こんにちは、心理カウンセラーの浅野寿和です。
毎週金曜は「深読みさん」や「忍耐女子」についての話をしていますが、今日は、少し胸がキュッとするテーマかもしれません。
テーマは、「通じ合おうとしたけど、拒絶されたとき」の話。
Index
ただ近づこうとしただけだった
人とちゃんと向き合いたいと思って、
タイミングをはかって、空気を読んで、言葉を選んで、
勇気を出して距離を縮めようとした。
でも、相手はスッと距離を取った。
……なんで?
怒らせたわけでもないし、責めたつもりもない。
むしろ、相手が受け取りやすいように、
すごく考えて近づいたはずだったのに。
そんな経験、ありませんか?
これは「回避型の彼」の話にも見えるかもしれません。
たしかに、そういう恋愛のかたちもある。
でも、今日扱いたいのは**「近づこうとした側」の心の話**です。
「自分のやり方が通じなかった」痛み
たとえば、深読みさんや忍耐女子と呼ばれるような方々は、どこか「相手を大事にしよう」とする気持ちが強いのかもしれません。
相手のペースや心情を読み取って、ぶつかることなく関係を築こうとする。
これは本当に素晴らしい力。
ただ、そのやり方は、自分の想いをじかにぶつけるよりずっと繊細で、消耗するものでもあるのですよねぇ。
だからこそ、「ちょっとだけ近づく」という行為にも、実は大きな覚悟があったりするんです。
それでも一歩踏み出した。
「ちゃんと向き合いたい」「本当の気持ちを伝えたい」
そんな気持ちを込めて、そっと近づいてみた。
でも、返ってきたのは、「それ以上は来ないで」と言わんばかりの張りつめた空気。
その場で拒否されることもあれば、じわじわと距離を置かれることもある。
思いが通じないとき、人は自分を疑いはじめる
このとき、深読みさんや忍耐女子さんが傷つくのは、相手から拒絶されたという「事実」だけではない気がするんです。
それよりも、
「自分が大事にしてきた思いが通じなかった」
という感覚に、深く刺さる。
ずっと、自分なりに考えて、
関係を壊さないようにして、
相手に負担をかけないようにして、
誠実に、関係を続けようとしてきた。
その方法で、なんとか信頼関係を作ってきた。
そのやり方が、自分にとっての「思い」。
でも、それが“何の効果もなかった”ように見える瞬間がある。
その瞬間、深読みさんはただ傷つくのではなく、自分の在り方そのものに不信感を抱いてしまうことすらあるんです。
「こんなに察して、我慢して、歩み寄ったのに」
「それでもダメだったってことは、もうどうすればいいの?」
ここで自己否定が始まってしまうと、本当に苦しい。
そもそも傷ついたのは「思いが足りなかったから」じゃなくて、すでに十分、誠実に向き合った結果だったはずなのでね。
このとき、誠実さが否定されたような気がする。
やさしさが通じないって、こんなにも無力なんだと感じるものなんでしょう。
結果、僕に「男ってなんであんな感じなんですか?」というクレーム、もとい、ご意見を賜ることになろ、というね(^^;
拒絶の裏にある、相手自身も気づいていない“怖さ”
でも、今日は少しだけ視点を変えてみたいのです。
そもそも、相手が拒絶してきた背景には、本人にもよくわからない怖さや不安がある場合も少なくないんです。
よく親密感への恐れだの、愛されることへの怖れだの、そんな話がありますけどね。
実際、僕もこの手の怖れは強力だ、と理解していますよ。
今日のnoteでも似た話を書きましたが
そういった怖れって、だいたい自覚されない事が多いですよね。
「幸せになることが怖いんだ」と明確に自覚できる人のほうが少ない。
無自覚に幸せを回避しているので幸せじゃないという結果が手に入ることのほうが多いと思うのです。
そんな人の中には
- 期待されるのが苦手
- 自分の弱さを見透かされるのが嫌
- できない自分を見られるのが怖い
など、いろんな“受け取れなさ”があるものですわねぇ。
その“理由のない拒絶”に直面したとき、こちらが先に深読みしすぎると、ただ自分が傷ついてしまうことにもなりかねんのです。
本当に通じ合いたかったなら、「詰めない理解」が必要になる
でも、それでも、関係を築いていきたいなら、僕は、こう考えるのもひとつの選択だと思っています。
「相手が怖がっているとして、しかし、その怖れを自覚していない相手に、どう近づけばいいか?」
この問いの中には、関係を築くうえで必要な、自己存在感と境界の知恵が詰まっている気がします。
だから、「もう察するのやめよう」「私ばっかり我慢してる」って思いたくなるのも当然でしょうよ。
ただ、それって、自分がずっと“信じてきたやり方”が通じなかったときの痛みかもしれない。
あなたの真心や誠実さが傷ついているのではなくて、ね。
だから、まぁ、いいか悪いか別にして、相手をコントロールしたくなるとも言えるのかもしれないし。
ただ、それってむしろ、それだけ誰かと通じ合いたかった証拠でもありますよね。
だから今、もし少しでも心に余裕があるなら、
「相手を詰めずに、でも自分の存在は引かない」
そんな関わり方を考えてみてもいいかもしれません。
たしかに、若干、いや、結構?骨が折れるプロセスになりやすいので、楽に簡単に幸せになることを考えるなら、また別の道を考えることもまた、悪い選択じゃないです。
ただ、向き合いたいと思うなら、いろいろと準備したうえで、自分自身がサポートを受けながら、がいい気がしますね。
そうやって関係を築いていった先に、「ちゃんと通じる人」と出会える可能性は、きっとあるのだと思いますよ。
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