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離婚後の恋愛がうまくいかない問題、とその対処法を考える
その当時はとてもつらかったけれど、今は新しい恋愛や結婚を望んでいるんです。
このまま一人でいることも辛いですし。
ただ、男性から好意を寄せられると、逃げたくなるというか、お断りしたくなるんです。積極的な気持ちが持てない、というか。
確かに、離婚という経験の影響で、その後の恋愛や結婚に対する抵抗感を感じ始める、というケースはある、と僕は考えています。
それは「もう失敗したくない」といった思いから生じることが多いんですが、実は深くその心を見つめていくと、また別の事情が見えてくることもあるんですよね。
そこで今日は「離婚後の恋愛がうまくいかない問題」」に関するコラムをまとめます。
今日はかなり長文になりますけど、よろしけれお付き合いください。
※以前執筆した「離婚後の恋愛に関して扱ったコラム」もありますので、よろしければこちらもどうぞ。
離婚後の恋愛がうまくいかない理由とその深層心理
「離婚後の恋愛がうまくいかなくなる心理」として考えられることは
「過去、愛する人とうまく愛し合えなかった」という事実や思いから生じる罪悪感や加害者意識の影響から、自分に孤独という罰を課しているです。
そもそも大人である僕たちの心は
「愛する人を一人選び、きちんと向き合って愛しぬくことで発達していく」という側面があります。
逆に、そこがうまくいかないと、自分自身が強い孤独感や停滞感を感じるようになることが多いんです。
そしてこの孤独は、人によって「自分に課した罰」のようなものになることがあるんです。
だから、離婚後一人で居続けることは望まないのだけど、なぜか異性に好意を抱かれると拒絶したくなる、なんてことが起こるのです。
それは、気づかない心の深いレベルで「離婚した自分に与えている罰が続く限り」です。
そして、
「この自分への罰を続けている限りはまた離婚という経験をすることはない」
という意味において、辛いことではありますが、自分に罰を与える動機もきちんと存在するわけですね。
離婚という経験を学びではなく罰として扱うと、強い孤独を感じる
僕たちは、愛する人とうまく愛し合えなかったという経験をしたときに
「あの経験から何を学ぼうか」「何を学び、どう次に活かそうか」
と考えることで、過去の経験を成功や幸せにつなぐことができるようになります。
が、愛し合うことに失敗した経験から、自分を情けなく思い、どこか罰を与える意識が強くなると、「あの経験から何を学ぶか」という発想を持ちにくくなるんです。
特に、離婚に至ったプロセスがいわば激痛を伴うものだった場合、多く「自分が選んだ愛する人を愛しきれなかった自分」に対する罰を、自ら与える場合があります。
その罰は「孤独でありつづけ、愛する人と関わらない」という形になる場合があるわけです。
例えば
「もうパートナーを作るのはやめよう」
「こんなにつらい思いをするなら、一人でいよう」
「自分はもう愛する人と関わってはいけないような気がする」
「いろいろ悩むぐらいなら一人のほうが気楽だ」
そんな思いとともに「孤独」「自立的な生き方」を選ぶようになることもある、という話です。
逆に「孤独ではなく愛する人と愛し合うこと」ができるなら、それは罰にならないわけですよね。
つまり、深層心理レベルでの罰が続いている限り、「愛し合う」「関わる」「信じ合う」ということを自らが選ばなくなる、というわけです。
※「自立的な生き方」に関する解説は次のコラムにありますので、よろしければご覧くださいね。
自分への罰と停滞感から生じる願望は葛藤を作る要因になる
ただ、その自分への罰である「孤独」や「自立的な生き方」は
強い停滞感を感じさせるもの、となりやすいんです。
例えば
「自分が全く成長していない感じがする」
「周囲から取り残されている気がする」
などと感じやすくなるんですね。
だから、また愛し合える人と関わろう、という願望を抱くことだってあると思うんです。
が、自分への罰が続いているなら、どれだけ幸せを望む気持ちがあったとしても、それは「絵に描いた餅」と扱うしかないんですよ。
自分自身が孤独であり、自立的な生き方を選ばない限り、罰ではなくなりますから。
つまり、自分を許す、過去から学ぶということがきちんと完了できていなと、自分への罰が続き
それが結果的に「また未来の幸せを望む気持ちを抱くこと」をきっかけに、大きな葛藤を作る要因となる、と考えることができるんです。
よって、カウンセリングなどでは
「過去の離婚や別れにまつわる感情をきちんと扱わせていただく」
というご提案をさせていただくことが少なくないんです。
もちろん、離婚に至ったプロセスでお互いがしっかり話し合い、きちんと気持ちの区切りがついているなら話は別かもしれませんよ。
「離婚後の恋愛がうまくいかない」を卒業する方法
さて、「離婚後の恋愛がうまくいかないを卒業する方法」一言でまとめるならば
「離婚(愛し合えなかった関係)という事実から学び、次に活かすこと」です。
「失敗は成功の先生」。
失敗した経験を全力で学びに変えて、愛し合える関係を導くように考えていくといいんです。
ただ、このようなお話をさせていただくと
「浅野さんの言いたいことは分かる、けど、なかなかうまくいかない」
というお声を伺うことも少なくないんです。
ただ、そう思うにもきちんと理由があるんですよ。
それこそ、離婚から学ぶ、という場面でも
「自分に何ができたのか?」「もっとうまくやる方法はなかったか」など
ついつい癖のように「自分中心」で物事を考えてしまうからです。
そもそも、自分中心、つまり「自立」が強くなれば愛し合うことなんてできなくなります。
また、自立が強くなると「相手の存在」「相手の気持ち」などはまるでなかったことになりますからね。
そこから何をどう学ぶのでしょうか?
なーんて僕はツッコんじゃうかもしれません(^^;
そこで、以前このブログでもご紹介した事例をご紹介したいと思います。
離婚後の恋愛がうまくいかなくなっちゃった、という事例
(ここからの話は、クライエント様から掲載の許可を頂いた話をさらに加工した「架空の話」としてご覧ください)
ある女性は、以前離婚を経験されたのです。
離婚の話し合いの中で、元の主人は彼女にこう告げたそうです。
君はとても頑張る人。仕事もプライベートもいつも一生懸命で素敵な人。
人として今でも尊敬しているよ。
君のことが嫌いになったわけじゃない。
でももう辛いんだ。そばにいて息苦しさを感じてしまう。
ごめん、これは僕の問題だ。本当に申し訳ない。別れてほしい。
彼女と元のご主人はお互いに大人で、思いやりの心があって、自立的で、仕事もプライベートもきちんとしている方。
周囲から羨ましがられるほどの二人だったのです。
だから、彼女は長く一緒にいられると信じていたし、まさか別れるだなんて想像していなかった。
その元のご主人の言葉は彼女の心の突き刺さり、泣き崩れてしまったそうです。
その後、いろいろWEBなどで調べた上で、カウンセリングにお越しくださいました。
彼女は自分を見つめなし、心のことも学び、持ち前のハートの強さで、彼を受け容れ、愛し、理解していきました。
彼女自身も心を癒やし、彼にとって居心地の良い空間を作ろうと努力されたのです。
そのおかげでご主人との関係は一度はもとに戻ったように、思えていたのです。
が、ある時、また「やっぱり一緒にはいられないと思う」とご主人から告げられます。
君の思いにはほんとうに頭が下がる。でも分かって欲しい。もう一緒にいると僕が僕でいられなくなる。
彼女は本当に努力をしましたが、ご夫婦は離婚することになったのです。
もちろん彼女は望まない離婚でしたから、最後まで受け容れることを拒みました。
しかしあまりに切ない顔で向き合う夫を見て
「これ以上彼を苦しめてはいけない」
と思い離婚に同意したそうです。
離婚後、好意を抱かれると拒絶したくなった彼女
その後、彼女は自分の生活のためもあって、今まで以上に仕事に打ち込むようになります。
新しいパートナーシップを持つつもりはなかったそうです。
しかし、彼女はとても誠実な女性であることには変わりはありませんから、彼女に好意を寄せる男性が複数現れたそうです。
ただ、彼女は「もう大切な人との関係で傷つくのは嫌」と感じていましたから、彼女は好意を寄せる男性の気持ちを受け取らず全てお断りしていたそうです。
「本当に私のことを思うなら、私のことを放っておいてくれればいいのに・・・」
そう思うこともあったそうです。
ただ、そんな時、彼女のことを、決して諦めず愛そうとした男性が現れたそうです。
彼女は
「私のことを何も知らないくせに、私のことが好きだって、本当に鬱陶しい・・・」
その男性のことをひどく嫌悪すらしたそうですよ。
同時に、そんな自分をも嫌悪してしまうのでしょうけどね。
気づくべきは「愛されていた」という事実だった
ある時、どうにも「男女関係で苦しくなる事が多い」とのことで、またご相談くださったんです。
そのとき、「彼女の今の問題」を伺った上で、僕は彼女にこのような話をお伝えしたんですよね。
この言葉を聞いて彼女はハッとされたんです。
それは僕もよく知っていますよ。
でもね、今ならその逆、人の愛を受け取れないってこんなに辛いんだって、分かりませんか。
あなたは、今、その好意を寄せてくれている男性を傷つけてやろう、なんて思っていないでしょう?
むしろそっとしておいてほしいだけ、なのではないでしょうか?
彼女はその話にうなずいてくださいます。
もし、その辛さが理由で、男性の好意を拒絶しているなら、あなたはまだこう思っているのかもしれない。
『私は愛されないし、どれだけ頑張っても、男性に私の思いは届かない。きっと辛い思いをするのは私』
僕もね、そう感じることを否定的に見ているわけじゃないんです。
でも、大切なことは、そこにはないように僕は思うんですよ。
ちょっとつらい話だけど、ちゃんと完了させるためにあえてお聞きします。
今、改めて伺いますよ。
元のご主人があなたを拒んだ理由は「あなたがダメだから、価値が無いから」なのでしょうか?
今のあなたなら、どう感じるでしょうか。
そして、あの時、あなたの気持ち、ご主人に届いていなかったんでしょうか?
自分が与えている罰に気づき、再び愛し合える自分へと変わること
ここで彼女は気づいていただけたようです。
離婚を経験してから
「自分の魅力や愛情が足りない、自分の努力が足りなかったから離婚になった」と思い
自分に罰を与えるかのように、誰も関わらせないように生きてきた彼女。
あのとき、夫の苦しさがわからなかったのは、私がただ必死に関係を繋ぎ止めようとしていたから。
でも、元の夫は、自分の思いが全く私に届いていなかった、と感じていたのかもしれない。
人は心にダメージを受けていると「愛されるほど辛い」と感じることがある。
もしかすると元のご主人は「私を愛したかった」「自分の気持ちを届けたかった」と思っていたのかもしれない。
でも、私がいつも一人で決めて、行動していたから・・・。
そんなことを感じ取っていただけたようです。
もう過去の話かもしれないけど、本当に長い間あなたの傍にいた「ご主人さんの願い」ってどこにあったのでしょうね?
そして、元のご主人さんはあなたに愛情も魅力も価値もないと言いたかったのでしょうか?
あなたに傷つき苦しんでいてほしいと思っていたのでしょうか?
どうでしょうね。
自分に対する罰をやめて、愛を受け取るってこういうことだと僕は思うんですね。
それはまさに、私の愛する人を、私の罰や痛みにしつづけない、ということだと思うのです。
自分に与えた罰を解き、過去から何を学び受け取るかって重要です
僕たちはたしかに望まない痛みを抱えることがあるかもしれません。
大切な人を大切にしきれず、自分を責めたくなることもあるでしょう。
ただ、そこから自分に与えた罰を解き、過去から何を学び受け取るかって重要ではないでしょうか。
そして、今回取り上げた架空の事例のように
離婚の問題が持ち上がった時には気づけなかったことを、その後のプロセスで気づくといったようなことは、カウンセリングの中では頻繁に起こることでもありますね。
そういう意味では
私達の問題は、本当の問題の意味、愛や、真実というものに気づけるまで、ココロの中にあり続けるものなのかもしれない
僕はそう思うのです。
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