深読みさんと忍耐女子

彼があなたの前でだけ揺れる理由|男性の“負の感情”を引き出してしまう女性の心理構造

悩む女性

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は、「好きな人を大切に扱う女性なのに、なぜか恋愛でなんだか報われない結末を迎えがちな皆さん」へのエールを込めてテキストを書き上げていきます。

たとえば・・・

「なんで私、いつも男性のしんどさを受け止める側になるんだろう?」

そんな疑問を抱えている方は、実は少なくないんですよね。

いわば、相手を安心させたり、弱さを出させたりするのが自然にできてしまう人っているんですよね。

ただ、この「安心させられる力」は、良い面もあれば、しんどくなる面も持つのです。

たとえば・・・

  • いつも男性から否定的な言葉を投げかけられたり。
  • ちょっと見下されたような印象を受けたり。
  • 「君は素晴らしい人だけど、一緒にはいられない」と言われることが少なくなかったり。
  • いつも恋愛の始まりはいいけど、関係が続く中で二人の空気感が重くなりすぎたり・・・。

もちろん、そうなってしまう理由はたくさん考えられるのですが、その中に

「無自覚に男性の負の感情を引き出してしまう女性」

が存在します。

もちろん悪意なんてない(あったらそれはそれでヤバい)のですよ。

今日はその“心の仕組み”と、より良い関係構築のためのヒントをできるだけさらっと解説してみようと思います。

よろしければどうぞ。


何故か男性の”負の感情”を引き出してしまう人の特徴

まず、男性の負の感情を引き出す人の特徴はこんな感じです。

  • 相手の気持ちを汲み取るのが異様に早い
  • 相手が言語化できない感情まで察して受け止めている
  • 怒りや不満を向けられても落ち着いて対処できる
  • 「大丈夫だよ」と言われるだけで安心させてしまう

この能力そのものは本当に尊いものですよ。それは間違いないことです。

いわば、あなたには「人の心を優しく包み、整えるような力」が備わっているのですから。

ただし、その力はときに“無自覚のうちに使われてしまう”ことがあるんですね。

この”無自覚”さが、ときにパートナーシップの中で問題を作ってしまうことも少なくないのです。

ここ、結構大切なポイントなのでもう少し詳しく解説します。

男性の負の感情を引き出す人は、「心の安全領域」のように作用している可能性がある

さて、「男性の負の感情を引き出す人」は、男性の「心の安全領域」のようになっている可能性があるんですね。

心理学では「安全が確保された瞬間、人は本来の情動(感情)が回復する」と言われています。

つまり、あなたの前だけ“心が動ける状態になる”から、隠していた気持ちが浮上してしまうのです。

多くの人にとって、安全な領域(安全な感じ)を感じられるときほど、心を頑なに閉じるのではなく、ゆるめることが多いのです。 

その結果、普段は言えないことも言えてしまったり、相談できなかったことも伝えることができたりするわけです。

これは「優しい先生がいる保健室」や「カウンセリングの場」のような”安全・安心な感じ”をイメージしていただくとわかりやすいかと思いますよ。

ただ、そういった安心安全な場は“普段フタをしていた感情”が動き出すという現象が起こる可能性も持つのです。

これが恋愛や夫婦関係という関係性の中で起こるとどうなるかといいますと・・・

「相手が意識していない”負の感情”を引き出してしまう」

という現象につながることがあるのです。

安心安全な感じが、男性の中の”普段隠している感情”を浮上させる

この現象が、知らず知らずのうちに起きてしまうと・・・

少なからず引き出されている側は、まぁ訳が分からないまま、

普段は隠している感情や考え、言葉や気持ちを感じる機会が増えるのです。

場合によっては、どんどん表情が曇ったり、攻撃的になったり、落ち込むことが増えたりもします。

そりゃそうですよね。

できれば感じたくない隠している感情を感じる機会が増えるのですから。

なので、感情を引き出されている側は、「普段の自分らしくいられない」と思ってしまう場合も少なくないのです。

この感覚が、今のパートナーとの関係をネガティブに感じたり、時には距離を起きたくなる理由になることも少なくないんです。

ただ、「引き出している側」がそのことを自覚しているならいいんですが、多くの場合、自覚されていないのです。

よって、相手の態度が変わったことで、ひどく傷ついてしまう人もいるのですよね・・・。

中には「私は男の人を幸せにできないんだ」ぐらい思い込んでしまう人も結構いらっしゃるのですよ。

もちろんそれは誤解なんですけどね・・・。


「心の安全領域」がしんどくなるとき

また、もしあなたが「心の安全領域」になっているとき、こんな状態になりやすいのです。

  • 相手は感情を表現して落ち着いたりスッキリするが、こちらはどんどん疲弊していく
  • あなたの気持ちや弱さは、あまり話題に上がらない
  • 「話を聴く役」ばかり担い、自分のスペースがなくなる
  • 相手の不満を受け止めながら、「私のせい?」と自責になりやすい

このような状態が長く続くと、次第にこう感じ始めます。

  • 「私は彼の感情のゴミ箱なの?」
  • 「なんで私だけ、こんなに重たいものを受け止めてるんだろう」
  • 「私のことなんて、実は見てないんじゃ?」

ここまで来ると、相手があなたを“心の安全領域”として感じている一方で、あなた自身の「心の安心・安全」は守られていない状態になります。

これはもう”とてもしんどい”状態になりますね。

いや、ほんとしんどいと思いますよ・・・。

チェックしておきたい部分は、お互いの影響力

そして、多くのケースで、こんな印象を受けるはずなんです。

「彼は最初、私をものすごく大切にしてくれていたのに、どんどん雑に扱われていく・・・」と。

ただ、よーくチェックしなければいけないのは、

  • 彼が彼の事情だけであなたを突き放しているのか?
  • 目に見えない何かを引っ張り出されているから、雑に扱うようになったのか?

その違いです。

もはやこれは心のプロでしか見分けがつかないところかもしれませんが(僕の場合、実際にご相談者様とお会いしないと見分けがつかないと思っています。)

この違いを履き違えると、関係がさらにギクシャクするのですよねぇ。

もし、こちらが相手の何かを引っ張り出している、という目に見えない作用が働いているとしたら、まずこちらがそれに気づく必要も出てきますからね。

ただし、これは「あなたが悪い」という話ではなく、“あなたが自分を守るための視点を持つ” という意味ですよ。

「目には見えないけど、そういった心理の影響がある」と知っておくと、自分を責めすぎずに次の一歩を選びやすくなるんですよね。


敏感な男性ほど「あなたの前で揺れてしまう」ことがある

さらに、ここで少しだけ補足をしておきたいことがあります。

実は男性の中には、

「彼女と一緒にいると、自分でも気づいていなかった気持ちを引っ張り出されてしまう」

と理解できる人が一定数存在します。

「彼女のことは本当に好きだし、感謝している」
「魅力も感じているし、一緒にいたいと思っている」

なのに、なぜか隣にいると気持ちが沈んでしまったり、普段通りの自分でいられないと感じてしまう。

そう感じる理由が何なのか、までは明確に把握できないにせよ、おおよそ「今の彼女との関係の影響だ」と察知する人がいるんです。

そう感じる男性は、いわば寛容さを持っていたり、物事に敏感で、共感性が高く、いわば“彼自身も人を癒やすのような性質”を持っていることが少なくありません。

だからこそ、あなたの優しさや深い理解力に触れることで、彼の中の「普段は閉じている領域」まで動いてしまうんですね。

何が言いたいかというと・・・

お互いにリスペクトし合い、お互いの魅力も理解しているのに、“自分の内側の何かが揺れすぎてしまう”ために距離を置く男性もいるということです。

つまり、関係がうまくいかなかったとき、それは必ずしも「あなたが負担を受けすぎたから」だけではなく

「彼のほうも、自分の内側の揺れに耐えきれなくなっていた」

というケースも十分にあり得るということですね。


「引き出す力」は、使い方次第で“強み”になる

あなたが持つ「相手の本音や弱さを引き出す力」は、決して悪いものではありません。

むしろ、成熟した関係では非常に大きな強みになります。

ただし、そのためには

“あなた自身の安心が守られていること”

”あなたが自分自身の影響力を自覚していること”

が必要な条件になると僕は考えています。

あなたが一方的に負担を抱えたままでは、その力はあなたを削ります。

また、あなたが自分の影響力に無自覚であれば、おそらく何度も同じ恋愛パターンを繰り返すでしょう。

しかし、あなたが自分を理解し、同時に「自分の心のスペース」を確保できれば、それは関係を深める財産になりえるんですよね。

では、その自覚をするためにどうしたらいいの?という話が残っていますが・・・

これはもう「心のプロの視点」や「恋愛経験や人生経験豊富な信頼できる人との関わり」などを借りたほうがいいように思います。

おそらく自分で自覚できているならば、問題は起きていないはずなので。

そもそも、この手の「いい意味でヤバい影響力」って、自覚したくないものなんですよねぇ・・・。

むしろ、強い影響力を持つ人ほど「自分にはなにか足りない」と思っていたほうが、怖くない分だけ、気が楽になるんです。

なので、どうしても自分だけで考えると、影響力を低く見積もりすぎてしまうのです。

つまり、適切な意識づけではなく、「私はそんなにすごい影響力を持っていない」「ま、これぐらい大丈夫じゃね?」と思いやすいというか・・・。

それこそがなんとも切ない結末を導くトリガーなんですけどねぇ・・・・。


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最後に

誰かの心の安全領域になることは、とても優しい才能です。

でも、その優しさの使い方は、あなたが選んでいいのですよ。

あなたの安心が守られたうえで関係が育つなら、それは成熟した愛。

あなたが削れていくなら、それは見直すべきサイン。

まずは、「私がダメなんじゃなくて、心の仕組みの影響かもしれない」と、そっと心のどこかに置いておいてもらえたら嬉しいです。

そのうえで、必要であれば、いつでも僕がお手伝いします。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。
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