こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、恋愛(ときには夫婦関係)でよく伺うご相談のひとつ。
「彼との距離がなかなか縮まらない」
そして、もう少し具体的に言うなら
「彼が甘えてこない/頼ってこない。むしろ距離を取りたがる」
そんなケースについて、心の面から整理してみます。
彼があなたを好きなら、もう少し近づいてくれそうなのに。
甘えてくれてもよさそうなのに。
頼ってくれてもよさそうなのに。
でも現実は、近づいたと思ったら引く。
手を伸ばしたら、ふっと距離ができる。
「私、何かした?」と不安になる。
今日はこの状態を、できるだけ「善悪」ではなく、立ち位置の話として扱ってみます。
Index
最初に:この記事で扱う話と、扱わない話
先に大事な整理をしておきますね。
彼が甘えてこない理由は、ひとつではありません。
本当に気持ちが冷めている場合もあるし、そもそも関係を深める意思が薄くなっていることもあります。
この記事で扱うのは、そういう「気持ちが離れている」話ではなく、
関係を壊したいわけではないのに、甘えること(頼ること)だけを避けてしまう男性心理
についてです。
「好きじゃないから甘えない」のではなく、
「好きだからこそ、甘えたくなるのが怖い」
というタイプの話ですね。
彼が甘えてこないのは、あなたを必要としているから
いきなり逆説みたいになりますけど、今日の結論はこれです。
彼が甘えてこないのは、あなたを必要としているから。
もう少し丁寧に言うと、
あなたを必要としているからこそ、「甘えた瞬間に関係の立ち位置が変わる」ことを怖れてしまう。
彼の中では、甘えることは「一回の行動」ではなく、
関係の構造そのものが動く合図みたいに感じられていることがあります。
だから、甘えるくらいなら、距離を取る。
頼るくらいなら、ひとりで頑張る。
近づくくらいなら、少し冷たくする。
そのほうが、立ち位置が変わらずに済むから。
「甘える」って、実は“感情”じゃなく“位置”の話なんです
ここ、けっこう大事なんですけど。
多くの人が「甘える=可愛い/優しい/安心」と思いがちです。
もちろんそういう側面もある。
ただ、あるタイプの男性にとっての「甘える」は、
「支えられる側に立つ」ことを意味します。
これが何を引き起こすかというと、例えばこんな感覚です。
- 弱みを見せたら、主導権がなくなる
- 依存したら、ダサい(恥ずかしい)
- 頼ったら、相手に迷惑をかける
- 相手の期待に応えられなくなったら終わる
このタイプは、恋愛の中で「守る側」「支える側」「ちゃんとしてる側」に立ってきたことが多いです。
あるいは、そう立つことで、ようやく関係が安定してきた。
だから、甘えることは、
“自分が保ってきた立ち位置を降りる行為”
になってしまうんですね。
そりゃ、怖いです。
(愛想の話じゃなくて、心の構造の話として怖い。)
甘えたくなるから距離を取る男性の、よくある心の流れ
彼の中で起きていることを、流れとして書いてみます。
1:あなたが安心の対象になる
近づくほど、あなたが「安心できる相手」になっていく。
つまり、必要度が上がっていく。
2:安心が強くなるほど、依存の気配が出る
人は必要な相手ほど、頼りたくなるし、甘えたくなるし、弱さが出ます。
それ自体は自然なことです。
3:でも彼の中で“依存=負け”の観念が発動する
ここで、彼の中の古いルールが動きます。
「頼るのはダメ」
「甘えたら自分が終わる」
「弱みを見せたら愛されない」
「どっぷり惚れて別れたら激痛(え?そんな経験があるの?)」
4:結果、甘える前に距離を取る
本人の自覚としては、
「なんか近いのがしんどい」
「一人の時間がほしい」
「最近、うまく笑えない」
くらいの感覚で起きます。
ここで重要なのは、
「あなたが嫌になったから距離を取る」ではなく、あなたが必要になりそうだから距離を取る
という逆の動きになっていることです。
見分け方:それは「拒絶」なのか「立ち位置の防衛」なのか
ここ、読者の方が一番気になるところだと思うんです。
「それって都合よく解釈してるだけじゃない?」って。
うん、分かります。
なので、断定ではなく“観察の視点”として書きますね。
拒絶(気持ちが離れている)方向のときは、
関係を続けようとする動き自体が薄くなることが多いです。
一方、立ち位置の防衛(好きなのに甘えられない)方向のときは、
距離を取りつつも、関係を切ろうとはしないことが多い。
- 必要な連絡は切らない(完全には消えない)
- あなたの状態を気にしている気配が残る
- 距離は取るのに「別れ」に踏み込まない
- 近づいた後に急に引く(波がある)
ただ、これも「だから安心して待て」という話ではないです。
あなたの苦しさが減らないなら、調整が必要です。
じゃあ、どう向き合えばいいのか:ポイントは“説得”ではなく“位置を変えない関わり”
このタイプの男性に対して、やりがちなのが
「甘えてよ」「もっと頼ってよ」「なんで言ってくれないの」
と、正面から“甘え”を取りにいくこと。
もちろん、その気持ちは自然です。
だって寂しいし、不安だし、関係として不安定ですからね。
でも、相手が「甘える=立ち位置が変わる」と感じているとき、
甘えを求められるほど、彼はますます防衛します。
なのでコツは、
「甘えろ」ではなく「甘えても立ち位置が崩れない」体験を少しずつ作る
ことです。
具体的にできること:甘えさせるのではなく、“小さく頼る”を設計する
1:入口は「要求」じゃなく「共有」にする
例えば、こんな言い方です。
- 「最近ちょっと距離を感じて、不安になることがある」
- 「責めたいわけじゃなくて、私の状態を伝えたかった」
- 「どうしたら二人が楽になるか、一緒に考えたい」
ポイントは、彼を裁かないこと。
そして、結論を急がないこと。
2:「甘えて」ではなく「これ、お願いしていい?」にする
“甘え”は重いです。
立ち位置が動く合図になりやすい。
なので、やるなら軽量化します。
- 「今週、どこかで一緒にご飯食べる日つくっていい?」
- 「予定、ざっくりでも共有してもらえると安心する」
- 「今日は5分だけ、声聞きたい」
彼が「支えられる側」になるのではなく、
「二人で調整する」の形にする。
3:あなたが“揺れない足場”を持つ
これは精神論じゃなくて、心の構造の話です。
相手が距離を取るタイプだと、こちらは不安で追いかけたくなる。
追いかけるほど相手は逃げる。
このループができると、関係は「追う・逃げる」の立ち位置になります。
だから、あなた側に足場が必要です。
- 友人と話す
- 自分の生活の軸を整える
- 恋愛以外の充実を増やす
これは「彼のため」じゃなく、あなたのため。
あなたの足場が整うと、彼の防衛も刺激されにくくなります。
4:最後に大事:あなたが“我慢役”に固定されないこと
彼が甘えられない背景が何であれ、
あなたがずっと「分かってあげる役」や「待つ役」に固定されるなら、それは関係として歪みます。
ここは誤魔化さないほうがいい。
優しさは大事だけど、役割になると関係が死にます。
なので、「理解しながら調整する」くらいがちょうどいいと思います。
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まとめ:彼が甘えないのは、あなたを必要としているからこそ起きる“立ち位置の防衛”かもしれない
彼が甘えてこない。
距離を取る。
近づいたと思ったら引く。
こういうとき、つい「愛情がないのでは」と考えたくなります。
でも、関係の中には、
必要としているからこそ、甘えた瞬間に立ち位置が変わることを怖れてしまう
という動きもあります。
だからこそ、
説得で動かすのではなく、
位置が崩れない形で、少しずつ関わり方を調整すること。
そして何より、
あなた自身が「我慢役」に固定されないこと。
この2つが、現実的なポイントになると思います。
今日は以上です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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