すれ違う夫婦の心理

“察してくれない夫”に疲れる理由 〜わかってくれないより、「わかろうとされない」のが一番しんどい〜

喧嘩する男女

【「わかってほしい」とは、あまり言いたくないけれど】

夫婦関係のご相談でよく出てくるワードがあります。

「いや、別に何もしてくれなくていいんです。

ただ……少しくらい、気づいてくれてもよくないですか?」

このあたりのセリフって、たぶん、もう言い慣れてる人もいると思うし、

できるなら言いたくないセリフかもしれません。

ただ、長く一緒に暮らしていると、どうしても積み重なってくるんですよね。

「伝えるほどのことじゃない気がするけど、なんかしんどい」っていう、あの感じ。


察してくれない夫に疲れる理由

たとえばこんな日。

朝から晩まで家事と育児で、やっと一息ついたとき。

疲れて座り込んでる自分の横で、夫はスマホ片手に「今日の晩ごはん、なに?」

この瞬間、何かが静かに崩れ落ちるような感覚、ありませんか。

いや、別にエスパーになってくれとは言ってない。

でも、せめて「今日どうだった?」のひとことくらい、あるだろうと。

つまり「わかってくれない」ことそのものより、そもそも“わかろうとしてない”感じが一番こたえるわけです。


「察してほしい」は、関係性への問いかけ

よく、「察してほしいなんて甘えだ」みたいな話もありますけど、

あれ、そんな単純な話じゃないです。

たとえば

  • 私って、ただの便利な人になってない?
  • 一緒にいる意味って、まだあるのかな?
  • 今の私、見えてる?

こんな“関係性そのものへの問いかけ”が、「察してほしい」という形で出てきてることもある。

言い方を変えれば、

「私のこと、まだ気にかけてくれてる?」という確認作業みたいなもの。

それが何度もスルーされてると、だんだん言葉にもしなくなってくる。

……いや、言うのが面倒になる、のほうが近いかもしれません。


伝えなきゃいけない、でも伝える気力がない

パートナーって、いちばん話しやすい存在のはずなんですけど、

実際は「いちばん説明がめんどくさい相手」になってるケースも少なくないんです。

  • どうせわかってくれないし
  • 言ったところで面倒くさがられるし
  • もう、何回同じこと言ってんの?って自分で思っちゃうし

そんなことが続くと、「もういっか」となる。

「もういっか」は諦めのサインでもあり、ときに小さな絶望だったりもする。


じゃあどうしたらいいのか、って話

ここで「ちゃんと伝えましょう」って言うのも正論っぽいけど、たぶんそれができてたら、もう悩んでないんですよね。

だからまずは、「察してほしいと思う自分」を責めないこと。

それだけで随分違います。

  • ちゃんと相手に関心を持ってきたからこそ、そう思うんです。
  • 関係を壊したくないからこそ、言葉を選んでるんです。
  • なんなら、優しさがベースなんです。

まずはそこに、自分で気づいてあげてほしい。

「なんで私ばっかり……」と思ってしまうのは、それだけちゃんと“人と関わろうとしてきた証拠”だったりするので。


解決より、関心。

この言葉、夫婦関係ではけっこう大事だと思ってます。

たとえば……

  • 「どうすればいい?」じゃなくて、「大変だった?」
  • 「何が正しいか」よりも、「その気持ち、しんどいよね」

そんなふうに、正解じゃなくて、関心を寄せてくれることが、一番の救いになることがある。

だから、「わかろうとしてくれてるな」と感じるだけで、ちょっと泣きたくなるくらい、心がふわっと軽くなるんです。


こちらの記事もどうぞ

相手の気持を考える男女
こじれた夫婦関係、修復の鍵は「自分の感情」を”敵”にしないことだったこんにちは、心理カウンセラーの浅野寿和です。 「夫婦関係が冷え切ってしまった、あるいは激しくぶつかり合ってしまう…」。 一度こじれて...

まとめ|察してくれない人に疲れたあなたへ

人って、完全にはわかり合えないものです。

でも、わかろうとしてくれるかどうかは、ぜんぜん違う。

それだけで、心の距離って、ちゃんと変わる。

だから、もし今のあなたが「なんか、もう疲れたな」と思っていたとしたら。

それはあなたが、ずっと関係を育てようとしてきた人だってことです。

そのことだけは、どうか忘れずにいてほしいなと思います。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績9000件/東京・名古屋・オンライン対応。
もっと知りたいとき、解決したいとき── 「今の私」を、もう一歩だけ前に進めるための4つの方法

読むから、整えるへ。

浅野寿和のブログは、考えるだけでなく“関係を変えるための心理学”を届けています。ここから、あなた自身のペースで一歩ずつ整えていきましょう。

誠実に頑張ってきた人のための、“心の整え方”

毎月6万人が訪れる心理ブログ。責任や孤独、関係の悩みなど“大人のこじれたテーマ”を、月・水・金に新作コラムでお届けしています。

👉 一人では解けなかったお悩みを、さまざまな視点から整理する記事です。日常の気づきにお役立てください。

もっと深く知りたい方へ|無料メールマガジン

ブログでは書けない“リアルな話”もお届け。考えるだけでなく、“実生活で整える”ためのヒントを週3回(火・木・土)配信します。あなたのペースで、心の理解を“使える気づき”に変えていきましょう。

  • 読者限定:講座先行予約のご案内
  • 登録特典:「心を整える7日間ワークブック」無料プレゼント

“大人”の日常に効く心理学講座

わかっているのに動けない」——そんな時期を抜けるためのオンライン講座。心理を“知る”だけでなく、“活かす”90分

毎月さまざまなテーマで開催。あなたの優しさを、使える力に整えていきましょう。

 

頑張ってきたのに、幸せな未来が描けないあなたへ

頑張ってきたのに、まだ心のどこかが動けない。その優しさや誠実さを、“もう一度使えるように”整えるカウンセリング。

あなたと同じように“優しさの使い方”に迷ってきた人が、ここから少しずつ自分を整えてきました。浅野が、あなたの思考と感情の流れを丁寧にトレースしながら、“自分を責めないまま関係を整える”サポートを行っています。