理解できない」と言われたとき、
その場で勝負をつけようとすると、たいていこじれます。
おすすめは、まず相手の実感だけを受け取ることです。
たとえば、こんな返し方。
- 「そう感じさせてたなら、しんどかったよね」
- 「分かろうとしてくれてたのは伝わったよ」
- 「いま、何が一番しんどい?」
ポイントは、
「あなたの言い分は正しい」まで渡さないこと。
でも、「しんどい実感」だけは受け取ること。
この違いは大きいです。
逆に、相手が一方的に責めてくる、人格否定をする、脅す、などがある場合は、
この対応でどうにかしようとしないでください。
そこは別の話です。
まとめ|「理解できない」は、誰かの欠陥ではなく、通じ合えなさのサインかもしれない
「もう君のことが理解できない」と言われたとき、
あなたが一番先にやるべきことは、
自分を小さくして謝り続けることでも、相手を論破することでもなく、
自分の心と立ち位置を整え直すことです。
- 彼は彼なりに理解しようとしたけれど、通じ合えない実感が積み上がっているのかもしれない
- あなたも「私なりに理解してきたつもりだけど…」と感じているなら、土台のズレが起きている可能性がある
- 自分と相手を切り分けて、背負いすぎない
関係を続けるにしても、見直すにしても、
あなたがあなたの位置に立つことが、いちばんの土台になります。
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