恋愛・夫婦の心理学

言いたいことを伝えて彼を傷つけてしまった可能性がある場合、どうしたらいいでしょうか?

浅野先生へのご質問

彼との交際は2年です。
彼の方が年上です。末っ子気質でマイペースですが責任感が強い性格です。2人きりの時は甘く優しい雰囲気になります。(以前ブログに掲載していただいた時よりそう感じられるようになりました。)
私は言いたいことを飲み込みがちでしたが、アドバイスを頂いてから出来る限り伝える努力をするようになり、そのお陰もあって仲が深まった感じがしていました。

しかしセックスに関することで「言いたいことを伝えた」結果、彼を傷つけてしまったかもしれないのです。

私はセックス中は彼の普段見せない甘さや優しさに包まれるのが好きです。しかし、先日私が苦しい思い (彼としては悪気なし) をしてしまい、後日LINEで下記のことを伝えました。

①セックス中の行為が苦しくて怖かったので控えて欲しい
②怖い思いはしたけど彼とのふれ合いは幸せなこと
③上記2つを伝えるのが遅くなった謝罪

③についてですが、私はセックス中は行為に集中しており、感情が追いつかなくて、冷静になってから「怖かった…苦しかった…」となりがちなので、遅くなったことを謝りました。

彼から「苦しい思いをさせてごめんね」と返信があり、それでこの話は終わりになりました。

このLINEの後1度彼と外デートの機会がありましたが、以前は手を繋ぐこともありましたがこの日はなし。ですが会話をしている様子はいつも通りでした。

セックスに関することを伝えてからLINEの既読・未読スルーが増えました。以前は時間が空いても返信はありましたがそれも減っている状態です。
何より「近いうちに会いたいな」という話は出るものの会えていません。

浅野先生の以前のブログで「セックスを断られると自分自身を受け入れてもらえないと感じる」といった旨の記事があることを思い出し、もしかして彼もそう感じているのでは?と思いました。
また、彼自身の意図していないところで私を傷つけて苦しい思いをさせてしまった罪悪感を強く感じ (責任感が強いのも相まって)、無意識に避けているのかも?と感じています。

他には彼の方も何か思うところはあるけど、どう伝えればいいかわからず我慢している?とも考えています。元々言葉で伝えるのは苦手な性格のようなので。

勿論、彼の職業特有の忙しさや一人の時間を欲しがる側面があるので連絡頻度や会えないことについては、上記のことだけが原因ではないと思っています。

彼も私もスキンシップやセックスが「癒し」という共通認識があります。実際彼は「ふれあいは癒されるよ」と口にしていましたし、2人きりの時はスキンシップは欠かしません。

言いたいことを伝えた結果、彼を傷つけてしまった可能性がある場合、関係修復に向けて彼とどのように向き合えばいいのでしょうか。

ネタ募集ネーム:さえさん

さえさん、おまたせしました。ネタのご協力ありがとうございます。

今回のご質問は「言いたいことを伝えた結果、彼を傷つけてしまった可能性がある場合、関係修復に向けて彼とどのように向き合えばいいのでしょうか」ですね。

では、早速僕なりの回答をお伝えしたいと思います。

よろしければどうぞ。

言いたいことを言ったら相手から反応がなくなった。その時何が起こったか?

さて、今回のご質問は、彼に対してあなたがなかなか言えなかったことを素直に、かつ、あなたなりに丁寧に率直に伝えたのだけれど、それ以後彼からの反応が薄くなった、ということですね。

確かに僕が以前に書いたこの記事には

エッチを断ると不機嫌になる彼の心理を解説する今日は「エッチを断ると不機嫌になる彼の心理」を解説してみました。まぁここでの男性心理は一つではなく、様々考えられるのですが、最もよくある話は、エッチを断られたことで受容されていないと男性が感じるケースです。...

「セックスを断られると自分自身を受け入れてもらえないと感じる」と言ったことを書いています。

これもまた真実だと僕は思いますよ。

ただ、今回のさえさんの事例の場合、確かに彼があなたに拒絶されたと感じた可能性も否定できないのですが、また別の事情で反応が薄くなっている可能性もあるのではないか、と僕は思うのですよ。

まず、さえさんが努力され、言いたいことを伝えるようになって仲が深まったということは素晴らしいことだと思います。

その一方で、彼との関係の中で怖い思いや無理をされていたことは、きっとお辛いことだったろうと思うのです。

そしてそのあなたが悪いわけでは決してありませんよ。

そして、その気持ちや事実を勇気を持ってお伝えになったことは意味あることだと僕は思うのです。

きっと言いづらかったのでは?と思いますしね。

そこに問題ではない、と僕は思います。

ただ、さえさんがお伝えになったことには一つ抜けている大切な話があるのではないか、と僕は思うのです。

それこそが

「さえさんが今後どのような関係を望むのか」であるとか

「さえさん自身が怖い思い、お辛い思いをされたあと、彼との関係をどうしたいのか」という部分です。

繰り返しになりますが、さえさんが率直にお気持ちをお伝えになるには勇気が必要だっただろうな、と思うのですよ。

そして、さえさん自身も目一杯考えてお伝えになったのではないか、と思うのです。

ただ、あえて彼の視点でものを見るとしたら(これが僕の予想でしかないですが)

「彼女はエッチで怖い思いをした」と伝えてきた。
それは怖い思いをさせて申し訳ないと思う。
ただ、彼女は今後この関係をどうしたいのだろうか?
彼女が怖い思いをするならば、今後は関係を持たないほうがいいのではないだろうか。
(こちらも意図的に相手を傷つけたくないし)
また、今後も彼女の状況が変わらないとしたら、こちらから関わることにためらいを感じる・・・。

なんて風に考える可能性ってないだろうか、とも思うのです。

もちろんこれはあくまで可能性でしかないのですけども。

何がお伝えしたいかといいますと

「彼女からの言葉を受けて、彼としては二人の関係をどう持っていけばいいかわからなくなっているのでは」

ということですね。

悪意なき「提案なき反論」に注意しよう

これはさえさんのお話に限ったことではないのですが、よく

「パートナーには我慢せず言いたいことを言おう」
「我慢ばかりしていると辛くなりすぎて関係を壊しかねないよ」

なんて話がありますけども。

これ、僕もその通りだろうな、と思うのです。

言いたいことはちゃんと言ったほうがいい、ということに僕も同意するのです。

が、これはあくまで「自分の気持ちをちゃんと整理して、言いたいことを最後までちゃんと伝える」ということであって、ただ自分が感じること、今抱えている気持ちを伝えればいいということではないのです。

このようなケースで僕は『悪意のない「提案なき反論」に注意しよう』とお伝えすることがありますよ。

パートナーとの関係ではどうしてもニーズが出やすかったり、相手の様子をうかがいすぎて(時には「嫌われたくない」という思いが強すぎて)断片的な思いの表現ばかり続けてしまうことがあるんですね。

ただ、自分の気持ちを表現することはいいのですが、それだけ終わってしまうと、相手としては謝る以外の反応が思いつかなくなることもあり得るだろうと僕は思うのです。

もちろん彼女からの勇気ある表現を受けて「これからは〇〇していこう」と提案できる男性ならばいいのかもしれません。

ただ、今回のような繊細な案件の場合、「怖かった」と言われた側も加害者意識を感じて、申し訳無さが先行してしまう可能性もありえるでしょう。

だから、言われた彼の側も「あなたがどうしたいのか」を推し量ろうとするのではないか、と。

同時に、今の自分にできることはあるのか?ともお考えになるのではないでしょうか。

もちろんさえさんは「②怖い思いはしたけど彼とのふれ合いは幸せなこと」をお伝えになっているわけで、そこを彼には理解して欲しいところかもしれませんよね。

僕はあなたが彼との関係を継続することを望んでいるように思うのです。

が、セックスなどの繊細な話の中では、彼が「怖いの?幸せなの?どっち?」と混乱してしまうこともあるでしょう。

また、「これからも彼女が怖い思いをするとしたら、そういった関係にはならないほうが彼女のためになるよね」と思う可能性だってありえるのではないか、と。

特にセックスに関する話は、いわば自己嫌悪や罪悪感、自己価値に直結しやすいことなので、なかなか前向きな反応を返すことが難しいと感じる人も多いのです。

ネガティブなコミュニケーションをするなら「自分の気持ち・意志・今後の展望」は伝えておこう

例えば、今回の場合であれば

「あなたが怖い思いをした」ということに加えて、

彼との関係をどうしたいのか?
今の自分の状況をどう変化させていきたいのか?

など、いわば、あなたの意思やこの先の見通しなどを同時にお伝えになることで、相手が反応に困ることは減るのかもしれません。

もちろん彼が何を考え、何を感じているか、その真実は彼に聞いてみないとわからないことではあります。

が、個人的な経験をお伝えするならば、「これからのこと」「自分の意志」を話していなかったがゆえに、相手に誤解されてこじれてしまった関係というものをたくさん見てきた気がします。

これはパートナー間であっても、友人や家族関係、同僚などとの関係であっても同じなのですが、

できれば避けたいと思えど、どうしても避けられない「ネガティブなコミュニケーション」をせざるを得ない場合があると思うのです。

このとき「ネガティブなことをできるだけでマロヤカに表現しよう」と意識される方は多いのかもしれません。

ただ、もし避けられないネガティブなコミュニケーションがあるなら、伝えるべきことはきっちり伝えた上で

「なぜその気持ちを伝えたのか」
「これからどうしていきたいのか」
「今後のために自分はどうしていこうと考えているのか」

そういった「自分の気持ち・意志・今後の展望」まで伝えておくほうがいいかな、と僕は思います。

いわば、ネガティブなコミュニケーションを行うときほど丁寧に、といいますかね。

相手にこちらの真意が可能な限り伝わるような表現をすると、不必要な誤解を与えることを避けることもできるかもしれませんよ(まぁ話し方や話す相手にもよりますが)。

 

が、そうは言えども、まぁ言いにくいことを伝えるときって、そこまで気が回らないこともありますよね・・・。

ネガティブなことを伝える側もまた気を使いますからね。そもそも伝える側もあまりいい気持ちにはならないでしょうし。

そう考えると、ネガティブなコミュニケーションを上手に行うこともまた学びであり経験が必要なこと、とも言えるでしょうか。

だからこそ「自分の気持ち(言いたいこと)だけ言いっぱなす」なんて状態にならないように配慮することで、相手はよりあなたの真意を理解しやすくなる、とも言えるのです。

これも一つのわかりやすさ、といえばそうなるかな、と僕は思いますよ。

以上、なにか参考になりましたら幸いです。

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