「言いたいことがあったら言ってね」は、どこまで信用していい? |その言葉がすれ違いを生む理由と、男女の“困ったとき”の前提
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、地味に検索されていて、でも答えが見つかりにくいテーマを扱います。
「言いたいことがあったらいつでも言ってね」
「何かあったらいつでも言ってね」
この言葉、優しさのつもりで言っているのは分かる。
でも、言われた側としては、どこかでこう思うこともありますよね。
「・・・これ、どこまで信用していいんだろう」
言ったら言ったで、空気が変わりそう。
重いって思われそう。
相手を困らせそう。
でも、恋愛や夫婦の関係なら、何も言わないまま抱え込むのも冷たい気がする。
この記事では、
- 「言いたいことがあったら言ってね」が信用しづらい理由
- 職場・恋愛・夫婦で意味が変わる話
- 男女で“困ったとき”の前提がズレやすい話
- そして、そのズレが投影として起きる話
このあたりを、整理していきます。
Index
「言いたいことがあったら言ってね」は、本当に“言っていい”のか?
まず、一般的な対人関係の文脈では、こういう言葉には独特の空気があります。
たとえば、友達同士や、そこまで深くない関係で、
「何かあったら言ってね」
と言われたとしても、実際にはこういう“暗黙の了解”が混ざっていることが多い。
- 本当に深刻な話は、ここでしないでね
- 重たい話を持ち込まないでね
- 愚痴はほどほどにね
もちろん、いい悪いの話ではありません。
そういった空気、暗黙のルールのようなものですしね。
だから、言われた側はこう思うのですよ。
「“言ってね”と言われてもなぁ。ほんとに話してドン引きされたら激痛。」
だから「信用できない」というより、
“信用する前に、慎重になる言葉”になりやすいんです。
でも、職場・恋愛・夫婦では話が変わる
ここがややこしいところで。
同じこの「言ってね」も、関係性によって意味が変わります。
職場の場合
職場だと、困りごとを共有して解決することは大事ですよね。
「何かあったら言ってね」は、割とそのままの意味で機能しやすい。
- 業務が回らない
- ミスが増える
- チーム全体が崩れる
こういうリスクがあるので、共有が“必要”になります。
なので、さすがにガチンコのプライベートな相談事までは持ち込めないにしても
仕事上の相談などは持ち込んでOKかなぁ、というラインですよね。
※ガチンコのプライベートな相談事は、僕のようなカウンセラーまでどうぞ。
恋愛・夫婦の場合
一方で恋愛や夫婦だと、
「言わない」「共有しない」「抱え込む」
が続くと、関係の温度が下がったり、距離ができたりしますよね。
だから、言うことには価値があるんです。
ただし、ここで問題が起きるんです。
恋愛や夫婦では、伝えることが必要だと分かっている。
けれど、社会的な学習の結果「言いたいことがあったら言って」といわれても、なかなかそれが難しい。
ときには、
「言いたいことがあったら言って」
→なので、言ってみた
→「なんで今まで黙ってたのよ!」とガチキレられる(^^;
・・・このライン(の空想、いや、履歴?)も捨てきれないので、なかなか言い出しにくいことも。
ねぇ、人間は防衛の生き物ですから・・・。
このあたりの矛盾や葛藤が、言葉の意味や解釈のズレやすさの温床ですね。
この言葉にズレが生まれる理由|男女の“困ったとき”の前提の違い
ここからは「傾向」の話として書きます。
もちろん例外はありますし、良い悪いの話ではありません。
ただ、恋愛・夫婦の現場では、こういうズレが起きやすいんですよね。
女性に多い傾向:「困っていなくても、話を聞いてほしい」
女性側が「言ってね」と言うとき、
“問題が起きたら助ける”というより、
“今の気持ちを共有してほしい”が含まれていることがあります。
つまり、
- 困ってなくても話していい
- 気持ちを言葉にするだけでもいい
- 一緒に考えることが安心
こういう「つながり前提」の言葉になりやすいんです。
男性に多い傾向:「本当に困ったときだけ相談する」
一方で男性側は、
「困ったら言う」=“解決が必要な状態になったら言う”
という前提で動いていることがあります。
- 自分で処理できるうちは言わない
- 言う=負担をかける、迷惑になる
- 助けを求める=負け、みたいな感覚が残っている
なので「言ってね」と言われても、
「まだ困ってない(=自分で何とかできる)」
と感じていれば言わない。
ここでズレが起きます。
女性側:「気持ちの共有」
男性側:「解決の相談」
同じ言葉を使っていても、指しているものが違う。
実はここに「投影」が起きている
ここ、今日いちばん大事なところです。
人は、相手の言葉を聞くときに、無意識にこう解釈しがちです。
「自分ならこうする」
「自分の前提なら、こういう意味だ」
つまり、
自分の“困ったときの態度”が、そのまま相手の意味づけに投影されるんです。
たとえば、女性側は
「私は、困ってなくても話す」
という前提で生きていると、
相手が話さないことを「冷たい」「距離を感じる」と意味づけやすい。
逆に男性側は
「本当に困ったら言う」
が前提なので、
相手が“まだ困ってない話”を持ち込んでくると、要求されたように感じやすい。
このズレは、善悪の問題ではなく、
前提が違うまま、同じ言葉を使っている問題なんですよね。
「信用する・しない」ではなく、前提をすり合わせる
結局のところ、
「言ってね」を信用していいかどうか、という二択にすると苦しくなります。
大事なのは、ここです。
この人は、困ったときに話す人なのか?
それとも、困ってなくても共有したい人なのか?
そして自分は、どちらなのか。
この前提をきちんと抑えることです。
そこがズレたまま「言ってね」だけが飛び交うと、
- 言わない側は「責められる」
- 言いたい側は「拒絶される」
みたいな感じになりやすいんです。
何より大切な視点は
「自分と相手は違う」
たったそれだけなんですよ。
まとめ
「言いたいことがあったら言ってね」「何かあったら言ってね」は、優しさの言葉です。
だから、いちいち僕のように意味をこねくり回して考える必要はないと思いますよ(^^;
ただ、関係性によって意味が変わる言葉でもあり、
男女で“困ったとき”の前提がズレやすい言葉ではあります。
だから、答えは「信用する・しない」ではなく、
自分と相手をよく知り、前提を踏まえることかもしれません。
この違いを、善悪ではなく“前提”として整理できたとき、
たぶん関係は、もう少しだけ穏やかなものになりますよ、きっと。
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